【FANATIC】AUTOBAHNのキレと走りを徹底評価!高速域でもブレない安定感

まさやん
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FANATICの25-26ニューモデルとして登場したAUTOBAHN(アウトバーン)は、発売前から多くのスノーボーダーの間でその評判や口コミが話題になっています。

特にカービング性能に特化しているという前評判が高く、詳しいレビューやインプレを心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。しかし、決して安い買い物ではないため、購入してから失敗したと後悔することは避けたいものです。

この記事では、そんなFANATIC AUTOBAHNについて、最新のスペックから実際の滑走性能まで、専門的な視点で徹底的に評価し、解説していきます。この記事を読むことで、以下の点が明確になります。

要点
  • AUTOBAHNに搭載された最新技術とその効果
  • カービングやフリーランにおける具体的な滑走性能
  • グラトリやパークなど他のジャンルへの適性
  • 購入前に知っておくべきメリットと注意点

FANATIC・AUTOBAHNのスペックから性能を評価

項目スペック詳細
対象メンズ中級者からエキスパート向けのモデル
サイズ感ミッドワイドドラグを軽減し、深いカービングターンを可能にする
硬さ8 / 10高速域での安定性を重視したミディアムハード設定
重さ4 / 10ハニカムコア採用により、高い剛性を保ちつつ軽量化を実現
エッジグリップ9 / 10カーボンやサイドカーブの相乗効果で抜群のグリップ力を発揮

新素材カーボンウィーブがもたらす効果

FANATIC AUTOBAHNを語る上で、新素材であるカーボンウィーブの存在は欠かせません。これは、特定のパターンでカーボン繊維を縫合した特殊な素材です。

インサートホールからノーズとテール方向へ放射状に配置されており、ライディング中のパワーを無駄なくボード全体に伝達する役割を果たします。

このテクノロジーがもたらす最大のメリットは、ターン時の安定性と反発力の向上です。ターン中にボードがねじれてパワーが逃げてしまう現象を効果的に抑制し、エッジが雪面をがっちりと捉え続けます。

そのため、ターン後半で力強く加速していく、いわゆる「走るターン」を体感しやすくなっています。

ただ、ボードのレスポンスが非常に良くなるため、乗りこなすにはある程度の技術が求められます。

中途半端な荷重ではボードの性能を引き出せず、逆に乗りづらさを感じる可能性もあるため、中級者以上向けのテクノロジーと言えるでしょう。

反発を生むPOPキャンバーという構造

AUTOBAHNには、FANATIC独自のPOPキャンバーという構造が採用されています。これは、基本的なキャンバー形状をベースにしつつ、ノーズとテールの接雪点を少しだけフラットに近づけたハイブリッドな構造です。

この形状により、キャンバーボード特有の高い反発力とエッジグリップを維持しながら、操作性も向上させています。

ターンに入るきっかけが作りやすく、それでいてターン中にはしっかりとエッジが食い込み、抜け際には力強い反発が返ってくるのが特徴です。オーリーをかけた際の反発も強いため、地形遊びなどでも高さを出しやすくなります。

一方で、完全なフルキャンバーと比較すると、足元のグリップ感が若干マイルドに感じられるかもしれません。

とはいえ、カービング性能を損なうレベルではなく、むしろ幅広いコンディションで扱いやすさを向上させるための絶妙なチューニングと考えられます。

安定感に関わるディレクショナルシェイプ

このボードは、ノーズがテールよりも長く、形状も非対称になっているディレクショナルシェイプを採用しています。これは、進行方向への滑走性能を最大限に高めるための設計です。

ディレクショナルシェイプの利点は、なんといってもターン性能の高さと高速安定性です。長めのノーズがターンへの導入をスムーズにし、ターン中の不要な振動を吸収してくれます。

これにより、荒れたバーンや高速域でもボードが暴れることなく、安定したライディングが可能になります。

もちろん、デメリットも存在します。それは、スイッチスタンス(利き足と逆の足で滑ること)での滑走が難しくなる点です。

フリースタイル系の動きを取り入れたいライダーにとっては、この点が少し窮屈に感じられるかもしれません。

まさやん
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AUTOBAHNは、あくまでも前方向に滑ることを前提としたカービングやフリーランに特化したボードです。

高速域で活きるミディアムハードのフレックス

AUTOBAHNのフレックス(ボードの硬さ)は、10段階中8と、かなり硬めのミディアムハードに設定されています。この硬さが、高速域での圧倒的な安定感を生み出す源泉です。

