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【OGASAKA】CT-Sの評価レビュー!硬さが生むキレと荒れた雪面の走破性

まさやん
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スノーボードの上級者やカービング好きの間で注目されているのが、OGASAKA「CT-S」です。本記事では、実際のレビューや各種評価をもとに、このモデルの特徴を詳しく解説します。

CTシリーズの中でも特に硬いフレックスを持つCT-Sは、スピードを出しても安定感があり、ターンのキレやエッジのグリップ力に優れています。

キャンバー構造とディレクショナルツインの形状が、正確なターンや荒れた雪面での走破性を実現。一方で、低速時の操作性やグラトリ・パークでの適性はやや限定的で、脚力や技術を求められる側面もあります。

OGASAKA「CT-S」を検討している方は、レビューや評価を参考に、自分の滑り方やレベルに合うかどうかをしっかり見極めてみてください。

この記事で分かること
  • CT-Sの基本スペックとCTシリーズでの立ち位置
  • 高速カービングや荒れた雪面での高い滑走性能
  • 低速時やスイッチスタンスでの操作性と注意点
  • グラトリやパークへの不向きと適したライダー像

OGASAKA「CT-S」の基本スペックに関する評価

対象メンズ・レディース
形状キャンバー
シェイプディレクショナルツイン
ボードの硬さ10段階中8(硬い)
対象レベル中級者から上級者
サイズ154,156,158,161

CT-Sとは?CTシリーズでの位置づけ

OGASAKAのラインナップの中でも特に人気が高いCTシリーズは、「Comfort Turn(快適なターン)」の頭文字を取っており、その乗りやすさから「迷ったらCT」と言われるほど信頼されています。

このCTシリーズには、いくつかのバリエーションがあり、CT-S(シーティーエス)はその中でも「Stiff(硬い)」を意味する通り、最もハードなフレックスを持つエキスパート向けのモデルとして位置づけられています。

標準モデルのCTが持つバランスの良さや扱いやすさをベースとしつつ、CT-Sはより高速域での滑走や、高い推進力を求める上級者のために設計されました。

テクニカル競技に出場する選手も使用するなど、カービング性能を極めたいライダーや、しっかりとした板の反発を活かしたダイナミックなターンを好む方に最適な一台と言えるでしょう。

CTシリーズの持つ扱いやすさの延長線上にありながら、より高いレベルの滑りに応えるための性能が追求されています。

形状:キャンバーとディレクショナルツイン

OGASAKA「CT-S」のボード形状は、スノーボードの基本とも言える「キャンバー構造」を採用しています。キャンバー構造とは、ボードの中央部分が雪面から浮き上がり、両足の下あたりで雪面に接するアーチ状の形状のことです。

この形状により、エッジが雪面をしっかりと捉えやすく、ターン時の安定性や反発力を生み出しやすいのが特徴です。特にカービングにおいては、エッジグリップの良さと抜けの良さにつながり、キレのあるターンをサポートします。

さらに、CT-Sのシェイプは「ディレクショナルツイン」となっています。これは、ノーズ(板の先端)とテール(板の後端)の形状は同じですが、ビンディングを取り付ける位置が少しテール寄りに設定されている(セットバックがある)ことを意味します。

これにより、通常のスタンスでの滑走時にはターンに入りやすく、安定した滑りが可能になります。

一方で、ツインチップのような対称性も持ち合わせているため、スイッチスタンス(通常とは逆の足で滑る)での滑走もある程度こなしやすいバランスの取れた形状と言えるでしょう。

CTとCT-Sは、同じ長さであればサイドカーブや有効エッジなどの基本的な形状は共通しており、乗り味のベースは似ています。

特徴的な硬さ:CTシリーズで最もハードなフレックス

OGASAKA「CT-S」の最大の特徴の一つは、その硬さにあります。CTシリーズの中で最も硬いフレックス(板のしなり具合)に設定されており、「エキスパートモデル」と位置付けられる理由もここにあります。

この硬さは、特に高速で滑走する際の安定性を大幅に向上させ、ボードのバタつきを効果的に抑えます。荒れた雪面や硬いバーンでも、しっかりと雪面を捉え続け、安定したカービングターンを可能にします。

また、硬い板はライダーからの力をダイレクトに雪面に伝えやすく、ターン前半でしっかりとボードをたわませることができれば、そのエネルギーがターン後半で力強い推進力に変わります。これにより、加速しながらキレのあるターンを描くことができます。

