【完全版】グラトリのビンディング選び方!おすすめブランドも紹介

グラトリに挑戦したい、あるいはもっと上達したいと考えたとき、板選びと同じくらい頭を悩ませるのがビンディング選びではないでしょうか。
市場には多種多様なモデルがあふれており、どれが自分のスタイルに合っているのか、何を基準に選べば良いのか分からなくなってしまうことも少なくありません。
ビンディングは、足元の繊細な動きを板に伝えるための重要なパーツであり、その選択がグラトリのパフォーマンスを大きく左右します。
この記事では、グラトリ用ビンディングの基本的な選び方から、レベルや得意な技のスタイルに合わせた応用的な視点、さらには人気ブランドごとの特徴まで、網羅的に解説していきます。
この記事を最後まで読めば、あなたに最適な一台を見つけるための知識が身につき、自信を持ってビンディング選びができるようになるはずです。
- グラトリ向けビンディングの基本的な選び方
- レベルやスタイルに合わせた応用的な選び方
- 人気ブランドごとの特徴とおすすめモデル
- 購入前に知っておきたい予算やセッティングの知識
グラトリ向きなビンディング選びで押さえるべき基本

ビンディング選びを始めるにあたり、まずは知っておくべき基本的な要素がいくつかあります。フレックスの硬さやハイバックの形状、そしてブーツや板との相性など、これらの基本を理解することが、最適なモデルを見つけるための第一歩となります。
- グラトリに最適なフレックスの硬さ
- レスポンスを左右するハイバック
- ブーツや板との相性を確認する
- メンズ・レディースモデルの選び方のコツ
グラトリに最適なフレックスの硬さ
グラトリ用のビンディングを選ぶ上で、最も重要な要素の一つがフレックス、つまり全体の硬さです。基本的には、柔らかいフレックスのビンディングがグラトリには適していると考えられています。
なぜなら、柔らかいビンディングは足首の可動域が広く、板を細かく、そして柔軟に操作しやすいためです。プレス系の技で板をしならせたり、低速での細かい動きをコントロールしたりする際には、この柔軟性が大きなアドバンテージとなります。
また、着地の際の衝撃をある程度吸収してくれるため、ミスに対する許容範囲が広い点も初心者にとっては嬉しいポイントです。
一方で、デメリットも存在します。柔らかすぎるビンディングは、高速滑走時には安定性を欠き、足元がバタつく感覚が出ることがあります。
カービングなどでキレのある滑りを求める場合や、大きなキッカーに入るような場合は、パワー伝達の面で物足りなさを感じるかもしれません。
このように、一概に柔らかければ良いというわけではなく、自身のスキルレベルや、グラトリ以外の滑りもどの程度重視するかを考慮して、最適な硬さを見つけることが大切です。
レスポンスを左右するハイバック
ハイバックは、ビンディングのかかと側にあるパーツで、ブーツを支え、かかと側のエッジに力を伝える役割を担っています。このハイバックの形状や硬さも、グラトリの操作性に大きく影響します。
グラトリにおいては、比較的低く、そして柔らかいハイバックが好まれる傾向にあります。低いハイバックは足首周りの可動域をさらに広げ、左右への自由な動きをサポートします。
これにより、スタイルを出したひねりのある動きや、スケートボードのような感覚での操作がしやすくなります。
また、左右非対称の形状を持つものや、内側に大きく切れ込みが入っているもの、ウイング(羽)が付いているモデルなどもグラトリ向けとして人気です。
これらの特殊な形状は、プレス系の技を行う際にブーツの外側をしっかりと支え、より少ない力で板を安定して踏み込むことを可能にします。
ただし、ハイバックが柔らかすぎたり低すぎたりすると、かかと側のエッジへのパワー伝達が遅れ、反応が鈍いと感じることもあります。
スピン系の技で素早いエッジングを必要とする場合などは、ある程度の硬さと高さがあった方が操作しやすいこともあるため、自身のスタイルに合わせて選択することが鍵となります。
ブーツや板との相性を確認する
