【SALOMON】S/LAB GENESISを徹底レビュー!サイズ感や評価、履き心地を解説

SALOMON「S/LAB GENESIS」は、多くのトレイルランナーから注目を集めるシューズです。その高い評判や口コミを耳にして、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に自分の足に合うのか、特にサイズ感やフィット感については、失敗や後悔をしたくないものです。
また、長距離を走る上で重要なクッション性やグリップ力、耐久性といった性能、そして実際の履き心地に関する詳細なレビューは、購入を決断する上で欠かせない情報となります。
この記事では、インターネット上の評価だけでは分かりにくいデメリットも含め、SALOMON S/LAB GENESISの全てを徹底的に解説していきます。
- SALOMON S/LAB GENESISの正確なサイズ感とフィット感
- 長距離トレイルに対応するクッション性と安定性の詳細
- グリップ力や耐久性など、実際のフィールドでの性能評価
- 購入前に知っておきたいメリットとデメリット
SALOMON S/LAB GENESISの全体像を徹底解説
- 失敗しないためのサイズ感の選び方
- 足を包み込むようなフィット感を検証
- Energy Foamによる高いクッション性
- 不整地でもぶれない安定性の秘密
- SALOMON S/LAB GENESISはこんな人におすすめ
失敗しないためのサイズ感の選び方
SALOMON S/LAB GENESISのサイズ選びは、基本的には普段履いているランニングシューズと同じサイズを選択することで問題ない場合が多いです。
サロモンのシューズは細身のモデルが多いという印象がありますが、このGENESISは比較的標準的なラスト(足型)を採用しているため、多くの方の足に合いやすい設計になっています。
ただ、足の形には個人差があるため、注意点もいくつかあります。特に、足の甲が高い方や、幅が広い方は、ハーフサイズ(0.5cm)大きいサイズを検討することをおすすめします。窮屈な状態で長時間履き続けると、足のトラブルの原因にもなりかねません。
最高の選択をするための試着のポイント
可能であれば、実際に店舗で試着することが最も確実な方法です。試着する際には、以下の点を意識すると、より失敗のないサイズ選びができます。
- 普段使用するソックスを持参する: トレイルランニングで使用する厚手のソックスを履いて、フィット感を確認してください。
- 夕方に試着する: 足は一日の活動で少しむくみます。最もむくんだ状態に近い夕方に試着することで、レース後半の足の状態を想定したサイズ選びが可能になります。
- つま先に余裕を持たせる: シューズを履いて立った状態で、つま先に1cm〜1.5cm程度の余裕があるかを確認します。特に下りでは足が前に滑るため、この「捨て寸」が非常に大切です。
オンラインで購入する場合は、ご自身の足長と足囲を正確に計測し、公式サイトのサイズチャートと照らし合わせるのが良いでしょう。(参照:サロモン公式サイト)
足を包み込むようなフィット感を検証
SALOMON S/LAB GENESISは、まるで靴下のような一体感のある、卓越したフィット感を提供します。この優れた履き心地は、サロモン独自の技術である「EndoFit™(エンドフィット)」と「SensiFit™(センシフィット)」によって実現されています。
EndoFit™は、アッパーの内部に搭載されたスリーブ状の構造で、足を優しく、そして的確に包み込みます。これにより、足とシューズの間の不要な隙間がなくなり、走行中のズレを大幅に軽減します。
一方でSensiFit™は、ミッドソールからシューレースシステムまでを連動させ、足全体を側面からしっかりとホールドする技術です。サロモンおなじみの「Quicklace™(クイックレース)」を締め上げるだけで、個々の足の形に合わせてフィット感を簡単に調整できます。
