2021.11.03 2025.12.14

【NITRO】SQUASHの評価はパウダー適性も高いオールマウンテンなボード！

まさやん

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「パウダーもカービングも、これ1本で高レベルに楽しみたい」

そんな欲張りなスノーボーダーたちの間で、NITRO SQUASH（ナイトロスカッシュ）の評価が非常に高まっているのをご存知でしょうか。独特なテール形状に目を奪われがちですが、実際に乗ってみるとそのポテンシャルの高さに驚かされます。

ただ、ネット上で「NITRO SQUASH 評価」や「試乗レビュー」、「カービング性能」、「パウダー浮力」といったキーワードで検索しても、カタログスペックばかりで「実際のところ、どうなの？」というリアルな声が見つかりにくいと感じている方も多いはずです。

また、「型落ち」モデルでも十分なのか、それとも最新モデルを買うべきかも悩みどころですよね。この記事では、実際に雪山でSQUASHを乗り回した経験をもとに、その魅力を余すことなくお伝えします。

記事のポイント

SQUASHのスペックや独自の形状がもたらすメリット
カービングやパウダーなど得意ジャンルの詳細
購入前に知っておくべき苦手なシーンや注意点
比較検討すべきライバルモデルや型落ち情報の有無

NITRO SQUASHのスペック評価と特徴
ジャンル別NITRO SQUASHの評価

NITRO SQUASHのスペック評価と特徴

【NITRO】SQUASH

まずは、NITRO SQUASHがどのような板なのか、そのスペックを客観的なデータと実際のフィーリングを交えて整理しておきましょう。

項目	詳細スペック
シェイプ	テーパード・スワローテール
形状	トゥルーキャンバー（完全なキャンバー）
フレックス	ミディアム〜ハード（10段階中7〜8程度）
セットバック	-15mm（サイズにより微差あり）
コア	パワーコア2
ソール	シンタード・スピードフォーミュラHD

独自のシェイプと構造の特徴

この板を語る上で避けて通れないのが、やはりこのスワローテールと角ばったノーズのデザインですね。一見すると「パウダー専用機かな？」と思わせる形状ですが、実際にリフトを降りてコースに立った瞬間、その印象は良い意味で裏切られます。

この独特なテール形状、単なるデザインではありません。実際にターン後半で踏み込むと、テールの角が雪面にしっかりと食いつき、まるでレールの上を走っているかのような安定感を生み出してくれるんです。

通常のスワローテールだとテールが抜けすぎてしまうことがありますが、SQUASHは「四角い」形状のおかげで、最後までエッジグリップを残しつつ、必要なタイミングでスッと抜けてくれる絶妙なバランスに仕上がっています。

また、ノーズからテールにかけて幅が狭くなる「テーパードシェイプ」が採用されているため、ターン導入が非常にスムーズです。「見た目は個性的だけど、乗り味は驚くほど素直」というのが、多くのユーザーが抱く第一印象ではないでしょうか。

採用されているキャンバー形状

最近はハイブリッドキャンバーやロッカー形状のパウダーボードが多い中、SQUASHはあえてトゥルーキャンバー（完全なキャンバー）を採用しています。これがこの板の評価を決定づける大きな要因です。

実際に圧雪バーンでエッジを立てた瞬間、キャンバー特有の強力な反発とグリップ力を感じます。「パウダーボードだと思って乗ると、カービングボード並みのキレに驚く」というのは、まさにこのキャンバーのおかげです。

ロッカーボードのようなルーズな操作感ではなく、自分が入力した分だけダイレクトに返ってくるレスポンスの良さが特徴です。

そのため、朝一のパウダーを滑った後、そのまま午後の荒れたバーンや圧雪コースでも、板を履き替えることなくガンガン攻められるのです。

正直なところ、ルーズな乗り味を求めている人には少し「窮屈」に感じるかもしれませんが、「自分で板をコントロールして滑りたい」という中上級者にはたまらない乗り味だと言えます。

フレックスとトーションの設定

手で板を煽ってみると分かりますが、フレックス（板のしなり）は結構硬めです。特にトーション（ねじれ）もしっかりしており、高速域でのバタつきを抑える設計になっています。

この硬さがもたらすメリットは、なんといっても高速安定性です。荒れたバーンでも板が暴れにくく、強引に突っ込んでいける安心感があります。私自身、かなりのスピードを出して滑ってみましたが、足元のドッシリとした安定感は、まるで戦車のような頼もしさを感じました。

