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【VANS】HI-STANDARD PROの評価|グラトリ・ジブ適性を徹底解説

まさやん
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VANS「HI-STANDARD PRO」の評価が気になり、このページにたどり着いたのではないでしょうか。スノーボードのブーツ選びは、上達やスタイルを大きく左右する重要な要素ですよね。

特に、ソフトフレックスで知られるこのモデルは、グラトリやジブ、パークでのパフォーマンスに関心を持つ多くのスノーボーダーから注目されています。

伝統的なレースアップのフィット感や、VANSらしいデザインのスタイルも魅力です。しかし一方で、初心者でも扱いやすいのか、サイズ感はどうなのか、フリーランには向いているのかといった疑問や、コスパを考えて型落ちモデルを選ぶべきか悩む方も少なくないはずです。

この記事では、VANS「HI-STANDARD PRO」に関するあなたのあらゆる疑問を解消し、購入すべきかどうかを判断するための、客観的で詳細な情報を提供します。

この記事を読むことで、以下の点が明確になります。

  • VANS「HI-STANDARD PRO」の基本的な特徴と詳細なスペック
  • グラトリやジブ、パークといった得意なジャンルでの具体的な使用感
  • フリーランやカービングなど、他の滑走スタイルへの適性
  • 失敗しないためのサイズ選びのコツと型落ちモデルとの比較

VANS「HI-STANDARD PRO」のスペックを徹底評価

VANS「HI-STANDARD PRO」がどのようなブーツなのか、まずは基本的なスペックから詳しく見ていきましょう。ブーツの性能を客観的な数値や機能面から理解することで、その後のジャンル別評価への理解が深まります。

項目スペック詳細
対象男女兼用
サイズ感やや大きめ(普段のスニーカーサイズか0.5cmダウンを推奨)
硬さ3 / 10段階
重さ4 / 10段階
締め付け力7 / 10段階

伝統的なレースで自分好みの締め心地

VANS「HI-STANDARD PRO」は、昔ながらの伝統的なシューレース(靴紐)タイプのブーツです。このタイプの最大のメリットは、締め付け具合を自分の足に合わせて細かく調整できる点にあります。例えば、甲の部分は少し緩めに、足首周りはしっかりと固定するといった、自分だけのベストなフィット感を作り出すことが可能です。

私の場合、滑り始める前は全体的に均等に締め、パークで集中して滑る時間帯は足首周りを少し増し締めするなど、状況に応じて調整しています。

ただ、BOA®︎システムやクイックレースシステムと比較すると、着脱に時間がかかるという点はデメリットとして挙げられます。特に、リフト乗り場で急いで締め直したい時や、一日の終わりに疲れた手で紐を緩める際には、少し手間を感じるかもしれません。

しかし、この手間をかけてでも自分だけのフィット感を追求したいと考えるライダーにとって、レースアップは代えがたい魅力を持つシステムです。

ソフトなフレックスで足首の自由度が高い

このブーツの最も際立った特徴は、その非常に柔らかいフレックスにあります。ブーツ全体がしなやかに動くため、足首の可動域が広く、スケートボードシューズのような自由な感覚でボードをコントロールできます。

なぜなら、この柔軟性がボードのノーズやテールに体重を乗せる「プレス」系の動作を容易にし、グラトリやジブでの細かな動きに対応しやすくしているからです。低い姿勢でのトリックや、スタイルを重視した滑りにおいて、この足首の自由度は大きな武器となります。

一方で、この柔らかさは高速滑走時には注意が必要です。ハイスピードでのターンや、荒れたバーンを滑る際には、ブーツのサポート力が不足し、足元が不安定に感じられることがあります。

そのため、キレのあるカービングや高速フリーランをメインに楽しみたいライダーには、少し物足りなく感じられる可能性を考慮しておく必要があります。

V1 ULTRACUSHインナーの快適性

HI-STANDARD PROに採用されているV1 ULTRACUSHインナーは、快適性とサポート性のバランスに優れたインナーです。熱成形に対応しているため、自分の足の形にぴったりとフィットさせることが可能で、長時間のライディングでも疲れにくいのが特徴です。

V1ハーネスのサポート力

インナー内部にはV1ハーネスが搭載されており、足首周りを的確にホールドしてくれます。これにより、ブーツの中でかかとが浮いてしまう現象を効果的に防ぎます。

かかとの浮きは、ボードへのパワー伝達ロスや疲労に直結するため、これを抑える機能は非常に大切です。ソフトなフレックスでありながら、最低限のホールド感を確保している点は、このブーツの完成度の高さを物語っています。