スピードを出して滑走すると、雪面から様々な抵抗や衝撃がボードに伝わります。フレックスが柔らかいボードだと、衝撃に負けてボードがバタついてしまい、エッジが抜けてコントロールを失うことがあります。

しかし、AUTOBAHNのように硬いボードは、衝撃をしっかりと受け止めてくれるため、ハイスピードの中でも安心してエッジに乗り込むことが可能です。

逆に、低速域ではボードをしならせるのが難しく、操作が少し重く感じられることがあります。

また、脚力がないとボードをうまくコントロールできず、疲れやすいと感じるかもしれません。このボードの真価は、スピードに乗った時にこそ発揮されるのです。

軽量化と強度を両立させたコア構造

ボードの心材であるコアには、ハニカム構造を採用した軽量なものが使われています。ハニカム構造は、蜂の巣のような六角形の集合体で、非常に軽量でありながら高い強度を持つことで知られています。

この軽量コアのおかげで、AUTOBAHNは硬めのフレックス設定にもかかわらず、取り回しが非常に軽快です。

スイングウェイト(ボードを振った時の重さ)が軽くなるため、素早いエッジの切り返しや、ターン中の細かい操作がしやすくなります。リフトに乗っている時に感じる足への負担が少ないのも、地味ながら嬉しいポイントです。

これだけの軽量化を実現しつつも、前述のカーボンウィーブなどによって強度はしっかりと確保されています。

そのため、ハードなライディングでボードに大きな負荷がかかっても、へたってしまうことなく、長期間にわたって高いパフォーマンスを維持してくれるでしょう。

切れ味鋭いターンを生むサイドカーブ

サイドカーブとは、ボードのサイド部分のくびれのことで、この形状がターンの半径を決定づける重要な要素です。AUTOBAHNには、切れ味鋭いターンを実現するために、緻密に計算されたサイドカーブが採用されています。

このサイドカーブは、ターンに入るとスムーズに雪面を捉え、最小限の力でボードを傾けていくだけで、深く美しいカービングターンを描くことを可能にします。

特に、ボードを立てて滑る「縦方向の動き」を意識すると、まるでレールの上を滑っているかのような一体感と、Gを感じるほどの加速感を味わうことができるはずです。

ただし、この切れ味の良さは、裏を返せばシビアな操作性が求められるということでもあります。

ずらし操作を多用するような滑り方だと、エッジが予期せず噛んでしまい、逆エッジのリスクが高まる可能性があります。AUTOBAHNの性能を最大限に引き出すには、しっかりとしたエッジング技術が鍵となります。

得意ジャンルからFANATIC・AUTOBAHNを評価

ジャンル評価 (5.0点満点)
カービング
フリーラン
パウダー
グラトリ(弾き系)
グラトリ(乗り系)
ラントリ
キッカー(小~中)
キッカー(中~大)
ジブ

カービングでの滑走性能はまさに圧巻

AUTOBAHNの最も得意とするジャンルは、言うまでもなくカービングです。評価が5.0点満点であることからも、その性能の高さがうかがえます。実際に乗ってみると、スペックから想像する以上の滑走性能に驚かされることでしょう。

ターンを開始するために少しボードを傾けると、エッジが雪面に吸い付くように食い込んでいきます。ミドルターンからロングターンまで、どのようなターン弧でも安定感は抜群です。

特に、ボードを深く立てていった時のグリップ力は特筆すべきものがあります。カーボンウィーブの効果でボードのねじれが抑えられ、アイシーなバーンであってもエッジが抜ける感覚はほとんどありません。

そして、ターンの後半にはPOPキャンバーの強い反発が返ってきて、次のターンへと気持ちよく加速していきます。

この一連の流れが非常にスムーズで、一度この感覚を味わってしまうと、他のボードでは物足りなく感じてしまうかもしれません。カービングを極めたいライダーにとって、最高の相棒になることは間違いないです。

フリーランにおける高速安定性を検証

圧雪されたゲレンデを自由に滑り降りるフリーランにおいても、AUTOBAHNは非常に高いパフォーマンスを発揮します。評価が4.5点と高い理由は、その圧倒的な高速安定性にあります。

前述の通り、ミディアムハードのフレックスとディレクショナルシェイプ、そして振動吸収性に優れた構造により、スピードを出してもボードが全くバタつきません。

朝一番の綺麗なピステンバーンをハイスピードで滑り抜ける爽快感は格別です。多少荒れた雪面であっても、ボードがしっかりと衝撃を吸収し、安定した滑りをサポートしてくれます。

また、軽量なコアのおかげで操作性が良く、混雑したゲレンデでも思い通りのライン取りがしやすいです。地形の壁を使ってターンするなど、ゲレンデ全体を使ってダイナミックに遊びたいライダーの期待にも応えてくれるでしょう。