どれだけ高性能なビンディングを選んでも、手持ちのスノーボードブーツや板との相性が悪ければ、その性能を十分に発揮することはできません。ビンディングを選ぶ際には、必ずこの相性を確認する必要があります。
ブーツとの相性
最も重要なのはサイズのマッチングです。ビンディングには通常S/M/Lといったサイズ展開があり、それぞれに対応するブーツのサイズ(cm)が定められています。
メーカーによってサイズ感が異なるため、必ず自分のブーツサイズが適合範囲内にあるかを確認しましょう。
実際に店舗で合わせられるのであれば、ブーツをビンディングにはめてみて、センタリング(ブーツの中心がビンディングの中心に来るか)や、ストラップの長さが適切か、どこか一部分だけが強く圧迫される箇所はないかなどをチェックするのが理想的です。
板との相性
ビンディングと板のフレックスのバランスも考慮に入れると、より良い乗り心地につながります。一般的には、柔らかいグラトリボードには柔らかいビンディングを合わせるのがセオリーです。
これにより、板とビンディングのしなり方が同調し、一体感のあるスムーズな操作が可能になります。硬い板に柔らかいビンディングを合わせると、ビンディングが板のパワーに負けてしまい、操作性が損なわれることがあるので注意が必要です。
また、ビンディングの取り付け方式も確認が必要です。現在主流なのは2×4や4×4と呼ばれる4点留めですが、Burtonの板ではThe Channelという2点留めのシステムが採用されています。
ほとんどのビンディングは両方に対応するディスクプレートが付属していますが、購入前に念のため確認しておくと安心です。
別記事で「BURTONのThe Channel」について詳細な解説しているためBURTONのビンディングを検討している場合は確認しておきましょう。
メンズ・レディースモデルの選び方のコツ
多くのブランドでは、メンズモデルとレディースモデルが明確に分けられています。これは単にデザインの違いだけでなく、男女の平均的な体格や脚力、ブーツのサイズ感を考慮して設計されているためです。
レディースモデルは、一般的にメンズモデルよりもサイズが小さく、全体的に柔らかめに作られていることが多いです。
また、ハイバックも女性のふくらはぎの高さや形状に合わせて、メンズモデルより低く設計されている傾向があります。これにより、小柄で脚力の少ない女性でも、無理なく板を操作できるように工夫されています。
もちろん、個人の好みやスタイルによって、女性がメンズモデルを使用したり、その逆のケースもあったりします。例えば、足のサイズが大きい女性や、より高いレスポンスを求める女性ライダーがメンズのSサイズを選ぶこともあります。
重要なのは、性別で決めつけるのではなく、自分のブーツサイズや脚力、そして目指すスタイルに合ったスペックのモデルを選ぶことです。メンズ、レディースという区分はあくまで一つの目安として捉え、スペックをしっかりと比較検討することが、最適な一台を見つける近道となります。
【レベル・スタイル別】一歩進んだグラトリ向きなビンディングの選び方

基本的な選び方を理解したら、次は自分のスキルレベルや、どんな技をメインに練習したいかという「スタイル」の観点から、より深くビンディング選びを掘り下げていきましょう。ここでは、一歩進んだ選び方のヒントを解説します。
- 初心者と上級者での選び方の違い
- プレス系重視の柔軟なビンディング
- スピン系重視の反応が良いビンディング
- ジャンプ系重視の衝撃吸収性が高いモデル
初心者と上級者での選び方の違い
グラトリにおけるビンディング選びは、乗り手のスキルレベルによっても最適な選択が変わってきます。
初心者向けの選び方
グラトリを始めたばかりの初心者の場合、まずは扱いやすさとミスの許容範囲の広さを重視するのがおすすめです。具体的には、全体的に柔らかいフレックスを持つモデルが適しています。
柔らかいビンディングは、低速でも板をコントロールしやすく、意図しないエッジの引っかかり(逆エッジ)のリスクを軽減してくれます。
また、不安定な着地になった際も、ビンディングの柔軟性が衝撃を和らげ、転倒を防いでくれる助けになります。
