『形状』ですが、この言葉を聞いたことがありますか?この記事では、スノーボードの形状の種類や特徴を解説していきます。形状とは、ボードを地面に置いたとき真横から見たボードの反り方のことを言います。
スノーボードの形状にはさまざまな種類があります。各社ごとに特徴がある形状がリリースされていますね。似ている形状もあったりと、細かく見るととても複雑ですが、基本的にまとめることができます。
スノーボード選びにおいてとても重要で間違えると買い替えも考えるレベルですから、知らない方は絶対に知っておくことをおすすめします!
- キャンバー
- ダブルキャンバー
- ロッカー
- フラット
- ハイブリット
これらの形状について特徴・メリット・デメリットを解説していきますね。選び方についても解説していくため、あなたの用途にあった形状を考えてみましょう。
スノーボードの形状は大きく3種類

スノーボードにはさまざまな形状がありますが、基本となる形状は「キャンバー」「ロッカー」「フラット」の3つです。この基本形状を組み合わせることで、ダブルキャンバー・ハイブリットキャンバーなどの形状が派生種として存在しています。
まずは、基本形状となる「キャンバー」「ロッカー」「フラット」について解説していきます。
スノーボード形状①キャンバー

先ほどから何度も出ているキャンバーはスノボー定番の形状です。この形状がスノーボード元祖の形状となります。
キャンバーとは地面に置いた時に地面とボードの間に隙間ができます。ボードがアーチ状になっています。ボード中心を頂点に図のように反りかえっていることが特徴です。
何においても最初に開発されたものが広まっていくのは分かりますね。
しかし、最近はこの後に紹介するロッカーの登場や二つの良さを持ちわせているダブルキャンバーなどの台頭によって一昔前からするとキャンバーボードの数はかなり減っています。
キャンバーのメリット・デメリット
キャンバー形状は、ターン、ジャンプなどスノーボードに欠かせない動きに威力を発揮します。ターンでの重心移動、ジャンプのときのアプローチやランディングの安定さは、とても定評があります。
要するにスノボーの基礎を学ぶには最もキャンバーボードが適していると個人的には考えています。これには異論を唱える人もいますが、あくまでもベースの形状キャンバーです。
エッジかかりが少ないロッカーが初心者に向いているという人もいますが初めからキャンバーで慣れた方が僕は良いと感じています。
ロッカー乗りを覚えてしまうとキャンバーになったときに矯正が必要になるからです。僕の友人がキッカーにトライすためにキャンバーに乗り換えてとても苦労していたので。
ただ、初心者はロッカーの方が絶対に滑りやすいです。先ほども言いましたが逆エッジで転倒するリスクが低くなります。雪面にエッジが接しないよう反りかえっていますからね。
ここの判断は難しいところで、初心者におすすめするのであれば、僕個人の意見としては柔らかいキャンバーボードやダブルキャンバーなどをおすすめます。
- 荒れたバーンでも安定しやすい
- キッカーでオーリーをかけやすい
- 雪面のエッジのグリップ力が強い
- パウダーで沈む
- 逆エッジのリスクが高い
- ロッカーなどと比べると扱い難易度が高い
ピュアポップキャンバー (BURTON)
キャンバーとフラットの良いところ取りの形状となります。BURTONではこのような呼び方ですが、他メーカーだとキャンバーとして明記されていることもあります。
キャンバー特有の反発力・レスポンスはもちろんのことですが、足元をフラットにして直ぐにノーズ・テールに向かいカーブする形状のため、エッジ掛かりを軽減します。
キャンバーよりもポップな動きに対応することが可能です。このようにひと言でキャンバーといってもメーカーにより設定が異なることも多々あります。
おすすめキャンバーボードは?
スノーボード形状②ロッカーボード

ロッカーは地面に置くとU字を描くようにノーズとテールが浮き上がっています。そのためターンなどのではエッジかかりが軽減されることで逆エッジが減ります。足元もかなりルーズになります。
スノーボード発祥時にはキャンバーと言われる形状しかありませんでしたがパウダースノーを楽しむためにどうにか滑りやすい雪に埋まらないボードはないか?というコンセプトを元に設計された形状がロッカーです。
そこからいろいろな形状が派生してスノーボーダーにボードの選択を楽しませてくれています。
ロッカーのメリット、デメリット
簡単に言うとすでにしなっているボードです。すでにしなっているボードに乗ると、どのような滑りになるんでしょうか?メリット、デメリットを挙げてみます。
- パウダーで浮くこと
- ジャンプもターンも少ない力で行える
- 逆エッジがキャンバーに比べ軽減!
- 荒れた雪面の衝撃をモロにくらう
- 荒れた雪面はターンでぶっ飛ぶかも?
- ジャンプは力むとすっぽ抜けるし高さがでない
ロッカーボードで最も気になることは荒れたバーンで板がバタつくことです。やはりロッカー形状はターン時にノーズ・テールのエッジが雪面を掴みづらいことから板が暴れやすくなります。
逆にロッカーは柔らかい板が多いためグラトリ(乗り系トリックのみ攻める人)に取り組みたい人・ジバ―におすすめと言いますが、、、。プレス、乗り系トリックは得意としますが、グラトリでも板をしならせて弾く系トリックは苦手になります。
【ロッカー形状がおすすめな人】
- グラトリでも乗り系トリックに重きをおいて取り組む人
- どうしても逆エッジが怖い初心者スノーボーダー
- ジブをメインで攻めるジバーの人
ロッカーボードのおすすめボード
スノーボード形状③フラットキャンバー

