【ROME】VICEのビンディングを評価|特徴からジャンル別適正まで徹底解説

まさやん
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スノーボードのビンディング選びは、滑りの質を大きく左右する重要な要素です。数あるモデルの中で、自分に合った一つを見つけるのは簡単ではありません。本記事では、多くのスノーボーダーから支持されるROME VICEのレビューをお届けします。

このビンディングの持つ独自の特徴を詳しく解説し、フリーランやグラトリ、パークといった多様なライディングスタイルの中で、具体的にどんな人におすすめできるのかを明らかにしていきます。VICEが気になっているあなたの疑問を解消し、最適なギア選びの手助けとなる情報を提供します。

この記事を読むことで、以下の点が明確になります。

  • ROME VICEの最新モデルのスペックと際立った特徴
  • フリーランやグラトリなど、代表的なジャンルごとの客観的な評価
  • ユーザーが感じるメリットや、購入前に知っておきたい注意点
  • お得に手に入れる可能性がある型落ちモデルの賢い選び方

ROME・VICEの基本スペックから見る総合評価

まずは、ROME VICEがどのようなビンディングなのか、基本的な性能から見ていきましょう。ここでは客観的なデータと、ライダーのパフォーマンスに直結する重要な要素をまとめています。

項目詳細
対象メンズ
サイズ感M/L (26cm-29cm), L/XL (28cm-32cm) ※モデル年式により若干の変動あり
硬さ (1-10)6
重さ (1-10)5
締め付け力 (1-10)7

アシンメトリーなハイバックの特徴

ROME VICEの最も目を引く部分の一つが、左右非対称に設計されたアシンメトリーなハイバックです。これは、内側と外側でフレックス(硬さ)が異なるように作られています。

具体的には、内側は柔軟で足首の可動域を確保し、プレス系のグラトリや細かなボードコントロールを容易にします。これが足首の自由度を高めてくれるんですよね。一方で、外側は硬めに設定されており、ターン時にエッジへ力を伝達する際のサポート力を高めています。

この設計により、スタイルを出しやすい自由度と、ハイスピードでの安定性を両立させているのです。ただ単に柔らかい、あるいは硬いだけではない、計算された構造がVICEの大きな魅力と考えられます。

2種類のストラップがもたらすフィット感

VICEのフィット感の鍵を握るのが、アンクルストラップとトゥストラップです。特にアンクルストラップには、AuxTechという技術が採用されたモデルが多く見られます。

これは、幾何学的なパターンのストラップが、締め付けた際に均等な力でブーツを包み込むように変形する仕組みです。そのため、一点に圧力が集中する「点」でのホールドではなく、足首全体を「面」で支えるような、隙間のないフィット感を生み出します。このおかげで、長時間のライディングでも痛みが出にくく、快適性が持続します。

トゥストラップも同様にブーツの先端をしっかりとホールドし、レスポンスの向上に貢献しています。これらのストラップが連携することで、ライダーの意図をダイレクトにボードへ伝えることができるのです。

足裏感覚に優れたベースプレートの構造

ビンディングの土台となるベースプレートは、ボードの感触を足裏でどれだけ感じられるかに大きく影響します。VICEに採用されているAsymWrapシャーシは、この足裏感覚を重視した設計です。

このシャーシは、ヒールカップの外側フレームが3点で接続されており、中央部分にはあえて接続部を設けていません。これにより、ベースプレートの柔軟性が増し、ボードのトーション(ねじれ)を自然に感じ取ることが可能になります。

結果として、まるでスケートボードに乗っているかのような、ダイレクトで自由な足裏感覚が得られます。これは、地形遊びやグラトリなど、ボードを繊細にコントロールしたい場面で大きなアドバンテージとなるでしょう。

締めやすいラチェットの操作性

ビンディングの着脱のスムーズさは、ゲレンデでの快適性を左右する地味ながら重要なポイントです。VICEのラチェットバックルは、軽い力で確実に締め上げられるように設計されています。

実際にグローブをしたままでも操作してみると、カチカチと小気味よく締まっていく感覚があり、ストレスを感じることはほとんどありません。また、リリースの際もレバーが大きく、力を入れやすいため、素早い着脱が可能です。

