【FANATIC】FTCの振動吸収性能を評価!軽量ボードの常識を覆す「安定性」

まさやん
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FANATIC「FTC」が持つ本当の性能や、自分の滑りに合うかどうかを知りたいと考えているのではないでしょうか。FTCは、その革新的なテクノロジー、特にハニカムコアによる圧倒的な軽さで知られるモデルです。

しかし、軽いだけがFTCの魅力ではありません。その軽さがもたらすスウィングウェイトの恩恵、反発力と操作性の絶妙なバランス、そしてどんなジャンルでその真価を発揮するのか。

この記事では、プロのWEBライターの視点からFANATIC FTCのスペックを客観的に分析し、フリーランからカービング、パークまで、どのようなライディングスタイルに最適なのかを徹底的に評価します。

要点
  • FTCが誇る「ハニカムコア」技術の詳細とその恩恵
  • FTCが無印モデルと「TWIN」モデルでどう異なるか
  • カービングやフリーランなど主要ジャンルでの具体的な適性
  • FTCが初心者から上級者まで、どんなレベルのライダーに最適か

FANATIC・FTCのスペックを評価

項目詳細
対象メンズ / ユニセックス
サイズ展開147cm / 150cm / 153cm / 156cm / 159cm
フレックス (硬さ)6 / 10 (ミディアムフレックス)
スウィングウェイト (軽さ)2 / 10 (非常に軽い)

形状はハイブリッドキャンバー

FANATIC「FTC」は、「POP CAMBER」と呼ばれるハイブリッドキャンバー構造を採用しています。

これは、足元のしっかりとしたキャンバー(反発とグリップを生む)と、ノーズとテール部分のわずかなロッカー(引っかかりを軽減し操作性を上げる)を組み合わせた形状です。

この構造のおかげで、キャンバーボード特有の反発力やエッジグリップを維持しつつ、ロッカーボードのようなルーズな操作感やパウダーでの浮力を両立させています。

ターン導入がスムーズで、逆エッジのリスクも低減されるため、多様な雪質や地形で安定した滑りをサポートしてくれます。

シェイプはツインチップを採用

構成案では「ツインチップ」とありますが、厳密にはFTCには複数のモデルラインが存在します。フリースタイル性能を追求した「FTC TWIN」は、ノーズとテールの形状が全く同じトゥルーツインチップを採用しています。

これにより、レギュラースタンスでもスイッチスタンス(逆向き)でも全く同じ感覚で滑ることが可能です。グラトリやパークでの使用をメインに考えるなら、FTC TWINが適しています。

一方で、無印の「FTC」モデルは、「ディレクショナルツイン」と呼ばれる形状を採用しています。

これは、基本の形状はツインチップに近いものの、ノーズがテールより少し長かったり、ビンディングの推奨スタンスが少し後ろ寄り(セットバック)になっていたりするものです。これにより、フリーランでの操作性やパウダーでの浮力を高めています。

FTC最大の特徴ハニカムコア

FTCの評価を語る上で絶対に外せないのが、FANATIC独自の「ハニカムコア」です。これは、蜂の巣状の中空構造を持つ素材をボードのコア(芯材)に使用するテクノロジーを指します。

もともとは宇宙航空工学で用いられる技術で、非常に軽量でありながら高い強度を誇ります。

FTCでは、このハニカムコアを主にボードのノーズとテール部分に配置しています。これにより、ボード全体の重量を劇的に軽量化しています。

実際に手に取ってみると、他の一般的なボードと比べて明らかに軽いと感じられるはずです。この軽さが、あらゆるパフォーマンスの向上に直結します。

超軽量なスウィングウェイト

前述の通り、ハニカムコアをノーズとテールに配置することで、FTCは「スウィングウェイト」を極限まで軽くすることに成功しています。

スウィングウェイトとは、ボードを振った(スウィングした)時の重さの感覚、つまり「取り回しの軽さ」を指します。

このスウィングウェイトが軽いと、ライディング中に多大なメリットが生まれます。例えば、グラトリでスピン系のトリックを行う際、板を回すための力が少なくて済みます。

また、パークでのジャンプ(キッカー)でも、空中でのボードコントロールが非常に容易になります。ゲレンデ脇の地形で遊ぶ際や、コブ斜面での素早い切り返しなど、あらゆる場面でその恩恵を体感できるでしょう。

