【VANS】INVADO PROの評価は?ハイブリッドBOAが生む最高のフィット感と快適性

VANS「INVADO PRO(インバド・プロ)」、スノーボードブーツのおすすめとしてよく名前が挙がるので、気になっている方も多いのではないでしょうか。特に、ダイヤルで締め上げるBOAシステムを搭載したモデルを探しているなら、有力な候補の一つになると思います。
フリースタイル系の自由な滑りを目指す方や、初心者からステップアップして新しいトリックに挑戦したい中級者まで、幅広い層から注目を集めているブーツです。
しかし、実際に購入するとなると「自分の滑りに合うのか?」「硬さやサイズ感はどうなんだろう?」といった疑問が湧いてきますよね。ネット上には様々なレビュー情報があふれていますが、どれを信じれば良いか迷うこともあるかもしれません。
この記事では、そんなあなたの疑問を解消するため、VANS「INVADO PRO」の性能や特徴を多角的に分析し、どのような滑りに向いているのかを詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点について深く理解できます。
- VANS「INVADO PRO」の具体的なスペックと特徴
- ハイブリッドBOAやインナーなど独自の機能性
- フリーランやグラトリなどジャンル別の適性
- 購入前に知っておくべきサイズ感や注意点
VANS・INVADO PROのスペックを徹底評価
VANS「INVADO PRO」がどのようなブーツなのか、まずは基本的なスペックや各パーツの機能性から詳しく見ていきましょう。ブーツ選びにおいて基本となる部分を理解することで、このブーツが自分に合っているかどうかを判断しやすくなります。
ここでは、履き心地を左右するインナーやソール、そしてお得な購入方法についても触れていきます。
項目 | 詳細 |
対象 | 男女兼用 |
サイズ感 | やや大きめ(ハーフサイズダウンを推奨する声が多い) |
硬さ | 5 / 10 (ミディアムフレックス) |
重さ | 6 / 10 (標準的) |
締め付け力 | 8 / 10 (ハイブリッドBOAにより高いフィット感を実現) |
購入前に知っておきたいサイズ感
ブーツ選びで最も失敗したくないのがサイズ感です。INVADO PROのサイズ感は、一般的なVANSのスニーカーなどと比較して、やや大きめの作りになっているという声が多く聞かれます。
そのため、普段履いているスニーカーと同じサイズを選ぶと、少し緩く感じてしまう可能性があります。
具体的には、インナーが使用するうちに少しずつ足に馴染んでくることを考慮すると、0.5cmほど小さいサイズを選ぶのがちょうど良い場合が多いようです。
私自身も普段のスニーカーは27.0cmですが、このブーツであれば26.5cmを選ぶことで、つま先に適度なゆとりを保ちつつ、かかとが浮かないジャストなフィット感を得られました。
ただし、これはあくまで一般的な傾向です。足の形には個人差があり、特に足幅が広い方や甲が高い方、あるいは厚手のソックスを常用する方は、通常通りのサイズが適していることもあります。
可能であれば、実際に店舗で試着してみるのが最も確実な方法と言えます。もし試着が難しい場合は、ご自身の足の実寸を正確に計測し、メーカーが公表しているサイズチャートと照らし合わせることをお勧めします。
快適なライディングを支えるインナー
INVADO PROの快適性を語る上で、インナーの存在は欠かせません。このブーツには、熱成形に対応したV2 ULTRACUSHスマートウールライナーが標準で搭載されています。熱成形とは、専用のヒーターでインナーを温め、自分の足の形に合わせてフィットさせる加工のことです。
この加工を施すことで、新品の状態からまるで長年履き込んだかのような一体感を得ることが可能になります。足の形に完璧にフィットするため、滑走中にブーツ内で足がズレるのを防ぎ、的確なボードコントロールをサポートします。また、アキレス腱周りなど、特定の箇所が当たって痛くなる「ブーツ当たり」のリスクを大幅に軽減できるのも大きなメリットです。
もちろん、熱成形をしなくても履くことはできます。履いているうちに自然と自分の足の形に馴染んでいきますが、より早く、より高いレベルのフィット感を求めるのであれば、購入店で熱成形サービスを利用することを強く推奨します。この一手間が、1日中滑っても疲れにくい快適なライディング体験につながります。
