【SCOOTER】G9の評価は?フリーランとトリックを両立する抜群の操作性

まさやん
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国産スノーボードブランドとして名高いSCOOTER「G9(ジーナイン)」。このボードはカービング性能はどうなのか、グラトリやフリーランは快適に楽しめるのか。

また、初心者が扱いきれるレベルの板なのか、それとも中上級者向けなのか、多くの疑問が浮かびますよね。

この記事では、SCOOTER「G9」の基本的なスペックから、実際の滑走シーンでどのようなパフォーマンスを発揮するのか、得意なジャンルや適性について、客観的な情報とWEBライターとしての視点を交えながら詳しく解説していきます。

要点
  • G9が持つ独自の構造とテクノロジーの詳細
  • フリーランやカービングにおける具体的な性能
  • グラトリやジャンプなどトリックへの適性
  • G9がどのようなレベルやスタイルのライダーに最適か

SCOOTER「G9」の評価:基本スペックと特徴

G9の基本的な特性を理解するために、まずはスペックを表にまとめます。硬さや重さは一般的なスノーボードを5とした場合の相対的な目安です。

項目スペック評価 (10段階)概要
対象男女兼用 (Unisex)幅広いサイズ展開で性別を問わず選択可能
サイズ感標準標準的なウエスト幅で、クセのない操作感
硬さ (フレックス)5 / 10 (やや柔らかめ)扱いやすさとしなやかさ、反発を両立
重さ (軽量感)3 / 10 (軽い)軽量なコア材を使用し、スイングウェイトが軽い
トーション (ねじれ)5 / 10 (標準)しなやかだが必要な時に踏ん張る適度な剛性

G9のコンセプトとターゲット層

SCOOTER「G9」の最大のコンセプトは、「抜群のコントロールでトリックもフリーランも楽しめる」という点にあります。

ゲレンデ全体を遊び場として捉え、軽快な操作性を求めるライダーのために設計されました。

ターゲット層は非常に広く設定されています。例えば、これからカービングターンを本格的に習得したい初心者や、板の操作に慣れてきた中級者。

さらには、ゲレンデの地形を使って遊んだり、ジャンプやグラトリを織り交ぜながら滑る上級者まで、スキルレベルを問わずに対応できる懐の深さを持っています。

3Rパワーカーブとディレクショナルツイン

G9の形状的な特徴として、「3Rパワーカーブ」と「ディレクショナルツイン」の採用が挙げられます。

3Rパワーカーブとは、足元からノーズ・テールにかけて3つの異なる半径(サイドカーブ)を組み合わせた形状です。

これにより、ターンの導入がスムーズでありながら、ターン中盤ではしっかりとエッジが雪面を捉え、ターンの抜けも良いという、非常にバランスの取れたカービング性能を実現しています。

また、形状はツインチップ(ノーズとテールの形が同じ)でありながら、ビンディングの推奨取り付け位置が15mmテール側に下がっている「ディレクショナルツイン」です。

これにより、スイッチ(逆向き)での滑走も容易にしつつ、通常の滑走時にはノーズの浮力を得やすく、フリーランでの安定性や操作性を高めています。

操作性と反発を生むキャンバー構造

G9は、スノーボードの基本とも言える「キャンバー構造」を採用しています。これは、板の中心部が雪面から浮き上がっているアーチ状の設計です。

キャンバー構造のメリットは、主に2つあります。

第一に、ターン時にエッジ全体が雪面にしっかりと食い込むため、優れたエッジホールド(グリップ力)が得られることです。第二に、板を踏み込んだ際に生まれる強い反発力(オーリーパワー)です。

G9はこのキャンバーの特性を活かし、ライダーが意図した通りの正確な操作性と、トリックのきっかけとなる反発力を高いレベルで両立させています。

しなやかなフレックスとカーボン

板全体の硬さ(フレックス)は、やや柔らかめに設定されています。個人的な印象としても、高速域でのバタつきを抑える強さよりも、中低速域での扱いやすさや、少ない力で板をしならせられる快適さを重視している感じです。

ただし、単に柔らかいだけではありません。G9は芯材を補強するために「カーボンコンポジットグラスファイバー」を使用しています。

しなやかなフレックスを基本としながらも、必要な場面ではカーボン特有の高い反発力と振動吸収性を発揮します。

このバランスが、初心者には「扱いやすい板」として機能し、上級者には「トリックがしやすい板」としての性能を提供する要因となっています。

バンブーコアを新たに採用

近年のモデルでは、芯材に「バンブーコア(BMBコア)」が採用されています。竹(バンブー)は、軽量でありながら非常にしなやかで反発力に富む素材です。

ウッドコアにバンブーを組み込むことで、板の総重量を軽く仕上げつつ、独特の粘りのあるフレックスと軽快な反発感を生み出しています。

この軽量な仕上がりは、特にグラトリやジャンプでのスイングウェイト(板を回す際の重さ)の軽減に大きく貢献しており、長時間のライディングでも疲れにくいというメリットにも繋がります。

滑走性の高いグラファイトソール

ソール(滑走面)には、高い滑走性能を持つ「シンタードグラファイト」が採用されています。これは、ワックス(滑走剤)の浸透性が高く、雪面との摩擦抵抗が少ない高品質なソール素材です。

さらに、ソールは「コンベックス(船底)形状」と「サンディング仕上げ」が施されています。コンベックス形状は、エッジの引っかかりを軽減し、よりスムーズなターンの切り替えやスピン動作を可能にします。