高価なハイエンドモデルよりも、まずは基本的な性能を備えたエントリーモデルから始めて、自分のスタイルを見つけていくのが良いでしょう。
上級者向けの選び方
一方、様々な技をこなせる上級者の場合は、より高いレスポンスとサポート性能が求められます。高回転のスピンや高さのあるジャンプ系の技では、自分の動きを瞬時に、そして正確に板へ伝える必要があります。
そのため、ベースプレートやハイバックにある程度の硬さがあり、反応速度の速いモデルが好まれます。また、足首周りの自由度を確保しつつも、必要な場面ではしっかりとサポートしてくれるような、計算されたフレックスを持つモデルも人気です。
カーボンなどの軽量素材を使用したハイエンドモデルは、スイングウェイト(板を回す際の重さ)の軽減にも繋がり、より高度な技への挑戦をサポートしてくれます。
プレス系重視の柔軟なビンディング
ノーズやテールを雪面に押し付ける「プレス系」の技をメインに楽しみたい場合、ビンディング選びの鍵は「柔軟性」と「可動域」です。
このスタイルのライダーには、足首、特に左右への動きを妨げない、全体的に柔らかいフレックスのモデルが最適です。
ハイバックは低く、左右非対称の形状であったり、ウレタンのような柔軟な素材で作られていたりするものが良いでしょう。これにより、体を深く沈め、安定したプレスを長時間キープしやすくなります。
また、UNIONの「カント」やSALOMONの「シャドウフィット」のように、ベースプレート自体が足の動きに合わせて柔軟にしなるような独自の技術を搭載したモデルも、プレス系の技との相性が非常に良いです。
これらのビンディングは、足裏感覚に優れ、まるでスケートボードに乗っているかのような自由な操作感を提供してくれます。
ただし、前述の通り、極端に柔らかいモデルは高速滑走時の安定性に欠ける場合があります。ゲレンデクルージングやカービングも楽しみたいのであれば、柔軟性の中にもある程度の反発力を持つモデルを選ぶと、よりオールラウンドに楽しめるはずです。
スピン系重視の反応が良いビンディング
クルクルと華麗に回転する「スピン系」の技を得意としたいのであれば、「軽量性」と「レスポンス性能」を重視してビンディングを選びましょう。
スピンの起点となるエッジの切り替えや、回転中のボードコントロール、そして着地の安定性、これら全ての局面で、ライダーの意図を遅延なく板に伝える反応の良さが求められます。そのため、ベースプレートやハイバックには、ある程度の硬さがあり、剛性の高いモデルが適しています。
特に、ベースプレートとヒールカップが一体成型されているモデルは、力の伝達効率が高く、ダイレクトな操作感を得やすいです。また、アンクルストラップが足首をしっかりとホールドし、遊びが少ないモデルを選ぶことも、反応の良さに繋がります。
軽量性も非常に大切な要素です。ビンディングが軽ければ軽いほど、板を回す際に必要な力が少なくて済み、より高回転のスピンに挑戦しやすくなります。カーボンなどの軽量素材を使用したモデルは高価になりますが、その分パフォーマンスの向上は大きく期待できるでしょう。
ジャンプ系重視の衝撃吸収性が高いモデル
オーリーやノーリーから繰り出されるジャンプや、地形を使ったトリックなど、「ジャンプ系」の技に力を入れたい場合は、「衝撃吸収性」が最も重要な選択基準となります。
着地の際に足や膝にかかる負担は想像以上に大きく、衝撃吸収性の低いビンディングを使い続けると、怪我の原因にもなりかねません。
そのため、ベースプレートの足裏が当たる部分(フットベッド)に、厚みのあるEVA素材や特殊なクッション材が使われているモデルを選ぶことが不可欠です。
フットベッドが傾斜している「カント」が入っているモデルもおすすめです。カントは、膝が自然に内側に入るようにサポートしてくれるため、着地時の安定性を高め、膝への負担を軽減する効果が期待できます。
また、衝撃吸収性だけでなく、着地でバランスを崩した際にもしっかりとブーツを支えてくれる、ホールド性能の高いストラップも大切です。ある程度の硬さがあるハイバックは、着地時の安定感にも貢献します。
自分の体を守るためにも、ジャンプ系の技を多用するライダーは、ビンディングの衝撃吸収性能には特にこだわるべきです。
