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【MOSS SNOWSTICK】Wing PinTail Seriseの評価|モデル別の特徴を徹底解説

まさやん
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MOSS SNOWSTICKのラインナップの中でも、独特の存在感を放つWing PinTail Serise。その評価を知りたくて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。雪の上を滑る道具でありながら、まるで工芸品のような美しいデザインに心を奪われた方も多いかもしれません。しかし、見た目だけでは判断できないのがスノーボードの奥深さです。

このシリーズが持つ本当の性能、特にパウダーでの浮力や圧雪でのカービング性能、そして独特の形状から生まれる乗り味について、具体的な情報が欲しいと思っていることでしょう。

また、WING PIN47、54、59、75と展開される各モデルの特徴を比較し、どれが自分のスタイルに合うのか見極めたい、という気持ちはよく分かります。この記事では、そんなあなたの疑問に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。

要点
  • Wing PinTail Serise共通の技術的な特徴
  • 各モデル(47/54/59/75)のコンセプトと乗り味の違い
  • パウダーや圧雪などコンディション別の適性
  • 自分に最適な一本を選ぶための具体的なポイント

MOSS SNOWSTICK・Wing PinTail Seriseの性能評価

MOSS SNOWSTICKのWing PinTail Seriseは、ただ形状がユニークなだけではありません。その乗り味を決定づける様々な技術的な要素が詰め込まれています。ここでは、このシリーズの性能を支える核心部分に焦点を当て、その評価を一つずつ掘り下げていきましょう。

シリーズを象徴するWing PinTail形状

Wing PinTail Seriseの評価を語る上で、何よりもまず触れるべきはその名の通りの形状です。この独特のデザインは、見た目のインパクトだけでなく、滑りにおいて非常に重要な役割を果たします。

結論から言うと、この形状はパウダーでの圧倒的な浮力と、雪面を捉えるグリップ力、そしてターン後半の抜けの良さという、一見すると相反する要素を高い次元で両立させるために生み出されました。

その理由は、後足の少し後ろに設けられた「ウィング」部分にあります。このウィングがボードの最大幅となることで、ターン時に雪面へ力を加える支点として機能します。これにより、パウダーボードにありがちなルーズさだけでなく、しっかりと雪を捉えるグリップ感を得られるのです。

一方で、ウィングから後方のピンテール部分は幅が急激に絞られています。このため、深い雪の中ではテールがスムーズに沈み込み、ノーズが自然と浮き上がります。これが、最小限の力で浮力を得るための仕組みです。サーフィンのように雪面を滑走する、いわゆる「スノーサーフ」スタイルを体現した形状と言えます。

ただし、この形状には向き不向きもあります。最大のデメリットは、スイッチスタンス(利き足と逆の足を前にして滑ること)での滑走が極めて困難であることです。

フリースタイル系のトリックをしたい方には全く向いていません。あくまでも、前に進むことを前提とした、流れのあるライディングを追求するライダー向けの形状だと考えられます。

浮力と操作性を両立するキャンバー

Wing PinTail Seriseは、足元にSNOWSURF CAMBERと呼ばれる独自のキャンバー構造を採用しています。これは、パウダーでの浮力と圧雪での操作性という、異なるコンディションで求められる性能を両立させるための重要な設計です。

このキャンバーは、一般的なキャンバーボードに比べてピーク(最も反っている部分)が少し前足寄りに設定されています。これにより、ターンに入りたいと思ったときに、前足で軽く踏み込むだけでスムーズに板が反応してくれます。機敏な操作性を生み出すための工夫がここにあります。

同時に、足元にはしっかりとしたキャンバーアーチが残されているため、圧雪されたバーンをカービングする際には、エッジが雪面を力強くグリップします。このグリップ力のおかげで、高速域でも安定したターンを描くことが可能です。パウダーボードというカテゴリーながら、カービングも存分に楽しめるのは、このキャンバー設計の恩恵が大きいと言えるでしょう。

もちろん、フルロッカーやフラット形状のボードと比較すると、低速で板をずらすような動きには少しコツがいるかもしれません。しかし、板を立ててターンする感覚を掴めば、これ以上ないほどの安定感と加速感を味わわせてくれるはずです。それはまるで、足に吸い付くような感覚で、一度体験するとやみつきになるかもしれませんね。

滑走性を高める高品質なソール素材

どんなに優れた形状や構造を持っていても、滑走面(ソール)の性能が低ければ宝の持ち腐れです。MOSS SNOWSTICKは、その点においても妥協がありません。Wing PinTail Seriseには、一般的に高品質とされるシンタードベースのソール素材が採用されています。

シンタードベースとは、ポリエチレンの粉末を高温高圧で焼き固めて作られるソールのことです。この製法により、ソール内部に目に見えない微細な隙間が生まれます。この隙間が、ホットワックスを塗った際にワックスを効率的に吸収・保持してくれるのです。