反発力の高いミディアムフレックス

FTCのフレックス(板の硬さ)は、一般的に「ミディアムフレックス」(10段階中5~7程度)に設定されています。これは、硬すぎず、柔らかすぎない絶妙なバランスです。

柔らかすぎる板は低速での扱いは楽ですが、高速域では不安定になりがちです。逆に硬すぎる板は、高速での安定感やカービングのキレは増しますが、操作するために強い脚力が必要になります。

FTCのミディアムフレックスは、高速域での安定感を保ちつつ、板をしならせて反発(ポップ)を得る動作もしやすい、まさに「良いとこ取り」の硬さと言えます。この反発力の高さが、オーリーやジャンプの高さをアシストしてくれます。

高い振動吸収性能

「軽い板は高速でバタつく(不安定になる)」というイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、FTCはハニカムコア自体の振動吸収性に加え、ウッドコアやカーボン素材(モデルによる)を効果的に組み合わせることで、高い振動吸収性能を実現しています。

高速で荒れたバーンを滑走する際にも、足元に伝わる不快な振動を効果的に抑え込み、安定したエッジグリップを保つことが可能です。

実際に試乗した際も、その軽さからは想像できないほどの安定感に驚かされることが多いです。この安心感が、よりアグレッシブな滑りを可能にします。

滑走性の高いソール素材

FTCには、高い滑走性能を持つシンタードベース(例: IS 7200など、モデル年度により異なる)が採用されています。シンタードベースは、ワックスの浸透性が高く、一度ワックスをかければ滑走性が長持ちするのが特徴です。

特に春先の湿った雪や、逆に極寒時の乾いた雪など、板が走りにくいコンディションでも優れた滑走性を発揮します。

もちろん、その性能を維持するためには定期的なワックスがけが欠かせませんが、しっかり手入れをすれば、どんなコンディションでも快適なライディングを約束してくれるソールです。

FANATIC・FTCをジャンル別に評価

ジャンル評価コメント
カービング高速域でも安定。
エッジグリップが良くキレ味鋭いターンが可能
フリーランまさにオールラウンド。
ゲレンデ全体を遊び尽くせる操作性
パウダーディレクショナル形状で十分な浮力を発揮
グラトリ(弾き系)圧倒的なスウィングウェイトの軽さが回転数をアシスト
グラトリ(乗り系)ハリがあるため、
プレスやバターは板をしっかり踏む技術が必要
ラントリターンのキレとトリックの軽快さを両立できる
キッカー(小~中)アプローチの安定感と空中での扱いやすさが抜群
キッカー(中~大)反発力は十分だが、
超大型キッカーには更なる硬さが欲しい場合も
ジブメインではないが、TWINモデルなら十分対応可能

カービングのキレと安定性

FTCは、カービング性能において非常に高い評価を受けています。その秘密は、ハイブリッドキャンバーによる確実なエッジグリップと、高速域でもバタつかない振動吸収性にあります。

ゲレンデで試乗した際、特にターンの後半でグッと踏み込んだ時の反応の良さが印象的でした。板がしっかりと雪面を捉え、ブレることなくシャープなターン弧を描いてくれます。

ミディアムフレックスでありながら、足元にはしっかりとしたハリを感じられるため、スピードを出したロングターンでも安心して体を預けることが可能です。カービングを楽しみたいライダーの期待にも十分応えてくれるでしょう。

フリーランでの高い操作性

FTCの真骨頂は、特定のジャンルに特化するのではなく、ゲレンデのあらゆる状況に対応できる「フリーラン性能」の高さにあります。

朝イチの圧雪バーンでの高速クルージングから、午後の荒れた斜面、ゲレンデ脇のちょっとした地形で遊ぶことまで、まさに「何でもできる」板です。

超軽量なスウィングウェイトのおかげで、急な地形の変化や人の飛び出しにも俊敏に反応できます。

板の操作が軽快なため、1日中滑っても疲れにくいというメリットもあります。ゲレンデ全体を自由に、そしてスタイリッシュに滑りたいライダーにとって、FTCは最高の相棒になると考えられます。

