
この記事ではスノーボードのビンディングの選び方を解説しています。いろいろな製品があるため、初心者であれば自分に合ったビンディングはどれなのか分からないことでしょう。
そのままだと扱いにくい求めていないビンディングを選ぶことになるかもしれませんね。この記事では、そうならないために必要なビンディングの知識から選び方までまとめています。
なるべく初心者でも分かりやすい内容になっているので、ビンディングの選び方を知ることができます。簡単に要点を挙げると以下の手順でビンディングを選びます。
【ビンディングの選び方】
- ビンディングの種類を決める
- 自分が取り組むジャンルを決める⇒大まかな硬さが決まる
- サイズについて
- ビンディングとブーツの相性
- ビンディングのフレックス
- ビス穴
- 予算について
この順番で選んでいけば候補を絞ることができますよ。これまで15種類以上のビンディングを買ってきた僕が解説していきます!
特にサイズの選び方が分からない人が多いと思いますが、僕なりの答えも提示しています。ちなみに、ビンディング(ドイツ語発音)とバインディング(英語発音)は同じ意味です。
スノーボードのビンディングの選び方

まず、ビンディングの選び方ですが、さまざまなことを知る必要があります。4つの必要な知識を解説していきます。その1つ目として「ビンディングのシステム」です。
これからビンディングの選び方をお伝えするため専門用語が出てきます。用語についてそれほど詳しくない方は「スノーボードのパーツの名称を知ろう!」を参考にしていください。
ビンディングの選び方①種類
ビンディングにはどのような種類(システム)があるか理解する必要があります。ビンディングの種類は「ストラップ」「リアエントリー」「ステップオン」大きく分けてこの3種類です。
主力製品としては数が多いストラップ式を選ぶことが多いです。近年だとステップオンを選ぶ人も増えています。
ビンディングの種類①ストラップ式

多くのメーカー・ブランドがストラップ式ビンディングをメイン商品としています。ラチェットと呼ばれる金具でブーツを締めあげ固定します。
一般的には、このビンディングを選ぶことが殆どになります。他のシステムは興味があればというレベルでOKです。
基本的にはこのストラップ式で問題ないです。以下は知識として知っておく程度で問題ありません。
ビンディングの種類②リアエントリー式

リアエントリーですが、一部のメーカー・ブランドで採用されています。おそらく3ブランドだけだったかと(FLOW・SP Binding・GNU)。
それほど採用されているビンディングは多くありませんが、とても便利なシステムです。ストラップ式と比べると以下のメリット・デメリットを上げることができます。
- 着脱が早い
- オフトレ施設・室内ゲレンデで重宝
- 立って装着できる
- 重い(ハイバックがアルミ製)
- リフトから降りる時に引っかかる
- 強く締められない
- 雪が詰まると取りづらい
- パウダーには不向き
- ブーツが傷みやすい
デメリットが目立ってしまいましたが、リアエントリーのビンディングを選ぶ人は「ヒトリスト」「オフトレ施設・室内ゲレンデ」「ストラップタイプだと足が痛い」これらの人にはおすすめします。
ビンディングの種類③ステップオン式

このステップオンのビンディングですが、採用すブーツが少しづつ増えています。上から、カチっとはめるだけで装着できます。そのためリアエントリー以上に装着がカンタンですね。ちなみにBURTONのテクノロジーです。
- 着脱がとてもカンタン
- オフトレ施設・室内ゲレンデで重宝
- 立って装着できる
- お値段が高くなりがち
- ブーツ・ビンディングに雪が付着すると除去する必要がある(少々なら問題ない)
基本的にはストラップを選ぶことが多いです。ただ、その着脱のカンタンさからステップオンを選択する人もかなり増えています。
自分が好きな種類を選びましょう。選び幅が広いのはストラップ式です。ステップアップがきになる場合はステップアップの評価をまとめています。

