UNION「STRATA」とFLUX「DS」を徹底比較!違いや特徴を徹底解説!
スノーボードのビンディング選びで、グラトリやパークライディングを好むライダーから絶大な人気を誇るのがUNION「STRATA(ストラータ)」とFLUX「DS(ディーエス)」です。
どちらも各ブランドを代表する名作ですが、「結局どっちが自分に合っているの?」「重さやフレックスはどう違うの?」と悩んでしまうことも多いですよね。
この記事では、そんな迷えるスノーボーダーのために、スペックの違いから実際の乗り味の特性まで、2つのモデルを徹底的に比較していきます。
ミニディスクの恩恵や、ハイバックの反応、そして足裏感覚の違いなどを知ることで、あなたの滑りのスタイルにベストマッチする一台が見つかるはずです。
- UNION「STRATA」とFLUX「DS」のスペックや重量の具体的な違い
- ミニディスクとレギュラーディスクによる操作性の変化
- それぞれのモデルが得意とするライディングスタイルと適性
- 自分の滑りや好みに合わせた失敗しない選び方
スペック面でのSTRATAとDSの比較
| 比較項目 | STRATA(ストラータ) | DS(ディーエス) |
|---|---|---|
| 基本重量 | 非常に軽量(構造がシンプル) | 軽量(堅牢性とのバランス型) |
| ディスク | ミニディスク(可動域が広い) | レギュラー(安定感がある) |
| 柔軟性 | 足裏が柔らかく自由度が高い | 全体的に程よいミディアム |
| 調整機能 | ヒールカップでセンタリング調整可 | 工具不要で全パーツ調整可 |
| フィット感 | ダイレクトで遊びが少ない | 包み込まれるような快適さ |
カタログ値に見る基本重量の違い
スノーボードのギア選びにおいて、軽さは操作性に直結する大切な要素ですよね。UNION「STRATA」とFLUX「DS」は、どちらもブランドの中では軽量モデルに位置づけられていますが、構造的な違いから重量感には若干の差があるようです。
一般的に、UNIONのビンディングは部品点数を減らして軽量化を図る設計思想があり、STRATAも非常に軽い部類に入ります。
特にベースプレート部分にブッシング(衝撃吸収材)を多用しているため、見た目のボリューム感に反して手に取るとその軽さに驚く方も多いかもしれません。
一方のFLUX「DS」も、長年の改良を経て軽量化が進んでいますが、STRATAと比較すると堅牢な作りをしている分、モデル年式やサイズによっては数グラムから数十グラム程度重くなる傾向があるようです。
ただ、これは手に持って比べればわかる程度の差であり、足に装着して滑っている最中に「重い」と感じることはほとんどないレベルと言えます。
軽さを最優先にするならSTRATAが一歩リードしている可能性がありますが、DSも十分に軽量ですので、最終的には板との重量バランスで判断するのが良いかもしれません。
フレックスとトーションの硬さ
ビンディングの性格を決定づけるフレックス(反応の良さ)とトーション(ねじれやすさ)についても、両者には明確なキャラクターの違いがあります。
STRATAは、ベースプレートの構造が柔軟で、特に足裏の感覚を大切にする設計になっています。
ハイバックに関しては極端に柔らかいわけではなく、適度なハリがあるため、柔らかいベースプレートと程よい反応のハイバックの組み合わせが絶妙なバランスを生んでいると言えます。
これにより、足元の自由度が高く、膝を内側に入れるような動きがやりやすいのが特徴です。
対してFLUX「DS」は、全体的にミディアムフレックスで設計されており、誰が乗っても扱いやすい「ど真ん中」の硬さが魅力です。
ハイバックはしなやかでありながら芯があり、トーションも使いやすいため、低速での操作から高速域での安定感まで幅広くカバーしてくれます。STRATAに比べると、DSの方が少しカチッとした反応を感じられることが多いようです。
| 項目 | UNION「STRATA」 | FLUX「DS」 |
|---|---|---|
| 全体的なフレックス | ミディアムソフト | ミディアム |
