グラトリ乗り系トリック向きな柔らかいボードおすすめ10選
スノーボードの世界には、雄大な山々の急斜面を滑るスリルとは異なる、独特の魅力を持つ一分野があります。それは「グラトリと呼ばれる、フラットな地面で繰り広げられる芸術のようなスノーボーディングスタイルです。
特に、このスタイルには「乗り系トリック」と称される技があり、ボードのノーズやテールを利用して行うプレス技やスピンなど、様々な華麗な動きが含まれます。
乗り系トリックを極めるためには、単に練習量を増やすだけでなく、適切なギア選びも不可欠です。
その核心にあるのは、なんと言ってもフレックスの柔らかい板。柔らかい板は、フラットな斜面での複雑な動きをより容易にてスタイリッシュなトリックの成功率を高める要素を持っています。
この記事では、グラトリの乗り系トリックに最適な柔らかいボードを紹介していきます。
各モデルの特性を詳しく解説しながら、あなたのスノーボードライフがより豊かに、より楽しくなるようなおすすめボードを探していきましょう。
グラトリ乗り系トリックとは?
グラトリ(グラウンドトリック)とは、スノーボードで行うフラットな地面でのトリックのことを指します。その中でも、乗り系トリックとはボードのテール・ノーズに乗った状態(プレス)をメインとするトリックの総称です。
このカテゴリに属するトリックは、スノーボードをより深くコントロールする技術とセンスを要求され、実施する者のバランス感覚やボードコントロールの精度を高めるための練習にもなります。
- ノーズプレス:スノーボーダーがボードの前端(ノーズ)を地面に押し付けながら、テールを持ち上げて滑走する技です。これにはバランス感覚が不可欠であり、長くノーズプレスを続けることは上級者の証とも言えます。
- テールプレス:ノーズプレスの逆で、後端(テール)に体重をかけて前端を持ち上げ、その状態を保持しながら滑る技です。こちらもバランスと体重移動のコントロールが重要となります。
スノーボードが持つフレキシビリティを最大限に活かし、ボードの両端を利用して様々な形で地面に対する擦れや圧力をコントロールします。
これにより、滑走するスノーボーダーは非常にダイナミックでスタイリッシュな見た目を演出することができます。
実際には、これらの基本的なトリックを繋げたり、変化を加えたりして、自分だけのオリジナルなコンビネーションを作り上げることが可能です。
乗り系トリックを習得することは、単に華麗な技を披露するだけでなく、スノーボードにおける基本的な構えやエッジワーク、さらには複雑な空中技への準備としても役立ちます。
また、乗り系トリックは低速で安全に練習することができ、初心者からプロまで幅広いレベルのスノーボーダーにとってアクセシブルな技術向上の手段となるのです。
ACHSE
YONEXの「ACHSE(アクセ)」はフレックスレベルが10段階中2とされており、格別に柔らかいフレックスパターンを備えているため、非常に柔軟性が高いスノーボードとして分類されます。
このような柔らかさは、グラウンドトリック(グラトリ)専用の設計が施されたボードであるACHSEの特徴であり、特に乗り系トリックにおいてその真価を発揮します。
ACHSEの高度なフレックス性能は、乗り系トリックを行う際にボーダーがボードのノーズやテールに体重を乗せて行うプレス動作を非常にスムーズにし、ボード全体のしなりを活用したトリックのパフォーマンスを容易にします。
カーボン素材の使用により、しなやかさと共に適度な反発力も提供するため、乗り系トリックでの快適な操作性とスタイリッシュなパフォーマンスをサポートします。
このような特性から、ACHSEはグラトリに特化した高性能ボードとしてその名を馳せており、乗り系トリックを極めたいスノーボーダーにとって相性が非常に良いと言えるでしょう。
BLACK FLAG
デスレーベルの「BLACK FLAG(ブラック・フラッグ)」はフレックスレベルが10段階中で最も柔らかい1に設定されており、その柔軟性は極めて高いと言えます。
この超柔軟なフレックスは乗り系トリックにおける細かなバランス調整と繊細なボードコントロールを可能にします。
男女問わず使いやすい設計となっているこのモデルは、あらゆるレベルのスノーボーダーにフレンドリーな操作感を提供します。
また、トーション(ボードをねじる強さ)が柔らかいため、グラトリでのノーズプレスやテールプレスといった乗り系トリックをより容易に、そして流れるような動作で実行することができます。