ブランド別で選ぶ!グラトリ向きビンディング徹底比較

ここからは、グラトリシーンで人気のある主要なビンディングブランドの特徴を比較し、それぞれどんなライダーにおすすめなのかを解説していきます。各ブランドの個性や哲学を知ることで、ビンディング選びがさらに楽しく、そして的確になるはずです。
- 日本人に合うFLUXのビンディング
- 操作性に定評のあるUNIONの魅力
- 王道ブランドBURTONのビンディング
- 独自の構造を持つRIDEのビンディング
- 快適性を追求したNITROのビンディング
- フィット感に優れたSALOMONのビンディング
- 独自技術が光るK2のビンディング
- コスパに優れたDRAKEのビンディング
- リアエントリー式NIDECKERの利便性
- 高いカスタマイズ性のROMEビンディング
日本人に合うFLUXのビンディング
FLUXは、「日本人の足に合う最高のバインディング」をコンセプトに掲げる日本のブランドです。そのコンセプト通り、国内の多くのスノーボーダーから絶大な支持を得ています。
最大の特徴は、フィット感と快適性の高さです。特に独自開発のストラップは評価が高く、ハニカム構造の「ハニカムストラップ」や、網目状でブーツを面で包み込む「ワッフルストラップ」は、強力なホールド性能と快適な付け心地を両立させています。
グラトリにおいては、柔軟な動きに対応するモデルが人気です。例えば「DS」はブランドを代表する定番モデルで、自由度の高いウイング付きのハイバックと、柔軟ながらも反発力のあるベースプレートを備え、多くのグラトリライダーに愛用されています。初心者から上級者まで、幅広いレベルのライダーにおすすめできるブランドです。
>>>さらにFLUXでグラトリにおすすめなビンディングを見る
操作性に定評のあるUNIONの魅力
UNIONは、アメリカ・シアトル発のビンディング専門ブランドで、その革新的な技術と高い品質で世界中のライダーから支持されています。
UNIONのビンディングは、業界最軽量クラスの軽さと、ダイレクトな操作感が持ち味です。特に、ベースプレートとヒールカップの接続部分を最小限に抑えた「ミニディスク」は、板のフレックスを最大限に引き出し、足裏感覚に優れた繊細なボードコントロールを可能にします。
グラトリシーンでは、「STRATA」や「ULTRA」といったモデルが非常に人気です。これらのモデルには、通常よりも柔らかく、スケートボードのトラックのような動きをするブッシングが採用されており、これまでにない自由な足元の動きを実現します。
プレス系の技を極めたいライダーや、足裏で板を操る感覚を重視するライダーにとって、最高の選択肢の一つとなるでしょう。
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王道ブランドBURTONのビンディング
スノーボード業界のリーディングカンパニーであるBURTONは、ビンディングにおいても数多くの革新的な製品を世に送り出してきました。
BURTONのビンディングは、その完成度の高さと信頼性が魅力です。長年の研究開発によって培われた人体工学に基づいた設計は、快適なフィット感と効率的なパワー伝達を実現します。
グラトリにおいては、「GENESIS」や「CARTEL」といったモデルが定番として知られています。これらは、柔軟性とレスポンスのバランスが絶妙で、あらゆるスタイルに高次元で対応します。
また、ストラップを締めなくてもヒールカップにブーツをはめるだけで装着が完了する「STEP ON」システムも注目されています。
リフトを降りてすぐに滑り出せる利便性は、グラトリの練習時間を最大限に確保したいライダーにとって大きなメリットです。ただし、専用のブーツが必要になる点には注意が必要です。
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独自の構造を持つRIDEのビンディング
RIDEは、独創的なアイデアと高い耐久性で知られるアメリカのブランドです。ビンディングにおいては、アルミ製のシャーシ(フレーム)が特徴的です。
