【RICE28】RT9の評価は高速域でもバタつかない!スピード狂も納得の剛性と安定感
スノーボード選びで「カービングのキレも欲しいけれど、高回転のグラトリも諦めたくない」と悩んでいませんか?
RICE28の看板モデルであるRT9は、まさにそんな欲張りな滑りを叶えてくれる一本です。「硬くて乗れないのでは?」「自分に扱えるかな?」といった不安をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、長年多くのライダーに愛され続けるRT9の乗り味や特徴を、カタログスペックだけでなく実際の雪上でのフィーリングを交えて徹底解説します。
- 高反発を生かすための具体的な乗り方と推奨レベル
- カービングやグラトリなど各ジャンルでの挙動
- 相性の良いビンディングやブーツの具体的な選び方
- 他メーカーのライバルモデルとの明確な違いと選び分け
RICE28・RT9のスペックを評価・基本性能と選び方
| 項目 | スペック・詳細 |
| シェイプ | ツインチップ |
| 形状 | フルキャンバー |
| フレックス | ハード(10段階中7〜8程度) |
| コア | SUPER LIGHT CORE |
| 補強材 | カーボンリボン採用 |
| ソール | 高密度グラファイトソール |
| エッジ | ステンレスエッジ |
高反発を生み出すキャンバー形状
RT9の最大の魅力は、なんといってもその強烈な反発力を生み出すフルキャンバー形状にあります。最近はハイブリッドキャンバーやダブルキャンバーも増えていますが、RT9は純粋なキャンバー構造を採用しており、雪面を捉えるグリップ力が段違いです。
実際に乗ってみると、ターン後半で板がビュンと走るような加速感があり、踏めば踏むほどそのエネルギーが返ってくるのを足裏で感じられました。特に朝一の圧雪バーンでは、エッジが雪面に食い込む感覚が非常に強く、安心して体重を預けられます。
ただし、ロッカー形状の板に慣れている方が乗ると、エッジの噛みが良すぎて逆エッジを怖がるケースがあるかもしれません。ルーズな操作よりも、正確なエッジングを覚えるのに最適な「スノーボードらしいスノーボード」だと言えるでしょう。
扱いやすいフレックスとトーション
カタログ上では「硬め」に分類されるRT9ですが、ガチガチの鉄板のような硬さではありません。センターのフレックスにはしっかりとした張りを持たせつつ、トーション(ねじれ)は操作しやすいように絶妙に調整されている印象を受けました。
個人的には、高速域でのバタつきを抑えるための「必要な硬さ」だと感じます。足元の剛性があるので、荒れたバーンでも板が暴れにくく、思い通りのラインをトレースできる安心感があります。
一方で、低速でのバター系の動きや、プレスで板を大きくしならせる動作には、ある程度の脚力と「板の反発を使う技術」が求められます。体重の軽い方や、これからグラトリを始める初心者の方にとっては、最初のうちは板を曲げるのに苦労する場面があるかもしれません。
性能を比較するライバルモデルとの比較
RT9を検討する際、よく比較対象に挙がるのが「OGASAKA CT」や「WRX Mk-U」といったモデルではないでしょうか。それぞれの違いを理解することで、より自分に合った一本が見えてきます。
例えばOGASAKA CTはカービングの安定感が抜群ですが、RT9の方がより軽量で、スイングウエイトが軽く感じられます。そのため、カービングの合間にトリックを織り交ぜるような滑りをするなら、RT9の方が取り回しが良いと判断できます。
また、WRX Mk-Uと比較すると、RT9の方がより「弾き」に特化した乗り味です。WRXがラントリでの粘り強さを持っているのに対し、RT9は瞬発的な反発スピードが速いので、ノーリーで高さを出したい方にはRT9がマッチすると考えられます。
相性の良いビンディングの選び方