BLACK FLAGのこのような特徴は、特にグラトリでのプレス動作や地面に近いトリックを多用するボーダーにとって、高いパフォーマンスを引き出す上で相性が良いと言えます。
ボードの柔らかさがトリックの際の反発や復元力をサポートし、スノーボードの楽しさとともに技術向上への道を拓くでしょう。
SHRED
GRAYの「SHRED(シュレッド)」はそのフレックスが10段階中3と評価されており、明確に柔らかいカテゴリーに位置づけられるスノーボードです。
これは乗り系トリックにおいて理想的なフレックスバランスを提供し、ボードの操作性と応答性を向上させることに寄与します。
最新のモデルでは、ダブルキャンバーの調整が行われ、前モデルに比べてさらに扱いやすくなっています。
この調整により、特に地面に近いトリックを繰り出す際のバランスと安定性が改善され、滑走時のコントロールがより直感的になりました。
このため、プレス系のトリックやグラウンドの小技を実践する際に、スムーズなエッジトランジションと柔軟なボードのねじれ反応を体験できます。
リーズナブルな価格帯もSHREDの特徴で、コストパフォーマンスの高さが初心者のスノーボーダーには特に魅力的です。
初めてグラトリにチャレンジする方でも手が出しやすく、練習用に最適なボードと言えるでしょう。
グラトリにおける乗り系トリックの習得に向けて、SHREDは優れた相性を持つボードとして推奨されます。
DISASTER
BATALEON「DISASTER(ディザスター)」のフレックスは10段階中2です。バタレオンといえば3Dソールという特徴あるソールが有名です。このソールのお陰で逆エッジがかなり軽減されています。
柔らかさはもちろん、初心者でも扱いやすい、グラトリではエッジング軽減によってトリックが行いやすくなっています。
DOUBLE FLY SPIN
011artisticの「DOUBLE FLY SPIN(ダブルフライスピン)」はフレックスレベルが10段階中3とされ、ソール面にコンベックス形状を採用することで、逆エッジが発生するのを効果的に軽減する設計が施されています。
この独特のソール形状により、ボードが雪面と接触する際の抵抗が大幅に減少し、滑走時の操作性能が非常に高まっています。
乗り系グラトリトリックにおいては、この優れた逆エッジ軽減効果と操作性の高さが非常に重宝されます。
ライダーがプレス動作やバタートリックといった技を行う際には、ボードの反応が直接的でありながらも滑らかで、非常に細かい操作にも応えられるため、技の幅が拡がります。
コンベックス形状は、ボードの端が簡単に雪面に食い込むことなく滑走することを可能にし、特にグラトリのような地面との密接なインタラクションを要求されるスタイルに最適です。
さらに、DOUBLE FLY SPINは高い操作性を生かして、回転や方向転換などの動きをスムーズに行うことができ、ライダーが自由自在にボードを操ることを可能にします。
DIVERSE
RICE28の「DIVERSE(ディバース)」はフレックスレベルが10段階中3と評価され、その柔軟性により乗り系グラトリトリックに非常に適したボードとして設計されています。
柔らかめのボードは乗り心地が良く、プレス動作やバランスを要求する乗り系トリックを実行する際に優れたパフォーマンスを発揮します。
さらに、「DIVERSE」はグラトリオールラウンドでの使用にも適しており、弾き系のトリックからラントリ(ランディングを伴うトリック)まで幅広く対応しているのが特徴です。
これにより、乗り系トリックだけでなく、スノーボードの様々なスタイルを楽しむことができます。
柔らかいがゆえに扱いやすく、かつ応答性に優れる「DIVERSE」は、乗り系トリックの正確なエッジコントロールとスムーズなボードのたわみを利用したトリックを容易にします。
これによりライダーは、技の習得に必要なフィードバックを得やすくなり、特にグラトリにおいてスタイルと技術の両方を磨くのに理想的なボードと言えるでしょう。
DAMAGE
ALLIANの「DAMAGE」は、その設計が特に乗り系グラトリトリックに適していることで知られています。
柔らかいフレックスと優れたトーションのバランスにより、ボードのノーズやテールに乗る技を実行する際のバランス感覚を支え、練習しやすい環境を提供します。
プレス技や地面を使った滑りなど、乗り系トリックに必要なフレキシビリティと反応性を持ち合わせているため、初心者から上級者まで幅広いライダーがトリックの習得とパフォーマンスの向上を目指すことができます。
「DAMAGE」はこれらの技をマスターしたいと考えるスノーボーダーにとって、その機能性と柔軟性で理想的なボードと言えるでしょう。
