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【NIDECKER】VENUSの評価は幅広いレベル・ジャンルに対応できるオーラウンドボード!

まさやん
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NIDECKER「VENUS」は、女性ライダー向けに開発されたオールマウンテンボードで、多彩な地形や雪質に対応できるのが特徴です。

ディレクショナルシェイプと10mmのセットバックにより、新雪での浮力を確保しつつ、パークやスイッチライディングも楽しめる設計となっています。足元はキャンバー形状でしっかりしたエッジグリップを実現し、ノーズとテールはロッカー形状で操作性を高めています。

ミディアムフレックスの硬さは初心者から上級者まで幅広く対応し、軽量なマスターコアと高性能なベース素材が高速滑走時の安定感を支えます。多様なライディングスタイルに対応しつつ、扱いやすさも兼ね備えたバランスの良いモデルです。

この記事で分かること
  • VENUSの基本的な性能と特徴
  • カービングやパウダーなど滑走スタイル別の適性
  • どのようなレベルのライダーに向いているか
  • 板の形状や構造が滑りにどう影響するか

NIDECKER「VENUS」の評価:その基本スペックに迫る

対象レディース
形状ハイブリットキャンバー(CAMROCK)
シェイプディレクショナル
ボードの硬さ10段階中4(やや柔らかい)
対象レベル初心者から中級者
サイズ139,143,147,151,155

操作性重視のディレクショナルシェイプ

NIDECKER「VENUS」は、「ディレクショナルシェイプ」と呼ばれる形状を採用しています。スノーボードの進行方向が決まっているデザインで、ノーズ(板の前方部分)がテール(板の後方部分)に比べて少し長めに設計されていることが多いです。

VENUSの場合、ビンディングを取り付ける位置が、板の中心よりも10mmテール寄りに設定されています(セットバック)。

この設計により、特に新雪やパウダースノーを滑る際に、ノーズが雪に沈み込みにくくなり、自然と浮きやすくなります。その結果、ライダーは少ない力で板をコントロールでき、バックカントリーのような手つかずの雪面でもスムーズなライディングを楽しめます。

また、ターンに入る際もノーズが雪を捉えやすいため、スムーズなターン始動をサポートします。ディレクショナルシェイプは進行方向の滑走に最適化されていますが、VENUSはスイッチライディング(通常とは逆の足で滑ること)にも対応できる汎用性も持ち合わせています。

CAMROCK形状がもたらす操作感

VENUSが採用している「CAMROCK(カムロック)」形状は、スノーボードの乗り味に大きく関わる重要な特徴です。

これは「ハイブリッドキャンバー」とも呼ばれ、複数の形状を組み合わせたものです。具体的には、両足の間(ビンディング間)は伝統的な「キャンバー形状」になっています。

キャンバーとは、板の中央部分が雪面から少し浮き上がり、弓のように反っている形状のことです。この部分が、滑走時にしっかりとしたエッジグリップ(板の端が雪面を捉える力)を生み出し、ターン時の安定性や反発力を高めます。

一方で、板のノーズ(前方)とテール(後方)部分は「ロッカー形状」になっています。ロッカーとは、キャンバーとは逆に、板の先端と後端が船底のように反り上がっている形状です。

このロッカー部分があることで、パウダースノーでの浮力が得やすくなるだけでなく、ターンのきっかけが掴みやすく、逆エッジ(意図せず板の端が雪に引っかかって転倒すること)のリスクも軽減されます。

つまり、CAMROCK形状は、キャンバーの持つ安定性と反発力、そしてロッカーの持つ浮力と操作性の良さを兼ね備え、多様な雪質や地形で扱いやすい操作感を実現しています。

バランスの取れたミディアムフレックス

スノーボードの「フレックス」とは、板の硬さのことを指します。NIDECKER「VENUS」は、10段階評価で5という「ミディアムフレックス」に設定されています。これは、硬すぎず柔らかすぎない、中間の硬さであることを意味します。

このバランスの取れた硬さが、VENUSを幅広いレベルのライダーにとって扱いやすい板にしています。例えば、初心者にとっては、板が硬すぎるとコントロールが難しく感じられることがありますが、ミディアムフレックスであれば比較的楽に板を操作し、ターンを習得していくことができます。

