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【SALOMON】OVERCASTの評価は?万能性と操作性を徹底レビュー

SALOMON「OVERCAST」の評価
まさやん
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SALOMONのスノーボード、OVERCASTについて、実際の評価やレビューが気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、フリーライディングの新たな可能性を提示するSALOMON「OVERCAST(オーバーキャスト)」の性能を徹底的に掘り下げます。

パウダーコンディションでの浮力や扱いやすさ、ゲレンデでのカービング性能、さらにはフリースタイルへの適応力まで、様々な角度からその実力を評価、詳細なレビューをお届けします。

OVERCASTがどのようなライダーに適しているのか、その魅力と実力を詳しく解説していきますので、ボード選びの参考にしてください。

この記事で分かること
  • OVERCASTの主要なスペックと搭載技術
  • 様々な雪質に対応する汎用性の高さ
  • パウダーや圧雪バーンでの滑走特性
  • フリースタイルへの適応性と操作性

SALOMON「OVERCAST」の基本スペックと搭載技術の評価

対象メンズ
形状キャンバー
(クロスプロファイルキャンバー)
シェイプディレクショナル
ボードの硬さ10段階中6(普通)
対象レベル中級者から上級者
サイズ144,147,150,152,156,159,162W

採用されているテーパードディレクショナルシェイプ

SALOMON「OVERCAST」に採用されているテーパードディレクショナルシェイプは、スノーボードの進行方向が基本的に決まっている形状を指します。具体的には、板の先端部分(ノーズ)の幅が後端部分(テール)よりも少し広くなっているのが特徴です。

この形状により、特にパウダースノーのような深雪を滑る際に、ノーズが雪に沈み込みにくくなり、自然と浮き上がりやすくなります。これにより、ライダーは余計な力を入れずに楽に滑走を楽しむことができます。

また、圧雪されたゲレンデでのカービングターンにおいてもメリットがあります。ノーズが広いため、ターンのきっかけを作りやすく、スムーズなターン導入をサポートしてくれます。

OVERCASTではテールに向かって細くなるテーパー形状と、ビンディングの取り付け位置が少し後ろに設定されている(セットバック20mm)ことで、よりパウダーでの浮力と操作性を高めています。

独自のクロスプロファイルキャンバー構造とは

SALOMON「OVERCAST」が採用するクロスプロファイルキャンバー構造は、サロモン独自のハイブリッドキャンバーの一種です。この構造は、スノーボードの滑走面形状において、複数の利点を組み合わせることを目的としています。

具体的には、両足間の部分は伝統的なキャンバー形状(ボード中央が雪面から浮き上がり、アーチ状になっている)を採用しています。これにより、エッジのグリップ力が高まり、ターン時の安定性や反発力を得やすくなります。

一方で、両足の外側からノーズとテールにかけてはロッカー形状(ボードが雪面に対して反り上がっている)になっています。このロッカー部分がパウダースノーでの浮力を生み出し、操作性を向上させます。

このように、キャンバーの持つ反発力や安定感と、ロッカーの持つ浮力や操作のしやすさをバランス良く組み合わせたのがクロスプロファイルキャンバー構造であり、多様な雪質や滑り方に対応できる汎用性の高い構造と言えます。

ミディアムフレックスがもたらす操作性

SALOMON「OVERCAST」のフレックス(板の硬さ)は、ミディアム(5段階中3.5)に設定されています。このミディアムフレックスは、硬すぎず柔らかすぎない、バランスの取れた硬さと言えます。

このフレックス設定により、ライダーは板を比較的コントロールしやすくなります。例えば、ターンの際には板をしならせて操作しますが、ミディアムフレックスであれば適度な力で板を反応させることができます。

また、ある程度の反発力も備えているため、ターンからの抜けやオーリー(ジャンプ)などのトリック時にもパワーを伝えやすいです。

硬すぎる板は高速安定性に優れますが低速での操作が難しく、逆に柔らかすぎる板は操作が楽な反面、高速域での安定感や反発力に欠けることがあります。

ミディアムフレックスは、これらのバランスを取り、初心者から中級者まで幅広い層のライダーにとって扱いやすく、多様なコンディションや滑りのスタイルに対応できる操作性を提供します。