上図を見てのとおりですが、平らなところに板をおいて真横から見ると地面とソール部分(滑走面)が密着している形状をフラットキャンバー(ゼロキャンバー)と言います。
言うならば、キャンバーとロッカーの中間の形状と考えれば問題ありません。フラットキャンバーはボードがぴたりと雪面に接しているので、ボードコントロールが行いやすいです。
トゥー・ヒールエッジの切り替えを素早く行うことができます。滑り心地はキャンバーよりも楽でロッカーよりもカッチリと滑ることができます。
フラットキャンバー形状は、グラトリ、スピン、パークなど多彩なスタイルに合わせれます。初心者にもおすすめな形状です。
おすすめなフラットボード
スノーボード形状の発展版
これまで見てきた「キャンバー」「ロッカー」「フラット」が基本的な形状です。それらを組み合わせた形状をこれから見ていきましょう。
各メーカーさまざまな形状があり似ているけど名称が異なったりとややこしい部分があるかもですが、まとめてみました!
ダブルキャンバー

ダブルキャンバー読んで字のごとく、キャンバーが2つある板のことです。ボードの中心(股下)はロッカー形状になっています。
ロッカー形状があるため板の操作性が高いです。逆エッジにもなりにくいですね。さらにノーズ・テールがキャンバーであるためキャンバー特有の反発やエッジングも可能としています。
ただ、独特な乗り心地のためにキャンバーを長年乗っている方は違和感があるかもしれません。そこは慣れの問題となります!
ロッカーの弱みをキャンバーで解消?
ダブルキャンバーは、ロッカーと同じメリットを持っています。そのため、パウダーでは浮力があり、グラトリがしやすく、さらに逆エッジもにもなりにくいです。
ロッカーのデメリットを2つのキャンバーが解消しています。荒れたコースでもしっかりボードを踏むことができるし、パウダー上でもジャンプできるし、キッカーでもまくられにづらくなります。
こう聞くとダブルキャンバーがいいね!となりますがそうとは限りません。キャンバーほどの板の反発はないし、ロッカーほどの逆エッジの軽減もないです。
初心者から上級者までが乗れるオールマイティなボードのため性能が偏っていないのが特徴です。
デメリットを挙げるとするならば中途半端な板ということが言えます。が、最近はそれといってキャンバーと遜色ない感じがしています。そのためキャンバーのシェア落ちてきていますね。
フライングV(BURTON)/ガルウィング(NITRO)
BURTONには「FLYING V」という形状の板があります。見た目はダブルキャンバーと似ていますが、板の中心のロッカー部分がダブルキャンバーよりも強く入っています。
つまりは通常のダブルキャンバーと比較するとノーズ・テールが浮いている状態です。そのことからダブルキャンバーよりも操作性が良くなります。
BURTONの板では、この「FLYING V」と称しています。NITROでも似た形状をガルウィングと呼んでいます。
ダブルキャンバーのおすすめボードは?
ハイブリット

このハイブリットですが、決まった形状はありません。ハイブリットという言葉の意味として「2つの性質が異なるものを組み合わせて複合する」です。
たとえば、フラットとキャンバーを組み合わせた形状・キャンバーとロッカーを組み合わせた形状などを言います。
各種メーカーが試行錯誤することでいろいろな特徴がある形状が多種多様にあります。
ハイブリットの特徴は?
基本的にハイブリットは、キャンバーよりも乗りやすいです。板の反発を得ることができます。エッジ掛かりを押させつつもしっかりとして乗り心地になりますね。
キャンバーがあるため雪面をグリップする力も高めてくれるため安定性が増しています。また、ノーズ・テールがロッカー形状のためにパウダー滑走時にも浮力を確保しやすいです。
パウダーロッカー(マウンテンロッカー・Sロッカーなど)
スノボーの中にはパウダースノーを滑るためだけに開発された板もあります。パウダーの環境で力を発揮します。キャンバーなどでパウダーを滑れば、ノーズが沈んでしまうことがあります。
しかし、このパウダーロッカーでは、そのようなことはありません。普通に滑るだけで勝手に埋もれずに新雪を滑ることができます。パウダーボードの形状は他にもいくつかありますがこの2つを知っていれば大丈夫です。
おすすめパウダーボード
用途・熟練度によって形状は違う
この形状については奥が深いですね。用途・熟練度・ジャンルによって異なります。これといった絶対的なものはありません。
たとえば、初心者を例にすると逆エッジをなくしたいという目的のみで選ぶとロッカー形状が良いです。ただ、スノーボードの上達のことを考えると別の選択肢。個人的にはキャンバーをおすすめします(もしくはダブルキャンバーorフラット)。
グラトリにおいてはフラットもしくはキャンバー、プレス主体であればロッカーでも良いかも。というように本当にグラトリというジャンルの中でも考え方によって形状の選択は変わってきますね。
さいごに
ここでは代表的な形状について解説してきました。メーカーによって同じ形状でも呼び名が違ったりします。ややこしいですが慣れですね(笑)ここにあるのを覚えておけば基本的に困ることはありませので!
またスノーボードの輪郭の形についてはシェイプといいます。スノーボードの選び方でシェイプも重要になります。
さらにスノーボードを選ぶには形状以外の知識も必要となります。スノーボードの選び方については「スノーボードの選び方!初心者が失敗しないための知識をまとめ」を参考にしてくださいね!