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【ALLIAN】PRISM LTDの評価はフリーライドからパークまで本当に万能なモデル

ALLIAN PRISM LTDの評価
まさやん
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多彩なスタイルで滑りを楽しみたいスノーボーダーから高い注目を集めているのが、ALLIAN「PRISM LTD」です。従来モデルよりもワイドな設計や強めのサイドカーブを採用し、パウダーや荒れたバーンでも安定した走破性を実現しています。

さらに、バサルトファイバーによる独自のフレックス構造と、NANO CARBON 999ソールによる圧倒的な滑走性能も魅力です。ミディアムフレックスのバランスやキャンバー形状が、カービングやパーク、グラトリなど幅広いシーンで扱いやすさと反発力を両立。

中上級者の求めるレスポンスやオーリー性能も十分に備えています。この記事では、ALLIAN「PRISM LTD」のレビューやスペック、各スタイル別の特徴を詳しく解説し、その実力を多角的に紹介します。

この記事で分かること
  • LTDモデルの構造や素材、基本スペック
  • フリーライドでの走破性や操作性
  • カービングやパークでの具体的な性能
  • グラトリやオーリーの適性と反発力

ALLIAN「PRISM LTD」のスペックから見る総合評価

対象メンズ
形状キャンバー
シェイプディレクショナルツイン
ボードの硬さ10段階中5(普通)
対象レベル初心者から上級者
サイズ150,152,155

独自のフレックスと反発力を生む構造

ALLIAN「PRISM LTD」は、ただ柔らかいだけ、あるいは硬いだけではない、絶妙なバランスのフレックス(板のしなり具合)と優れた反発力を実現する独自の構造を持っています。板の芯材には厳選されたウッドコアが使用され、これが基本的な乗り味を作り出しています。

さらに、PRISM LTDモデルでは、ノーズ(板の先端)とテール(板の後端)部分に、「>< BASALT(バサルトファイバー)」と呼ばれる素材がV字型に配置されています。このバサルトファイバーは、カーボン素材に比べて少し柔らかめの反発力を持ち、粘りのあるフレックスを生み出す特徴があります。

この構造により、ライダーが板を踏み込んだ際にはしっかりとしなり、その反発力を利用して軽快なオーリー(ジャンプ)やターンを繰り出すことができます。また、高速滑走時にも板がバタつきにくく、安定したライディングをサポートします。

単に素材を組み合わせるだけでなく、その配置や形状にも工夫を凝らすことで、フリースタイルな動きからカービングまで、幅広い状況に対応できる乗り心地を実現しているのです。

シェイプとセットバック:DIRECTIONAL TWINの特徴

ALLIAN「PRISM LTD」の多くが採用する「DIRECTIONAL TWIN(ディレクショナルツイン)」というシェイプ(板の形状)は、その名の通り、進行方向(ディレクショナル)と、前後対称に近い(ツイン)特性を併せ持っています。

具体的には、ノーズとテールの形状はほぼ同じツインチップでありながら、ビンディング(足を固定する金具)を取り付ける穴の位置が、板の中心よりも少しだけテール側にずらされている(セットバックされている)ことが多いです。

このわずかなセットバックにより、重心が少し後ろに下がるため、新雪(パウダー)を滑る際にはノーズが浮きやすく、楽に進むことができます。それでいて、ノーズとテールの形状が近いため、スイッチライディング(利き足と逆のスタンスで滑ること)も比較的スムーズに行えるのが大きな特徴です。

つまり、パウダーでの浮力を確保しつつ、フリースタイル的な動きの自由度も残したいという、欲張りなニーズに応える形状と言えるでしょう。

ただし、モデルや年式によっては、フリースタイル要素を重視してセットバックを意図的に入れていない場合もあります。これにより、パークでのトリック時における違和感を軽減し、安定したパフォーマンスをサポートします。

高速域で活きるキャンバー形状とエッジコントロール

ALLIAN「PRISM LTD」は、「CAMBER(キャンバー)」という伝統的な板の形状を採用しています。キャンバー形状とは、板を平らな場所に置いたときに、中央部分が雪面から浮き上がり、アーチ状になっている構造のことです。この形状が、特にスピードを出した滑りや硬い雪面で大きなメリットをもたらします。

ライダーが板に体重をかけると、このアーチが雪面にしっかりと圧力を伝え、板の金属製の縁であるエッジ全体が雪にくい込みやすくなります。

その結果、ターンをする際にエッジが雪面を確実に捉え、優れたグリップ力を発揮します。これにより、高速でカービングターンを行う際にも安定感があり、板がズレにくいコントロール性能の高さを感じられるでしょう。

また、キャンバー形状はオーリー(ジャンプ)の際にも反発力を得やすく、高さのあるジャンプを可能にします。PRISM LTDでは、このキャンバーの高さを6mmと比較的高めに設定しているモデルもあり、これがさらなるエッジの切れ味とオーリー性能の向上に貢献しています。