CIRCUS
MOSSの「CIRCUS」は、そのユニークな設計によりグラトリの乗り系トリックにおいて抜群の相性を誇ります。
フレックスパターンは適度な柔軟性を持ちながらも、必要なサポートを提供してくれるため、ボードの前端(ノーズ)や後端(テール)に乗る際のバランスを保ちやすくなっています。
特に「CIRCUS」は、ボード全体がトリックの実行をスムーズにサポートするように設計されている点が特徴です。
適度なソフトフレックスは、プレス時のボードのたわみや反発をコントロールしやすくし、ライダーがより繊細な動きを必要とする乗り系トリックを精確に行うことができます。
これにより、プレストリックの持続時間を延ばすことが容易になり、スムーズでスタイリッシュな滑りが可能になるのです。
さらに、MOSS「CIRCUS」は、その設計においても乗り系トリックの実行を考慮しており、乗り心地の良さや操作性の高さを実現しています。
これらの要素が合わさることで、ライダーはグラトリの世界での表現の幅を広げることができ、ノーズプレスから複雑なバタートリックまで、幅広い技のレパートリーを展開することが可能になります。
初心者からプロのライダーまで、MOSS「CIRCUS」はグラトリにおける乗り系トリックの楽しみとパフォーマンスを追求するための信頼できる選択肢となるでしょう。
SOLEIL
BCStreamの「SOLEIL-R」は、ダブルロッカー形状を採用しており、初心者や乗り系トリックを積極的に楽しみたいレディースライダーにとって理想的なボードです。
このダブルロッカーデザインは、ボードの中央部が地面から浮き上がっているため、エッジがかかりにくくなり、エッジキャッチのリスクを軽減します。
この特徴が、操作性を大幅に向上させており、特にスノーボードの扱いにまだ慣れていない初心者にとって、乗り系トリックの習得過程での挫折感を減少させる効果があります。
さらに、SOLEIL-Rのソフトなフレックスとロッカープロファイルは、ボードのノーズやテールへの体重移動をよりスムーズにし、プレス技やバタートリックなどの乗り系トリックを容易に実行できるようにします。
このボードは操作性に優れており、トリックを練習する際に求められる柔軟性と安定感を両立しているため、グラトリに特化したトリックをマスターするのに適していると言えるでしょう。
DESIRE
DESIREは、フラットトリックに特化したハイエンドモデルで、軽量なスイングウェイトと迅速な反応性を持つノーズ&テールを備えています。
このモデルは、センター部分にはフレキシブルなフレックスを採用しつつ、ノーズとテールには反発力を強化するためにより剛性の高いフレックスパターンを組み込んでいます。
乗り系トリックにおいて、W POWER CARBON RIBBONがノーズとテールに組み込まれることで、ボードの反発力とレスポンスが増幅され、グラトリの際のスピードとエネルギーの伝達が向上しています。
さらに、新しいアウトラインシェイプはノーズ&テールのグリップを高め、ジャンプからの回転やプレス動作において必要な回転力をサポートします。
このようにDESIREは、地面を利用したプレスや回転といった乗り系トリックにおいて優れたパフォーマンスを発揮し、その緻密に計算された構造がライダーのトリックのメイク率をアップしています。
まとめ:グラトリ乗り系トリックにおすすめな板について
グラトリにおける乗り系トリックは、ボードのフレックスと操作性に大きく依存します。柔らかいボードはプレスやバタートリックといった技を容易にし、特に初心者から中級者のライダーがトリックを学びやすくするために重要です。
本記事で紹介したモデルは、YONEXの「ACHSE」からBATALEONの「DISASTER」、011artisticの「DOUBLE FLY SPIN」、そしてRICE28の「DIVERSE」といった幅広い選択肢をカバーしています。
これらのボードは柔らかいフレックスを活かしつつ、逆エッジのリスクを軽減する設計や、全体的な操作性の向上に注力しており、乗り系トリックを中心にグラトリを楽しみたいライダーにとって最適な選択となるでしょう。
グラトリにおいて自身の技術を磨き上げ、より洗練されたスタイルを目指すライダーには、これらの柔らかいボードが強く推奨されます。
この他にも弾き系トリック・弾き乗り系を両立したい場合などさまざまなケースに分けておすすめの板をまとめた記事もあるため参考になれば幸いです。
それでは、あなたのスノーボードライフがより充実しますように!