また、中級以上のライダーにとっては、適度な反発力を活かしてキレのあるターンを楽しんだり、様々な地形でトリックに挑戦したりする際に、板の反応の良さを感じられるでしょう。

硬すぎないことで、遊び心のあるライディングも可能、逆に柔らかすぎないことで、高速滑走時にもある程度の安定感を保つことができます。このように、ミディアムフレックスは多様なライディングスタイルに対応できる万能性を持っています。

軽量性と反発性を両立したコア構造

スノーボードの乗り心地を左右する心臓部とも言えるのが「コア」と呼ばれる芯材です。NIDECKER「VENUS」には、「マスターコア」という種類のコアが採用されています。このマスターコアは、ポプラや桐といった特性の異なる複数の木材を組み合わせることで作られています。

ポプラ材は比較的軽量で扱いやすく、桐材は強度がありながらも軽いという特徴を持っています。

これらの木材を適切に配置・組み合わせることで、VENUSは板全体の重量を抑えつつ、滑走に必要な強度と、板がしなった後に元に戻ろうとする力(反発性やレスポンス)を高次元でバランスさせています。

軽量であることは、取り回しの良さや疲れにくさに繋がり、特に女性ライダーにとっては大きなメリットとなります。

また、優れた反発性は、ターン時の加速感やオーリー(板の反発を使ってジャンプする技)の高さを引き出し、よりダイナミックで楽しいライディングを可能にします。

高速滑走を支えるベース素材と構造

VENUSの滑走面には「N-5000 BASE」という素材が使われています。ワックスが浸透しやすく、それを長く保持する性質を持っているため、一度ワックスをかければ良好な滑走性が持続しやすいという利点があります。また、耐久性にも優れているため、様々な雪質や状況で安心して使用できます。

さらに、VENUSは板全体の構造にも工夫が凝らされています。「Triaxグラスファイバー」というガラス繊維を複数方向に重ねた素材、「Absorbnid™トップシート」という衝撃吸収性に優れたシートを板の表面に採用することで、高速で滑走する際に発生しがちな板のバタつき(振動)を効果的に抑えます。

これにより、ライダーは安定した姿勢を保ちやすく、コントロール性を失いにくくなります。

また、「3D Nテック構造」と呼ばれる、木材コアにファイバーグラスやカーボン層を組み合わせた立体的な構造は、板の反応性を高めると同時に、耐久性のあるしっかりとした乗り心地を提供します。

NIDECKER「VENUS」の評価:多様な滑走スタイルを検証

適性が高いジャンル

オールラウンド

カービング
フリーラン
パウダー
グラトリ(弾き系)
グラトリ(乗り系)
ラントリ
キッカー(小~中)
キッカー(中~大)
ジブ

レディース向けオールマウンテン設計

NIDECKER「VENUS」は、特に女性ライダーの体格や脚力を考慮して設計されたスノーボードです。

「オールマウンテン」という言葉が示す通り、この一本でゲレンデ内の圧雪されたバーンから、ふかふかの新雪が積もったオフピステ(コース外)、さらには軽くパークで遊んでみたいといった多様な要望に応えることを目指しています。

特定の滑走スタイルに特化するのではなく、山全体の様々な地形や雪のコンディションで楽しめる汎用性の高さが魅力です。

朝一番の整備されたゲレンデでのクルージング、午後の少し荒れてきた雪面、そして時には降雪後のパウダースノーまで、幅広いシチュエーションでライダーをサポートします。

VENUSは、一本の板で色々な滑りを体験したい、そんなアクティブな女性ライダーにぴったりのモデルと言えるでしょう。

カービング性能とフリーランの楽しさ

NIDECKER「VENUS」は、ゲレンデをリズミカルにターンしながら滑り降りる「カービング」においても高い性能を発揮します。評価では10点満点中8点とされており、その実力がうかがえます。

板が雪面をしっかりと捉え、スムーズかつ安定したターンを描くことができるよう設計されています。これは、足元のキャンバー形状がエッジグリップを高め、ディレクショナルシェイプがターンの導入を助けるためです。