ビンディングの選び方②取り組むジャンルを決めよう
ビンディングだけでなくブーツ・板にもいえることですが、自分がどんなスノーボードジャンルに取り組むかで選択肢が大きく変わります。
スノーボードと一言で言ってしまえますが、そこにはいろいろなジャンルがあります。
スノーボードのジャンル
- キッカー・ジブ(パーク)
- ハーフパイプ
- スノーボードクロス
- グラトリ
- フリーラン
- カービング
- パウダー
- アルペン
- フリーライド
各ジャンル、ビンディングに求める性能が異なります。自分が取り組むジャンルでどんなビンディングが最適なのか知っておく必要がありますよ!参考として以下のジャンルを挙げておきます。
- グラトリ
- キッカー
- カービング
- 初心者向け⇒ジャンルではないけど参考に。
ここではこの4つについて解説していきます。
グラトリ向けビンディングの特徴
グラトリ向けのビンディングの特徴ですが、とにかくソフトなフレックス(硬さ)を選択します。あとは、ホールド感がある方が良いのかどうかは好みの分かれるところです。
グラトリはさまざまな動作があるため、板に力を伝える速度を遅くしたいと考えます。敏感すぎるとちょっとしたことで板が反応してトリックができなくなります。グラトリを低速から中速で行うなら、柔らかいビンディングを選びましょう。
高速でカービングターンの合間にグラトリを混ぜるようなラントリではソフトより少し硬めでも問題ありません。
さらにグラトリ向けのビンディングについて知りたい場合には「グラトリ向き知っておくべきビンディング11選」も参考にしてください。
キッカー向けビンディングの特徴
キッカー向けですが、ある程度は硬さがある方が良いと個人的に考えています。取り組むキッカーサイズにもよりますが、10メートル以上だとミディアムフレックスが良いでしょう。
ただ、グラブを考えるとビンディングが柔らかい方が有利になります。ポークなどいわゆる「刺す動作=スタイルを出す」場合は柔らかい方がグラブしやすく有利です。このあたりは好みで分かれます。
別記事でキッカー向けのおすすめビンディングについてまとめているため参考になれば幸いです!
カービング向けビンディングの特徴
カービングで重視することはレスポンス(反応速度)です。そのため、動作を板に素早く伝えるためにも硬いビンディングが必要になります。
また、硬いビンディングだとビックキッカー、スロープスタイルなどのジャンルにも高い適性を持っています。別の記事にてカービングにおすすめなビンディングをまとめています。
初心者向けビンディングの特徴
初心者向けのビンディングは操作性の高さです。グラトリとも共通する部分がありますが、さらに付け足すならば価格が安いことでしょう。
マイボードを初めて購入検討されている場合はなるべく費用を抑えたいもの。いきなり高価なビンディングを購入するには勇気が必要ですからね。
別の記事にて初心者向けで低価格帯でコスパが良いビンディングをまとめています。
ビンディングの選び方③サイズの選び方
ビンディングのサイズですが、これは決まった規格で統一されていません。そのため、他社メーカーのビンディングとブーツを併せるときには注意するべき点ですね。
同一メーカー・ブランドであれば、表記通りに選べば問題ないです。基本的にはメーカーごとに「S」「M」「L」「XL」で分けられていて、それぞれの対応ブーツサイズの目安を表記しています。
例えばビンディングの対応サイズが「S:22-25」「M:24-26」とサイズが被るように表示していることもあります。あなたのブーツサイズが25cmだとすると、ピッタリと合わせたい場合は「S」若干余裕をもたせたい場合は「M」と選びます。
基本的にはメーカーが異なっていても表記されているサイズを基準に併せることで問題ありません。私自身も今までいくつもブーツやビンディングを購入してきましたが、表記通り買って失敗したことは一度もありません。
ビンディングの選び方④相性(ヒールカップ)

ビンディングには相性があります。たとえば、BURTONのビンディングだとBURTONのブーツは相性がいいですよね?
同一メーカー内であれば間違いなくビンディング・ブーツはマッチします。これが別のメーカーになるとサイズ感が違う、ハイバックの高さが高さすぎるなどの不具合が起きることがあります。
大抵の場合は、問題ないのですが稀にそういったことがあります。あとは、サイズ表記を気に掛ける必要があります。
たとえば、ビンディングにブーツ適合サイズM(24~27)と記載があるとします。これは、ビンディングに合うブーツサイズの目安を表しています。そのため、ビンディングサイズがSにブーツ28㎝は装着することができないです。
またブーツは各メーカー・ブランド共に同じサイズだとしても外回りの大きさが異なることも留意する必要があります。
殆どの場合は、標記されたサイズに合わせれば問題ありません。気になる方は、実際にショップなどに行き、サイズをわせることをおすすめします。その場合は、そのショップで買うことになるでしょうけどね(笑)
とくに注意してほしいのはヒールカップです。ブーツのアキレス腱部分がしっかりと収まっているか確認しておきましょう。この部分がガバガバだと、とても扱い辛いことになります。
ビンディングの選び方⑤硬さ(フレックス)
上記の「システム」「相性」はとても基本的なことです。それよりも、少しマニアックな話になりますがビンディングの「硬さ」も気にすると良いでしょう。ビンディングにはハイバックとベースプレートと呼ばれるパーツがあります。
ハイバックはブーツを支える背の部分、ベースプレートは板とビンディングが接するプレートのことですね。その素材の硬さを意識すると良いでしょう。各メーカー・ブランドともに柔らかい・硬いビンディングをラインナップに挙げています。それぞれの特徴を確認しましょう。
柔らかいビンディング
- レスポンスが鈍重
- 低速でもコントロールしやすい
- 初心者、グラトリ、ジブなどに向いてる
柔らかいビンディングは足元で自由が利きます。低速でもボードコントロールしやすく、初心者やグラトリ向きともいえます。キッカーでは、ポークなどの大胆な空中姿勢を表現しやすいです。パウダーでも楽に板を扱うことができます。
硬いビンディング
- レスポンスが機敏
- 微妙なエッジ操作が可能
- カービング、ハーフパイプなどに向いている
ビンディングが硬いとボードへパワーをダイレクトに伝えることができます。そのため、ハイスピードでも力をボードに伝えやすいです。確実に操作を行えるため足元の安定感も増します。
カービング・ハーフパイプなどの絶妙なエッジコントロールが必要なときに有効です。また低速時には余計な力もボードに与えるため逆エッジなどを招くこともあるので注意してください。
ビンディングの選び方⑥ビス穴
スノーボードにビンディングを取り付けるために板にビス穴が開いていますが、これには注意しないと取り消しのつかないことにあるのでよく理解しておきましょう。このビス穴は4種類あります。とくにBURTON製品の購入を考えている人は知っておきましょう。

