【011Artistic】DOUBLE FLY SPINの評価:グラトリ特化モデルの性能・評判を徹底解説

グラトリシーンで高い人気を誇る国産ブランド、011Artistic。その中でも特に注目を集めるモデルの一つが「DOUBLE FLY SPIN」です。
この記事では、多くのスノーボーダーが気になるDOUBLE FLY SPINの性能や乗り心地について、様々な角度から詳しくレビューし、その評価を検証していきます。
DOUBLE FLY SPINは、その名の通りスピン系のトリックを得意とし、「反則レベルの翼性能」と称されるほどの独特なソール形状が特徴です。
グラトリでの操作性はもちろん、フラットトリックとの相性、さらにはパークやフリーランでの滑走性能に至るまで、実際のレビューや口コミを交えながら、DOUBLE FLY SPINがどのようなライダーに適しているのかを明らかにしていきます。
- DOUBLE FLY SPINの具体的なスペックと特徴
- グラトリやスピンにおける高い操作性と評価
- パークやフリーランでの滑走性能と注意点
- 兄弟モデル「DOUBLE FLY」との明確な違い
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」の基本スペックを徹底評価
対象 | メンズ・レディース |
形状 | ダブルキャンバー(SPIN CAMBER) |
シェイプ | ツインチップ |
ボードの硬さ | 10段階中2 (かなり柔らかい) |
対象レベル | 初心者から上級者 |
サイズ | 138,140,143,145,148,151,152,153,154 |
「反則レベルの翼性能」とは?
「反則レベルの翼性能」とは、011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」の持つ際立った特徴を表現したキャッチフレーズです。
具体的には、スノーボードのソール(滑走面)が雪面に接する部分、特に両足間の「翼」とも呼ばれる部分の反り上がり具合を、メーカーが「反則レベル」と称するほど最大限に高めていることを指します。
この特殊な形状により、ボードのコントロールが非常に軽快になります。まるで浮いているかのような感覚でフラットトリック(平地でのトリック)を繰り出しやすくなるのが大きなメリットです。
雪面との抵抗が少なくなるため、ボードを回したり、持ち上げたりといった動作がスムーズに行えるようになり、ライダーの意図した動きをダイレクトに板に伝えやすくなります。
この結果、従来のボードでは難しかったようなトリックも可能になるほどの操作性を実現しています。
形状:ダブルキャンバーの特徴
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」は、「ダブルキャンバー」という形状を採用しています。これは、スノーボードを横から見たときに、板の中央部分が少し盛り上がり(キャンバー形状)、さらに両足の外側にもう一度小さな盛り上がりがある形状のことです。
まるでカモメの翼(ガルウィング)のような形をイメージすると分かりやすいかもしれません。
このダブルキャンバー形状の大きな特徴は、エッジ(板の金属部分)が雪面に食い込みすぎるのを和らげ、操作性を向上させる点にあります。
具体的には、板の中央部分が雪面から少し浮いているため、ターンやトリックの際にエッジが引っかかりにくく、スムーズな動きが可能になります。
特に、DOUBLE FLY SPINではこの「翼」部分の反り上がりを最大限に高めているため、軽い力でボードを操ることができ、浮遊感のある滑り心地や、グラトリ(グラウンドトリック)での多彩な技を繰り出しやすくなっています。
シェイプ:ツインでスイッチも自在
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」の「シェイプ」は「ツイン」です。シェイプとはスノーボードを上から見たときの外形のことで、ツインシェイプはノーズ(板の先端)とテール(板の後端)が全く同じ形をしていることを意味します。つまり、どちらを前にしても同じ感覚で滑ることができる設計になっています。
このツインシェイプの最大のメリットは、「スイッチスタンス」での滑走が非常にしやすい点です。スイッチスタンスとは、普段滑っている方向とは逆向き(利き足が後ろになる状態)で滑ることを指します。
ツインシェイプのボードは前後対称なので、スイッチスタンスでも違和感が少なく、安定したコントロールが可能です。
グラトリやパークでトリックを決めるときなど、スイッチでの滑走や着地が求められる場面で、この特徴は大きなアドバンテージとなります。ライダーの創造性を広げ、より自由なライディングスタイルを可能にします。
フレックス:ソフトな設定で扱いやすい
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」の「フレックス」は、ソフトに設定されています。フレックスとは、スノーボードの板自体の硬さ(しなりやすさ)を表す言葉です。ソフトフレックスということは、板が比較的柔らかく、少ない力でもしならせやすいという特徴があります。
このソフトなフレックス設定により、ボードのコントロールが非常に容易になります。例えば、ターンをする際に板をしならせてエッジを効かせる動作や、グラトリで板を弾いて高さを出す動作などが、軽い力で行えるようになります。
脚力に自信がない方や、これからグラトリを始めたいと考えている初心者の方にとっても、板がライダーの動きに素直に反応してくれるため、扱いやすく感じるでしょう。
また、板の反発を使いやすく、トリックのきっかけも掴みやすいため、スタイリッシュな動きを表現するのにも適しています。
構造:最軽量コアと強めのコンベックス
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」の構造における特筆すべき点は、「最軽量コア」の採用と「強めのコンベックスソール」です。まず、コア材には非常に軽い素材(FLYコアやフォームコア)が使用されており、ボード全体の軽量化に大きく貢献しています。
これにより、スイングウェイト(板を振ったときの重さ)が軽減され、グラトリやスピン系のトリックで板を回したり、持ち上げたりする際の操作性が格段に向上します。
ライダーは少ない力でボードをコントロールでき、長時間のライディングでも疲れにくいというメリットがあります。