OVERCASTが「フリーライディングのポテンシャルを多くのスノーボーダーに広げるために生まれた」モデルであることとも合致しています。

Sintered BaseとPopster Boosterの相乗効果

SALOMON「OVERCAST」には、滑走性能を高めるためにSintered Base(シンタードベース)とPopster Booster(ポップスターブースター)という2つの技術が搭載されています。これらはそれぞれ異なる役割を持ちながら、相乗効果によってライディングの質を向上させます。

Sintered Baseは、加熱圧縮して作られた高密度の滑走面素材です。このベースはワックスの浸透性が高く、しっかりとワックスを塗ることで優れた滑走性能を発揮します。特にスピードを出しやすく、様々な雪質で安定した滑りを提供し、加速性を確保します。

一方、Popster Boosterは、板のコア(芯材)の厚みに変化を持たせるPopster構造に加えて、バインディングの外側からノーズとテールに向けて放射線状にカーボン素材を配置した技術です。

これにより、板の反発力が向上し、オーリー時の高さやターン時のキレが増します。また、足元から伝わるパワーを効率よくボードに伝え、安定したライディングを可能にします。

これらの相乗効果として、Sintered Baseによる高い滑走性と加速力に、Popster Boosterによる反発力と安定性が加わることで、高速域でのコントロール性能が向上し、ターンやトリックにおけるレスポンスの良い、ダイナミックな滑りが可能になります。

SALOMON「OVERCAST」の滑走性能と適応ジャンルを徹底評価

適性が高いジャンル

オールラウンド

カービング
フリーラン
パウダー
グラトリ(弾き系)
グラトリ(乗り系)
ラントリ
キッカー(小~中)
キッカー(中~大)
ジブ

オールマウンテンでの高い汎用性

SALOMON「OVERCAST」は、ゲレンデの圧雪バーンから非圧雪のパウダーゾーン、さらには多少の地形遊びまで、山全体を一本で楽しむことを目指して設計されたスノーボードです。この高い汎用性を実現しているのは、板の形状や構造にあります。

採用されているクロスプロファイルキャンバーは、足元のグリップ力とターン時の反発力を確保しつつ、ノーズとテールのロッカー形状がパウダーでの浮力や凹凸のある地形での操作性を高めます。

また、テーパードディレクショナルシェイプは、パウダーでの浮力を助け、ターンの導入をスムーズにします。硬すぎず柔らかすぎないミディアムフレックスも、様々な雪質や滑りのスタイルに対応しやすく、ライダーの意図通りに板をコントロールする手助けとなります。

これらの要素が組み合わさることで、OVERCASTは多様なコンディションで安定したパフォーマンスを発揮し、幅広いスノーボーダーがフリーライディングの楽しさを存分に味わえる板となっています。

パウダーコンディションでの浮力と扱いやすさ

SALOMON「OVERCAST」は、パウダースノーの中でも優れた浮力と扱いやすさを提供するように設計されています。その秘密の一つは、テーパードディレクショナルシェイプにあります。

これは、板の先端(ノーズ)が後端(テール)よりも幅広くなっている形状で、新雪にノーズが沈み込むのを防ぎ、自然と浮き上がりやすくします。

さらに、ビンディングの取り付け位置が少し後ろにずらされている(セットバック)ことも、パウダーでの浮力を高めるのに貢献しています。

独自のクロスプロファイルキャンバー構造もポイントです。ノーズ部分が反り上がったロッカー形状になっているため、雪面との抵抗が減り、スムーズな滑り出しと浮遊感を得られます。

ミディアムフレックスの板のしなりやすさも相まって、深雪の中でも比較的楽に板を操作でき、軽快なターンを楽しむことができるでしょう。これらの特徴により、OVERCASTはパウダーライディングの楽しさをより多くの人に届けてくれます。

ゲレンデカービングでのエッジホールド

SALOMON「OVERCAST」は、圧雪されたゲレンデでのカービングターンにおいても、しっかりとしたエッジホールドを発揮します。これは主に、板の滑走面形状であるクロスプロファイルキャンバーによるものです。