| ベースプレート | 非常に柔軟(足裏感覚重視) | 安定感と操作性のバランス型 |
| ハイバック | 適度な反発あり | しなやかで粘りがある |
| 得意な動き | 膝を入れる、捻る | 弾く、耐える、曲がる |
ミニディスク構造による可動域
この2つのモデルを比較する上で、最も大きな構造上の違いと言えるのが「ディスクのサイズ」です。
UNION「STRATA」は「ミニディスク」を採用しています。これは通常のディスクよりも直径が小さく、ボードとビンディングが接する面積を極限まで減らしているのが特徴です。
接地面積が小さいということは、ボード本来のフレックス(しなり)を邪魔しにくく、ビンディング自体もベースプレートの可動域が広くなるため、ルーズでサーフライクな動きが可能になります。
一方でFLUX「DS」は、標準的なサイズのディスク(レギュラーディスク)を採用していますが、ベースプレートの四隅にクッションを持たせるなどの工夫でボードのフレックスを活かす設計になっています。
ミニディスクほどの可動域はありませんが、その分、エッジへのパワー伝達がダイレクトで、踏み込んだ時の安定感やレスポンスの良さにつながっています。
ミニディスクは4×4のインサートホール(ビス穴の間隔)によっては取り付けられない古いボードもあるため、お持ちの板が対応しているか確認が必要ですが、最近の主要なボードであれば概ね問題ありません。
アンクルストラップのフィット感
足首をホールドするアンクルストラップも、両ブランドのこだわりが強く出る部分です。
UNIONのストラップは「フォーマ・ラボ・アンクルストラップ」などの名称で呼ばれ、シンプルながらも高いフィット感を誇ります。
外側は耐久性のある素材、内側はグリップ力の高い素材を使用しており、ブーツを面でしっかりと抑え込むような感触が特徴です。余計なパッドがない分、ブーツとの一体感を得やすく、動きの邪魔になりにくいデザインになっています。
FLUX「DS」のストラップは「ワッフルストラップ」と呼ばれる形状が有名で、ワッフルのように網目状になったクッション素材が使われています。
この形状により、締め付けた際の圧力が分散され、長時間滑っていても足が痛くなりにくいというメリットがあります。包み込まれるような優しいホールド感がありながら、激しい動きでもズレにくいのがFLUXの強みと言えます。
どちらも甲乙つけがたい完成度ですが、ダイレクトな反応を好むならUNION、快適性と包容力を求めるならFLUXという選び方も一つの基準になるかもしれません。
調整機能とセンタリングの容易さ
ビンディングをボードに取り付ける際、ブーツが板の真ん中に来るように調整する「センタリング調整」のしやすさは、セッティングの快適さを左右します。
この点においては、UNIONに大きなアドバンテージがあります。UNIONのビンディングはヒールカップ(かかとを支えるアーチ状のパーツ)自体をスライドさせて位置を調整できる構造になっています。
これにより、ディスクの取り付け穴を変えることなく、ミリ単位でブーツの位置を微調整することが可能です。これはUNION独自の強みであり、こだわりのセッティングを出したいライダーには非常に嬉しい機能です。
FLUX「DS」の場合、ヒールカップとベースプレートが一体化しているため、ヒールカップだけを動かすことはできません。センタリング調整は、ディスクのビス穴の位置を変えることで行います。
FLUXはほぼ全てのパーツが工具なし(ツールレス)で調整できるという利便性があり、ゲレンデで手袋をしたままでもストラップの長さなどをサッと変えられる手軽さが魅力です。
ブーツサイズとのマッチング
最後に、ブーツサイズとの相性についても触れておきましょう。
UNIONとFLUXはどちらもS、M、Lの3サイズ展開が基本ですが、対応するブーツサイズのレンジが微妙に異なります。一般的に、FLUXは日本発のブランドということもあり、日本人の足型やコンパクトなブーツにマッチしやすい設計になっていると言われています。
