【DEELUXE】IDとID Teamの比較と違いは?スペックや適正スタイルを徹底解説

まさやん
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スノーボードブーツ選びで絶大な人気を誇るDEELUXE(ディーラックス)。その中でもベストセラーモデルである「ID」と、それをベースにプロチームの意見を取り入れた「ID Team」は、どちらを選ぶべきか非常に悩ましい存在ですよね。

自分にはどちらが合っているのか、ホールド感や硬さにどのような差があるのかを知りたいと考えている方も多いはずです。

特にグラトリやパーク、カービングなど、自分のスタイルに最適な一足を見つけることは、滑りの上達に直結します。

この記事では、両モデルのスペックや特徴を細かく比較し、あなたのスノーボードライフをより充実させる選択をお手伝いします。

記事のポイント
  • DEELUXE IDとID Teamの決定的な違いであるレーシングシステムとホールド力
  • 足首の可動域やフレックスの違いが生む滑走フィーリングの差
  • グラトリやジブあるいはキッカーなどスタイル別に見る最適なモデル
  • 初心者から上級者まで満足できるブーツ選びの重要ポイント

DEELUXE「ID」と「ID Team」の比較と違い:基本性能

IDとID Teamの基本スペック

DEELUXEを代表するモデルとして長年愛され続けている「ID」と、そのアップグレード版とも言える「ID Team」

一見するとデザインや形状が非常によく似ているため、具体的な違いが分かりにくいと感じることも多いかもしれません。しかし、細かなスペックにおいて明確な差別化が図られていることが分かります。

まず、最も大きな違いとして挙げられるのが「レーシングシステム(紐の締め上げ方式)」です。

通常のIDには、左右のハンドルを引くことで素早く全体を締め上げられるSCL(セクション・コントロール・レーシング)システムなどが採用されていますが、ID TeamにはC3レーシングシステムが採用されているケースが一般的です。

これは、足首周りとそれ以外の部分を独立して締め分けることができるシステムで、より細かなフィット感の調整を可能にしています。

以下の表に、一般的な両モデルの主なスペックの違いをまとめました(年式により仕様が異なる場合があります)。

比較項目IDID Team
レーシングシステムSCL(全体的な締め上げ)C3(足首独立締め上げが可能)
フレックス(硬さ)ソフトミディアムソフト(調整可能)
ターゲット層初心者〜上級者(グラトリ・ジブ)中級者〜プロ(オールラウンド)
ホールド感足首の自由度重視足首の固定力重視(ヒール浮き防止)

このように、ベースとなる形状は共有しつつも、締め上げの仕組みや目指すライディングフィールによって、それぞれのキャラクターがしっかりと分けられているようです。

フレックスや硬さの具体的な差

ブーツ選びにおいて「硬さ(フレックス)」は非常に重要な要素ですが、IDとID Teamの間には、数値上のスペック以上に体感的な硬さの違いがあると言われています。

どちらも「ソフトフレックス」から「ミディアムソフト」のカテゴリーに分類されることが多いですが、実際の使用感には差が生まれるようです。

IDは、全体的にしなやかで柔らかいフレックスが特徴とされています。ブーツ全体が足の動きに合わせて素直に曲がってくれるため、膝を内側に入れたり、足首を大きく使ったりする動作が非常にスムーズに行えるでしょう。

少ない力でもブーツをたわませることができるので、脚力に自信がない方や、脱力したスタイルを好む方にも適していると考えられます。

一方で、ID TeamはIDよりも少し「張り」や「コシ」を感じる設定になっていることが多いようです。

これは、後述するレーシングシステムやパワーベルトの影響もありますが、高速滑走時や強い衝撃を受けた際に、ブーツが潰れすぎずにしっかりと耐えてくれる安心感があります。

そのため、IDと比較すると少し反応が速く、頼りがいのあるフレックスに仕上がっていると言えるでしょう。

足首の可動域とホールド感

IDとID Teamを比較する際、最も注目すべきポイントがこの「足首周りの性能」です。ここでの違いが、滑りのスタイルに大きく影響すると考えられます。

IDは、足首の可動域を最大限に活かせるように設計されています。足首を前後左右に自由に動かしやすいため、低速での細かいボードコントロールや、膝を深く入れたスタイリッシュなグラトリのポーズがとりやすいのが魅力です。

「足首の自由度こそがスタイルを生む」と考えるライダーにとって、このルーズさは大きなメリットとなるでしょう。

対してID Teamは、「かかとの浮きにくさ」「足首のホールド感」を徹底的に追求したモデルと言えます。採用されているC3レーシングシステムは、ブーツ外側のハンドルを引くことで足首部分(アンクル)のみを独立して強力に締め上げることが可能です。

