【MOSS】CIRCUSⅡの評価は?グラトリ性能から乗り心地まで徹底解説

グラウンドトリックを中心にスノーボードを楽しみたい方から高い注目を集めているMOSS「CIRCUSⅡ」。その人気の理由は、これまでにない独自のボトム形状や、軽量かつ高反発なコア構造、そして扱いやすいソフトフレックスにあります。
ツインチップ設計により、前後どちらでも違和感なく滑れるため、回転系やスイッチトリックも自在に楽しめます。実際のレビューでも、反発力やしなりのバランスが良く、グラトリでのパフォーマンスが高く評価されています。
さらに、ラントリやカービング、パークでのジャンプやジブにも十分対応できる性能を持ち、幅広いライディングスタイルに適応。ビンディングやブーツの組み合わせ次第で、さらに自分好みの滑りが追求できるのも魅力です。
MOSS「CIRCUSⅡ」の特徴やユーザーのレビューをもとに、これからグラトリ用ボードを選びたい方に向けて、その実力を詳しく解説していきます。
- CIRCUSⅡの独自の構造と基本性能
- グラトリにおける具体的な操作性と評価
- カービングやパークでの使用感と適性
- 最適な板のサイズ選びとギアの組み合わせ
MOSS「CIRCUSⅡ」の基本スペックと詳細な評価
対象 | メンズ・レディース |
形状 | ダブルキャンバー (CIRCUS CAMBER) |
シェイプ | ツインチップ |
ボードの硬さ | 10段階中3(柔らかい) |
対象レベル | 初心者から上級者 |
サイズ | 141,151,155 |
独自のボトム形状「CIRCUS CAMBER」とは?
MOSS「CIRCUSⅡ」の最大の特徴の一つが、独自の「CIRCUS CAMBER(サーカスキャンバー)」と呼ばれる板の底面形状です。これは、スノーボードの滑走性能や操作性に大きく関わる部分で、CIRCUSⅡならではの乗り味を生み出しています。
具体的には、板の中央部分は雪面から浮き上がった「ダブルキャンバー」という形状を基本としています。これに加えて、板の先端(ノーズ)と後端(テール)部分にも、それぞれ小さなキャンバー(反り上がり)が設けられています。つまり、合計で5つのキャンバーを持つ非常に特殊な構造です。
この複雑な形状により、板をしならせて行うトリック(マニュアル系やプレス系)の際に、抜群の安定感を発揮します。また、板の反発力を利用したジャンプ(オーリー)もしやすく、グラウンドトリック(グラトリ)における多彩な動きをサポートしてくれる設計となっています。
軽量性と高反発を生むコア構造
MOSS「CIRCUSⅡ」は、軽快な操作性と力強い反発力を両立させるために、芯材(コア)にも工夫が凝らされています。一般的にスノーボードの芯材には木材が使われますが、CIRCUSⅡでは「POPLAR X(ポプラ エックス)」という特殊なコア構造を採用しています。
これは、比較的軽量でしなやかな特性を持つポプラ材をベースに、さらに軽量化を追求した「Xウッド」という素材を組み合わせたものです。この組み合わせにより、板全体の重量を抑えつつ、しっかりと反発する力を確保しています。
この軽量性と高反発性は、グラトリのような板を細かく操作したり、高くジャンプしたりする動きにおいて非常に有利に働きます。板が軽いことで取り回しが楽になり、少ない力でも板がしっかりと反発してくれるため、トリックのメイク率向上やスタイルの表現に繋がります。
グラトリに適したツインチップ設計
MOSS「CIRCUSⅡ」は、グラウンドトリック(グラトリ)を楽しむために最適な「ツインチップ」という形状を採用しています。ツインチップとは、スノーボードを上から見たときに、板の先端(ノーズ)と後端(テール)が全く同じ形をしており、ビンディング(足を固定する器具)を取り付ける位置も板の中心に設定されている設計のことです。
この形状の最大のメリットは、進行方向を前にしても後ろにしても(スイッチスタンス)、全く同じ感覚で滑ることができる点です。グラトリでは、回転系のトリックなどで頻繁に進行方向が入れ替わるため、どちら向きでも違和感なく操作できるツインチップが非常に有利になります。
また、前後対称であることにより、板の振り回しやすさ(スウィングウェイト)も均等になり、空中でバランスを取りやすいという特徴もあります。これにより、スピン系のトリックや板を回すような動きもスムーズに行えるようになります。