パウダーライディングでの浮力と操作性

パウダーライディングの適性については、3.0点と平均的な評価になります。AUTOBAHNはパウダー専用のボードではありませんが、その特性を理解すれば十分に楽しむことが可能です。

ディレクショナルシェイプでノーズが長めに設計されているため、ある程度の浮力は確保されています。また、少し後ろ足寄りにバインディングをセットする「セットバック」を入れることで、さらにノーズが浮きやすくなり、パウダーでの操作性が向上します。

しかし、ウエスト幅はそこまで広くなく、キャンバー形状であるため、深い新雪や重い雪質ではノーズが刺さりやすい場面も出てくるでしょう。

あくまでも「降雪後のゲレンデ脇に残ったパウダーを楽しむ」といったレベルでの使用がメインとなり、本格的なバックカントリーには専門のボードをおすすめします。

グラトリやラントリのやりやすさはどうか

グラトリ(グラウンドトリック)やラントリ(ランディングトリック)といった、低速でのトリックや板のしなりを使う動きに関して、AUTOBAHNはあまり得意ではありません。弾き系の評価が2.5点、乗り系が1.5点と低いのは、このボードの特性によるものです。

弾き系トリックの難しさ

ボードの反発自体は非常に強いため、ノーリーやオーリーで高さを出すことは可能です。しかし、ボード全体が硬く、フレックスを最大限に活かすには相当なパワーと正確な操作が求められます。

乗り系トリックの不向き

プレス系のトリック(ノーズやテールを雪面に押し付ける動き)は、ボードが硬すぎるため非常に難しいです。無理にしならせようとすると、バランスを崩しやすくなります。

総じて、AUTOBAHNでグラトリやラントリをメインに楽しむのは現実的ではありません。カービングの合間に少し技を入れる程度なら可能ですが、専門的に取り組みたい場合は、よりフレックスが柔らかく、操作性の高いツインチップ形状のボードを選ぶべきです。

パークやキッカーでのパフォーマンス適性

意外に思われるかもしれませんが、パークやキッカーでの適性は決して低くありません。特に中サイズから大サイズのキッカーでは、4.0点という高評価が示す通り、その真価を発揮します。

最大の理由は、アプローチ(助走)での圧倒的な安定感です。ハイスピードでキッカーに進入する際もボードがブレないため、恐怖心が軽減され、安心して踏み切ることができます。

また、着地時の安定性も抜群で、多少バランスを崩してもボードがしっかりと衝撃を受け止めてくれます。

一方で、小〜中サイズのキッカーでは、その硬さや重量感が少し扱いにくさにつながる可能性があります。細かいスピントリックなど、素早い操作が求められる場面では、より軽量でソフトなパーク専用ボードに分があります。

ジブでの取り回しと耐久性について

レールやボックスなどのアイテムに入るジブに関しては、評価が1.0点となり、全く向いていないと言わざるを得ません。

まず、硬いフレックスと強いエッジグリップが、アイテム上で非常に扱いづらいです。少しのミスでエッジが引っかかり、大きな怪我につながる危険性があります。

また、ディレクショナルシェイプは、スイッチでのアプローチやランディングが前提となるジブには不向きです。

さらに、AUTOBAHNに採用されている高品質なソールやエッジは、硬いアイテムに擦り付けることで大きなダメージを受けてしまいます。このボードの本来の性能を損なう行為であり、ジブでの使用は絶対に避けるべきでしょう。

総括:FANATIC・AUTOBAHNの総合評価

これまでの情報を総合的に判断してAUTOBAHNの最終的な評価をまとめます。

  • 25-26シーズンの注目ニューモデル
  • カービング性能に完全に特化した一枚
  • 新素材カーボンウィーブが異次元の安定性を生む
  • POPキャンバー構造が高い反発力を提供
  • ターン導入から抜けまでスムーズで力強い
  • 高速域でのフリーラン性能も非常に高い
  • ボードのバタつきが少なく安心して踏める
  • ミディアムハードのフレックスが安定感の源
  • 乗りこなすにはある程度の脚力と技術が必要
  • 軽量なハニカムコアで操作性は軽快
  • グラトリやジブには全く向いていない
  • パウダーはセッティング次第で楽しめるレベル
  • 中級以上のカービング好きに最適なボード
  • 自分の滑りのレベルを一段階引き上げてくれる
  • 購入して後悔することのない高い完成度

この他にもFANATICのボードを全種類まとめた記事もあるため参考になれば幸いです。

ABOUT ME
まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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