一方で、低速での操作には少しパワーが必要です。脚力に自信がない方や、体重が軽い方だと、最初は「板が言うことを聞かない」と感じるかもしれません。ただ、スピードに乗ってしまえば、その硬さが逆に強力な武器へと変わります。

「優しく扱ってくれる板」ではなく、「乗り手が積極的に踏んでいくことで真価を発揮する板」という表現が一番しっくりきますね。

検討すべき型落ちモデルの有無

【NITRO】SQUASH 型落ちモデル

NITRO SQUASHは非常に人気のあるモデルなので、毎シーズン継続してリリースされています。そこで気になるのが「型落ちモデルでも良いのか？」という点ですよね。

結論から言うと、型落ちモデルでも性能的には全く問題ありません。基本的なシェイプやキャンバー構造は、ここ数年大きな変更は加えられていないからです。毎年の変更点は主にグラフィック（デザイン）の違いがメインとなります。

もちろん、最新モデルの方がソールの素材が微妙にアップデートされていたり、コア材の配置が見直されていたりすることはありますが、体感レベルで劇的に乗り味が変わるほどの変更は少ないのが現状です。

もし予算を抑えたいのであれば、1〜2年前の型落ちモデルを狙うのは非常に賢い選択です。浮いた予算で良いビンディングやブーツを揃えた方が、トータルでの満足度は高くなるはずですよ。ただし、人気サイズはすぐに売り切れてしまうので、見つけたら即決断することをおすすめします。

ライバルモデルとの比較と違い

「SQUASHもいいけど、似たような板と迷う…」という方のために、よく比較対象に挙がるモデルとの違いを整理しておきましょう。

よく比較されるのが、**KORUA Shapesの「Tranny Finder」**あたりではないでしょうか。どちらも「カービングもできるパウダーボード」という立ち位置ですが、乗り味には明確な違いがあります。

Tranny Finderはかなり幅広で、面で滑る感覚が強いのに対し、SQUASHはもう少しエッジを使った鋭いターンが得意な印象です。より「スノーボードらしい」クイックな切り返しを求めるならSQUASH、サーフライクなフロー感を求めるならKORUA、といった選び分けができるでしょう。

また、JONESの「Storm Chaser」なども比較されますが、あちらはロッカー形状が強く、よりパウダーやツリーランに特化しています。「圧雪バーンでのカービング性能」を重視するなら、間違いなくSQUASHに軍配が上がります。

結局のところ、**「一本で山全体を高速で駆け抜けたい」**という欲張りなニーズに対して、最もバランスよく応えてくれるのがSQUASHというわけです。

ジャンル別NITRO SQUASHの評価

【NITRO】SQUASH

スペックを理解したところで、次は実際に各ジャンルでどのようなパフォーマンスを発揮するのか、私の体験をもとに点数化して解説していきます。

ジャンル	評価点	一言コメント
カービング	5.0	パウダーボードとは思えないキレ味。最強クラス。
フリーラン	4.5	荒れた雪面も蹴散らして進む走破性が魅力。
パウダー	4.5	スワローテールが沈み込み、抜群の浮力を発揮。
グラトリ（弾き）	2.0	キャンバーなので反発はあるが、硬くて重い。
グラトリ（乗り）	1.0	プレスは困難。専用機を使うべき。
ラントリ	2.5	スピードに乗ったリバースターン等は可能だがシビア。
キッカー（小〜中）	2.0	抜けは良いが、着地での許容範囲が狭い。
キッカー（中〜大）	3.5	安定感があるので、ストレートジャンプなら安定する。
ジブ	1.0	ソールも傷むし硬いので不向き。おすすめしない。

ジャンル別評価表（5点満点）

圧雪バーンでのカービング性能

この板の真骨頂は、実はパウダー以上にカービング性能にあると言っても過言ではありません。

エッジを立てて踏み込むと、有効エッジが最大限に活かされ、雪面にナイフを突き刺したかのようなグリップ感を味わえます。特にヒールサイドターンにおいて、一般的なパウダーボードだと抜けやすい場面でも、SQUASHはガッチリと雪を掴んで離しません。

「フルキャンバー」の恩恵により、ターン後半の加速感が凄まじく、「ギュンッ！」と板が走る感覚は病みつきになります。

ただし、注意点としては「しっかり踏める脚力が必要」ということです。棒立ちで乗っているだけでは、この板のポテンシャルは引き出せません。自分から積極的に重心を低くし、板をたわませにいける中級者以上の方であれば、これ以上ない相棒になるはずです。