POPCUSHフットベッドの衝撃吸収性能

足裏には、VANSがスケートシューズで培った技術を応用したPOPCUSHフットベッドが搭載されています。これは、着地の衝撃を効率的に吸収し、足への負担を軽減してくれる高性能なインソールです。

実際、キッカーからの着地や、ジブアイテムから降りる際の衝撃は、想像以上に大きいものです。POPCUSHフ.ベッドは、これらの強い衝撃から足裏や膝を守ってくれます。

また、適度な反発力もあるため、オーリー(ジャンプ)の際には、その力をボードに伝えやすいというメリットも感じられます。

長時間のライディングによる足裏の疲労軽減にも大きく貢献するため、一日中快適に滑り続けたいライダーにとっては、非常にありがたい機能と言えます。

V-LITEアウトソールのグリップ力と軽さ

アウトソールには、V-LITEアウトソールが採用されています。このソールの特徴は、優れたグリップ力と軽量性を両立している点にあります。

雪の上を歩く際や、リフトの乗り降りで滑りにくいのはもちろんのこと、ブーツ自体の重量が軽いため、スイングウェイト(板を回す際の重さ)が軽減されます。

これは、スピン系のグラトリや、空中で板を動かすようなトリックを行う際に、より軽快な操作感をもたらします。

わずかな重量差が、トリックの成功率やスタイルに影響を与えることもあるため、軽量なアウトソールは大きなアドバンテージと考えられます。

包み込むようなフィット感は健在か

HI-STANDARD PROは、多くのファンから「包み込むようなフィット感」と評価されてきました。最新モデルにおいても、その特徴はしっかりと受け継がれています。インナーとアウターシェルが一体となって足を優しく、しかし確実にホールドしてくれる感覚は健在です。

このフィット感の良さは、前述したV1 ULTRACUSHインナーとV1ハーネス、そして自分の足に合わせて微調整できるレースアップシステムの相乗効果によって生まれています。ブーツと足が一体になることで、ボードへの入力が素早くなり、より直感的な操作が可能になります。

サイズ感は普段のスニーカーと同じでOK?

ブーツのサイズ選びは非常に重要ですが、HI-STANDARD PROのサイズ感は、一般的なスノーボードブーツと比較して「やや大きめ」に作られている傾向があります。そのため、普段履いているVANSのスニーカーと同じサイズを選ぶと、少し大きく感じることが多いです。

多くの場合、普段のスニーカーのサイズから0.5cm小さいサイズを選ぶと、ちょうど良いフィット感が得られるようです。例えば、普段27.0cmのスニーカーを履いている方であれば、26.5cmを試してみるのが良いでしょう。

ただし、これはあくまで一般的な傾向です。足の形(幅広・甲高など)には個人差があるため、可能であれば必ず試着をすることをお勧めします。

試着の際は、実際にスノーボードで使用する厚手のソックスを履き、かかとが浮かないか、つま先が当たりすぎていないかを念入りにチェックすることが失敗しないための鍵となります。

VANS・HI-STANDARD PROのジャンル別適性を評価

ブーツのスペックを理解したところで、次に気になるのは「実際にどんな滑りに向いているのか」という点でしょう。ここでは、代表的なスノーボードのジャンル別に、HI-STANDARD PROの適性を5段階評価で解説していきます。

ジャンル評価 (5.0満点)
カービング
フリーラン
パウダー
グラトリ(弾き系)
グラトリ(乗り系)
ラントリ
キッカー(小~中)
キッカー(中~大)
ジブ

グラトリや低速での遊びやすさは抜群

HI-STANDARD PROが最も輝くジャンルの一つが、グラトリ(グラウンドトリック)です。特に、板をしならせて行うプレス系のトリック(乗り系グラトリ)においては、最高のパフォーマンスを発揮します。

その理由は、前述の通り、ブーツのソフトなフレックスが足首の自由な動きを最大限に引き出してくれるからです。これにより、ボードを簡単にしならせることができ、低い姿勢で安定したトリックを繰り出すことが可能になります。