また、特定の目的に縛られずゲレンデを自由に滑る「フリーラン」においても、VENUSはその楽しさを存分に味あわせてくれます。

適度な反発力と安定性を兼ね備えているため、高速域でも板がバタつきにくく、安心してスピードに乗った滑走を楽しめます。ターンからターンへとスムーズに繋ぎながら、ゲレンデの地形を活かした滑りも楽しめるでしょう。

パウダーでの浮力と扱いやすさ

新雪が降り積もった「パウダー」コンディションは、多くのスノーボーダーにとって特別な楽しみの一つです。NIDECKER「VENUS」は、そのような場面でもライダーをサポートする設計が施されています。

評価ではパウダー適性は10点満点中6点とされていますが、特に新雪やバックカントリーでの滑走を容易にするための工夫が盛り込まれています。

板の形状は進行方向に合わせたディレクショナルシェイプで、ビンディングの取り付け位置が少し後ろ寄り(セットバック10mm)になっています。これによって、板の前方(ノーズ)が雪に埋まりにくくなり、自然と浮力を得やすくなります。

さらに、ノーズ部分が反り上がったCAMROCK形状も、パウダーでのスムーズな滑りを助けます。これらの特徴により、ライダーは深雪の中でも板をコントロールしやすく、快適なパウダーライディングを体験できるでしょう。

パークやスイッチライディングへの適応

NIDECKER「VENUS」は、主にフリーランやパウダーを得意とするオールマウンテンボードですが、ジャンプ台やレールなどが設置された「パーク」での遊びや、通常とは逆の足で滑る「スイッチライディング」にも対応できる汎用性を持っています。

パークでの評価は10点満点中7点とされており、本格的な競技志向というよりは、フリーランの途中でサイドヒット(コース脇の小さなジャンプ台)で遊んだり、気軽にパークアイテムに挑戦したりするのに適しています。

ビンディングの取り付け位置が通常より10mm後ろ寄りというディレクショナルシェイプでありながら、そのセットバック量が比較的小さいため、スイッチライディングも十分に可能です。

これにより、トリックのバリエーションを増やしたり、様々な滑り方を楽しんだりすることができます。オーリー(板の反発を使ったジャンプ)もしやすいフレックス設定になっており、クリエイティブなライディングをサポートします。

グラトリの得意度と注意点

板を雪面で回転させたり、しならせたりして遊ぶ「グラトリ(グラウンドトリック)」に関しては、NIDECKER「VENUS」の評価は10点満点中4点と、他の滑走スタイルに比べるとやや控えめです。

VENUSは元々、カービングやフリーラン、パウダーといった滑走性能を重視したオールマウンテン設計の板です。

そのため、板の形状が進行方向に適したディレクショナルシェイプであることや、トリックに特化した板に比べるとフレックス(板の硬さ)がグラトリ向きとは言えない部分があります。

もちろん、基本的なスピン系のトリックなど、ある程度のグラトリを楽しむことは可能ですが、グラトリをメインに練習したい、より高度な技に挑戦したいという場合には、専用のツインチップ形状(前後対称)で柔らかめの板を選んだ方が上達しやすいでしょう。

VENUSでグラトリを楽しむ際は、その特性を理解した上で、無理のない範囲でトライするのがおすすめです。

まとめ:NIDECKER「VENUS」の評価について

NIDECKER「VENUS」は、女性ライダー向けに設計されたオールマウンテン対応のスノーボードです。進行方向に適したディレクショナルシェイプと、ビンディング位置を後方にずらしたセットバックにより、パウダースノーでの浮力と操作性を高めています。

足元がキャンバー、先端と後方がロッカー形状のCAMROCKプロファイルは、安定したエッジグリップとターン導入の容易さを両立させます。

硬すぎず柔らかすぎないミディアムフレックスは、初心者から上級者まで幅広いレベルに対応し、多様なライディングスタイルをサポートします。ポプラと桐を組み合わせたマスターコアは軽量性と反発性を実現し、N-5000ベースやTriaxグラスファイバーなどは高速滑走時の安定性をもたらします。

カービングやフリーランを得意とし、パウダーや軽いパーク、スイッチライディングにも対応可能です。グラトリはやや不向きですが、一本で様々な滑りを楽しみたいアクティブな女性ライダーに適したモデルと言えるでしょう。

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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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