圧倒的な滑走性能を誇るNANO CARBON 999ソール

ALLIAN「PRISM LTD」の滑走面の素材には、「NANO CARBON 999(ナノカーボン999)」という特別な素材が使われています。

これは非常に分子の密度が高く、硬い性質を持つシンタードカーボンベースで、優れた滑走性能を発揮するためのものです。多くのスノーボーダーがアライアンの板を「超速い!」と評価する理由の一つが、この高性能なソール素材にあります。

さらに、このソールには「ストーングラインディング仕上げ」という手間のかかる加工が施されています。これは、専用の機械を使ってソールの表面に微細な溝を刻む作業で、通常の倍もの時間をかけて丁寧に行われます。

この溝が雪面との摩擦を効果的に軽減し、特に春先の水分を多く含んだ湿雪の上でもスピードが落ちにくくなる効果があります。

実際に長年PRISMを愛用しているユーザーからも、時間が経ってもソールの滑りが良く、他メーカーの板と比較しても非常に良く走るという声が聞かれるほど、その滑走性能の高さと持続性は折り紙付きです。

ワイド設計とサイドカーブがもたらす安定性と走破性

ALLIAN「PRISM LTD」は、同ブランドのスタンダードモデルであるPRISMと比較して、板の幅が全体的に広く設計されているのが特徴です。この「ワイド設計」は、特に新雪(パウダー)や圧雪されていない荒れたバーン(ゲレンデの不整地)を滑る際に大きなメリットをもたらします。

板の幅が広いことで雪面に対する接地面積が増え、浮力が向上するため、パウダーの中で板が沈み込みにくく、スムーズに進むことができます。また、荒れた雪面でも板が安定しやすく、バランスを崩しにくいという利点もあります。

加えて、PRISM LTDでは「サイドカーブ」も強めに設定されています。サイドカーブとは、板の側面が内側にカーブしている形状のことで、これがターンのしやすさや切れ味に影響します。サイドカーブを強めることで、より少ない力で板を傾けやすくなり、シャープなカービングターンが可能になります。

このワイドな設計と強めのサイドカーブの組み合わせによって、PRISM LTDはパウダーでの高い走破性と、圧雪バーンでの優れたカービング性能という、一見相反する要素を高次元で両立させているのです。これにより、ライダーは様々な雪質や斜面で、安定した滑りと高いコントロール性を体感できるでしょう。

ALLIAN「PRISM LTD」をライディングスタイル別に評価

適性が高いジャンル

オールラウンド

カービング
フリーラン
パウダー
グラトリ(弾き系)
グラトリ(乗り系)
ラントリ
キッカー(小~中)
キッカー(中~大)
ジブ

フリーライドでの高い走破性と操作性を評価

ALLIAN「PRISM LTD」は、ゲレンデの圧雪されたコースだけでなく、新雪が積もった手つかずの斜面(パウダー)や、少し荒れた雪面といった、いわゆる「フリーライド」と呼ばれる滑りにおいても高い性能を発揮します。

その秘密の一つは、通常のPRISMモデルよりも少し幅広に作られた板のアウトライン(形状)と、強めに設定されたサイドカーブ(板の側面のくびれ)にあります。この設計により、パウダースノーの中でも板が沈み込みにくく、浮力を得やすいため、スムーズに進んでいくことができます。

また、板のフレックス(しなり具合)は、硬すぎず柔らかすぎない絶妙なバランスに調整されており、これが荒れた雪面でも板のバタつきを抑え、安定した滑りを可能にします。

ノーズ(板の先端)とテール(板の後端)には、反発力と振動吸収性に優れたバサルトファイバーという素材が使われており、これが操作性の向上にも貢献しています。

そのため、ライダーは多様な雪質や地形の変化にも柔軟に対応し、思い通りのラインで滑り降りる楽しさを存分に味わうことができるでしょう。

カービング評価:キレと高速域での安定感

ALLIAN「PRISM LTD」は、キレのあるカービングターンと、スピードを出した状態での安定性において高い評価を得ています。

この板が採用している「キャンバー」という形状は、板の中央部分が雪面から浮き上がったアーチ状になっており、これがカービング性能の鍵を握っています。

ライダーが板に体重をかけると、このアーチが雪面にしっかりと圧力を伝え、板のエッジ(金属の縁)全体が雪に食い込みやすくなります。その結果、ターンをする際にエッジが雪面を確実に捉え、ズレることなくシャープなターン弧を描くことが可能です。

特にPRISM LTDは、サイドカーブが強めに設計されているため、より少ない力で板を傾けやすく、深いターンを連続して行うことができます。

また、NANO CARBON 999という非常に滑走性の高いソール素材を使用しているため、スピードに乗りやすく、高速域でも板がブレにくい安定感があります。

硬い雪面でもエッジがしっかりとグリップするため、ライダーは安心してスピードを上げ、ダイナミックなカービングを楽しむことができるでしょう。

パークにおけるトリックの安定性と扱いやすさを評価

ALLIAN「PRISM LTD」は、ジャンプ台(キッカー)やレール、ボックスといった障害物(アイテム)が設置されたスノーボードパークでのライディングにおいても、その扱いやすさとトリックの安定性で支持されています。