さらに、ソールの形状は「コンベックス」と呼ばれる、船底のように中央部分が少し盛り上がった形になっています。DOUBLE FLY SPINでは、このコンベックスの度合いが011Artisticのラインナップの中でも特に強く設定されています。
この強めのコンベックスソールによって、雪面との抵抗が極めて少なくなり、エッジの引っかかりを大幅に軽減します。結果として、縦方向にも横方向にも非常に軽い操作性を実現し、スムーズなターンやスピン、そして多彩なフラットトリックを可能にしています。
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」をライディングスタイル別に評価
オールラウンド
カービング | |
---|---|
フリーラン | |
パウダー | |
グラトリ(弾き系) | |
グラトリ(乗り系) | |
ラントリ | |
キッカー | |
ジブ |
グラトリでの高い操作性と評価
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」は、グラトリ(グラウンドトリック)において非常に高い操作性を発揮すると評価されています。その理由は、このボードが持つ独特の構造と形状にあります。
まず、「ダブルキャンバー」形状は、板の中央部分が雪面から浮いているため、エッジの引っかかりが少なく、スムーズな動きを可能にします。
これにより、プレス系の技(板をしならせて雪面に押し付けるトリック)や、板を回転させるスピン系の技が格段にやりやすくなります。
さらに、「反則レベルの翼性能」と称されるほど、両足間の「翼」部分の反り上がりを最大限に高めている点も、操作性の向上に大きく貢献しています。
この特殊な形状と、011の中でも最も強く設定されたコンベックスソール(船底のようなソール形状)が相まって、雪面との抵抗を極限まで軽減。
まるで浮いているかのような軽い操作感で、縦横無尽にボードを操ることができます。芯材には軽量なフォームコアが採用されており、ボード自体が軽いため、スイングウェイト(板を振ったときの重さ)も軽く、トリック時の負担を軽減します。
これらの要素が複合的に作用することで、グラトリにおける高い操作性を実現し、初心者から上級者まで幅広い層のライダーに支持されています。
フラットトリックとの抜群の相性
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」は、フラットトリック(平地で行うトリック)との相性が抜群に良いとされています。このボードの最大の特徴である「反則レベルの翼性能」、つまりダブルキャンバー形状の翼部分の反り上がりを最大限に高めた設計が、その理由の核心です。
この反り上がりと、011のラインナップ中で最も強く設定されたコンベックスソールにより、雪面との摩擦抵抗が極めて少なくなり、まるで浮いているかのような軽快な操作感を実現します。
この結果、ボードを回したり、持ち上げたりといった動作が非常にスムーズに行え、少ない力で多彩なフラットトリックを繰り出すことが可能になります。
特に、プレス系のトリックや、板を横方向にスライドさせるような動き(バター系トリックとも呼ばれます)では、その性能を遺憾なく発揮します。
ボードが軽量であることも、フラットトリックのやりやすさを後押ししており、ライダーの意図した動きをダイレクトに板に伝え、自由自在なボードコントロールを可能にします。
初心者にとってはトリックのきっかけを掴みやすく、上級者にとってはより高度でスタイリッシュなトリックへの挑戦をサポートしてくれるでしょう。
スピン系トリックは得意か?
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」は、その名の通りスピン系のトリックを得意としています。このボードがスピンに適している主な理由は、ダブルキャンバー形状とコンベックスソールの組み合わせにあります。
ダブルキャンバー形状は、板の中央部が雪面から浮いているため、エッジの引っかかりが少なく、回転動作をスムーズに始められます。特にDOUBLE FLY SPINは、「翼」部分の反り上がりを最大限に高めているため、より軽い力でボードを回すことが可能です。
さらに、011の中でも最も強く設定されたコンベックスソールは、雪面との抵抗を大幅に軽減し、横方向への動きを非常に滑らかにします。これにより、回転時の失速を防ぎ、スムーズで安定したスピンを実現します。
また、ボード自体が軽量なため、スイングウェイト(板を振ったときの重さ)が軽く、高回転のスピンにも挑戦しやすくなっています。
レビューや口コミでも、回転のしやすさやスイッチスタンス(逆向きでの滑走)への移行の容易さが高く評価されており、「回すことに関しては『ダブルスピン』の右に出るものはない」といった声も見られます。
これらの特徴から、スピン系トリックをマスターしたいライダーにとって、DOUBLE FLY SPINは非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
パークやフリーランでの滑走性能
011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」は、主にグラトリやフラットトリックに特化したモデルですが、パークやフリーランでもある程度の滑走性能を発揮します。ただし、その特性を理解した上で楽しむことが重要です。
ダブルキャンバー形状と強いコンベックスソールは、エッジの引っかかりを軽減し、ルーズな乗り心地を提供するため、ジブアイテム(レールやボックスなど)ではスムーズなアプローチやトリックが可能です。
また、軽量なため、小さなキッカーでのジャンプやスピンも比較的容易に行えるでしょう。フリーランにおいては、圧雪された緩斜面や中斜面であれば、その軽い操作性を活かして楽しく滑ることができます。
しかし、ダブルキャンバー特有のエッジグリップの弱さから、高速域でのカービングターンや、アイスバーンなどの硬い雪面では安定性に欠ける場面もあります。
特に、エッジをしっかりと立てて行うようなアグレッシブなカービングには不向きとされています。パウダー(新雪)に関しては、ノーズ(板の先端)が浮きやすいダブルキャンバー形状のため、ある程度の浮力は期待できますが、専門のパウダーボードほどの性能はありません。
総じて、パークやフリーランでは、ボードの遊びやすさを活かしたクリエイティブな滑りや、地形を活かしたトリックを楽しむのに適していると言えるでしょう。
DOUBLE FLYとの違いは?
