バックカントリースノーボードを始めるにあたって必要な知識まとめ
本記事の目的は、バックカントリースノーボードを始めるために必要な知識や装備、技術、マナーなどを解説することです。
バックカントリースノーボードは、楽しいスタイルであると同時に、アバランチ(雪崩)や自然災害などのリスクがあるため、安全に楽しむための知識や技術が必要です。
そこで、ここでは初心者でも分かりやすいように、基本的な知識や技術、必要な装備やマナーについて解説します。
バックカントリースノーボードとは
まずは、バックカントリースノーボードについて簡単に説明しましょう。バックカントリースノーボードとは、スキー場外の自然な雪山でのスノーボードを楽しむスタイルのことです。
一般的なスキー場では管理されたコースでスノーボードをするのに対し、バックカントリーでは未踏の自然な雪山でスノーボードをするため、より自由度が高く、自然を感じられる魅力的なスタイルと言えます。
前提知識
ここでは、バックカントリースノーボードを始めるにあたって必要な前提知識について解説します。
スノーボードの基本的な技術
バックカントリースノーボードをするためには、スノーボードの基本的な技術が必要です。スノーボードの基本的な技術としては、スノーボードの操作方法や基本的なターンの種類、ブレーキング、停止方法などが挙げられます。
また、アップヒルでの歩行やハイクアップ時のスノーボードの持ち方なども重要な技術と言えます。本記事では、これらの基本的な技術について解説します。
アバランチの危険性について
バックカントリースノーボードをする上で、アバランチの危険性について理解しておくことが重要です。アバランチとは、雪崩のことで、バックカントリーでのスノーボードにおいては、自分たちが滑走する斜面が崩壊して雪崩が発生する可能性があることを指します。
アバランチは、大きなリスクとなるため、アバランチ情報のチェックや雪崩対策の知識、装備の準備などが必要です。アバランチの危険性について詳しく解説し、アバランチ対策についても後述していきます。
必要な装備
ここでは、バックカントリースノーボードをするにあたって必要な装備について解説します。さまざまなものが必要になるためざっと確認しておきましょう。
スノーボード、ビンディング、ブーツ
バックカントリースノーボードをするには、スノーボード、ビンディング、ブーツが必要です。スノーボードは、バックカントリーでの滑走に適したものを選びましょう。
ビンディングは、スノーボードに固定する装置で、バックカントリーでの滑走には、トーリングモードというハイクアップ時に使用するモードがあるものがおすすめです。
ブーツは、フレックスが硬めで足首の固定力が強いものが必要です。
ゴーグル、手袋、ヘルメット
スノーボードをする上で、ゴーグル、手袋、ヘルメットは必須の装備となります。ゴーグルは、風や雪から目を守るため、手袋は、手を保護するため、ヘルメットは、頭部を保護するために使用します。また、暖かい衣服や防寒具も必要です。
アバランチビーコン、プローブ、シャベル
バックカントリースノーボードをする上で、アバランチに備えてアバランチビーコン、プローブ、シャベルが必要です。
アバランチビーコンは、アバランチ発生時に発信機を発信することで、救助隊が発信源を探すことができる装置です。プローブは、雪の中に埋もれた人を探すための棒状の装置で、シャベルは、雪を掘るための道具です。
バックパック
バックパックも重要になります。必需品をまとめて携帯するためにもバックパックが必要です。バックカントリー専門に設計されたものがあります。バックカントリーするシチュエーションによって専門なものか、ライトなものかを選ぶと自分に最適なバックパックを選ぶことができます。
その他の必要な装備
その他にも、飲料水や携帯食、地図、コンパスなど、遭難時に備えて必要な装備があります。また、スキー場外での活動には、自然環境へのリスペクトが求められます。山岳地帯では、残したゴミや痕跡が長期にわたって残るため、マナーを守るための知識も必要です。
技術の習得
バックカントリースノーボードを始めるにあたって、技術の習得は非常に重要です。ここでは、バックカントリースノーボードの技術の習得方法や、トレーニングやレッスンの重要性について説明します。
バックカントリースノーボードの技術の習得方法
バックカントリースノーボードの技術を習得するには、まずはスキー場での基礎的なスノーボードの技術を身につけることが必要です。
その後、バックカントリーでの滑走に必要なテクニックを習得するために、経験豊富なガイドやインストラクターの指導を受けることをおすすめします。
バックカントリースノーボードには、独特のテクニックや知識が必要となるため、自己流で習得するのは危険です。
トレーニングやレッスンの重要性
