【THIRTYTWO】TM-2の評価は?フリーランもパークも本気の一足

スノーボードブーツ選びで、THIRTYTWOのTM-2が気になっていませんか。長年多くのスノーボーダーから愛される人気モデルですが、オールラウンドに使えるというレビューがある一方で、実際の硬さやフィット感が自分の滑りに合うか、気になりますよね。]
フリーランからパークまで、幅広いスタイルに対応できると言われるこのブーツの具体的な性能や、どんなライダーに向いているのか、詳しく知りたいと考えている方も多いでしょう。
この記事では、THIRTYTWO TM-2に関する評価を、スペックや滑りのジャンルといった多角的な視点から深く掘り下げて解説します。この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
- TM-2の具体的なスペックとブーツとしての特徴
- フリーランやカービングなど滑りのスタイルごとの適正評価
- 後悔しないためのサイズ選びや型落ちモデル購入の注意点
- 総合的な評価とどんなライダーに最もおすすめできるか
THIRTYTWO・TM-2のスペックから分かる評価
まず、ブーツ選びの基本となるスペックからTM-2がどのようなブーツなのかを見ていきましょう。客観的な数値や構造を理解することで、その評価の背景が明確になります。
項目 | スペック詳細 |
---|---|
対象 | 主にメンズ(一部レディースモデルあり) |
サイズ感 | 標準的(熱成形インナーによる調整幅が広い) |
硬さ(10段階) | 7/10(ミディアムハード) |
重さ(10段階) | 6/10(標準的な重さ) |
締め付け力(10段階) | 9/10(紐による微調整で強力なホールドが可能) |
ブーツの応答性を決めるフレックス
THIRTYTWO TM-2のフレックスは、10段階評価で「7」に設定されていることが多く、ミディアムハードな硬さに分類されます。これは、ブーツがライダーの動きに機敏に反応することを示しています。
具体的には、高速でのライディングやカービングターン時に、足からの力をロスなくボードに伝えられます。これにより、エッジの切り替えが素早く正確になり、安定した滑りをサポートしてくれるのです。
一方で、ただ硬いだけでなく、足首がある程度自由に動く柔軟性も持ち合わせているため、パークでのジャンプや地形遊びにも対応できる絶妙なバランスが魅力と考えられます。
硬いブーツは初心者には扱いにくい側面もありますが、中級レベル以上のライダーが求めるレスポンス性能に十分応えてくれる硬さ設定です。
衝撃を吸収し足を守るアウター構造
TM-2のアウターブーツには、ライダーの足を守り、ブーツ自体の寿命を延がすための工夫が凝らされています。特に注目すべきは、衝撃吸収性と耐久性です。
ブーツのソールには、パフォーマンスラバーアウトソールが採用されており、優れたグリップ力と衝撃吸収性を発揮します。これにより、大きなキッカーからの着地や、荒れたバーンを滑走する際の足への負担が軽減されるのです。実際に、ハードなライディングをしても足が疲れにくいという声は多く聞かれます。
また、ブーツのつま先やかかとなど、擦れやすい部分には「Exo Armor」や「Overmold」といった補強材が配置されています。
これは、バインディングとの摩擦によるダメージを防ぎ、ブーツの形状を長期間維持するための重要な機能です。この堅牢な作りが、TM-2の耐久性の高さを支えています。
熱成形でフィットするインナーの性能
THIRTYTWOのブーツを語る上で欠かせないのが、高品質なインナーの存在です。TM-2には、熱成形が可能な「パフォーマンスインナー」が標準で搭載されています。
これは、専用のヒーターでインナーを温め、自分の足形に合わせて成形することで、オーダーメイドのようなフィット感を実現する技術です。新品の状態でもフィット感は良好ですが、熱成形を行うことで、くるぶし周りや甲の部分の圧迫感がなくなり、隙間なく足全体が包み込まれる感覚を得られます。
このパーソナライズされたフィット感は、長時間のライディングでも快適性を維持し、ブーツ内での足のズレを防ぐために非常に効果的です。ただし、熱成形は専門知識が必要なため、購入したショップで専門スタッフに依頼することが推奨されます。
締め分け自在なレースタイプの特徴
TM-2の多くは、伝統的なシューレース(靴紐)タイプを採用しています。近年はダイヤルを回すだけで締められるBOAシステムが人気ですが、あえて紐タイプを選ぶライダーが後を絶たないのには明確な理由があります。
最大のメリットは、締め付け具合を部分的に調整できることです。例えば、「足首周りはしっかりとホールドしたいけれど、つま先の方は少し緩めておきたい」といった個人の好みに合わせた微調整が可能です。
