Jones Mercury FASEとは?26-27変更点とStep On・Supermaticとの違いを解説

「立ったまま素早くバインディングを装着したい。でも、普通の2ストラップのフィーリングは残したい。」
そんなスノーボーダーに注目されているのが、Jones Snowboardsの「Mercury FASE(マーキュリー フェイズ)」です。
FASEは、従来のアンクルストラップとトゥストラップを使いながら、毎回ラチェットを締め直す手間を大幅に減らしたファストエントリーシステム。
Burton Step Onのような専用ブーツも必要なく、一般的なスノーボードブーツをそのまま使えることも大きな特徴です。
さらに2026-27シーズンの2027モデルでは、トゥ側の「LSR 2.1 Auto-Lock Toe Buckle」を採用。ロック機構が改良され、FASEの使いやすさがさらにアップデートされています。
この記事ではMercury FASEの仕組みと26-27モデルの変更点に加え、Step OnやNIDECKER Supermaticとの違い、どんなライダーに向いているのかまで詳しく解説します。
- Jones Mercury FASEはどんなバインディング?
- FASEとは?高速エントリーの仕組みを解説
- 26-27 Mercury FASEはLSR 2.1へアップデート
- Mercury FASEの主要スペックと特徴
- Mercury FASEとBurton Step Onの違い
- Mercury FASEとNIDECKER Supermaticの違い
- FASE・Step On・Supermaticはどれを選ぶ?
- Mercury FASEの評価を滑り方別に考える
- Mercury FASEのメリット
- 購入前に知っておきたい注意点
- Mercury FASEはどんな人におすすめ?
- Mercury FASEについてよくある質問
- まとめ:Mercury FASEは2ストラップ派の次世代候補
Jones Mercury FASEはどんなバインディング?
Mercury FASEは、Jonesが展開するファストエントリー対応のオールマウンテン・フリーライドバインディングです。
最大の特徴は、通常の2ストラップバインディングに近いフィーリングと、素早い着脱を両立していることです。
| モデル | Mercury FASE |
|---|---|
| ブランド | Jones Snowboards |
| カテゴリー | オールマウンテン/フリーライド |
| フレックス | 7/10 |
| サイズ | S・M・L |
| システム | FASE Fast Entry System |
| ブーツ | 一般的なスノーボードブーツに対応 |
| マウント | 4×4・2×4・The Channel対応 |
Jones公式では、オールマウンテン/リゾートとフリーライド/パウダーをそれぞれ10/10、フリースタイル/パークを8/10としています。
単なる「着脱が楽なビンディング」というより、山全体をしっかり滑るための性能をベースにFASEを組み込んだモデルと考えると分かりやすいでしょう。
FASEとは?高速エントリーの仕組みを解説
FASEはFast Entry Systemの略です。
一般的なストラップバインディングでは、足を入れるたびにアンクルストラップとトゥストラップのラチェットを締めます。
FASEでは、ストラップをあらかじめ自分のブーツに合わせて設定しておき、そこへ足を入れて固定することで着脱時間を短縮します。
普通の2ストラップ構造を残している
FASEで個人的に一番重要だと思うのが、ストラップそのものをなくしていないことです。
アンクルストラップとトゥストラップでブーツを面として固定するので、従来の2ストラップに慣れている人でも違和感を抑えやすい構造です。
この点が、ブーツを金具で直接固定するStep Onとの大きな違いになります。
一般的なスノーボードブーツを使える
FASEのもう一つのメリットが、専用ブーツを必要としないことです。
現在使っているブーツがサイズ的に適合していれば、そのままMercury FASEと組み合わせることができます。
ブーツ選びで足へのフィットを最優先したい人にとって、この自由度はかなり大きなメリットです。
ブーツとビンディングの基本的な組み合わせについては、スノーボードビンディングの選び方も参考にしてください。
26-27 Mercury FASEはLSR 2.1へアップデート
2026-27シーズンの2027モデルで注目したい変更点が、LSR 2.1 Auto-Lock Toe Buckleです。
トゥバックルのロック機構を改善
LSRは「Locking Slap Ratchet」の略。
FASEでは、最初にストラップ位置をブーツへ合わせたら、その設定を維持したまま素早く着脱することが重要になります。
2027モデルではLSR 2.1へ進化し、オートロック機構を改良。