これらの技術が組み合わさることで、テクニカルな下りや不安定な路面でも足がシューズ内で遊ぶことなく、安定した走りを持続させることが可能になります。ただし、フィット感が高い分、Quicklace™を強く締めすぎると甲部分に圧迫を感じることもあるため、ご自身の好みに合わせた微調整が鍵となります。
Energy Foamによる高いクッション性
長距離のトレイルランニングにおいて、足への負担を軽減するクッション性は極めて重要な要素です。SALOMON S/LAB GENESISは、ミッドソールに「Energy Foam(エナジーフォーム)」を採用することで、この課題に応えています。
Energy Foamは、軽量でありながら高い衝撃吸収性と優れた反発性を両立させた最新のフォーム素材です。着地時の地面からの突き上げを効果的に和らげると同時に、そのエネルギーを次の一歩への推進力に変換してくれます。これにより、レース後半の疲労が蓄積した状態でも、リズミカルな走りをサポートします。
他のフォーム材との違い
従来のEVAフォームと比較して、Energy Foamはへたりにくく、長期間にわたって性能を維持しやすいという利点もあります。
ただし、非常に柔らかいフカフカとしたクッション性を求めるランナーにとっては、少し硬めに感じられるかもしれません。
このシューズのクッション性は、あくまでも衝撃吸収と安定性、そして反発性のバランスを追求した結果であり、長距離を効率よく走るための設計思想が反映されています。
不整地でもぶれない安定性の秘密
トレイルの路面は常に変化し、木の根や岩、ガレ場など、不安定な要素に満ちています。SALOMON S/LAB GENESISは、こうした不整地でもランナーが安心して足を置ける、卓越した安定性を備えています。
この安定性の中心的な役割を担っているのが、ミッドソールに内蔵された「Profeel Film(プロフィールフィルム)」です。これは、硬いプレートとは異なり、柔軟性を持ち合わせた薄いフィルム状のシャーシで、鋭利な岩などからの突き上げから足裏を保護する役割を果たします。
さらに、Profeel Filmは足の自然な動きを妨げることなく、地面の凹凸を適度に感じ取ることができます。この絶妙な「接地感」が、不安定な路面でのバランス維持を助け、ランナーに自信を与えます。
ミッドソール自体の形状も、横方向へのブレを抑制するように設計されており、足首の捻挫といったリスクを軽減する助けになります。この保護性能と安定性の高さが、テクニカルで難しいコースに挑む際の大きなアドバンテージとなるのです。
SALOMON S/LAB GENESISはこんな人におすすめ
これまでに解説した特徴を踏まえると、SALOMON S/LAB GENESISは特に以下のようなランナーにおすすめできるシューズと考えられます。
- 100km以上のウルトラトレイルに挑戦するランナー: 優れたクッション性、安定性、耐久性は、超長距離レースで真価を発揮します。
- バランスを重視するランナー: クッション性だけでなく、接地感や操作性も妥協したくない方に最適です。
- 多様なコースを走るランナー: テクニカルな山岳コースから、比較的走れる林道まで、一足で幅広く対応できる汎用性の高さを求める方。
- サロモンのフィット感が好きなランナー: S/LABシリーズの中でも比較的標準的なラストを採用しているため、従来のモデルが少し窮屈に感じていた方にもフィットする可能性があります。
一方で、ミニマルなシューズや、地面の感覚をダイレクトに感じたいベアフット系のランナーには、ややオーバースペックに感じられるかもしれません。
SALOMON S/LAB GENESISの詳細な性能レビュー
- Matryx®アッパーの性能と通気性
- Profeel Film搭載ミッドソールの役割
- どんな路面も掴むアウトソールの実力
- All Terrain Contagrip®のグリップ力
- 長距離に対応する優れた耐久性
- ロングトレイルにおすすめの距離は?