これにより、かかとがブーツの底に張り付くような強力なフィット感が得られ、ボードへのパワー伝達ロスを最小限に抑えることができるとされています。

足首はしっかり固定したいけれど、ブーツ全体は硬くしたくないというニーズに応える構造と言えるでしょう。

ソール形状とグリップ力の特長

ブーツの裏側、つまりアウトソールに関しては、IDとID Teamの間に大きな違いはなく、共通のテクノロジーが採用されていることが一般的です。多くのモデルで採用されているのが「Skate Flex(スケートフレックス)」と呼ばれるソールです。

このソールはその名の通り、スケートボードシューズのような感覚を取り入れたもので、足裏感覚に優れているのが最大の特徴です。

雪面の凹凸やボードのしなりを足裏でダイレクトに感じ取ることができるため、繊細なボードコントロールが可能になります。ジブアイテムに乗った時の感覚や、着地の際の衝撃吸収性も良好であると評価されています。

また、グリップ力についても考慮されており、ハイクアップ時やスケーティング時にも滑りにくいパターンが刻まれています。

両モデルともに、雪山での歩きやすさと滑走時の操作性を高いレベルで両立していると言えるでしょう。したがって、ソール性能に関してはどちらを選んでもDEELUXEならではの足裏感覚を享受できると考えられます。

熱成形インナーのフィット感

DEELUXEを選ぶ最大の理由として挙げられるのが、ユーザーの足型に合わせて焼き上げる「サーモインナー(熱成形インナー)」の存在です。

IDとID Teamのどちらも、このサーモインナーに対応しており、購入時にショップで成形を行うことで、世界に一つだけの自分専用のブーツを作り上げることができます。

一般的に、両モデルには「Stage 3」などの高性能なインナーが採用されていることが多いです。このインナーは、足全体の形状を正確にコピーするだけでなく、保温性やクッション性にも優れているとされています。

つま先やかかと、くるぶし周りなど、既製品のブーツでは痛みが出やすい部分も、熱成形によって自分の足にぴったりフィットさせることで、長時間のライディングでも快適さを保つことができるでしょう。

IDとID Teamの比較において、インナー自体のグレードに大きな差がつけられていることは少ないようですが、前述のレーシングシステムの違いにより、インナーが足に密着する強さや感覚は変わってきます。

ID Teamの方がよりタイトにインナーを足に押し付けることができるため、結果としてフィット感をより強く感じる傾向にあるかもしれません。

パワーベルトの有無と効果

ブーツのスネ部分を締め付ける「パワーベルト(パワーストラップ)」の仕様も、IDとID Teamを見分ける重要なポイントの一つです。

年式やモデルのマイナーチェンジによって仕様が変わることもありますが、傾向としてID Teamの方がより強力なベルトシステムを搭載しているケースが多く見られます。

通常のIDにもパワーベルトが搭載されているモデルはありますが、ID Teamにはより太くしっかりとしたベルトや、場合によっては「ダブルパワーベルト」と呼ばれる2本のベルトで締め上げるタイプが採用されていた年式もあります。

このパワーベルトをしっかりと締めることで、スネとブーツのタン(ベロ部分)が一体化し、つま先側への加重(トゥサイドターン)の反応速度が劇的に向上します。

ID Teamを選ぶメリットの一つは、このベルトを活用してレスポンスを調整できる点にあります。ベルトをきつく締めれば高速カービングやキッカーに対応できる反応の良さを得られ、逆に緩めればIDのようなルーズな操作感を楽しむことも可能です。

ID Teamは、このベルトの存在によって、より幅広いシチュエーションに対応できるポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。

DEELUXE「ID」と「ID Team」の比較と違い:スタイル別

低速グラトリやジブにはID

平地でトリックを繰り出すグラトリ(グラウンドトリック)や、ボックスやレールを擦るジブにおいて、足首の柔軟性は非常に強力な武器となります。

そのため、低速域での細かい動きやスタイルの出しやすさを重視するなら、通常のIDが最適な選択肢となるでしょう。

IDの適度な柔らかさは、プレス系のトリックをする際に膝をしっかりと内側に入れやすく、板をしならせる感覚をつかみやすいと言われています。

また、ジブアイテムへの乗せ変えや、予期せぬ体勢からのリカバリーにおいても、ブーツが適度にたわんでくれることで転倒を防げるケースがあります。

足首周りがガチガチに固定されすぎないため、ルーズでスケートライクなスタイルを表現したいライダーには、IDの自由度が心地よく感じられるはずです。

高速域で反応が良いID Team

ゲレンデ全体をハイスピードで流したり、ラントリ(ラン&トリック)のようにカービングの中にトリックを織り交ぜたりするスタイルには、ID Teamがマッチすると考えられます。