一度決めたトゥストラップの位置を保持しながら、必要な場合には滑走中でも細かな締め付け調整ができる設計です。
「Set it and forget it」を狙った構造
Jonesが表現しているコンセプトは、いわゆる「一度設定したら、そのまま使える」というものです。
毎回同じ位置までラチェットを締める必要を減らしながら、必要なら通常のストラップバインディングのように微調整できます。
FASEの利便性を支える地味ながら重要なアップデートと言えそうです。
Mercury FASEの主要スペックと特徴
Fusion XR Baseplateでボードフィールを重視
ベースプレートにはFusion XR Baseplateを採用しています。
非対称かつロープロファイルな設計で、ボードとの接触面積を必要以上に増やさず、板本来のフレックスを生かす方向性です。
FASEシステム自体もヒールカップへ統合されており、サイズMでは全長294mm。Jonesの通常バインディングと同等のサイズ感に抑えられています。
AsymFlex Highbackはターン性能と動きやすさを両立
ハイバックにはAsymFlex Highbackを採用。
外側はレスポンスを高める方向に補強し、内側には比較的自由度を残す非対称構造です。
カービングやフリーライドでエッジへしっかり力を伝えながら、グラブや地形遊びでは必要な可動域も残す考え方です。
DualFlex Ankle Strapでレスポンスと快適性を両立
アンクルストラップはDualFlex Ankle Strapです。
中央部分には比較的硬いTPUを使ってレスポンスを確保し、外周部分を柔らかくすることで足首への当たりを抑えています。
この「普通のアンクルストラップでブーツを包む感覚」がFASEの特徴でもあります。
3°カント入りのフットベッド
足元には衝撃吸収を目的としたパッドを採用し、3°のカントも設けられています。
膝を自然に内側へ入れやすくすることで、ワイドスタンスでも身体への負担を抑えながらターンへ入りやすい設計です。
Mercury FASEとBurton Step Onの違い
FASEを検討するとき、最も比較されやすいのがBurton Step Onでしょう。
| Mercury FASE | Burton Step On | |
|---|---|---|
| 固定方法 | 2ストラップ | ブーツのクリートで直接固定 |
| 専用ブーツ | 不要 | 必要 |
| 装着速度 | かなり速い | 非常に速い |
| ストラップ感 | あり | なし |
| ブーツ選択 | 幅広い | Step On対応モデル |
| 微調整 | ラチェットで可能 | ブーツフィットへの依存が大きい |
着脱スピードならStep Onがシンプル
Step Onはヒールと左右のトウ、合計3か所で専用ブーツを直接固定します。
ストラップそのものがないため、とにかくシンプルに素早く装着したいなら非常に優れたシステムです。
Step Onについては、Burton Step Onのビンディング・ブーツ全種類まとめで詳しく解説しています。
ブーツ自由度とストラップ感ならFASE
一方でFASEは一般的なブーツを使えるうえ、アンクルストラップとトゥストラップで固定します。
今使っているお気に入りのブーツをそのまま使いたい人や、ストラップによる包み込むような感覚が好きな人にはFASEの方が選びやすいでしょう。
Mercury FASEとNIDECKER Supermaticの違い
もう一つ比較したいのがNIDECKER OG Supermaticです。
Supermaticも一般的なブーツを使用でき、2ストラップのフィーリングを残したファストエントリータイプです。
| Mercury FASE | Supermatic | |
|---|---|---|
| 一般ブーツ | 対応 | 対応 |
| ストラップ | 2ストラップ | 2ストラップ |
| エントリー | FASE機構 | 後方から足を入れてヒールペダルを踏む |
| 通常ラチェット操作 | 可能 | 可能 |
| 特徴 | 通常ストラップに近い構造 | 自動ハイバック機構 |
SupermaticはDrop IN構造
Supermaticは後方からブーツを入れ、ヒールペダルを踏むことでハイバックが起き上がりロックされる構造です。
FASEとは高速エントリーを実現する方法そのものが違います。
OG Supermaticの性能については、NIDECKER OG SUPERMATICの評価記事も参考にしてください。
FASEはよりシンプルな構造を好む人に向く
Mercury FASEはハイバックを自動で跳ね上げるSupermaticとは異なり、従来型バインディングに近い構造のままエントリーを高速化しています。
「ギミックはできるだけシンプルにしたいけれど、毎回座ってラチェットを締めるのは面倒」という人にハマりやすいシステムです。
FASE・Step On・Supermaticはどれを選ぶ?