これにより、レスポンスと快適性の両立がしやすくなります。私自身も紐派ですが、その日のコンディションや滑るスタイルによって締め心地を変えられるのは大きな利点だと感じます。
もちろん、紐を結ぶ手間や、滑走中に緩む可能性があるというデメリットは存在します。しかし、それを上回るフィット感の調整幅が、多くのエキスパートライダーから支持される理由と言えるでしょう。
TM-2が誇る最高のフィット感とは
TM-2のフィット感は、単にインナーの性能だけで成り立っているわけではありません。アウターブーツの設計思想そのものが、高いフィット感の実現に貢献しています。
特筆すべきは「パフォーマンスバックステイ」と呼ばれる、ブーツ背面の構造です。これにより、ブーツとハイバック(バインディングの背もたれ部分)の密着度が高まり、かかとの浮きを最小限に抑えます。
ヒールサイドターンへの切り替え時に、力がダイレクトにボードへ伝わる感覚は、この構造によるところが大きいです。さらに、「Heel Hold Kit」と呼ばれる、かかと部分のフィット感を調整するためのパッドが付属しているモデルもあります。
これらを活用することで、既製品でありながら、より自分の足に合ったカスタマイズが可能になります。これらの要素が組み合わさることで、TM-2ならではの最高のフィット感が生まれるのです。
後悔しないための正しいサイズ感
ブーツ選びで最も失敗しやすいのがサイズ感です。THIRTYTWOのブーツは、一般的に海外ブランドの中では標準的なサイズ感と言われていますが、個人の足形によって感じ方は大きく異なります。
まず基本となるのは、普段履いているスニーカーのサイズではなく、必ず自分の足の実寸(cm)を正確に計測することです。その上で、0.5cmから1.0cmほど大きいサイズを目安に試着を始めます。
試着する際は、必ずスノーボード用のソックスを履き、両足で試してください。ブーツに足を入れたら、かかとをトントンと合わせてから紐をしっかりと締めます。この状態で立ち上がり、膝を軽く曲げたライディング姿勢をとったときに、つま先がブーツの先端に軽く触れるか触れないか、というのが理想的なサイズです。
つま先が強く圧迫されたり、逆に全く当たらなかったりする場合は、サイズが合っていない可能性が高いと考えられます。
熱成形である程度の調整は可能ですが、元々のサイズが合っていなければ意味がありません。ショップのスタッフと相談しながら、時間をかけて慎重に選ぶことが大切です。
長く愛用できると評判の耐久性
THIRTYTWO TM-2は、その耐久性の高さにも定評があります。ワンシーズンでブーツがへたってしまうという話をよく聞きますが、TM-2はハードな使用にも耐え、長期間にわたってその性能を維持できるように設計されています。
前述の通り、アウター構造には各所に補強が施されており、物理的なダメージに強いのが特徴です。また、ブーツ全体のフレックスを維持するために、内部にも工夫が凝らされています。
例えば、タン(ブーツの舌部分)が左右にズレるのを防ぐ構造や、何度も屈伸を繰り返してもフレックスが変化しにくい素材の採用などが挙げられます。
これらの設計により、2シーズン、3シーズンと使い続けても、新品時のようなしっかりとしたホールド感とレスポンスが失われにくいのです。初期投資は決して安くありませんが、結果的にコストパフォーマンスが高いブーツであると評価できます。
滑りのジャンルで見るTHIRTYTWO TM-2の評価
ブーツのスペックを理解したところで、次に実際の滑りのジャンルごとにTM-2がどのような評価を受けているのかを具体的に見ていきましょう。自分のメインフィールドで、このブーツが武器になるのかを判断する材料にしてください。
ジャンル | 評価(5点満点) | 特徴 |
---|---|---|
カービング | 高いレスポンスとホールド性でキレのあるターンが可能 | |
フリーラン | あらゆる雪質や地形で安定した滑りを提供する万能性 | |
パウダー | 十分なサポート力で深雪でも足が疲れにくい | |
グラトリ(弾き系) | 硬めのフレックスが板の反発を引き出しやすい | |
グラトリ(乗り系) | 繊細な足首の動きにはやや硬さが目立つ場合がある | |
ラントリ | 高速域でのトリックにも安定感をもって対応できる | |
キッカー(小~中) | 安心して踏み切れるサポート力と着地の安定感 | |
キッカー(中~大) | 絶大な信頼を置けるホールド性と衝撃吸収性能 | |
ジブ | 慣れは必要だが、サポート力が高く安心感がある |
カービングで求められるエッジ操作性
カービングにおいて最も大切なのは、エッジに対して正確かつ素早く力を伝えることです。TM-2のミディアムハードなフレックスと、かかとをがっちり固定するホールド性能は、この要求に見事に応えてくれます。