グラトリでの回転系の適性

グラトリに関しては、FTCの特性を理解する必要があります。

FTCは、スウィングウェイトが非常に軽いため、スピン(回転系)のトリックにおいて絶大なアドバンテージがあります。板を回すのが本当に楽で、普段より半回転多く回せるようになるかもしれません。

一方で、プレスやバター(乗り系)のトリックについては、板にそれなりのハリ(反発力)があるため、板をうまくしならせるための技術や脚力が必要です。柔らかい板のように簡単に曲がってはくれません。

ただ、その反発をうまく利用できれば、高さのあるノーリーやオーリーを繰り出すことが可能です。弾き系メインのグラトリには最適と言えます。

パークやキッカーでの反発力

パークやキッカー(ジャンプ台)においても、FTCの性能は光ります。ハニカムコアがもたらす高い反発力(ポップ)は、ジャンプの踏み切りで力強く体を押し上げてくれます。

また、アプローチ(ジャンプ台への進入)では、ハイブリッドキャンバー形状と振動吸収性が安定した直進性を生み出します。

そして何より、空中でのスウィングウェイトの軽さが、グラブ(板を掴む)やスピンといったトリックの難易度を下げてくれます。

キッカーに挑戦したい中級者から、トリックの精度を上げたい上級者まで、幅広く対応できる性能を持っています。

パウダーでの浮力と走破性

スノーボードの楽しみの一つであるパウダースノーへの適性も気になるところです。フリースタイル色が強い「FTC TWIN」は、ツインチップ形状のため、パウダー専門の板に比べると浮力は劣ります。

しかし、無印の「FTC」モデルは、ディレクショナルツイン形状やセットバック(スタンスが後ろ寄り)が採用されています。

このため、ノーズが自然と浮きやすく、パウダーコンディションでも十分な浮力と走破性を発揮します。新雪が降った朝のゲレンデ脇や、少しツリーランに入る程度であれば、全く問題なく楽しむことができるでしょう。

初心者より中上級者向けモデル

FTCは、癖がなく非常に素直な乗り味の板です。そのため、初心者の方が乗れないわけではありません。しかし、この板の持つポテンシャルを最大限に引き出すには、ある程度の技術レベルが求められます。

特に、板をしっかり踏み込んで、その反発を使ってターンをしたり、トリックを行ったりする感覚を掴んでいる中級者以上のライダーに最適です。

初級者を卒業し、「カービングをもっとキレさせたい」「グラトリやパークにも挑戦したい」と考えているステップアップ層にとって、FTCは強力な武器となります。また、1本でゲレンデの全てを遊び尽くしたい上級者にも満足度の高いモデルです。

総括:FANATIC FTCの評価

FANATIC「FT」Cの評価を総括します。

  • FTCは超軽量な「ハニカムコア」を最大の特徴とする
  • コア技術によりスウィングウェイト(取り回し)が非常に軽い
  • 形状は安定性と操作性を両立するハイブリッドキャンバー
  • 「FTC TWIN」はフリースタイル特化のトゥルーツイン
  • 無印「FTC」はフリーランやパウダーにも強いディレクショナルツイン
  • フレックスは反発力と扱いやすさを備えたミディアム設定
  • 軽量ながら高速域でもバタつかない高い振動吸収性を持つ
  • ソールは滑走性の高いシンタードベースを採用
  • カービングではキレと安定感を両立
  • フリーランではゲレンデ全体を遊び尽くせるオールラウンド性能を発揮
  • グラトリでは特にスピン(回転系)のトリックがやりやすい
  • 乗り系(プレス)には板のハリを活かす技術が必要
  • パークやキッカーでは高い反発力と空中の操作性が武器になる
  • パウダーもある程度こなせる走破性を持つ(特に無印FTC)
  • 初級者から中級者へのステップアップに最適
  • 1本で何でもやりたい中級者から上級者にも強く推奨される

この他にもFANATICのボード全種類をまとめた記事もあるため参考になれば幸いです。

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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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