ただし、この硬さを活かすためには、相応の脚力や技術が必要となります。ボードをしっかりと踏み込み、たわませる技術がないと、逆に扱いにくさを感じるかもしれません。

CT-Sは、自ら積極的にボードをコントロールし、その反発を引き出せる上級者向けのモデルと言えるでしょう。

芯材と補強材:ASPコア、カーボン、PCプレート

OGASAKA「CT-S」の優れた性能を支えているのが、厳選された芯材と効果的な補強材です。まず、ボードの心臓部であるコア材には、「ASP2 CORE」という高品質なウッドコアが使用されています。

OGASAKAは長年にわたり天然木材の持つ「粘り」に着目しており、人工素材では再現できない自然なしなりと反発力を追求しています。

このASP2 COREも、軽さと強度、そしてOGASAKAならではの粘りあるフレックスを生み出すために最適化されています。さらに、この高性能なコアを補強するために「カーボン」素材が使われています。

カーボンは軽量でありながら非常に高い強度と反発力を持つため、これをボード内部に配置することで、CT-S特有のハードなフレックスと、ターン時の鋭いレスポンス、そして高い推進力を実現しています。

足元には「PCプレート TYPE-OG1」という大きめのプレートが内蔵されています。これは、ビンディングからの力を効率よくボード全体に伝え、エッジグリップを高めるとともに、衝撃からコア材を保護する役割も担っています。

これらの素材と構造の組み合わせが、CT-Sの高速安定性とカービング性能を高いレベルで両立させているのです。

フレックス調整とエッジグリップ強化の評価

OGASAKA「CT-S」は、エキスパートライダーの要求に応えるため、常に進化を続けています。その中で、フレックスの調整やエッジグリップの強化は、モデルチェンジにおける重要なポイントとなっています。

例えば、過去のモデル(22-23モデル)では、特定のサイズ(154cm、156cm)においてサイドウォールの素材や形状に変更が加えられ、エッジグリップ性能がさらに向上しました。

これにより、よりシビアなアイスバーンや硬い雪面においても、エッジが雪面を確実に捉え、ライダーの意図した通りのターン弧を描きやすくなっています。

フレックスに関しては、CTシリーズの中で最も硬いという基本コンセプトは維持しつつも、単に硬いだけでなく、高速域での安定性としなやかさのバランスが追求されています。

これにより、ハイスピードでのカービング時にもボードが暴れることなく、スムーズで力強いターンが可能になります。

こうした細やかな改良は、CT-Sが単なる硬い板ではなく、高いコントロール性能と推進力を兼ね備えたエキスパート向けカービングマシンとしての評価を確固たるものにしています。

これらの調整は、テクニカルな滑りを追求するライダーにとって、より高いレベルでのパフォーマンスを引き出すための重要な要素と言えるでしょう。

OGASAKA「CT-S」の滑走性能をシーン別に評価

適性が高いジャンル

オールラウンド

カービング
フリーラン
パウダー
グラトリ(弾き系)
グラトリ(乗り系)
ラントリ
キッカー(小~中)
キッカー(中~大)
ジブ

カービング性能:高速安定性とターンのキレ

OGASAKA「CT-S」は、その硬いフレックスと強力なエッジグリップにより、特に高速域でのカービング性能に優れています。

急斜面や硬くしまったバーン、さらにはアイスバーンといった難しい雪面コンディションにおいても、ボードがバタつくことなく安定した滑走が可能です。

エッジが雪面をしっかりと捉え続けるため、ライダーは自信を持ってボードを傾け、深く鋭いターンを描くことができます。

実際に試乗したユーザーからは、「ヒールサイドでもボードがズレる感覚がなく、ターンのキレと雪面の捉えが素晴らしい」といった声が聞かれます。

ターン後半にかけてしっかりとボードを踏み込むことで、CT-S特有の力強いエッジグリップを感じながら、加速していくようなキレのあるターンを実現できます。

ただし、この性能を最大限に引き出すには、ターン前半から積極的にボードに圧をかけ、たわませる技術が求められます。

フリーラン性能:荒れた雪面での走破性

OGASAKA「CT-S」の大きな魅力の一つは、荒れた雪面での高い走破性です。ハードなフレックスとボード自体の強さにより、不整地や春先のザクザクとした雪など、コンディションの悪いゲレンデでも安定したライディングを維持できます。