多くのブランドがナイロンやグラスファイバー製のベースプレートを採用する中、RIDEはアルミ製にこだわり続けています。
これにより、非常に高い耐久性と、ダイレクトなレスポンス性能を実現しています。ビンディングをハードに使い込むライダーや、キレのある滑りを求めるライダーから高く評価されています。
グラトリ向けとしては、ウレタン素材を使用した「スライムバック」搭載モデルがおすすめです。この柔軟なハイバックは、アルミシャーシの持つ高い反応性を維持しつつ、グラトリに必要な自由な動きを可能にします。「C-4」や「C-6」がおすすめです。
少し変わった乗り味を求めるライダーや、人と違うギアを使いたいライダーは、一度試してみる価値があるでしょう。
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快適性を追求したNITROのビンディング
NITROは、ヨーロッパを代表するスノーボードブランドの一つで、その洗練されたデザインと快適な乗り心地に定評があります。NITROのビンディングの大きな特徴は、足元の快適性を追求した機能です。
例えば、ベースプレートとブーツの間にミニディスクを挟み、空気の層を作ることで衝撃吸収性を高める「エアダンピング」や、足首の血流を妨げにくいケーブル内蔵のトゥストラップなど、長時間のライディングでも疲れにくい工夫が随所に凝らされています。
グラトリ向けとしては、ベースプレートのヒール部分が柔軟に動く「ステルスエアベースフレーム」を採用した「TEAM」や「ZERO」といったモデルが人気です。
これらのモデルは、快適な付け心地と自由度の高い操作性を両立しており、一日中パークで遊びたいライダーや、足への負担を軽減したいライダーに最適です。
フィット感に優れたSALOMONのビンディング
フレンチアルプスで生まれたSALOMONは、スキーで培ったノウハウを活かし、フィット感と機能性に優れたスノーボード用品を開発しています。
SALOMONのビンディングを語る上で欠かせないのが、独自の「シャドウフィット」テクノロジーです。
これは、ヒールカップにワイヤーを内蔵した柔軟な素材を使用することで、ブーツの動きに合わせてヒールカップが変形し、まるでビンディングが存在しないかのような一体感を生み出す画期的な技術です。
このテクノロジーを搭載した「DISTRICT」は、グラトリライダーから絶大な支持を受けています。足首の自由度が非常に高く、プレスやツイスト系の技が驚くほどやりやすくなります。
足裏感覚を重視し、ボードとの一体感を求めるライダーにとって、シャドウフィットは唯一無二の体験を提供してくれるでしょう。
>>>さらにSALOMONでグラトリにおすすめなビンディングを見る
独自技術が光るK2のビンディング
K2は、常に革新的な技術を製品に取り入れることで知られるブランドです。ビンディングにおいても、ユニークなアイデアが光ります。
K2の最大の特徴は、ベースプレート全体がウレタン素材で作られた「トライポッドシャーシ」です。足裏の3つのポイントでパワーを伝達するというコンセプトで設計されており、不要な部分を削ぎ落とすことで、軽量化と柔軟なボードフィールを実現しています。
グラトリにおいては、このトライポッドシャーシがもたらす自由な足元の動きが大きな武器になります。ブーツとビンディングが一体となってしなるような感覚は、プレス系の技で特にその真価を発揮します。
また、全てのパーツをネジなしで調整できる「ツールレスアジャストメント」機能も、ゲレンデでの細かなセッティング変更を容易にしてくれる便利な機能です。
コスパに優れたDRAKEのビンディング
DRAKEは、イタリアの老舗ブランドで、高品質ながらも比較的手に取りやすい価格帯の製品を多くラインナップしているのが魅力です。
コストパフォーマンスの高さがDRAKEの大きな特徴ですが、決して性能に妥協しているわけではありません。例えば、ベースプレートとハイバックの接合部にダンパーを搭載し、衝撃吸収性を高めるなど、独自の技術も持っています。