「Channel」というビス穴はBURTONオリジナルのものです。このChannel仕様の板を買っている場合は専用のビンディングを購入する必要があります。必然的にBURTONのみ選択する必要があります。
板はBURTONでビンディングは他メーカーにしたい場合はChannelだとセッティングできないので、くれぐれも注意してくださいね。

ビンディングのビス穴の互換性については上記の表を確認してください。この互換性を知らずに購入してしまうと大失敗することになるのでしっかりと確認しておいてください!
ビンディングは適切にセッティング
せっかく選んだビンディングですが、取り付け方が正しくないと台無しになります。ビンディングとボードをセッティングするには、まず「アングル」と「スタンス幅」が重要になってきます。
アングルとはビンディングの取り付け角度、スタンス幅は左右のビンディングの間隔のことを指します。この2つもいろいろとセッティングの考え方があります。
「アングル」と「スタンス幅」についは「スタンス幅とアングルについて」を参考にしてください。要点だけ挙げておきますね。
【基本的なスタンス幅とアングル】
スタンス幅:『肩幅(男性は58cm程度、女性は52cm程度)』
アングル:『前足21~30度』『後足0~-12度』
おすすめの人気ビンディングメーカー

ここでは、具体的なビンディングを販売しているメーカーを挙げてみました。どのメーカーも独自の特徴があるため甲乙つけがたいですね!
BURTON
BURTONには他者と異なるビンディングのビス穴の形式をしています。これを間違えると大変なことになるため、BURTONのビンディングと板を買うときには注意してくださいね。
BURTONのビンディング全種類の評価・注意点をまとめている記事もあるので参考になれば幸いです。

UNION
UNIONはビンディング専門のメーカーです。日本でも幅広く使われているビンディングの一流メーカーです。
そのクオリティから「UNIONしか使ったことがない」という人も少なくないでしょう。UNIONのビンディングを全てまとめています。
FLUX
今では、板・ブーツ・ビンディングまで揃えている総合メーカーです。以前はビンディング専門のメーカーでした。そのことから、クオリティについては申し分ないですね。
自分のスタイルに合ったビンディングを選んでいきましょう。FLUXの全種類のビンディングを評価している記事もあるので参考になれば幸いです。

FLOW
リアエントリー式のビンディングといえばFLOWです。長年リアエントリーにこだわり抜いて製品が開発されています。着脱が容易なため好きなスノーボーダーも多いことでしょう。
FLOWの全種類ビンディングの評価をまとめている記事もあるので参考になれば幸いです。

SALOMON
SALOMONはスノーボード・スキーの総合メーカーでもあります。その他にも多種多様なジャンルを手掛けていますね。
板・ビンディング・ブーツ共に種類が数多くあるためあなたに合うものが見つかることでしょう。SALOMONビンディングを全種類まとめている記事もあるため気になる場合はご確認ください。

RIDE
RIDEのフリースタイルモデルとして長年RIDEを牽引しています。100アルミ製のためとても丈夫で耐久力はビンディング業界随一。
マイクロディスクを採用しているため、ボードのフレックス性能、フィーリングを高めてくれるビンディングです。最近、ビンディングを一新することでさらにクオリティーが高い製品がリリースされています。

DRAKE
DRAKEはボード・ビンディングを開発販売している老舗メーカーです。別ブランドでブーツメーカー「Northwave」も展開しています。
オーソドックスなものからトレンドに合わせたビンディングがあるためコアなファンが多いメーカーですね。DRAKEのビンディングの評価をまとめている記事もあります。

スノーボードのビンディングは型落ちでもOK?
ビンディングは安いモノではありません。そのため、予算がないと型落ちを検討するといいですね。どうしても最新作が良い!という方にはお勧めできませんが、かなり安く買うことができます。
季節商品と同じですよ~!50%オフになっていることもザラにあるので、こまめに楽天市場、Amazonをチェックしてみましょう。品揃えは楽天市場が豊富です。
ここまで、ビンディングの選び方ということでまとめてきました。初心者の方からすると、ちょっといろいろと覚えることや考えることがあるのではないでしょうか?
ただ知っていると違うとでは選び方が大きく変わってくることも理解いただいたと思うので、1つステップしたビンディングの選び方に挑戦してみてくださいね!
まとめ
スノーボードのビンディングの選び方についてまとめました。あなたのビンディング選びの参考になればとても嬉しく思います。
ビンディング以外にもさまざまな用具を揃える必要があるため、まだボード・ブーツも悩んでいる場合に参考になる記事も確認してくださいね。
それではあなたのスノーボードライフがより充実しますように!