まるで重戦車のように、雪面の凹凸をものともせずに突き進んでいくような力強さがあります。

滑走中にボードがバタついてコントロールを失うといった不安感が少なく、ライダーは安心してスピードを維持したまま滑り降りることが可能です。

実際に「雪面が荒れていても滑走中の不安定感がなく、どんな雪質でも切り裂いていくような安定したターンができる」という評価もあります。

この高い走破性により、朝一番の圧雪バーンだけでなく、多くの人で賑わう午後のゲレンデコンディションでも、思い通りのラインで滑ることを可能にしてくれます。

低速時の操作性:ライダーを選ぶという評価

OGASAKA「CT-S」は高速域でのカービング性能に特化している反面、低速域での操作性については、ある程度の技術と脚力が必要とされる「ライダーを選ぶ板」と言えます。

その硬いフレックスゆえに、低速で滑る際や、混雑したゲレンデで細かいターンを繰り返すような状況では、扱いにくさを感じる場合があります。

「スピードが緩むと扱いにくさを感じる」「低速域は楽しくない」といった声も聞かれるように、CT-Sの性能を十分に引き出すにはある程度のスピードが必要です。

ボードをしっかりと踏み込み、たわませることで初めてその真価を発揮するため、脚力に自信がない方や、ゆっくりとクルージングを楽しみたい方にとっては、少し手強く感じるかもしれません。

特にクイックなショートターンなど、俊敏な動きが求められる場面では、ライダーの技量が試されるでしょう。

スイッチスタンスでの滑走感

OGASAKA「CT-S」はディレクショナルツイン形状を採用しているため、メインスタンスだけでなくスイッチスタンス(通常とは逆の足で滑ること)での滑走も可能です。

しかし、その硬めのフレックスとカービング性能に重点を置いた設計から、スイッチスタンスでの操作性はメインスタンスほど快適とは言えないかもしれません。

実際に試乗したユーザーからは、「硬いので少しやりにくさを感じた」という意見や、「反応が良いため逆エッジに注意が必要」といった声も聞かれます。

CTシリーズの中でも比較的柔らかい標準モデルのCTがスイッチスタンスでも滑りやすいと評価されていることと比較すると、CT-Sでスムーズなスイッチライディングを行うには、より正確なボードコントロールとバランス感覚が求められるでしょう。

遊びの要素よりも、カービング性能を追求したモデルであることを理解しておく必要があります。

グラトリやパークでの適性

OGASAKA「CT-S」は、その設計思想からも明らかなように、高速カービングに主眼を置いたモデルであり、グラトリやパークでの本格的な使用には向いていません。

CTシリーズの中で最も硬いフレックスと、カービングに最適化された構造は、グラトリで求められる板のしなりや反発の引き出しやすさ、取り回しの軽快さとは異なる特性を持っています。

「グラトリでスタイルを出したい人にはNG」と評価されることもあり、実際に「CT(標準モデル)ではできても、CT-Sでは板が重く反発も得にくいため難しい」という声もあります。高回転系のグラトリを行うには相当な脚力と素早い重心移動が必要となるでしょう。

OGASAKAのラインナップには、CT-TWINのようなグラトリやパークに適したモデルも存在するため、これらのジャンルをメインに楽しみたい場合は、そちらを選択するのが賢明です。CT-Sはあくまでもカービング性能を追求するライダーのための板と言えます。

まとめ:OGASAKA「CT-S」の評価について

OGASAKA「CT-S」は、快適なターンが魅力のCTシリーズの中で、最も硬いフレックスを持つエキスパート向けのカービングボードです。

形状は安定性と反発力に優れたキャンバー構造と、スイッチスタンスにも対応しやすいディレクショナルツインを採用しています。

芯材には高品質なASP2 COREを使用し、カーボンやPCプレートで補強することで、高速域での安定性と力強いエッジグリップ、そしてキレのあるターンを実現しています。

このボードは、特にハイスピードでのカービング性能に優れており、荒れた雪面でも安定した滑走が可能です。

しかし、その硬さゆえに低速域での操作にはある程度の技術と脚力が必要で、グラトリやパークでの使用にはあまり向いていません。

あくまでもカービング性能を追求し、自ら積極的にボードをコントロールできる上級者にとって、その真価を発揮する一台と言えるでしょう。

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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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