グラトリ向けとしては、「RELOAD」や「KING」といったモデルが人気です。これらは、柔らかめのフレックス設定で扱いやすく、初心者から中級者のステップアップに最適なモデルと言えます。
限られた予算の中で、できるだけ性能の良いビンディングを手に入れたいと考えているライダーにとって、DRAKEは非常に心強い選択肢となるはずです。
リアエントリー式NIDECKERの利便性
NIDECKERは、100年以上の歴史を持つスイスの老舗ブランドで、傘下にはFLOWやJONESといった有名ブランドを抱えています。
NIDECKERビンディングの特徴は、傘下ブランドであるFLOWの技術を継承した「リアエントリーシステム」です。これは、ハイバックを後ろに倒してブーツをかかとから滑り込ませ、ハイバックを起こすだけで装着が完了するという画期的なシステムです。
ストラップを毎回締める必要がないため、リフトを降りてからの装着が圧倒的に速く、スムーズに滑り出すことができます。
この利便性は、何度もハイクアップして練習を繰り返すグラトリライダーにとって大きなメリットです。
また、一度セッティングを出せば常に同じフィット感が得られるという利点もあります。装着の手間を少しでも省き、滑る時間を最大限に確保したいライダーにおすすめです。
高いカスタマイズ性のROMEビンディング
ROME SDSは、ライダー主導の製品開発を掲げるブランドで、細部までこだわった機能性と高いカスタマイズ性が魅力です。
ROMEのビンディングは、ライダーの好みに合わせて細かくセッティングを調整できる点が特徴です。例えば、ハイバックのローテーション(角度調整)の幅が広かったり、アンクルストラップの取り付け位置を変更できたりと、自分だけの最適なポジションを見つけ出すことが可能です。
グラトリ向けとしては、ウルトラライトなアンクルストラップと、柔軟なハイバックを備えた「KATANA」や「390 BOSS」といったモデルが人気です。
これらのモデルは、ライダーの動きに柔軟に追従しながらも、必要な場面ではしっかりとサポートしてくれます。
自分の滑りに合わせてビンディングを細かく調整し、パフォーマンスを追求したいという探究心旺盛なライダーに最適なブランドです。
購入前に!予算とセッティングの知識

自分に合ったビンディングの方向性が見えてきたら、最後は購入に関する具体的な知識です。予算の考え方や、お得に手に入れるための注意点、そして購入後の正しいセッティング方法について理解を深めておきましょう。
- 予算で選ぶ!価格帯別おすすめモデル
- 型落ちや中古品を選ぶ際の注意点
- ビンディングの正しいセッティング方法
- まとめ:最適なグラトリ ビンディング 選び方
予算で選ぶ!価格帯別おすすめモデル
ビンディングの価格は、使用されている素材や搭載されている機能によって大きく異なります。ここでは、価格帯ごとの一般的な特徴を解説します。
2万円~3万円台(エントリーモデル)
この価格帯は、主にグラトリ初心者や、まずは手頃なモデルで始めたいという方におすすめです。基本的な性能はしっかりと押さえつつ、素材をナイロンベースにすることで価格を抑えています。
耐久性は上位モデルに劣る場合がありますが、グラトリを始めるには十分な性能を持っています。具体的には、DRAKE「KING」やSALOMON「RHYTHM」などがこの価格帯の代表的なモデルです。
3万円~5万円台(ミドルレンジモデル)
最も選択肢が豊富で、多くのグラトリライダーが使用しているのがこの価格帯です。各ブランドの主力モデルが揃っており、グラスファイバーを混ぜて反応性を高めたベースプレートや、フィット感の高いストラップなど、上位モデルの技術が採用され始めます。
性能と価格のバランスが良く、初心者から上級者まで満足できるモデルが見つかるでしょう。例えば、FLUXの「DS」、UNION「STRATA」や「ULTRA」などが非常に人気が高く、多くのグラトリライダーに選ばれています。
5万円以上(ハイエンドモデル)
軽量なカーボン素材を使用したり、ブランドの最新技術が惜しみなく投入されたりしているのが、この価格帯のハイエンドモデルです。驚くほどの軽さと、圧倒的なレスポンス性能を誇ります。