| 重視すること | 候補 |
|---|---|
| 最速・シンプルな装着 | Step On |
| 今のブーツをそのまま使いたい | FASE / Supermatic |
| 従来ストラップに近い感覚 | FASE |
| 自動エントリー感を強く求める | Supermatic |
| フリーライド性能も重視 | Mercury FASE |
| 専用ブーツでも問題ない | Step On |
どれが絶対的に優れているというより、何を優先するかで最適なシステムが変わると考えるのがいいでしょう。
Mercury FASEの評価を滑り方別に考える
カービング・フリーラン
Mercury FASEはフレックス7/10で、ターン時のレスポンスを重視したAsymFlex Highbackを採用しています。
柔らかすぎないため、高速域でエッジへしっかり力を伝えたいライダーとの相性は良さそうです。
ただし、Jonesの最上位ハードフレックスモデルほどガチガチではなく、ゲレンデを一日流す扱いやすさも残しています。
パウダー・フリーライド
Jones公式がフリーライド/パウダー10/10としている通り、Mercury FASEの本命ジャンルです。
ツリーランや地形変化が多い場所でも、ブーツをストラップでしっかり保持しながら操作できます。
深雪で毎回ストラップを締め直す場面を減らせることも、FASEの利便性を感じやすいポイントでしょう。
パーク・フリースタイル
2027モデルではパーク適性も8/10とされており、フリーライド専用というわけではありません。
内側に動きやすさを残したハイバックやDualFlex Ankle Strapによって、グラブや地形遊びにも対応します。
ただし柔らかさを最優先したジブ・グラトリ専用ビンディングではなく、あくまでオールマウンテン性能をベースにしたフリースタイル適性と考える方がいいでしょう。
Mercury FASEのメリット
- 通常の2ストラップ感覚を残しやすい
- 毎回のラチェット操作を減らせる
- 一般的なスノーボードブーツを使える
- フリーライドからパークまで幅広い
- 通常のラチェットによる微調整もできる
- 4×4・2×4・The Channelに対応
- FASEシステムにはライフタイム保証がある
特に「ブーツを選ばない」「2ストラップ」「高速エントリー」という3つを同時に満たすことがMercury FASE最大の魅力です。
購入前に知っておきたい注意点
完全なノーストラップではない
FASEはStep Onのようにストラップそのものをなくしたシステムではありません。
とにかく「踏み込むだけ」というシンプルさを最優先するならStep Onの方が分かりやすいです。
最初のストラップ調整は必要
FASEを快適に使うには、自分のブーツへ合わせてストラップ位置を最初に正しく設定する必要があります。
適当に合わせた状態では本来の高速エントリー性能を生かせません。
日本での26-27価格は購入時に確認したい
2027モデルのJonesグローバル公式価格は369.95USドルです。
一方、日本正規代理店で確認できる25-26 Mercury FASEの価格は57,200円(税込)でした。
26-27モデルの国内価格やカラーごとの販売状況は更新される可能性があるため、購入時には日本正規販売店の最新情報を確認してください。
Mercury FASEはどんな人におすすめ?
- リフトを降りて素早く滑り出したい
- 現在使っているブーツをそのまま使いたい
- 普通のストラップバインディングの感覚が好き
- Step Onの専用ブーツには抵抗がある
- カービング・フリーラン・パウダーを幅広く楽しむ
- Supermaticとは違うファストエントリーを試したい
- 着脱性能だけでなく滑走性能も妥協したくない
特におすすめしたいのは、「従来の2ストラップが好きだけど、着脱だけもっと楽にしたい」という人です。
FASEは従来型と次世代型の中間にあるようなシステムで、そのバランスの良さが最大の魅力だと思います。
Mercury FASEについてよくある質問
Q. Mercury FASEは専用ブーツが必要ですか?
専用ブーツは必要ありません。Jones公式では一般的なスノーボードブーツとの互換性を案内しています。ただしサイズはバインディングの対応範囲内で選ぶ必要があります。
Q. FASEとStep Onの一番大きな違いは何ですか?
FASEはアンクルストラップとトゥストラップでブーツを固定します。Step Onは専用ブーツのヒールとトウ部分をバインディングへ直接固定するため、ストラップを使用しません。
Q. FASEとSupermaticは同じ仕組みですか?
違います。Supermaticは後方から足を入れてヒールペダルを踏むことでハイバックを自動的にロックするDrop IN方式です。FASEは従来型2ストラップに近い構造を残しながら、高速エントリーできる仕組みです。
Q. 26-27モデルでは何が変わりましたか?
大きな変更点はLSR 2.1 Auto-Lock Toe Buckleです。2027モデルではロック機構が改良され、一度設定したトゥストラップ位置を維持しやすくなっています。
Q. Mercury FASEは初心者でも使えますか?
Jones公式では初心者からエキスパートまで対象としています。ただしフレックスは7/10なので、非常に柔らかい初心者向けビンディングではありません。ある程度しっかりしたレスポンスを求める人に向きます。
Q. The Channelにも取り付けできますか?
可能です。Universal Mounting Diskは4×4、2×4、EST/The Channelの各マウント方式に対応しています。
まとめ:Mercury FASEは2ストラップ派の次世代候補
Jones Mercury FASEは、従来型2ストラップバインディングのフィーリングを残しながら、着脱を高速化したモデルです。
- FASE Fast Entry Systemを搭載
- 一般的なスノーボードブーツに対応
- 従来の2ストラップ感覚を残している
- 26-27はLSR 2.1 Auto-Lock Toe Buckleへ更新
- フレックスは7/10
- オールマウンテン/リゾート10/10
- フリーライド/パウダー10/10
- フリースタイル/パーク8/10
- S・M・Lの3サイズ
- The Channelを含む主要マウント方式に対応
Step Onほど構造を大きく変えず、Supermaticとは違う方法で高速エントリーを実現している点がFASEの面白いところです。
個人的には、これまで普通のストラップバインディングを使ってきた人が、フィーリングを大きく変えずにファストエントリーへ移行したい場合にかなり有力な選択肢だと感じます。
「専用ブーツを買い直したくない。でもリフトを降りてから毎回座ってストラップを締める手間は減らしたい」という人は、26-27シーズンにMercury FASEをチェックしてみる価値がありそうです。
ファストエントリー方式で比較している方は、Burton Step OnまとめとNIDECKER OG Supermaticの評価も合わせて確認してみてください。










