バックカントリースノーボードの技術を習得するためには、トレーニングやレッスンを受けることが重要です。
トレーニングでは、筋力やスタミナを養い、コントロールやバランス感覚を高めることができます。
また、経験豊富なガイドから直接指導を受けるレッスンは、安全に滑走するために必要な知識や技術を短時間で習得することができます。
初心者にとっては、レッスンを受けることで、自分に合った滑走方法や装備の選び方を学ぶことができます。
その他の習得方法
また、インターネット上には、バックカントリースノーボードの習得に役立つ情報が多くあります。
動画や記事などを参考に、滑走のテクニックや装備の選び方などを学ぶこともできます。
ただし、インターネット上の情報は信頼性に欠けるものもあるため、情報の取捨選択には注意が必要です。
ルートの選択
バックカントリースノーボードを始めるにあたり、ルートの選択は非常に重要です。正しいルートを選ぶことで、安全に楽しい滑走ができます。以下に、ルートの選び方や危険な地形の回避方法について解説します。
ルートの選び方
まず、ルートの選び方ですが、地形の難易度や天候、積雪状況を考慮し、滑走に適したルートを選ぶことが大切です。
ルートを決定する前に、地図やガイドブックなどから情報を収集し、地形を確認しましょう。初心者には、緩やかな斜面のルートを選ぶことをおすすめします。
また、事前に計画したルートから逸れることは避け、常に周囲の状況を注意深く観察するようにしましょう。
危険な地形の回避方法
次に、危険な地形の回避方法ですが、急斜面やガレ場、クラスト層、アイスバーンなど、危険な地形を回避することが重要です。特に、アバランチの危険性の高い場所では、慎重にルートを選びましょう。
アバランチの危険性を回避するためには、斜面の角度や地形、積雪状況を確認し、アバランチの可能性がある場所では、スノーボードを降りて歩くなど、慎重に行動しましょう。
ルートの選び方や危険な地形の回避方法は、初心者にとって非常に重要な知識です。ルートを決定する前に、地形の難易度や天候、積雪状況を確認し、滑走に適したルートを選ぶようにしましょう。
また、危険な地形を回避するためには、慎重に行動し、安全に滑走することが重要です。初めてのバックカントリースノーボードでは、経験豊富なガイドやインストラクターと一緒に滑走することをおすすめします。
アバランチ(雪崩)のリスクマネジメント
この項目ではアバランチ(雪崩)のリスクマネジメントについて解説していきます。
アバランチのリスクマネジメントについて
バックカントリースノーボードをする上で、アバランチのリスクマネジメントは非常に重要です。アバランチは突然発生するため、リスクマネジメントを行うことで、万一の事態に備えることができます。
アバランチリスクマネジメントは、ルート選択、現地の雪の状態の確認、天気予報の確認、アバランチ情報の収集などが含まれます。
リスクマネジメントの具体的な方法
アバランチのリスクマネジメントの具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
地形の理解
アバランチは、地形によって発生しやすい場所が異なります。例えば急斜面や凹凸の激しい場所、風が吹き溜まる場所、樹木の間に積もった雪などがその例です。自分たちが進む予定のルートの地形を事前に理解することが重要です。
雪質の観察
雪質の違いによって、アバランチが起こりやすくなる場合があります。例えば、風によってドリフトした硬い雪が積もった場合や、重たい湿雪が積もった場合、アバランチが起こりやすくなることがあります。スキー場や登山口での気象情報だけでなく、現地で雪質を確認することが重要です。
アバランチレポートの確認
各地でアバランチ情報が提供されています。この情報を確認することで、自分たちが進む予定のエリアにアバランチの危険性があるかどうかを把握することができます。
また、アバランチの発生が予想される天候条件や時間帯についても確認することが大切です。
アバランチギアの持参
アバランチが発生した場合に備え、アバランチビーコン、プローブ、シャベルの3点セットを持参しましょう。また、グループで行動する際には、必ず誰か1人がアバランチビーコンを装着しておくことが重要です。
グループでの行動
グループで行動する際には、ルートや休憩ポイントなどを決め、誰が先頭に立つか、誰が後ろにつくかを決めることが重要です。
また、万が一アバランチが発生した場合には、自分たちで救助することが困難な場合があるため、救助隊への連絡方法を確認しておくことも大切です。
バックカントリースノーボードを楽しむ上で、アバランチのリスクマネジメントは非常に重要な要素の1つです。十分な準備と知識を身につけ、安全に楽しくバックカントリーを楽しみましょう。
環境保全の意識