価格は高価になりますが、パフォーマンスを少しでも向上させたいと考える上級者や、大会に出場するようなライダーにとっては、強力な武器となります。
ROME「KATANA」、BURTON「ウェイブレンジStepOn」など、ブランドの技術の粋を集めたモデルがこのカテゴリーに含まれます。
型落ちや中古品を選ぶ際の注意点
最新モデルでなくても、1~2年前の「型落ちモデル」であれば、新品を定価よりも安く購入できることがあります。デザインや細かな機能変更が気にならなければ、非常に賢い選択と言えます。
また、フリマアプリや中古ショップで中古品を探すという方法もあります。ただし、中古品には注意が必要です。ビンディングは、使用に伴いプラスチック部品が劣化(加水分解)したり、目に見えない部分にダメージが蓄積されたりしている可能性があります。特に、製造から5年以上経過したモデルは、滑走中に突然破損するリスクも高まります。
中古品を購入する際は、ラチェット(ストラップを締める金具)が正常に機能するか、ストラップの表皮が剥がれていないか、ベースプレートやハイバックにひび割れがないかなどを、入念にチェックすることが大切です。安全に関わるパーツですので、少しでも不安な点があれば購入は見送るのが賢明です。
ビンディングの正しいセッティング方法
ビンディングを購入したら、自分のブーツに合わせて正しくセッティングすることが、その性能を100%引き出すために不可欠です。主な調整箇所は以下の通りです。
1. センタリング
ブーツをビンディングに装着し、板に取り付けた状態で、ブーツのつま先とかかとが、板のエッジから均等にはみ出すように調整します。これをセンタリングと呼びます。センタリングがずれていると、ターン時にブーツが雪面に接触し(ドラグ)、転倒の原因になります。ディスクプレートの穴の位置をずらして調整しましょう。
2. ストラップの長さ調整
アンクルストラップとトゥストラップの長さを調整します。ブーツを装着した状態でラチェットを締め、ストラップの中心がブーツの中心に来るように、ストラップの根元部分で長さを調整します。ラチェットを締めた際に、ギザギザのラダー部分が数メモリ余るくらいが適正です。
3. ハイバックのフォワードリーン調整
ハイバックの前傾角度を調整することをフォワードリーン調整と呼びます。角度を付ける(前に倒す)と、かかと側のエッジへの反応が速くなりますが、足首の可動域は狭まります。グラトリにおいては、可動域を広く保つために、フォワードリーンはあまり付けない(0度に近い)セッティングが一般的です。
これらのセッティングは、一度で完璧に決まるとは限りません。実際に滑ってみて、違和感があればその都度微調整を繰り返しながら、自分にとって最も快適で操作しやすいポジションを見つけ出していくことが上達への近道です。
まとめ:最適なグラトリ ビンディング 選び方
この記事では、グラトリ向けのビンディング選びについて、基本的な知識からブランド別の特徴、セッティング方法まで詳しく解説してきました。最後に、最適な一台を見つけるための重要なポイントをまとめます。
- グラトリには基本的に柔らかいフレックスのビンディングが適している
- 柔らかいモデルは板の操作がしやすくミスにも寛容
- 高速滑走やカービングも重視するならある程度の硬さも必要
- ハイバックは低く柔らかいものが足首の自由度を高める
- ウイング付きハイバックはプレス系の技をサポートする
- ブーツとビンディングのサイズ適合は必ず確認する
- 板とビンディングのフレックスのバランスを合わせるのが理想
- 初心者は扱いやすい柔らかめのモデルから始めるのがおすすめ
- 上級者は軽量でレスポンス性能の高いモデルを選ぶ
- プレス系なら柔軟性、スピン系なら反応性、ジャンプ系なら衝撃吸収性を重視
- FLUXはフィット感、UNIONは足裏感覚、BURTONは完成度の高さが魅力
- 各ブランドの独自技術や特徴を理解して比較検討する
- 予算に応じてエントリー、ミドル、ハイエンドから選択する
- 中古品は劣化や破損のリスクがあるため慎重に選ぶ
- 購入後は必ずセンタリングやストラップの調整を行う