Matryx®アッパーの性能と通気性
シューズのアッパーは、足を保護し、快適性を維持するための重要なパーツです。SALOMON S/LAB GENESISには、「Matryx®(マトリックス)」という高機能素材が採用されています。
Matryx®は、ポリアミド糸に非常に強度の高いアラミド繊維(ケブラー®)を織り込むことで、驚異的な耐久性と耐摩耗性を実現した素材です。
トレイルで遭遇する鋭い岩や木の枝に擦れても、簡単には破れたりほつれたりしません。この頑丈さは、シューズの寿命を延ばすだけでなく、過酷な環境下でランナーの足を守る安心感にもつながります。
快適性を支える通気性と速乾性
高い耐久性を持ちながらも、Matryx®アッパーは優れた通気性を確保しています。メッシュ状の構造がシューズ内部の熱や湿気を効率的に排出し、長時間のランニングでも足をドライな状態に保ちます。
また、川を渡ったり、雨に降られたりしてシューズが濡れてしまった場合でも、速乾性が高いため、不快な状態が長く続くことを防ぎます。ただし、非常に丈夫な素材ゆえに、新品の状態では少し硬さを感じるかもしれません。数回履いて足に馴染ませることで、本来の優れたフィット感を体感できるはずです。
Profeel Film搭載ミッドソールの役割
前述の通り、SALOMON S/LAB GENESISの安定性を支える重要な技術の一つが「Profeel Film」です。ここでは、その役割についてさらに詳しく掘り下げていきます。
この技術は、硬質プラスチック製のロックプレートとは一線を画します。Profeel Filmはあくまで薄く、柔軟性に富んだフィルムであるため、足裏の保護と自然な足の屈曲という、相反する要素を両立させています。
具体的には、尖った石や木の根を踏んだ際に、衝撃が一点に集中するのを防ぎ、足裏全体に分散させる効果があります。これにより、突き上げによる痛みを大幅に軽減します。
それでいて、地面の形状や硬さといった情報を足裏に的確に伝えてくれるため、ランナーは路面状況を把握しやすくなります。この「地面との対話」ができる感覚は、特にテクニカルな路面で次の着地点を判断する際に、非常に有効に機能します。
Energy Foamのクッション性とProfeel Filmの保護性・接地感が融合することで、快適かつ安全な走りが可能になるのです。
どんな路面も掴むアウトソールの実力
トレイルランニングシューズの心臓部とも言えるのが、地面と直接接するアウトソールです。SALOMON S/LAB GENESISは、信頼性の高い「All Terrain Contagrip®(オールテレイン コンタグリップ)」を搭載しており、あらゆる路面状況で安定したパフォーマンスを発揮します。
「All Terrain」の名前が示す通り、このアウトソールは特定のコンディションに特化するのではなく、様々な地形に対応できるよう設計されています。
乾いた硬い土のトレイル、濡れて滑りやすい岩場、ぬかるんだ泥道、そしてザレた砂利道まで、ランナーが遭遇するであろう多様な路面で、バランスの取れたグリップ力を提供します。
この汎用性の高さは、コンパウンド(ゴムの配合)とラグ(突起)のパターンの最適化によって実現されています。
コンパウンドは、グリップ力と耐摩耗性のバランスを考慮して開発されており、しっかりと地面を掴みつつも、摩耗しにくい特性を持っています。これにより、長距離にわたって信頼性の高い性能を維持できるのです。
All Terrain Contagrip®のグリップ力
All Terrain Contagrip®の優れたグリップ力は、ラグの形状、深さ、そして配置に秘密があります。SALOMON S/LAB GENESISのアウトソールを詳しく見ると、その緻密な設計が理解できます。
ラグの深さは4.5mmに設定されており、地面に食い込みすぎず、かといって浅すぎて滑ることもない、絶妙なバランスを保っています。これにより、柔らかい路面ではしっかりと地面を捉え、硬い路面では安定した接地感を提供します。
また、ラグの形状は逆シェブロン(山形)パターンを採用しており、進行方向に対して効率的にトラクションがかかるようになっています。登りでは力強い蹴り出しをサポートし、下りでは効果的なブレーキング性能を発揮して、スピードコントロールを容易にします。
ラグとラグの間には適度なスペースが確保されており、泥詰まりしにくい設計になっている点も、悪天候時のパフォーマンス維持に貢献します。
Contagrip®シリーズの比較