V2 ULTRACUSHスマートウールの保温性
前述の通り、インナーにはV2 ULTRACUSHスマートウールが採用されています。この「スマートウール」とは、高品質なメリノウールの一種で、スノーボードのような冬のスポーツにおいて非常に優れた機能を発揮します。
スマートウールの最大の特長は、その卓越した温度調節機能と湿度管理能力です。寒いときには繊維の間に空気の層を作り出して体温を保持し、足先が冷えるのを防いでくれます。
一方で、滑走中に足が汗をかいた際には、その湿気を素早く吸収して外に放出する働きがあります。これにより、ブーツ内が蒸れて不快になったり、汗冷えしたりするのを防ぎ、常にドライで快適な状態を維持してくれるのです。
いくらフィット感が良くても、足が冷えてしまってはライディングに集中できません。特に寒さが厳しい日や、湿った雪のコンディションでは、このスマートウールの恩恵を大きく感じられるはずです。VANSがスケートシューズで培った快適性のノウハウが、スノーボードブーツにも活かされている良い例と言えるでしょう。
優れた衝撃吸収性のPOPCUSHフットベッド
ブーツの中で足裏が直接触れる部分がフットベッド(インソール)です。INVADO PROには、VANSがスケートシューズで開発したPOPCUSHフットベッドが搭載されています。これは、衝撃吸収性と反発性を両立させた特殊な素材でできています。
スノーボードでは、ジャンプの着地や凹凸のあるバーンを滑る際に、足裏に大きな衝撃がかかります。POPCUSHフットベッドは、これらの衝撃を効果的に吸収し、膝や腰への負担を軽減する役割を果たします。これにより、長時間のライディングでも疲れにくく、怪我のリスクを低減させることにつながります。
また、ただ衝撃を吸収するだけでなく、適度な反発性も備えているのがポイントです。オーリーやノーリーといった弾く系のトリックを行う際には、この反発力がボードに力を伝えやすくし、より高いエアーを可能にします。
足裏感覚を損なうことなく、しっかりと衝撃から足を守ってくれるPOPCUSHフットベッドは、フリースタイルな動きを好むライダーにとって心強い味方です。
歩行も快適なV2 WAFFLE PROソール
ブーツの底面、つまりアウトソールもブーツ選びの重要な要素です。INVADO PROには、V2 WAFFLE PROソールが採用されており、VANSの象徴ともいえるワッフルパターンが特徴的です。
このソールは、ライディング中だけでなく、駐車場からリフト乗り場までの歩行時にもその真価を発揮します。
V2 WAFFLE PROソールは、雪上や氷の上でも滑りにくいように設計された特別なコンパウンド(ゴムの配合)と、深く刻まれたラグパターン(溝)を組み合わせています。
これにより、凍った駐車場や圧雪された通路など、滑りやすい場所でも安定したグリップ力を提供します。ビンディングを装着していないときの移動が快適で安全になるのは、地味ながら非常にありがたいポイントです。
もちろん、ライディングにおいてもソールは重要です。足裏感覚をボードに伝えやすい柔軟性を持ちながら、必要な部分には剛性を持たせることで、的確なパワー伝達を可能にしています。
滑ることと歩くこと、その両方で高いパフォーマンスを発揮するよう考え抜かれたソールです。
コスパで選ぶなら型落ちモデルも
INVADO PROは非常に人気のあるモデルのため、毎年新しいカラーや細かなアップデートが加えられた新作がリリースされます。もちろん最新モデルは魅力的ですが、もし少しでも購入費用を抑えたいのであれば、「型落ちモデル」を狙うのも賢い選択肢の一つです。
型落ちモデルとは、1シーズン以上前にリリースされた製品のことを指します。INVADO PROのような定番モデルは、毎年劇的なフルモデルチェンジが行われることは少なく、数年間は基本的な構造や性能が変わらないケースがほとんどです。
デザインやカラーリングに強いこだわりがなければ、機能的には最新モデルと遜色ないブーツを、より手頃な価格で手に入れることが可能です。
特に、シーズン終盤のセール時期や、次のモデルが発表される秋口あたりは、型落ちモデルが市場に出回りやすくなるタイミングです。
予算を重視する場合は、これらの時期にオンラインショップや専門店をチェックしてみると、思わぬ掘り出し物に出会えるかもしれません。ただし、人気のサイズは早くなくなってしまう傾向があるため、こまめな情報収集が鍵となります。