一方で、ノーリーやオーリーといった高回転スピン(弾き系グラトリ)においては、ブーツの反発力が少し物足りないと感じるかもしれません。

しかし、板の反発をダイレクトに使いやすいという側面もあり、総合的に見ればグラトリ全般で非常に扱いやすいブーツであることは間違いありません。

ジブやアイテムでの高い操作性

ジブ(レールやボックスなどの人工物を滑るスタイル)においても、HI-STANDARD PROは非常に高い評価を得ています。

ジブでは、足裏でアイテムの感触を敏感に感じ取ることが重要になりますが、このブーツの柔らかさと薄めのアウトソールが、絶妙な足裏感覚を提供してくれます。

スケートボードからインスパイアされたその設計思想は、まさにジブに最適です。ボードスライドやプレスなど、アイテム上でバランスを取る際に、足首を柔軟に使うことでリカバリーがしやすく、安定した滑りをサポートします。

POPCUSHフットベッドによる衝撃吸収性も、アイテムから降りる際の足への負担を軽減してくれるため、安心してトリックに集中できるでしょう。

スタイルを出しやすいパークでの滑り

HI-STANDARD PROは、スノーボードパークで自分のスタイルを表現したいライダーにとって、最高のパートナーとなり得ます。

グラトリやジブはもちろん、中・小型のキッカー(ジャンプ台)でもその性能を発揮します。

ブーツが柔らかいため、空中でグラブ(板を掴むトリック)をする際に、膝を胸に引きつけやすく、よりコンパクトでスタイリッシュなフォームを作りやすいのです。着地の衝撃もしっかりと吸収してくれるため、反復練習にも向いています。

ただし、巨大なキッカーに挑む場合は、着地時の安定性を考えると、より硬いフレックスのブーツを選択する方が安全かもしれません。

中低速フリーランの心地よさ

ゲレンデを自由に滑り降りるフリーランにおいては、滑るスピード域によって評価が分かれます。地形で遊んだり、流しながら滑ったりするような中低速域では、非常に快適なライディングが楽しめます。

ブーツの柔らかさが雪面の凹凸を吸収し、スムーズで流れるようなターンを可能にします。沢地形や壁を使って遊ぶ際も、自由度の高い足首の動きが、クリエイティブなライン取りをサポートしてくれるでしょう。

しかし、高速域でのフリーランや、アイスバーンなど硬い雪面でのカービングにはあまり向いていません。ブーツのホールド力が不足し、エッジへのパワー伝達が遅れたり、板がバタついてコントロールが難しくなったりする可能性があります。

スピードを追求する滑りよりも、ゲレンデ全体を遊び場として捉えるような滑り方に最適なブーツです。

型落ちモデルとの違いと選び方

VANS「HI-STANDARD PRO」は長年リリースされ続けている人気モデルのため、型落ちモデルが市場に出回ることも多いです。型落ちモデルを選ぶ最大のメリットは、何と言っても価格の安さ、つまりコストパフォーマンスの高さにあります。

HI-STANDARD PROは、基本的な設計思想が確立されているため、数年前のモデルであっても、その性能が大きく劣るということはありません。デザインやカラーリングの変更が主で、フレックスやフィット感といった根幹部分は、ほとんど変わらないことが多いです。

したがって、最新のテクノロジーやデザインに強いこだわりがなければ、型落ちモデルは非常に賢い選択肢となります。

予算を抑えたい初心者の方や、セカンドブーツとして検討している方には特におすすめできます。ただし、購入する際は保管状態を確認し、経年劣化が進んでいないかチェックすることが大切です。

総括:VANS「HI-STANDARD PRO」の総合評価

これまでの情報を総合的に判断し、VANS「HI-STANDARD PRO」の最終的な評価をまとめます。このブーツは、特定のジャンルにおいて圧倒的な強みを発揮する、非常にキャラクターの立ったモデルです。

  • VANSを代表する伝統的なレースアップブーツ
  • フレックスは非常にソフトで足首の自由度が高い
  • グラトリ、特にプレス系のトリックで最高のパフォーマンスを発揮
  • ジブやパークでのスタイルを重視するライダーに最適
  • スケートボードのような自由な操作感を求める方におすすめ
  • 自分好みのフィット感に細かく調整できるレースアップ
  • V1 ULTRACUSHインナーによる快適な履き心地
  • POPCUSHフットベッドが着地の衝撃をしっかり吸収
  • V-LITEアウトソールは軽量でグリップ力も十分
  • 初心者でも扱いやすい柔らかさを持つ
  • 中低速でのフリーランや地形遊びも楽しめる
  • 高速滑走やカービングには不向きな側面もある
  • サイズ感はやや大きめなので試着推奨
  • コストを抑えたいなら型落ちモデルも有力な選択肢
  • 自分の滑りのスタイルとブーツの特性が合えば最高の相棒になる
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まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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