サロモンは、路面状況に合わせて複数のContagrip®ソールを開発しています。All Terrain Contagrip®の位置付けを理解するために、他の代表的なソールと比較してみましょう。
ソール種類 | ラグの深さ | 最適な路面 | 特徴 |
---|---|---|---|
All Terrain Contagrip® | 標準的 (4.5mm) | 混合地形、ドライ、ウェット | 汎用性が高く、あらゆる状況に対応 |
Mud Contagrip® | 深い (5mm以上) | ぬかるみ、柔らかい地面 | 泥はけが良く、強力なグリップを発揮 |
Road Contagrip® | 浅い | 舗装路、硬い路面 | 耐久性とスムーズな転がりを重視 |
このように、All Terrain Contagrip®は、様々な状況に対応できる万能選手であることが分かります。
長距離に対応する優れた耐久性
100kmを超えるようなウルトラトレイルでは、シューズにも極めて高い耐久性が求められます。SALOMON S/LAB GENESISは、アッパーからアウトソールに至るまで、長距離の使用を想定した堅牢な作りになっています。
まず、アッパーには前述の通り、耐摩耗性に非常に優れたMatryx®を採用しています。これにより、繰り返しの使用や過酷な環境でも、アッパーが破損するリスクを最小限に抑えます。
次にミッドソールですが、採用されているEnergy Foamは、一般的なEVAフォームと比較して、長期間使用しても潰れやへたりが起こりにくいという特性を持っています。つまり、クッション性能が劣化しにくく、購入当初の履き心地を長く維持することが可能です。
そしてアウトソールのAll Terrain Contagrip®も、グリップ力だけでなく耐摩耗性を考慮したコンパウンドを使用しているため、ラグがすぐにすり減ってしまうということがありません。
もちろん、ランナーの体重や走り方、主に走行するトレイルの路面状況によって消耗の度合いは異なりますが、総合的に見て、SALOMON S/LAB GENESISはワンシーズンを通して信頼できるパートナーとなりうる、高い耐久性を備えていると考えられます。
ロングトレイルにおすすめの距離は?
SALOMON S/LAB GENESISは、その設計思想から、特に長距離から超長距離のトレイルランニングで真価を発揮するシューズです。具体的には、50km以上の距離から、100km、さらには100マイル(約160km)といったウルトラディスタンスのレースやトレーニングに最も適しています。
その理由は、これまで解説してきたクッション性、安定性、保護性能、そして耐久性の全ての要素が、高次元でバランスされているためです。
短い距離のレースでは、より軽量で反発性の高いモデルが好まれることもありますが、距離が長くなるにつれて、足への疲労蓄積をいかに軽減し、変化する路面状況に安全に対応できるかが重要になります。
GENESISが持つ高い衝撃吸収性とブレない安定性は、レース後半で集中力が切れかけた状態でも、ランナーを力強くサポートしてくれるでしょう。
また、その汎用性の高さから、特定のレース用としてだけでなく、日々のトレーニングからファストパッキングのような長距離のハイキングまで、幅広い用途で活用できる一足です。
まとめ:SALOMON S/LAB GENESISの実力
この記事では、SALOMON S/LAB GENESISの性能や特徴について、多角的に詳しく解説してきました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- SALOMON S/LAB GENESISは長距離トレイル向けモデル
- サイズ感は比較的標準的だが試着を推奨
- 甲高・幅広の人はハーフサイズアップも検討
- EndoFit™とSensiFit™が靴下のようなフィット感を実現
- Quicklace™で素早く確実な締め付けが可能
- Energy Foamミッドソールが高いクッション性と反発性を提供
- Profeel Filmが足裏を鋭利な物から保護
- 不整地でもぶれない安定性がテクニカルな下りで活きる
- Matryx®アッパーは軽量性と高耐久性を両立
- 優れた通気性で長時間の快適性を維持
- All Terrain Contagrip®があらゆる路面でグリップ力を発揮
- ラグパターンが登りと下りの両方で機能
- 50km以上のウルトラディスタンスに最適な設計
- クッション、安定、保護性能のバランスが非常に良い
- 幅広いレベルのトレイルランナーにおすすめできる一足