VANS・INVADO PROを得意ジャンル別に評価
ブーツの基本的な特徴を理解したところで、次はその性能が実際のライディングでどのように活きるのか、得意なジャンル別に評価していきましょう。
INVADO PROはオールラウンドな性能を持つブーツですが、特にその特性が輝くフィールドが存在します。ここでは、ブーツの硬さや締め付けシステムが各ジャンルにどう影響するかを解説します。
ジャンル | 評価 (5.0満点) |
カービング | |
フリーラン | |
パウダー | |
グラトリ(弾き系) | |
グラトリ(乗り系) | |
ラントリ | |
キッカー(小~中) | |
キッカー(中~大) | |
ジブ |
ライディングを左右するブーツの硬さ
INVADO PROの硬さ(フレックス)は、10段階評価で「5」に設定されていることが多く、いわゆる「ミディアムフレックス」に分類されます。
この硬すぎず、柔らかすぎない絶妙なフレックスが、このブーツの最大の特徴であり、多様なライディングスタイルに対応できる理由でもあります。
柔らかいブーツは足首の自由度が高く、グラトリなどでスタイルを出しやすい反面、高速滑走時にはパワーが伝わりにくく、安定性に欠けることがあります。
逆に、硬いブーツは高速域でのカービングなどで優れた安定性と反応の良さを見せますが、低速での細かな動きやグラトリには不向きな場合があります。
その点、ミディアムフレックスのINVADO PROは、両者の良いところをバランス良く兼ね備えています。
ゲレンデを気持ちよく流すフリーランから、ちょっとした地形遊び、グラトリ、パークでのジャンプまで、一つのブーツで幅広く楽しみたいと考えるライダーにとって、この硬さは非常に扱いやすい設定と言えます。
これから色々な滑りに挑戦したい初心者から中級者にとって、最適な選択肢の一つとなるでしょう。
自由な締め分けが可能なハイブリッドBOA
INVADO PROが他の多くのブーツと一線を画すのが、VANS独自の「ハイブリッドBOA」システムです。これは、ブーツの外側全体を締め上げるBOAダイヤルと、足首周りをピンポイントでホールドする伝統的なシューレース(紐)を組み合わせた画期的なシステムです。
まず、タン(ブーツのすね部分)についているBOAダイヤルを回すことで、ブーツ全体を簡単かつ均一に締め上げることができます。そして、さらに重要なのが内側のハーネスです。
ブーツ側面に付いている紐を引くことで、足首からかかとにかけての部分を個別に、強力に固定することが可能になります。これにより、滑走中にかかとが浮いてしまうのを効果的に防ぎ、レスポンスの良いボードコントロールが実現します。
この「全体はBOAで楽に、重要な部分は紐で確実に」という締め分けができる点が、ハイブリッドBOAの最大の強みです。
例えば、グラトリをするときは少し緩めて足首の自由度を上げ、高速で滑るときはしっかりと締め上げてホールド感を高める、といったように、滑りのスタイルやその日のコンディションに応じてフィット感を微調整できるのです。
グラトリに適した足首の屈曲性
INVADO PROは、グラウンドトリック(グラトリ)を楽しむライダーからも高い評価を得ています。その理由の一つが、足首部分の優れた屈曲性です。このブーツは、前方向への足首の曲げ伸ばしが非常にスムーズに行えるよう設計されています。
この柔軟な足首の動きは、特にプレス系のグラトリ(ボードを雪面に押し付けてしならせるトリック)において大きなアドバンテージとなります。足首がしっかり曲がることで、ボードに体重をかけやすくなり、より深く、スタイリッシュなプレスが可能になります。
また、前述のハイブリッドBOAシステムもグラトリ適性の向上に貢献しています。BOAで全体のフィット感を保ちつつ、足首周りの締め付けを少し緩めることで、トリックに必要な可動域を確保することができます。
硬すぎないミディアムフレックスと、この優れた屈曲性の組み合わせが、弾き系から乗り系まで、幅広いグラトリに対応できる操作性を生み出しているのです。
パワーカフストラップによるホールド感
ブーツの最上部には、太いベルクロ式の「パワーカフストラップ」が装備されています。これは、ブーツとすねの一体感を高め、ホールド感をさらに向上させるための重要なパーツです。