RT9のポテンシャルを最大限に引き出すためには、板のレスポンスを損なわないビンディングを選ぶことが不可欠です。板自体に張りがあるため、あまりに柔らかすぎるビンディングだと、入力のロスが生まれやすくなります。
具体的には、UNION「FORCE」や「STRATA」、FLUX「DS」といった、ミドルフレックスからやや硬めのモデルとの相性が抜群です。これらのモデルであれば、ライダーの意思をダイレクトに板へ伝えつつ、足首の自由度も確保できます。
個人的には、カントが入っているビンディングを合わせることで、カービング時の膝の入りが良くなり、RT9の鋭いターン性能をより深く味わえると感じました。足回りをしっかり固めることで、高速域での恐怖心が驚くほど軽減されます。
性能を引き出すおすすめブーツ
ビンディング同様、ブーツ選びもRT9を乗りこなす上で重要なファクターとなります。柔らかすぎるブーツでは、RT9の強い反発に負けてしまい、板を十分にたわませることが難しくなるからです。
ある程度のレスポンスを持った、ミドルフレックス以上のブーツを選ぶのが正解です。例えば、DEELUXE「ID TEAM」、BURTON「ION」などが候補に挙がります。特に、足首のホールド感がしっかりしているモデルを選ぶと、ノーリーを弾く瞬間のパワー伝達がスムーズになります。
もし現在柔らかいブーツを使っているなら、RT9への乗り換えと同時にブーツの新調も検討した方が良いかもしれません。足元全体でバランスを取ることで、「板が硬くて操れない」というリスクを回避し、初日からその性能を楽しめるようになります。
おすすめの型落ちモデルの探し方
最新モデルへのこだわりがなければ、型落ちモデルを狙うのも非常に賢い選択です。RT9は完成されたモデルであり、年式によって劇的なスペック変更が行われることは稀だからです。
基本的なコンセプトである「高反発オールラウンド」という軸はブレていないため、1〜2年前のモデルでも性能的には十分満足できるパフォーマンスを発揮します。私自身、数年前のモデルを試乗したことがありますが、現行モデルと遜色ないキレ味を楽しめました。
ただし、中古市場で探す場合はキャンバーの残量(ヘタリ具合)に注意が必要です。RT9はパークやグラトリで酷使されている個体も多いため、できるだけ信頼できるショップの在庫や、状態の良い新古品を探すことを強くおすすめします。
RICE28・RT9のジャンル別に評価・得意スタイル
| ジャンル | 評価(5点満点) |
| カービング | 4.5 |
| フリーラン | 5.0 |
| パウダー | 2.5 |
| グラトリ(弾き系) | 5.0 |
| グラトリ(乗り系) | 3.5 |
| ラントリ | 4.5 |
| キッカー(小~中) | 4.5 |
| キッカー(中~大) | 4.0 |
| ジブ | 3.0 |
キレのあるカービング性能の高さ
「ツインチップはカービングに向かない」という常識を覆してくれるのがRT9の凄いところです。有効エッジを長く使える設計になっているため、ターン中のグリップ力がディレクショナルボード並みに高く感じられます。
実際に圧雪されたバーンで板を立ててみると、雪面を切り裂くような鋭いターン弧を描けます。ヒールサイドターンでもエッジが抜けにくく、ガガガッとズレることなく「カチッ」と噛んでくれる感覚は病みつきになります。
ただし、ウエスト幅が標準的なので、足のサイズが大きい方(28cm以上など)はドラグに注意が必要です。深いカービングをメインにするなら、プレートを使用したり、スタンスアングルを調整したりする工夫が求められるかもしれません。
安定感のあるフリーランの滑走性
ゲレンデ全体を流すフリーランにおいて、RT9は最強の相棒になります。高速で滑っても板がバタつかないため、地形の凹凸を舐めるように滑走でき、スピードを出すことが怖くありません。