項目 | DOUBLE FLY | DOUBLE FLY SPIN |
---|---|---|
形状(ベント) | ハイブリッドキャンバー (FTC / FLAT TWIN CAMBER) | ダブルキャンバー (SPIN CAMBER) |
シェイプ | ツインチップ | ツイン |
フレックス | ソフト (2/10程度) | ソフト (3/10程度) |
コア材 | 超軽量フォームコア | 最軽量フォームコア |
ソール形状 | コンベックスソール (中程度) | 強めのコンベックスソール |
エッジ仕上げ | ビベリングなし | ビベリングあり |
得意なトリック | プレス系、オーリー、バター系、弾き系グラトリ | スピン系、プレス系、フラットトリック、ノリ系グラトリ |
操作性 | 癖がなく扱いやすい、安定感がある | 非常に軽い操作性、ルーズな乗り味 |
ライディングスタイル | オールラウンドなフリースタイル、反発を活かした滑り | グラトリ特化、遊び心のある自由な滑り |
対象レベル | 初心者〜中級者 | 初心者〜上級者 |
定価 | 109,890~112,090円 | 99,990円〜112,090円(税込) |
011Artisticのラインナップには、「DOUBLE FLY」と「DOUBLE FLY SPIN」という名前の似たモデルが存在しますが、これらは明確な違いを持っています。最も大きな違いは、ボードの「形状(ベント)」です。
DOUBLE FLYがフラットツインキャンバー(ハイブリッドキャンバーの一種で、ほぼキャンバーに近い特性)を採用しているのに対し、DOUBLE FLY SPINはダブルキャンバー形状(SPIN CAMBER)を採用しています。
この形状の違いにより、得意とするライディングスタイルが異なります。DOUBLE FLYは、キャンバー形状に近い特性から、反発力を活かした弾き系のグラトリや、ある程度のカービング性能も持ち合わせており、オールラウンドなフリースタイルライディングに向いています。
一方、DOUBLE FLY SPINは、ダブルキャンバー形状と強いコンベックスソールにより、エッジの引っかかりが少なく、プレス系やスピン系のグラトリ、フラットトリックといった、よりルーズで遊び心のあるライディングに特化しています。
また、エッジの仕上げにも違いがあり、DOUBLE FLY SPINにはビベリング(エッジの角度を調整して引っかかりを軽減する加工)が施されていますが、DOUBLE FLYには施されていません。
コンベックスソールの度合いも異なり、DOUBLE FLY SPINの方がより強く設定されています。これらの違いから、しっかりとした反発や安定感を求めるならDOUBLE FLY、より軽い操作性でトリックを楽しみたいならDOUBLE FLY SPINといった選択が考えられます。
純粋なグラトリを追求するならDOUBLE FLY SPIN、反発を活かしたグラトリとオールラウンドな滑走を両立したいならDOUBLE FLYが適していると言えるでしょう
まとめ:011Artistic「DOUBLE FLY SPIN」の評価について
基本スペックとして、メーカーが「反則レベルの翼性能」と称するほど両足間のソール(滑走面)の反り上がりを最大限に高め、浮遊感のある軽快な操作性を実現しています。
形状は「ダブルキャンバー」で、エッジの引っかかりを抑えスムーズな動きを可能にし、「ツインシェイプ」によりスイッチスタンスでの滑走も自在です。
また、「ソフトフレックス」で少ない力でも扱いやすく、構造面では「最軽量コア」と「強めのコンベックスソール」を採用し、軽量性と雪面抵抗の低減を両立しています。
ライディングスタイル別では、特にグラトリやフラットトリック、スピン系トリックでその高い操作性を発揮します。ダブルキャンバーとコンベックスソールの相乗効果により、軽い力で多彩な技を繰り出せます。
パークやフリーランでは、ジブアイテムや緩斜面での遊びに適していますが、高速カービングや硬い雪面にはやや不向きです。
兄弟モデル「DOUBLE FLY」とは形状や得意とするスタイルが異なり、DOUBLE FLY SPINはよりルーズでトリック志向のライダーに適しています。