パウダーランでの浮力と操作性

もちろん、パウダーでの性能も一級品です。「ノーズが浮く」というよりは、「テールが沈んでノーズが持ち上がる」という感覚が強いですね。

独自のテーパード・スワローテールが雪の抵抗を逃がしてくれるため、後ろ足荷重をそこまで意識しなくても自然とトップが浮いてきます。これにより、深い新雪でも前足が疲れにくく、長時間パウダーライディングを楽しめます。

特筆すべきは、パウダーの中での「スピード感」です。浮力を重視した太い板にありがちな「もっさり感」がなく、新雪の上を高速で切り裂いていくようなアグレッシブな滑りが可能です。

深いパウダーの中で大きなスプレーを上げながら、フルスピードで駆け抜ける快感は、SQUASHならではの体験と言えるでしょう。

ゲレンデ全体のフリーラン適性

朝一のパウダーを食い尽くした後、ゲレンデが荒れてきてもSQUASHの出番は終わりません。むしろ、ボコボコになった不整地こそ、この板の強さが光る場面です。

板の剛性が高いため、荒れた雪面に弾かれることなく、戦車のように凸凹を潰しながら直進できます。「今日は雪が悪いから早上がりしようかな」と思うようなコンディションでも、この板なら「もう一本行こう！」と思わせてくれる頼もしさがあります。

また、壁地形で遊ぶ際も、テールの引っ掛かりが少ないので、スラッシュを上げたり当て込んだりする動作が非常にスムーズです。山全体を遊び場に変えてくれる、まさに「オールマウンテン」な一本ですね。

パークやグラトリでの使用感

ここで正直にお伝えしなければならないデメリットがあります。それは、「低速での細かい動きや遊びには向かない」という点です。

グラトリに関しては、フレックスが硬く、セットバックも入っているため、プレス系の技はかなり厳しいと感じました。弾き系のトリックも、キャンバーの反発はあるものの、板自体がそれなりに重さもあるため、軽快に回すのは至難の業です。

また、パークのキッカーに関しては、ストレートジャンプで飛ぶ分には安定感があって良いのですが、スイッチ着地（フェイキー着地）には注意が必要です。テールがスワロー形状で角ばっているため、着地で逆エッジを食らうリスクが通常の板よりも高くなります。

ジブに関しても、高価なシンタードベースを傷つけるのはもったいないですし、硬すぎてスタイルが出しにくいので、パークやグラトリをメインに考えている方には、正直おすすめできません。

総合的なNITRO SQUASHの評価まとめ

【NITRO】SQUASH

ここまで解説してきた内容を踏まえ、NITRO SQUASHという板を一言で表すなら、「最高速で山を遊び尽くすための大人のフリーライディングボード」です。

パウダーボードとしての浮力を持ちながら、カービングボード顔負けのグリップ力を兼ね備えている点は、唯一無二の魅力です。「パウダーの日も圧雪の日も、板を変えるのが面倒くさい。どっちも本気で滑りたい！」というワガママな願いを叶えてくれます。

一方で、初心者の方や、低速でグラトリを楽しみたい方には、その硬さと特性が扱いにくく感じる可能性があります。

ある程度滑れるようになり、「もっと速く、もっと鋭く滑りたい」という欲が出てきたタイミングで手にすると、最高のスノーボードライフが待っているはずです。

パウダーでの浮力とカービングのキレを両立した稀有なモデル
スワローテールがパウダーで沈み込み自然な浮力を生む
トゥルーキャンバー採用で圧雪バーンでのグリップ力が非常に高い
フレックスは硬めで高速域での安定感が抜群
荒れた雪面でも弾かれずに突っ込んでいける走破性がある
自分から板を踏み込める中級者以上のライダーに最適
ルーズな乗り味ではなくダイレクトな操作感が特徴
型落ちモデルでも基本性能は変わらずコスパが良い
ライバルモデルに比べてカービング要素が強い
低速でのグラトリやプレス系の動きは苦手
スイッチライディングや着地ではテールの形状に注意が必要
パークやジブメインの用途には適していない
1本で様々なコンディションに対応できる「Quiver Killer」
脚力がないと最初は扱いにくさを感じる場合がある
スピードを出して滑ることで真価を発揮する攻撃的なボード

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