春先の荒れたシャバ雪でも、板の剛性が雪の抵抗に負けないため、突っかかって転ぶリスクが減ります。リフトに乗っている時から感じる板の軽さも相まって、一日中滑り倒しても疲れにくいというのは大きなメリットです。
パウダーに関しては、ツインチップかつキャンバー形状なので、正直なところ浮力はあまり期待できません。降雪直後の深いパウダーでは、ノーズが刺さらないように後ろ足荷重を意識する必要がありますが、圧雪バーンでのフリーラン性能は文句なしのトップクラスです。
高回転トリックとグラトリの相性
グラトリ、特に「弾き系」と呼ばれる高回転トリックを目指すライダーにとって、RT9はこれ以上ない武器になります。キャンバーの反発が非常に早くて強いため、タイミングさえ合えば、自分が思っている以上の高さまで体が持ち上げられます。
ノーリー720などの高難度トリックに挑戦する際、板が勝手に回転力を生んでくれるようなアシスト感があります。反発が返ってくるスピードが速いので、クイックな動作が求められるコンボトリックとも相性が良いです。
一方で、低速でのプレスやバター系のトリック(乗り系)に関しては、板の反発が強すぎて維持するのが難しいと感じる場面があります。「乗る」というよりは「弾く・回す」ことに特化した性能なので、スタイルに合わせて選ぶことが重要です。
スピードに乗せたラントリの操作性
カービングターンからトリックへと繋ぐ「ラントリ」との相性は最高レベルです。カービングでしっかりとスピードに乗せた状態からでも、エッジが抜けることなく強烈な反発を得られるため、ダイナミックな演技が可能になります。
高速域でのアプローチでも板がブレないため、安心して次のトリックの準備に入れます。例えば、カービングでG(重力)を感じながら、その反動を使って一気に飛ぶような動作が非常にスムーズに行えます。
正直、低速で遊ぶよりも、ある程度スピードを出して遊ぶ方がRT9の良さが光ります。「止まった状態からの練習」よりも「滑りながらのトリック」を好むライダーには、これ以上ない選択肢となるでしょう。
パークやキッカーでの反発力
キッカーなどのパークアイテムでも、RT9の安定感は頼りになります。アプローチでの加速がスムーズで、リップを抜ける瞬間の反発もしっかりしているので、抜けが良く、滞空時間の長いジャンプが楽しめます。
着地に関しても、張りのおかげで衝撃を吸収しやすく、多少バランスを崩しても板が耐えてくれる感覚があります。ジブに関しては、板が傷つくのがもったいないと感じてしまうかもしれませんが、性能的には問題なく入れます。
ただ、フレックスがしっかりしている分、ボックスやレールでの細かいスタイル出し(激しいプレスなど)には慣れが必要です。パークメインで考えるなら、ジャンプ重視の方に特におすすめしたいモデルです。
まとめ:RICE28・RT9の総合評価について
ここまで解説した内容を踏まえ、RICE28 RT9の評価をまとめます。
- 純粋なキャンバー形状による強力なグリップ力
- 踏めば踏むほど返ってくる強烈な反発性能
- ツインチップとは思えないカービングのキレ
- 高速フリーランでもバタつかない安心の剛性
- ノーリー720など高回転トリックのメイク率向上
- ラントリでのスピード感あるトリックに最適
- パウダーでの浮力はあまり期待できない
- 低速プレス系は脚力と技術が必要
- 初心者には硬く感じる可能性がある
- 中級者から上級者へのステップアップに最適
- 型落ちモデルでも性能は十分に高い
- ミドルフレックス以上のビンディング推奨
- 足首のしっかりしたブーツとの相性が良い
- 国産ボードならではの高品質と軽さ
- 「走る・切れる・飛ぶ」を高次元で実現
RICE28 RT9は、スノーボードの楽しさの根源である「滑る喜び」と「上達する達成感」を同時に与えてくれる板です。次のレベルへ進みたいあなたの背中を、強力に押してくれる一本になることは間違いありません。

