UNIONは海外ブランドのため、Mサイズの守備範囲が広く、26cmから28cm付近までカバーすることが多いですが、お使いのブーツメーカーによってはヒールカップの幅が合わない場合もあります。
特に幅広のブーツを使用している場合は、STRATAのヒールカップにしっかり収まるかチェックすることが大切です。
FLUX「DS」は、ヒールカップの形状がブーツのかかとを包み込むように設計されており、フィット感が高い反面、サイズ選びを間違えると窮屈に感じることがあるかもしれません。
乗り味で見るSTRATAとDSの比較
| 比較項目 | STRATA(ストラータ) | DS(ディーエス) |
|---|---|---|
| グラトリ | プレスやバター系の粘る動き | 弾きや高回転のキレのある動き |
| カービング | 自由なライン取りと地形遊び | エッジグリップと安定感重視 |
| 着地・パーク | 衝撃吸収性が高く体に優しい | 足裏の情報量が多く繊細 |
| パウダー | サーフライクな浮遊感 | 操作への反応が早く埋まりにくい |
| 乗り味 | ルーズで「ヌルヌル」動く | レスポンス良く「キビキビ」動く |
グラトリでの操作性とプレスのしやすさ
グラトリ(グラウンドトリック)において、この2機種はどちらもトップクラスの人気を誇りますが、得意とするトリックの傾向には違いが見られます。
UNION「STRATA」は、ベースプレートが柔らかくミニディスク特有の可動域があるため、プレス系のトリックが非常にやりやすいという特徴があります。
板のしなりを最大限に引き出せるので、ノーズやテールに体重を乗せたまま耐える動作や、スタイルを出して絞るような動きにおいて、ライダーを強力にサポートしてくれます。「ヌルヌル動く」感覚を好むならSTRATAがハマるはずです。
対してFLUX「DS」は、STRATAよりもレスポンスが良いため、弾き系のトリックやノーリーでの高さが出しやすいと言われています。板からの反発を逃さずに伝えられるので、キビキビとした動きや、高回転のトリックを狙うライダーにはDSの方が好まれる傾向にあります。
もちろんプレスも十分にこなせますが、STRATAほどのルーズさはないため、自分でしっかり板をコントロールする感覚が必要です。
カービング性能とエッジへの伝達
カービング性能に関しては、構造の違いが滑りに現れます。
FLUX「DS」は、ベースプレートの四隅がしっかり踏ん張れる構造になっており、エッジへのパワー伝達効率が良いです。
そのため、ターンに入る際のエッジの噛みが良く、カービング中の安定感も高いと感じられるでしょう。ミディアムフレックスのハイバックがブーツをしっかり支えてくれるので、中高速域でのライディングでも不安感が少ないのが魅力です。
UNION「STRATA」は、足首周りの自由度が高いため、ガチガチのカービングでキレを求めるというよりは、地形に合わせて自由にラインを描くような滑りに向いています。
もちろんカービングができないわけではありませんが、強いGがかかるような高速ターンでは、ベースプレートの柔らかさが少し頼りなく感じる場面があるかもしれません。その分、膝を使った細かいコントロールはしやすいので、操作性を重視する方には適しています。
キッカーやパークでの着地安定性
パークライディング、特にジャンプ(キッカー)やジブアイテムでの使用感はどうでしょうか。
STRATAの最大の特徴の一つに、ベースプレート底面のブッシング(Vaporliteブッシングなど)による圧倒的な衝撃吸収性があります。
これは着地の際の衝撃を緩和してくれるだけでなく、微細な振動も吸収してくれるため、膝や腰への負担が軽減されるというメリットがあります。ハードな着地や、荒れたバーンでのライディングにおいては、このクッション性が大きな武器になります。
FLUX「DS」も「スタビライザー」と呼ばれるパーツなどで衝撃吸収性を高める工夫がされていますが、STRATAの分厚いブッシングに比べると、よりダイレクトな着地感になります。
ジブアイテムに入る際などは、DSの方が板のインフォメーションを感じ取りやすく、アイテムの上でのバランスが取りやすいという意見もあります。衝撃吸収ならSTRATA、足裏からの情報量ならDSという選び方ができるでしょう。