これらの特徴により、春先の湿った雪から真冬のドライスノーまで、あらゆる雪質で安定した滑走性能を発揮することが期待できます。

SCOOTER「G9」の評価:得意ジャンルと適性

G9が実際のライディングシーンでどのような評価になるのか、ジャンル別に適性を点数化(5点満点)しました。これはあくまでライターとしての見解を含む目安です。

ジャンル評価 (5点満点)適性の概要
カービング3Rパワーカーブとカーボンで安定。キレも良好。
フリーラン最も得意な領域。ゲレンデクルージングが快適。
パウダーセットバックにより対応可能だが、専用機には及ばず。
グラトリ(弾き系)カーボンの反発と軽量さで高さが出しやすい。
グラトリ(乗り系)しなやかなフレックスでプレス(板をしならせる)が容易。
ラントリフリーラン中にトリックを仕掛ける動きに最適。
キッカー(小〜中)扱いやすいフレックスでアプローチから着地まで安定。
キッカー(中〜大)高速安定性はあるが、超大型キッカーにはやや柔らかい印象。
ジブしなやかで操作性が良く、アイテムにも入りやすい。

カービング性能とエッジホールド

G9は、カービングを存分に楽しめる性能を持っています。前述の通り、3Rパワーカーブとキャンバー構造により、ターン中にエッジが雪面をしっかりとグリップします。

特に、ミドルターンからショートターンにかけての切り返しが非常に軽快です。板がしなやかなため、少ない力で板をたわませてターン弧を描くことができます。

デメリットを挙げるとすれば、超高速域でハードなバーンを攻めるようなレース志向のカービングには、フレックスがやや物足りなく感じる可能性があります。

しかし、ゲレンデで気持ちよくターンを楽しむレベルであれば、十分すぎるほどの性能を持っていると考えられます。

フリーランと地形ライドの操作性

フリーランやゲレンデ脇の地形で遊ぶ「地形ライド」は、G9が最も輝くジャンルです。

15mmのセットバックが入ったディレクショナルツイン形状は、直進安定性と操作性のバランスが絶妙です。

軽量なバンブーコアのおかげで、板の振りも非常に軽く、壁を使った当て込みや、ちょっとした段差でのオーリー(ジャンプ)も気軽に行えます。

ゲレンデを流しながら、気になった地形でトリックを仕掛けるような「ラントリ(ラン&トリック)」スタイルには、まさに最適な1本と言えます。

ジャンプ(キッカー)での反発力

ジャンプ(キッカー)への適性も高いです。キャンバー構造とカーボンの組み合わせは、オーリー時にしっかりとした反発力を返してくれます。

特に、パークに設置されている小〜中規模のキッカーであれば、G9のしなやかなフレックスがアプローチでの安定感と、空中での操作性を助けてくれるはずです。

一方で、15メートルを超えるような大型キッカーにハイスピードで進入する際は、もう少し硬さ(フレックス)と安定感が欲しくなるかもしれません。とはいえ、一般的なパークで楽しむ分には十分なポテンシャルを持っています。

グラトリなどトリックの扱いやすさ

G9はグラトリ(グラウンドトリック)にも高い適性を示します。

弾き系トリック

カーボンの反発が効いているため、オーリーやノーリー(板の反発を使ったジャンプ)で高さを出しやすいのが特徴です。軽量であるため、スピン(回転系)トリックも軽快に行えます。

乗り系トリック

しなやかなフレックスは、「乗り系」と呼ばれるプレス(板をしならせる)動作を非常にやりやすくしています。ノーズやテールにしっかりと体重を乗せ、板のしなりを使ったトリックを習得したいライダーにもおすすめです。

パウダーランへの適応力

パウダーランについては、「十分対応可能」という評価になります。

15mmのセットバックと、ディレクショナルツイン形状により、ツインチップボードでありながらノーズが沈みにくく、一定の浮力を得ることができます。

ただし、ウエスト幅が極端に広いわけではなく、ノーズ形状もパウダー専用機(ロッカー形状など)とは異なります。

そのため、腰まで埋まるようなディープパウダーをメインに滑りたい場合は、少し物足りなさを感じる可能性があります。ゲレンデ脇に残った「サイドカントリー」を楽しむ程度であれば、問題なく対応できるでしょう。

総括:SCOOTER「G9」の評価とおすすめの乗り手

これまでの情報をまとめると、SCOOTER「G9」は「特定のジャンルに特化しすぎない、非常にバランスの取れたオールラウンドボード」です。この記事の総括として、G9の特徴とおすすめの乗り手を箇条書きで整理します。

  • フリーランとトリックを高次元で両立するディレクショナルツイン
  • 初心者から上級者までレベルを問わない操作性
  • 軽快な操作感を生む軽量バンブーコア
  • しなやかながら反発力のあるカーボンコンポジット
  • スムーズなターンを可能にする3Rパワーカーブ
  • しっかりとしたエッジグリップを生むキャンバー構造
  • 高速滑走が可能なシンタードグラファイトソール
  • エッジの引っかかりを軽減するコンベックス仕上げ
  • 最も得意なのはゲレンデ全体を使ったフリーラン
  • 地形遊びやラントリ(ラン&トリック)に最適
  • カービングの習得からキレのあるターンまで対応
  • グラトリの弾き系・乗り系どちらも高い適性を持つ
  • 小〜中キッカーでのジャンプも得意
  • セットバックによりパウダーもある程度楽しめる
  • これからスノーボードを上達したい初心者・中級者
  • 1本でゲレンデの全てを楽しみたいオールラウンド志向のライダー

この他にもSCOOTERには多様なボードがあります。別の「【SCOOTER】ボードの評価を総まとめ!国産の魅力とモデル別特徴」でご確認ください!

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まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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