ターン中にボードを立てていく際、ブーツがたわんでしまうと力が逃げてしまい、キレのあるターンは描けません。TM-2はブーツの剛性が高いため、足首を少し倒すだけで、その動きがダイレクトにエッジに伝わります。これにより、高速域でも安定したロングターンや、クイックなショートターンを自在にコントロールすることが可能になるのです。
特に、アイスバーンに近い硬い雪面でも、エッジが抜ける感覚が少なく、安心してボードを踏み込めます。カービングの技術を向上させたいと考えているライダーにとって、TM-2は非常に頼もしいパートナーとなるでしょう。
グラトリの動きに対応する柔軟性
グラトリは、大きく分けて板の反発を使う「弾き系」と、板をしならせて乗る「乗り系」があります。TM-2は、これらのスタイルによって評価が少し分かれる傾向にあります。
まず、オーリーやノーリーといった弾き系のトリックでは、ブーツの硬さがプラスに働きます。しっかりと踏み込むことで、板の反発を最大限に引き出し、高いジャンプが可能になります。
一方で、プレスやバターといった乗り系のトリックでは、足首の自由度がより求められます。TM-2の硬さは、こうした繊細な動きを少し妨げる可能性があり、人によってはやりづらさを感じるかもしれません。もちろん、全くできないわけではありませんが、より柔らかいブーツの方がスムーズに行えるのは事実です。
このように、グラトリの中でも自分の得意なスタイルと、ブーツの特性が合っているかを考えることが選択の鍵となります。
初心者が選ぶメリットとデメリット
TM-2をスノーボード初心者が最初の1足として選ぶ場合、メリットとデメリットの両方を理解しておく必要があります。
メリットとしては、上達を強力にサポートしてくれる点が挙げられます。しっかりとした硬さがあるため、正しいフォームでボードを踏む感覚を覚えやすいのです。
曖昧な操作がしにくいため、結果的に正しいターン技術の習得が早まる可能性があります。また、転倒時の足首への負担を軽減してくれる安心感もあります。
一方、デメリットは、その硬さが原因で、最初はブーツに「動かされている」感覚に陥りやすいことです。特に、緩斜面での細かい操作や、遊びながら滑るような場面では、ブーツの硬さが扱いにくさにつながることがあります。
もし初心者が選ぶのであれば、「これから本気で上達したい」という強い意志がある場合におすすめできます。そうでなければ、もう少し柔らかいモデルから始める方が、スノーボードの楽しさを感じやすいかもしれません。
型落ちモデルを選ぶ際の注意点
THIRTYTWO TM-2は人気モデルであるため、シーズン終わりや翌シーズン初めには、前年度のモデルが「型落ち」として安く販売されることがあります。性能に大きな変更が少ないモデルなので、型落ちを狙うのは賢い選択肢の一つです。
大きなメリットは、もちろん価格です。最新モデルと比べて数万円安く手に入ることもあり、予算を抑えたい方には魅力的でしょう。
ただし、注意点もいくつか存在します。最も気をつけたいのは、保管状態による素材の劣化です。特にポリウレタンなどの素材は、使用していなくても時間と共に劣化(加水分解)する可能性があります。
長期間、不適切な環境で保管されていた商品は、見た目は新品でも、いざ使ってみたらソールが剥がれるといったトラブルが起こりかねません。
また、型落ちモデルはサイズやカラーの在庫が限られていることがほとんどです。自分の足に合わないサイズを無理に購入するのは本末転倒なので、安さだけに飛びつかず、試着した上で慎重に判断することが大切です。
総括:THIRTYTWO TM-2の総合評価
これまでの情報を基に、THIRTYTWO TM-2というブーツの総合的な評価をまとめます。
- THIRTYTWO TM-2はミディアムハードなフレックスを持つブーツ
- フリーランやキッカー、カービングで最高の性能を発揮する
- レスポンス性能が非常に高くライダーの動きに機敏に反応する
- 熱成形可能なインナーにより極上のフィット感を実現できる
- 伝統的な紐タイプで締め付け具合の微調整が可能
- かかとをしっかりホールドする構造で力が伝わりやすい
- アウターの耐久性が高く長期間にわたって愛用できる
- 衝撃吸収性に優れハードな着地でも足への負担が少ない
- 弾き系のグラトリでは板の反発を引き出しやすい
- 乗り系のグラトリには少し硬すぎる場合がある
- 上達意欲の高い初心者には良い選択肢となりうる
- サイズ選びは実寸を計測し試着を重ねることが不可欠
- 型落ちモデルはコストを抑えられるが劣化に注意が必要
- 中級者から上級者の要求に十分応えるハイスペックモデル
- どんな斜面でも攻めたいオールマウンテンライダーに最適