足裏感覚重視でサーフライドなSTRATA
ここまでの比較を踏まえて、UNION「STRATA」の乗り味を一言で表すなら「サーフライド」という言葉がぴったりです。
足元の自由度が高く、ガチガチに固定される感覚が少ないため、まるで雪の上でサーフィンをしているかのような感覚を楽しめます。
足裏で雪面を捉える感覚が鋭く、地形の起伏に合わせてボードを自在に操ることができるため、型にはまらないクリエイティブな滑りをしたいライダーにとっては、これ以上ない相棒になるはずです。
ルーズさが許容されるため、多少のミスもカバーしてくれる寛容さがあり、リラックスして滑りたい時にも最適です。「スノーボードは自由だ」と感じさせてくれる、そんなフィーリングがSTRATAの真骨頂と言えるでしょう。
レスポンスと固定感重視で動けるDS
一方でFLUX「DS」の乗り味は、まさに「オールラウンドな優等生」です。
STRATAに比べてレスポンスが早く、ライダーの意思を素早くボードに伝えてくれます。足元に適度な固定感があるため、急な斜面やアイシーなバーンでも安心して板を任せることができます。
「自分がこう動きたい」と思った瞬間に板が反応してくれる気持ちよさは、DSならではの魅力です。
キビキビと動けるため、トリックのきっかけ作りがしやすく、メリハリのある滑りが可能です。オールマイティに何でもこなしたい、上達のために自分の操作をダイレクトに反映させたいと考えるなら、DSの信頼感は何物にも代えがたいものになるでしょう。
パウダーやフリーランでの快適性
最後に、パウダーやゲレンデ全体を流すフリーランでの快適性についてです。
パウダーランにおいて、STRATAの柔軟性は非常に有利に働きます。新雪の中でボードを浮かせるための微妙な加重抜重がしやすく、波に乗るようなフロート感を損ないません。ベースプレートが雪の凸凹を吸収してくれるので、不整地でも足が疲れにくいのも嬉しいポイントです。
FLUX「DS」もパウダーでの性能は十分高く、特にツリーランのような細かい操作が求められる場面では、そのレスポンスの良さが活きてきます。素早い切り返しが必要な場面ではDSの反応速度が頼りになります。
広いゲレンデを一日中滑り倒すフリーランにおいては、どちらも高いパフォーマンスを発揮しますが、疲れにくさと楽しさを取るならSTRATA、安定感と攻略する楽しさを取るならDSといった具合に、好みのスタイルで選んでしまって問題ありません。どちらを選んでも、フリーランの質をワンランク上げてくれることは間違いありません。
結論:STRATAとDSの比較まとめ
- UNION「STRATA」はミニディスク採用で足元の可動域が広くサーフライクな乗り味が特徴
- FLUX「DS」は日本人の足に合いやすくレスポンスと柔軟性のバランスが良いオールラウンダー
- 重量はどちらも軽量だが構造の違いからSTRATAの方が若干軽い傾向がある
- STRATAのブッシングは衝撃吸収性が高く着地や荒れたバーンでの負担を軽減する
- DSはエッジへのパワー伝達が良くカービングやキビキビした動きが得意
- グラトリにおいてSTRATAはプレスやバター系のヌルヌルした動きにマッチする
- グラトリにおいてDSは反発を活かした弾き系や高回転トリックに向いている
- UNIONはヒールカップ調整が可能でセンタリングを完璧に出したい人に最適
- FLUXは工具不要のツールレス調整が可能でゲレンデでのセッティング変更が容易
- STRATAの足裏感覚は地形遊びやパウダーでの自由なライン取りを可能にする
- DSのホールド感は安心感があり高速域や硬いバーンでも安定した滑りを提供する
- ルーズで遊び心のある滑りを求めるならUNION「STRATA」を選ぶのがおすすめ
- 操作に対する反応の良さと万能性を求めるならFLUX「DS」を選ぶのがおすすめ
- どちらのモデルも各ブランドを代表する名機であり初心者から上級者まで満足度は高い
- 最終的には自分の重視するスタイルが「自由度」か「反応」かで決めるのが正解




