ソフトフレックスがもたらす操作性
MOSS「CIRCUSⅡ」は、比較的柔らかめの「ソフトフレックス」に設定されています。スノーボードの硬さ(フレックス)は、乗り心地や操作性に大きく影響しますが、このソフトフレックスがグラトリにおける様々なメリットをもたらします。
まず、板が柔らかいため、少ない力で板をしならせることができます。これは、雪面をプレスしたり、板をねじったりするようなグラトリの動きにおいて非常に重要です。板がしなやかに反応してくれることで、トリックのバリエーションが広がり、よりスタイリッシュな動きを表現しやすくなります。
また、低速域でのコントロール性能が高いのもソフトフレックスの特徴です。ゲレンデの緩やかな斜面で細かいトリックを連続して行う場合など、シビアな板さばきが求められる場面でも、板がライダーの意図に素直に追従してくれます。これにより、初心者から上級者まで、幅広いレベルのライダーがグラトリの楽しさを存分に味わえるようになっています。
サイズ展開と選び方のポイント
MOSS「CIRCUSⅡ」は、幅広いライダーに対応できるよう、複数のサイズがラインナップされています。一般的にスノーボードの板の長さは、身長や体重、そしてどのような滑りをしたいかによって選ぶのが基本です。
CIRCUSⅡのようなグラトリ向けの板を選ぶ場合、一般的なフリーラン向けの板よりもやや短めのサイズを選ぶ傾向があります。短い板は取り回しがしやすく、回転系のトリックや細かい板さばきがしやすくなるためです。ただし、短すぎると安定感を損なう場合もあるため、バランスが重要です。
具体的な選び方としては、まず自分の身長から±15cm~20cm程度を目安にし、そこから体重や好みのスタイルを考慮して調整します。詳細な選び方は「グラトリ板の選び方について」でまとめているため参考にしてください。
MOSS「CIRCUSⅡ」のライディング性能とジャンル別評価
グラトリでの圧倒的なパフォーマンス
MOSS「CIRCUSⅡ」は、グラウンドトリック(グラトリ)において、その性能を最大限に発揮できるように設計されたスノーボードです。板の反発を利用したジャンプ系のトリック(弾き系)も、板をしならせて行うプレス系のトリック(乗り系)も、どちらも高いレベルでこなすことができます。
特に、CIRCUSⅡ独自のボトム形状である「CIRCUS CAMBER」は、ノーズとテールにそれぞれ独立したキャンバー(反り上がり)を持つことで、マニュアル系のトリックやプレス時の安定感を高めています。また、メインのキャンバー部分もダブルキャンバー形状になっており、これが板の操作性を向上させ、様々なトリックへの移行をスムーズにします。
実際に使用したユーザーからは、「言うまでもなくグラトリではその性能を最大限発揮することができてめっちゃ楽しい」といった声や、「特に乗り系トリックはしやすくてオーウェンなどのトリックもスムーズにできました」という評価が寄せられています。グラトリ界のレジェンドである長谷川健太氏が監修していることも、その高いパフォーマンスを裏付けています。
ラントリにおけるスムーズな動き
ラントリとは、ゲレンデを滑り降りながら連続してグラウンドトリックを行うスタイルですが、MOSS「CIRCUSⅡ」はこのような動きにも非常に適しています。板の操作性が高く、ターンとトリックの連携がスムーズに行える点が大きな特徴です。
CIRCUSⅡの持つソフトなフレックス(板の柔らかさ)と、独自の「CIRCUS CAMBER」が生み出すエッジの引っかかりの少なさが、滑走中のトリックへの導入を容易にします。これにより、ライダーは流れを止めずに、次々とトリックを繰り出すことができます。
ユーザーレビューでは、「とてもなめらかなターンからトリックへの動作もスムースに行えて個人的にはTOTOよりもおすすめ度は高いです」といった評価があり、ラントリにおける高い適応性を示唆しています。ゲレンデの様々な地形でトリックを織り交ぜながら滑りたいライダーにとって、CIRCUSⅡは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
カービング性能の実際のところ
MOSS「CIRCUSⅡ」はグラトリに特化したモデルとして知られていますが、実はカービング性能も一定レベル以上備えています。グラトリモデルというと、カービングではエッジグリップが甘くなりがちというイメージがあるかもしれませんが、CIRCUSⅡはそのような心配を軽減してくれる設計がなされています。