特に、リフト乗り場で急いで装着したい時や、凍えるような寒さの中で操作する際には、この操作性の良さが非常にありがたく感じられます。細かな部分ですが、こうしたユーザー目線の作り込みがROME SDSというブランドの信頼性を高めている一因です。

絶妙な柔軟性が生むボードコントロール

VICEのフレックスは、メーカー指標でミディアムに位置付けられています。硬すぎず、柔らかすぎないこの絶妙なバランスが、多様なライディングスタイルへの対応力を生んでいます。

この柔軟性があるおかげで、低速でのグラトリやジブではボードを扱いやすく、ライダーの動きを妨げません。バター系のトリックやプレスも、ビンディングがしなやかに追従してくれるため、スムーズに行えます。

かといって、高速域で頼りないわけではありません。必要な部分にはしっかりと剛性を持たせているため、カービングターンやキッカーでのアプローチにおいても、安定したボードコントロールが可能です。このバランス感覚こそ、VICEがオールラウンドモデルとして評価される所以です。

ライダーの動きに追従する反応の良さ

VICEは、ライダーの小さな動きにも敏感に反応するレスポンスの良さも兼ね備えています。これは、前述したフィット感の高いストラップと、足裏感覚に優れたベースプレートの相乗効果によるものです。

例えば、ターンに入る際のつま先や踵へのわずかな加重も、遅れることなくボードに伝わります。そのため、自分が思った通りのラインをトレースしやすく、滑りに一体感が生まれます。

特に、ツリーランや不整地など、瞬時の判断と操作が求められる場面では、この反応の良さが大きな武器となります。逆に言えば、少しルーズに滑りたい初心者の方には、反応が良すぎると感じられる可能性もゼロではありません。しかし、中級者以上であれば、このダイレクトな操作感は大きな魅力と感じるはずです。

長時間でも疲れにくい軽さの秘密

ビンディングの重量は、一日中滑り続けた際の疲労度に直結します。VICEは、軽量な素材の採用と無駄を削ぎ落とした設計により、優れた軽量性を実現しています。

ハイバックやベースプレートには、強度を保ちつつも軽量な複合素材が使用されています。また、ストラップも肉抜きされたデザインが採用されるなど、グラム単位での軽量化へのこだわりが見られます。

この軽さのおかげで、リフト乗車中の足への負担が軽減されるだけでなく、オーリーやスピンといったジャンプ系のトリックにおいても、板を軽快に振り回すことができます。滑りのパフォーマンス向上と疲労軽減の両方に貢献する、重要な要素です。

ROME・VICEのライディングジャンル別評価

VICEのスペックを理解したところで、次に気になるのは「結局、どんな滑りに向いているのか?」という点でしょう。ここでは、代表的なライディングジャンルごとにVICEの適性を5点満点で評価し、詳しく解説していきます。

ジャンル評価 (5.0満点)
カービング
フリーラン
パウダー
グラトリ(弾き系)
グラトリ(乗り系)
ラントリ
キッカー(小~中)
キッカー(中~大)
ジブ

フリーランにおける安定性と操作性

フリーランは、ゲレンデを自由に滑り降りるスノーボードの基本であり、ビンディングの総合力が試されるジャンルです。VICEは、このフリーランにおいて非常に高いパフォーマンスを発揮します。評価が4.5点と高い理由は、安定性と操作性のバランスにあります。

中速から高速域でのターンでは、ハイバックとストラップがしっかりと足元を支え、ブレのない安定した滑りを可能にします。一方で、ミディアムフレックスの恩恵で、地形の凹凸に合わせてボードを柔軟に操作することも容易です。

圧雪されたバーンを気持ちよくクルージングするだけでなく、壁を使って遊んだり、ちょっとした地形でジャンプしたりといった「ゲレンデ全体を使って遊ぶ」滑りに最適なビンディングと言えます。

グラトリで求められる柔軟な動きへの対応力

グラトリは、ビンディングの柔軟性が特に重要になるジャンルです。VICEは、グラトリ適性も高く、特に乗り系のトリックでその真価を発揮します。

乗り系・プレス系トリックとの相性

評価が4.5点と高い乗り系では、AsymWrapシャーシによる足裏感覚の良さと、内側が柔らかいハイバックが活躍します。バターやプレスといったトリックでは、ボードをしならせる感覚がダイレクトに伝わり、低い体勢でも安定したコントロールが可能です。