バックカントリースノーボードを楽しむ上で、環境保全の意識を持つことは非常に重要です。自然環境を守り、維持することは、将来的な活動の継続や、自然環境の保全につながります。
ここでは、バックカントリースノーボードにおける環境保全の重要性と、実践できる方法について説明します。
トレイルのルール
バックカントリースノーボードの場所によっては、トレイルの利用規約が設定されている場合があります。これらの規約は、トレイルの維持や自然環境の保護を目的としています。
例えば、トレイルに立ち入る前にルールを確認すること、トレイル上でのゴミ拾いや、自然環境の保全に配慮したトレイル利用が求められることがあります。
これらの規約に従うことで、自然環境を守り、維持することができます。
ゴミの持ち帰り
バックカントリースノーボードを楽しんだ後は、持ち帰り可能なゴミは持ち帰り、トレイル上にはゴミを捨てないようにしましょう。
また、自然環境に影響を与える可能性があるゴミ(例:ガソリン缶やボンベ、プラスチック製品など)は、特に注意して処理する必要があります。
クリーンアップ活動への参加
自然環境を守り、維持するためには、定期的なクリーンアップ活動への参加も有効です。地元の自治体や、登山協会、自然保護団体などが主催するイベントに参加するなど積極的に行うことで人脈などを作ることもできます。
応急処置の知識
バックカントリースノーボーディングでは、怪我や疾患が発生する可能性があるため、応急処置の知識が必要です。応急処置の基本的な知識や必要な医療用品の持ち方、適切な対応方法について説明します。
まず、怪我や疾患が発生した場合は、できるだけ早く適切な処置を行うことが重要です。状況によっては、救急隊を呼ぶことが必要になる場合もあります。以下に、よくある怪我や疾患に対する応急処置の方法をいくつか紹介します。
打撲や捻挫
打撲や捻挫の場合は、炎症を抑えるために、氷で冷やすことが効果的です。アイシングを行う場合は、15分程度冷やし、15分程度休憩をとるというサイクルを繰り返します。また、患部を高くして休息をとることも重要です。
骨折や脱臼
骨折や脱臼の場合は、できるだけ動かさずに固定し、救急隊を呼ぶことが必要です。自分で固定する場合は、骨折や脱臼した部位に対してサポーターや板などで固定します。
凍傷
凍傷の場合は、できるだけ早く温めることが必要です。アイシングをすると逆効果なので、温かい部屋に移動して体を温めます。また、凍傷の程度に応じて医療機関を受診する必要がある場合もあります。
以上は一例であり、応急処置の方法は怪我や疾患によって異なります。また、応急処置に必要な医療用品を常に携帯しておくことも重要です。
バックカントリースノーボーディングで必要な医療用品としては、包帯、絆創膏、消毒液、ガーゼ、テープ、マスク、手袋などが挙げられます。これらの医療用品をスノーボードバッグなどに入れて持ち運ぶことをおすすめします。
食事や水分補給の重要性
バックカントリースノーボードは、山での長時間のアクティビティのため、十分な栄養と水分補給が重要です。
特に寒い天候下での運動は、体温を維持するためにエネルギーが必要であり、適切な栄養補給が必要です。
以下は、バックカントリースノーボードでの栄養と水分補給のためのいくつかの方法です。
水分補給
水分補給は、長時間の運動中に体内の水分を補充するために非常に重要です。水筒を持参し、運動の前後、または1時間ごとに水分補給をするようにしましょう。温かい飲み物も良い選択肢であり、熱いスープや紅茶などがあります。
エネルギー補給
バックカントリースノーボードでは、糖質が豊富な食べ物を摂取することが重要です。チョコレート、ナッツ、エネルギーバー、ドライフルーツなどがあります。長時間の運動には、エネルギーを効率的に供給するために、カーボハイドレート、たんぱく質、脂肪のバランスの良い食事を摂ることが大切です。
食事のタイミング
長時間の運動をする場合、適切な栄養補給が必要です。朝食を食べて運動前にエネルギーを補給し、昼食を食べて運動中にエネルギーを補充し、軽い夕食を食べて運動後に体を回復させましょう。また、運動中に小さな量の食事を取ることも重要です。
持ち物
適切な食事や水分補給を確保するために、水筒、エネルギーバー、ドライフルーツなどを持参しましょう。また、予期しない事態に備えて、応急処置用品も持っておくことをお勧めします。
バックカントリースノーボードでは、運動前や運動中に適切な食事や水分補給を行うことで、エネルギーを適切に補っていきましょう。
まとめ
この記事では、これからバックカントリーを楽しもうとしているスノーボーダーに向けて知ってもらいたいことをまとめました。
バックカントリーは下手をすると命を落とす可能性もあるため、必要な知識はしっかりと理解しておきましょう。それでは、あなたのスノーボードライフがより充実しますように!