独自の「CIRCUS CAMBER」は、トリック時の操作性を高めるだけでなく、ターン時にはしっかりとエッジが雪面を捉えるように機能します。足元のキャンバーが二つのピークを持つことで、ターン中の安定感とグリップ力を確保し、切れのあるカービングターンを可能にします。
もちろん、カービング専用のハンマーヘッド形状の板などと比較すると、絶対的なグリップ力や高速安定性では劣るかもしれません。しかし、グラトリをメインに楽しみつつ、気持ちの良いカービングターンもしたいというニーズには十分応えてくれる性能を持っています。実際に、「グラトリに特化だけど滑走能力が良く総合評価が高い」というレビューも見られます。
パークでのジャンプやジブの扱いやすさ
MOSS「CIRCUSⅡ」はグラトリ性能が際立っていますが、その扱いやすさからパークでのジャンプやジブといったアイテムにも対応できるポテンシャルを持っています。ツインチップ形状であるため、スイッチスタンス(通常とは逆の向きで滑ること)でのアプローチやランディングもスムーズに行えます。
ソフトフレックスな板は、ジブアイテム(レールやボックスなど)の上で板をプレスしたり、スライドさせたりする際にコントロールしやすく、安定した滑りをサポートします。また、ジャンプにおいては、CIRCUSⅡの持つ反発力がオーリー(板の反動を使ったジャンプ)の高さを引き出し、空中でのトリックのメイク率向上に貢献します。
ただし、非常に大きなキッカー(ジャンプ台)やハイスピードでのアプローチが求められるような本格的なパークライディングをメインに考えている場合は、より硬めのフレックスで安定性の高いパーク専用モデルを検討する方が適しているかもしれません。CIRCUSⅡは、あくまでグラトリを軸にしつつ、パークも楽しみたいというライダーにとって扱いやすい選択肢と言えるでしょう。
おすすめのビンディング・ブーツの組み合わせ
MOSS「CIRCUSⅡ」の性能を最大限に引き出すためには、ビンディングとブーツの選択も重要です。CIRCUSⅡはグラトリに特化したソフトフレックスの板なので、それに合わせた特性を持つビンディングとブーツを選ぶのが基本です。
ビンディングに関しては、グラトリ向けのモデルがおすすめです。例えば、UNION(ユニオン)の「ULTRA」はグラトリを最優先に設計されており、高い操作性とレスポンスを提供します。
また、FLUX(フラックス)の「DS」もオールラウンドなモデルでありながらグラトリユーザーからの人気が高く、可動域の広さが特徴です。これらのモデルは、CIRCUSⅡの持つ板のしなりや反発をダイレクトに足裏に伝え、トリックの精度を高めてくれます。
ブーツも同様に、比較的ソフトフレックスで足首の自由度が高いモデルが適しています。これにより、細かい板さばきやスタイリッシュな動きがしやすくなります。
ブランドの相性としては、同じブランドで統一すると設計思想が近いためマッチしやすいですが、必ずしもそうである必要はありません。
重要なのは、ビンディングとブーツのフレックスのバランスを合わせること、そして自分の足にしっかりとフィットするものを選ぶことです。
まとめ:MOSS「CIRCUSⅡ」の評価について
MOSS「CIRCUSⅡ」は、グラトリに特化したスノーボードで、その性能を最大限に引き出すための特徴的な設計が施されています。独自のボトム形状「CIRCUS CAMBER」は、5つのキャンバーを持つ複雑な構造で、トリック時の安定性と反発力を高めます。
芯材には軽量で高反発な「POPLAR X」コアを採用し、軽快な操作性を実現。グラトリに適したツインチップ設計とソフトフレックスにより、スイッチスタンスでの滑走や多彩なトリック、低速域でのコントロールも容易です。
ライディング性能としては、グラトリで圧倒的なパフォーマンスを発揮するだけでなく、ラントリでのスムーズな動き、一定レベルのカービング性能、パークでのジャンプやジブの扱いやすさも兼ね備えています。
性能を最大限に活かすためには、ソフトフレックスで足首の自由度が高いビンディングやブーツとの組み合わせが推奨されます。身長やスタイルに合わせたサイズ選びも重要で、グラトリユーザーにとって非常に魅力的な一枚と言えるでしょう。