この板は、ノーズとテールの形状が同じ「ツインチップ」形状を採用しており、これがレギュラースタンス(通常の滑り方)でもスイッチスタンス(逆向きの滑り方)でも同じ感覚で滑れることにつながり、トリックの幅を広げます。

PRISM LTDは、フリースタイル要素を重視し、ビンディング(足を固定する金具)の取り付け位置が板の中心にある「セットバックなし」の設計を採用しているモデルもあります。

これにより、ジャンプの踏み切りや空中での板の操作、着地(ランディング)といった一連の動作がスムーズに行え、バランスを崩しにくい安定感をもたらします。

また、板のフレックスはミディアム(中間)程度で、ノーズとテールに配置されたバサルトファイバーが適度な反発力を生み出し、オーリー(ジャンプ)などのトリックを容易にしてくれます。

これらの要素が組み合わさることで、パークでの様々なトリックに挑戦しやすく、メイク率(成功率)の向上も期待できるでしょう。

グラトリ適性評価:LTDモデルならではの柔軟性

ALLIAN「PRISM LTD」は、ゲレンデの緩やかな斜面で板を回転させたり、しならせたりして遊ぶ「グラトリ」にも適しています。

特にLTDモデルは、通常のPRISMモデルと比較して、ノーズとテールに使用されている「バサルトファイバー」という素材の特性により、ややソフトで粘りのあるフレックス(板のしなり具合)を持っています。

この柔軟性が、板の先端や後端を雪面に押し付けてしならせるプレス系のトリックや、板をスライドさせるような動きをスムーズに行うのに役立ちます。

ツインチップ形状であるため、スイッチスタンスでのトリックも行いやすく、多彩な技の組み合わせを楽しむことができます。

また、キャンバー形状は板の反発力を生み出しやすいため、オーリーやノーリーといった弾き系のトリックで高さを出しやすいというメリットもあります。

ただし、エッジが比較的効きやすいキャンバーボードの特性上、ドライブ系(エッジを立てて回転する)のトリックを行う際には、逆エッジ(意図しないエッジの引っかかり)に注意が必要という側面もあります。

それでも、LTDモデルならではの柔軟性は、グラトリの表現の幅を広げ、中級者以上のライダーにとっては技の精度を高める助けとなるでしょう。

中上級者向けレスポンスとオーリー性能を評価

ALLIAN「PRISM LTD」は、ある程度滑走技術が身についている中級者から上級者のライダーにとって、その高いレスポンス(板の反応の良さ)と優れたオーリー(ジャンプ)性能が魅力的なモデルです。

この板は、ライダーの細かな動きや力の伝え方に対して、素早く的確に反応するように設計されています。

キャンバー形状がもたらすしっかりとしたエッジグリップと、ノーズとテールに配置されたバサルトファイバーが生み出す反発力が、ターンへの導入や切り返し、そしてジャンプの踏み切りといった動作をスムーズかつ力強くサポートします。

特にオーリー性能に関しては、キャンバー形状が持つアーチ構造が、踏み込んだ力を効率よく反発力に変換するため、高さのあるジャンプを可能にします。

PRISM LTDでは、このキャンバーの高さを6mmと比較的高めに設定しているモデルもあり、これがさらなるオーリー性能の向上に貢献しています。

フリーライド中に自然の地形を利用してジャンプしたり、パークでキッカーに挑戦したりする際に、この高いオーリー性能は大きなアドバンテージとなるでしょう。

ライダーの意思にしっかりと応えるレスポンスの良さと、パワフルなオーリー性能は、滑りのレベルをさらに引き上げたいと考える中上級者に最適な特性と言えます

まとめ:ALLIAN「PRISM LTD」の評価について

ALLIAN「PRISM LTD」は、独自の構造と厳選素材により、絶妙なフレックスバランスと優れた反発力を実現するスノーボードです。ノーズとテールに配置されたバサルトファイバーが粘りのあるフレックスを生み出し、軽快なオーリーやターンを可能にします。

DIRECTIONAL TWINシェイプ(一部セットバックなし)はパウダーでの浮力とフリースタイル性能を両立し、伝統的なキャンバー形状は高速域でのエッジコントロールとオーリー性能を高めます。

滑走面には圧倒的な滑走性能を誇るNANO CARBON 999ソールを採用し、ストーングラインディング仕上げで湿雪にも強いのが特徴です。ワイド設計と強めのサイドカーブは、パウダーでの走破性と圧雪バーンでのカービング性能を高い次元で融合させています。

フリーライドでは高い走破性と操作性を発揮し、カービングではキレと高速安定感を提供。パークではトリックの安定性と扱いやすさが光り、LTDモデルはグラトリに適した柔軟性も持ち合わせています。

総じて、中上級者が求める高いレスポンスとオーリー性能を備え、多様なライディングスタイルに対応する高性能な一台と言えるでしょう。

ABOUT ME
まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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