弾き系トリックとの相性

一方、ノーリーやオーリーといった弾き系のトリックでは、反発力を最大限に引き出すために、より硬めのビンディングを好むライダーもいます。そのため評価は4.0点としましたが、VICEのレスポンスの良さは、板を弾くタイミングを掴みやすく、十分な高さを出すことができます。パワーよりもテクニックで高さを出したいライダーには、むしろ扱いやすいと感じられるでしょう。

パークでのジャンプやジブの適正

パークライディングにおいても、VICEはオールラウンドな性能を見せます。特に、小〜中サイズのキッカーや、様々なアイテムが設置されたジブセクションで楽しむのに適しています。

キッカーでは、アプローチでの安定性と、着地時の衝撃吸収性が求められます。VICEは、しっかりとしたホールド感でアプローチを安定させ、ベースプレートのクッションが着地の衝撃を和らげてくれます。そのため、安心してジャンプに挑戦できるでしょう。

ただし、20メートルを超えるような巨大なキッカーに挑む場合は、より高いレスポンスとサポート力を持つ、さらに硬いモデルの方が適しているかもしれません。

ジブに関しても、柔軟なフレックスがアイテム上でのボードコントロールを容易にし、スタイルを出しやすいです。

細かな調整機能でフィット感を向上

VICEは、ライダー一人ひとりのブーツや好みに合わせて、細かくセッティングを調整できる機能も充実しています。これにより、ビンディングの性能を最大限に引き出すことが可能です。

代表的な調整箇所は、ハイバックのローテーションとフォワードリーン(前傾角度)です。ハイバックをスタンスの角度に合わせて回転させることで、ふくらはぎへのフィット感が増し、よりダイレクトなエッジングが可能になります。

また、フォワードリーンを調整することで、レスポンスを変化させることができます。前傾を強めれば反応が早くなり、カービングに適したセッティングに。逆に、前傾を緩めれば足首の自由度が増し、グラトリやジブに適したセッティングになります。これらの調整機能を活用することで、自分だけの最適な乗り味を見つける楽しみもあります。

型落ちモデルの入手方法と注意点

高性能なビンディングは価格もそれなりにしますが、型落ちモデルを狙うことで、お得に手に入れることが可能です。ROME VICEも、シーズン終わりや翌シーズンの初め頃になると、前シーズンのモデルが割引価格で販売されることがあります。

型落ちモデルは、スノーボード用品を扱う大型の専門店や、オンラインショップで見つけることができます。特に、複数のショップの在庫を比較できるインターネット通販は、希望のサイズやカラーを見つけやすいでしょう。

まとめ:ROME・VICEの総合評価とおすすめユーザー

これまでの情報を総合すると、ROME VICEは非常にバランスの取れた、オールラウンドな性能を持つビンディングであることが分かります。特定のジャンルに特化しすぎるのではなく、ゲレンデのあらゆる状況を楽しみたいと考えるスノーボーダーにとって、最高の相棒となり得る存在です。

この記事で解説したROME VICEの評価を、最後に箇条書きでまとめます。

  • ROME VICEは多様な滑りに対応するミディアムフレックスのビンディング
  • フリーランでの安定性と操作性のバランスが非常に高い
  • グラトリ、特にプレス系のトリックで優れたパフォーマンスを発揮
  • パークでは小〜中サイズのキッカーやジブを得意とする
  • 左右非対称のハイバックが自由度とサポート力を両立
  • AuxTech採用のストラップが隙間のないフィット感を提供
  • AsymWrapシャーシがもたらすダイレクトな足裏感覚が特徴
  • 操作性の良いラチェットで着脱がスムーズ
  • 軽量な設計で長時間のライディングでも疲れにくい
  • カービングではしっかりとしたエッジホールド感がある
  • パウダーでの浮力は標準的で、特別な強みはない
  • 弾き系グラトリもこなせるが、乗り系の方がより得意
  • ハイバックローテーションなど細かな調整機能が充実
  • 初心者から上級者まで幅広いレベルのライダーに対応可能
  • 特に1台で何でもこなしたい中級者におすすめ
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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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