このストラップをしっかりと締めることで、ブーツ上部のフィット感を細かく調整できます。例えば、高速でカービングをする際にはストラップをきつく締めることで、ボードへのパワー伝達がよりダイレクトになり、エッジングのレスポンスが向上します。
逆に、パークでジブアイテムに入る際や、よりルーズなスタイルで滑りたいときには、ストラップを緩めることで足首の自由度を増すことができます。
BOAシステムとインナーハーネスでブーツ全体と足首周りを固定し、最後にこのパワーカフストラップで仕上げの微調整を行う。
このように複数のシステムを組み合わせることで、ライダーの好みや用途に応じた最適なホールド感を作り出せるのがINVADO PROの強みです。些細なパーツに見えるかもしれませんが、ライディングの質を左右する重要な機能と言えます。
フリーランやカービングでの安定性
INVADO PROは、圧雪されたゲレンデを自由に滑り降りる「フリーラン」において、非常に高いパフォーマンスを発揮します。ミディアムフレックスのブーツは、様々なスピード域で扱いやすく、ライダーの操作に素直に反応してくれます。
中低速域では、足首の柔軟性を活かして細かなターンをリズミカルに刻むことができ、地形の起伏を使った遊びも楽しめます。スピードを上げていくと、ハイブリッドBOAとパワーカフストラップが作り出す確かなホールド感が、安定した滑りをサポートします。
一方で、本格的な「カービング」に主眼を置く場合、少し物足りなさを感じる可能性はあります。
特に、アイスバーンに近い硬い斜面をハイスピードで攻めるような場面では、より硬いハイエンドモデルのブーツと比較すると、エッジホールドやレスポンスの面で一歩譲るかもしれません。
とはいえ、一般的なゲレンデコンディションで気持ちの良いカービングターンを楽しむには十分な性能を持っており、フリーランの中にカービングを取り入れて楽しむスタイルには最適な一足と考えられます。
パークやジブでの操作性の高さ
キッカー(ジャンプ台)やジブ(レールやボックスなどの人工物)が設置されたスノーボードパークでのライディングにおいても、INVADO PROのバランスの良さは光ります。
特に、小〜中規模のキッカーでは、硬すぎないフレックスがオーリーやアプローチでの動作をスムーズにし、空中でのグラブなどのスタイルも出しやすくしてくれます。POPCUSHフットベッドが着地の衝撃を和らげてくれるため、安心してトライできるでしょう。
ただし、20メートルを超えるような大規模なキッカーに挑む場合は、注意が必要です。非常に大きな衝撃がかかる着地では、ミディアムフレックスのサポート力では若干の不安が残る可能性があります。
より高い安定性を求めるエキスパートライダーは、さらに硬いフレックスのモデルを検討する方が良いかもしれません。
ジブにおいては、足裏感覚の良さと足首の柔軟性が大きな武器になります。レールやボックスの上でバランスを取ったり、ボードをスライドさせたりする際に、繊細なボードコントロールが可能になります。
INVADO PROは、フリーランをメインに楽しみながら、時々パークにも入ってみたい、という多くのスノーボーダーのニーズに応えてくれるブーツです。
総括:VANS「INVADO PRO」 評価まとめ
この記事では、VANS「INVADO PRO」のスペックから得意なジャンルまで、多角的に評価・解説してきました。最後に、本記事の要点を箇条書きでまとめます。
- VANS「INVADO PRO」は初心者から中級者に最適な万能ブーツ
- 硬すぎず柔らかすぎない絶妙なミディアムフレックスが特徴
- フリーランをベースに様々な滑りに挑戦したい人におすすめ
- BOAと紐を組み合わせたハイブリッドBOAシステムを搭載
- ブーツ全体の締め付けと足首のホールドを個別に調整可能
- 熱成形対応のインナーで高いフィット感を実現できる
- スマートウール採用で保温性と快適性に優れる
- POPCUSHフットベッドが衝撃を吸収し足への負担を軽減
- ワッフルソールは雪上でのグリップ力が高く歩きやすい
- サイズ感はやや大きめでハーフサイズダウンを検討するのが一般的
- 足首の屈曲性が高くグラトリやパークでの操作性に優れる
- フリーランやラントリ、中規模までのキッカーが得意分野
- 高速域での本格的なカービングにはややパワー不足を感じる可能性
- 購入費用を抑えたいなら機能性がほぼ同じ型落ちモデルも選択肢
- 一つのブーツでスノーボードを幅広く楽しみたいライダーの強い味方