スピードが出ている状況では、ボードへの力の伝達に遅れが生じると、操作ミスや転倒につながるリスクがあるからです。

ID Teamは、C3レーシングシステムとパワーベルトによる高いホールド力のおかげで、ライダーの意思を瞬時にボードへ伝えることができます。

特に高速ターン時の安定感はIDよりも優れており、荒れたバーンでもブーツが負けずに体を支えてくれるでしょう。「柔らかいけれど反応が良い」という絶妙なバランスは、ID Teamならではの持ち味と言えます。

キッカーを飛ぶならID Team

パークにあるキッカー(ジャンプ台)でジャンプを楽しむ場合、アプローチでの安定感と着地時の衝撃への耐性が求められます。このシーンにおいても、ID Teamの方に分があると言えるでしょう。

キッカーのアプローチでは、リップ(飛び出し口)に向けて正確なライン取りが必要ですが、ID Teamのホールド力があれば微妙なエッジ操作も確実に行えます。

また、着地で強い衝撃を受けた際、足首が固定されていることで怪我のリスクを軽減し、次の動作へスムーズに移行することができます。

もちろんIDでもジャンプは可能ですが、サイズが大きくなるにつれて、よりサポート力の高いID Teamの恩恵を感じる場面が増えてくるはずです。

カービング性能と安定性

「DEELUXEのIDシリーズは柔らかすぎてカービングには向かない」と思っている方もいるかもしれませんが、ID Teamであれば十分にカービングを楽しむことが可能です。

もちろん、ハードフレックスのカービング専用モデルには及びませんが、足首をしっかりとホールドできるため、エッジを立てて雪面をグリップさせる感覚を得やすいのです。

特に、足首を曲げて重心を低く落とすようなカービングスタイルには、ID Teamの適度なフレックスが逆に有利に働くこともあります。

ガチガチに硬いブーツでは足首が動かず、微妙なバランス調整が難しいと感じるライダーにとって、「足首は動くけれど、かかとは浮かない」というID Teamの特性は、理想的なカービングフィールを提供してくれるかもしれません。

パークスタイルでの使い分け

パークライディングと一口に言っても、ジブをメインにするのか、ジャンプをメインにするのかで適正なモデルは変わってきます。

ジブアイテムでのスタイル重視、あるいは擦りメインならIDの柔軟性が有利に働きますが、パーク全体を流しながらオールラウンドに遊びたいならID Teamがベターな選択と言えるでしょう。

ID Teamは、締め具合を調整することでIDに近い柔らかさを出すこともできるため「大は小を兼ねる」ような使い方が可能です。

今日はキッカーをメインにするから強めに締める、明日はジブで遊びたいから少し緩める、といった調整ができる汎用性の高さは、コンディションに合わせて遊び方を変えたいパークライダーにとって大きな魅力となります。

初心者におすすめのモデルは

これからスノーボードを本格的に始めたい、あるいはマイブーツを初めて購入するという初心者の方には、どちらがおすすめでしょうか。

基本的には、どちらを選んでも失敗はないと言えるほど、両モデルとも扱いやすいブーツです。しかし、あえて選ぶなら、予算と目指すスタイルによって推奨が変わります。

もし、「まずは安く揃えたい」「低速でゆっくり練習したい」というのであれば、IDの方がコストパフォーマンスが良い場合が多く、足首が使いやすいため基本姿勢を覚えやすいかもしれません。

一方で、「早く上達して色々なことに挑戦したい」「道具に頼ってでも安定感が欲しい」と考えるなら、ID Teamを選ぶ価値は大いにあります。かかとの浮きを抑えてくれる機能は、初心者がつまずきやすいターン練習においても強力なサポートとなるからです。

まとめ:DEELUXEのIDとID Teamの違いを比較

  • IDは全体的に柔らかく足首の自由度が高いソフトフレックスモデル
  • ID TeamはC3レーシング採用で足首のホールド力が強化されている
  • IDはSCLシステムなどで全体を素早く締め上げるタイプが主流
  • ID Teamは足首部分だけを独立して強力に締めることが可能
  • かかとの浮きにくさはIDよりもID Teamの方が優れているとされる
  • ソールは両モデルとも足裏感覚に優れたSkate Flexなどを採用
  • 熱成形インナーによる極上のフィット感はどちらも共通して味わえる
  • ID Teamには強力なパワーベルトが搭載されレスポンスが良い
  • 低速でのグラトリやジブメインならIDの柔軟性が有利に働く
  • 高速滑走やキッカーも視野に入れるならID Teamの安定感がおすすめ
  • ID Teamは締め分けによりフレックス感を調整できる汎用性がある
  • カービング時の反応速度はID Teamの方が速く頼りがいがある
  • IDはルーズなスタイルや脱力した滑りとの相性が抜群に良い
  • 価格差はあるが機能差を考慮するとID Teamのコスパも非常に高い
  • 自分の重視するスタイルに合わせてホールド感の違いで選ぶのが正解
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まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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