両足間の部分は伝統的なキャンバー形状(弓なりに反っている)になっており、この部分がターン中に雪面をしっかりと捉え、エッジのグリップ力を高めます。これにより、ターン中に板がズレにくく、安定したシャープなカービングが可能です。

また、Popster Boosterという技術もエッジホールドとターン性能の向上に貢献しています。これは板の反発力を高める構造で、ターン後半の抜けや次のターンへの切り返しをスムーズにし、キレのあるライディングをサポートします。

さらに、Quadraticサイドカットという複数の円弧を組み合わせたサイドカーブ形状が、ターンの導入を容易にし、ターン中のコントロール性を高め、スムーズなエッジトゥエッジの切り替えを助けます。これらの要素が融合することで、ゲレンデでの気持ち良いカービングターンを実現します。

パークやフリースタイルでの可能性

SALOMON「OVERCAST」は、主にオールマウンテンやフリーライドを得意とするモデルですが、パークやフリースタイルといった遊び方にも対応できる可能性を秘めています。

その理由の一つが、ミディアムフレックス(5段階中3.5)という板の硬さです。硬すぎないため、ジャンプの踏み切りや着地、ジブアイテムへのアプローチなどで板を扱いやすく、ある程度の反発力も備えているため、オーリー(板をしならせて飛ぶトリック)などもしやすいでしょう。

Popster Booster技術は、板の反発力を高めるため、ジャンプ時の高さを出しやすく、スピン系のトリックにもキレを与えてくれます。

ただし、本格的なパーク専用ボードと比較すると、重量や取り回しの面で若干の制約があるかもしれません。

しかし、ゲレンデを滑りながら自然の地形でジャンプしたり、簡単なトリックを織り交ぜたりといったフリースタイルな滑りを楽しむには十分な性能を持っています。OVERCASTは、フリーライドを軸にしつつも、遊び心を持って山全体を楽しみたいライダーにとって、良い選択肢となるでしょう。

安定したライディングを支えるコントロール性能

SALOMON「OVERCAST」は、ライダーが安心して板を操作し、安定したライディングを楽しめるように様々な工夫が凝らされています。

その中心的な役割を担うのが、Popster Boosterというテクノロジーです。これは、板の芯材の厚みを部分的に変え、さらにカーボン素材を効果的に配置することで、板の反発力を高めると同時に、足元からのパワー伝達をスムーズにし、バタつきを抑える効果があります。

また、ミディアムフレックスに設定された板の硬さも、コントロール性能に貢献しています。硬すぎないことでライダーの脚力を過度に要求せず、様々な雪質やスピード域で板を扱いやすくしています。一方で、適度なハリがあるため、高速時にも安定感を失いにくく、ターン中の予測外の挙動も抑えてくれます。

さらに、クロスプロファイルキャンバー構造により、足元のグリップがしっかり確保されるため、ターン中の安定性が向上します。

これらの要素が組み合わさることで、OVERCASTは多様なバーンコンディションにおいて、ライダーに信頼感と安心感を与え、ライディングに集中できるコントロール性能を提供します。

まとめ:SALOMON「OVERCAST」の評価について

SALOMON「OVERCAST」は、高い汎用性が魅力のスノーボードです。テーパードディレクショナルシェイプはパウダーでの浮力とスムーズなターン導入を実現し、独自のクロスプロファイルキャンバー構造はエッジグリップ、反発力、浮力、操作性を見事に両立させています。

硬すぎず柔らかすぎないミディアムフレックスは、幅広いライダーにとって扱いやすく、多様な雪質に対応するコントロール性能をもたらします。さらに、滑走性の高いSintered Baseと、反発力と安定性を高めるPopster Booster技術の相乗効果で、高速域でもダイナミックなライディングが可能です。

これらの特徴により、OVERCASTは圧雪バーンでのカービングからパウダー、フリースタイルまで、山全体で安定したパフォーマンスを発揮し、多くのスノーボーダーにフリーライディングの楽しさを提供するモデルとして評価されています。

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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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