したがって、しっかりとワックスを浸透させたシンタードベースは、様々な雪質で非常に高い滑走性能を発揮します。特に、水分を多く含んだ春の湿雪など、板が走りにくいコンディションでその差は歴然です。他のボーダーが失速していく中を、自分だけがスムーズに滑り降りていく、そんな優越感さえ感じさせてくれます。

しかし、この高性能なソールには注意点もあります。それは、メンテナンスを怠ると性能を全く発揮できないことです。ワックスが抜けて乾燥した状態では、逆に滑走性が著しく低下してしまいます。

このシリーズの性能を100%引き出すためには、定期的なホットワキシングが不可欠です。高性能なスポーツカーが定期的なオイル交換を必要とするのと同じで、最高のパフォーマンスには適切なメンテナンスが伴う、と考えておくと良いでしょう。

各モデルで異なるフレックス設定

Wing PinTail Seriseは、47、54、59、75という4つのモデルで構成されていますが、これらは単に長さが違うだけではありません。それぞれのモデルが持つコンセプトに合わせて、フレックス、つまり板全体の硬さや反発力が緻密に調整されています。

一般的に、短いモデルは比較的柔らかめに設定され、操作性を重視しています。例えば、シリーズで最も短いWING PIN47は、しなやかなフレックスを持っており、ライダーの少ない力でも板を簡単にしならせることができます。これにより、ツリーランなどのタイトな状況でも、クイックで軽快なターンが可能になるのです。

逆に、長くなるにつれてフレックスは硬めに設定される傾向があります。シリーズ最長のWING PIN75は、高速域での安定性を確保するために、しっかりとした張りを持っています。この硬さが、荒れた雪面や高速滑走時の板のバタつきを抑え、ライダーに安心感を与えてくれます。

このように、各モデルのフレックスは、想定されるライディングスタイルやコンディションに合わせて最適化されています。自分の体重や脚力、そしてどんな滑りをしたいのかを考慮してモデルを選ぶことが、このシリーズを楽しむための鍵となります。

柔らかい板には操作性の良さというメリットがありますが、高速では不安定になるデメリットも。硬い板はその逆ですね。どちらが良い悪いではなく、自分に合っているかどうかが大切です。

ターン性能を左右するサイドカーブ

サイドカーブとは、スノーボードの側面にあるくびれのことです。この円弧の大きさや形状が、ターンのしやすさやターン弧の大きさを決定づける非常に重要な要素となります。Wing PinTail Seriseは、そのターン性能においても、洗練された設計が施されています。

このシリーズのサイドカーブは、単一の円弧で構成されるのではなく、複数の異なる円弧を組み合わせた「複合サイドカーブ」が採用されていると考えられます。これにより、非常に多彩でスムーズなターンフィールが実現されています。

具体的には、ターンを始める際には、ノーズ付近の緩やかなサイドカーブがスムーズなきっかけ作りを助けてくれます。そして、ボードを立てていくにつれて、足元のよりきついサイドカーブが雪面をしっかりと捉え、ターン後半には力強く加速していくような感覚を得られます。まるで、自分の意思がそのままボードに伝わっているかのような、一体感のあるターンが可能です。

この洗練されたサイドカーブのおかげで、ライダーの技術レベルや体重移動の仕方に応じて、小さなターンから大きなターンまで自由自在に描き分けることができます。ただし、その性能を最大限に引き出すには、ボードの中心にしっかりと乗り、積極的にエッジを立てていく意識が必要です。

初心者の方には少し難しく感じるかもしれませんが、中級者以上のライダーにとっては、自分のライディングをさらに高いレベルへと引き上げてくれる、頼もしい相棒となるでしょう。

スムーズな乗り心地を生む有効エッジ

有効エッジとは、滑走中に実際に雪面に接しているエッジ部分の長さのことです。この長さが、ターンの安定性やグリップ力に直結します。Wing PinTail Seriseは、その独特な形状から有効エッジが短いと思われがちですが、実際には見た目以上にしっかりと長さが確保されています。

その秘密は、ノーズ部分のロッカー形状が始まる直前まで、キャンバー構造が続いている点にあります。これにより、ターンでボードを傾けた際には、ノーズからテールまで効率的にエッジを使うことができ、安定したグリップ力を生み出します。

パウダーでの浮力を重視したボードでありながら、圧雪バーンでも安心してカービングターンができるのは、この有効エッジの設計によるところが大きいです。

この設計により、パウダーボード特有の浮遊感と、アルパインボードのようなカービング性能という、二つの異なる楽しさを一本のボードで味わうことができます。パウダーを滑り終えた後のゲレンデクルージングでさえ、退屈させない工夫が凝らされているのです。

ただし、注意点として、取り回しの良さは、やはりボード全体の長さに大きく影響されます。いくら有効エッジが効くといっても、WING PIN75で狭い林の中を滑るのは相応の技術と体力を要します。有効エッジによる安定性と、ボードの長さによる操作性のバランスを考え、自分の主戦場となるフィールドに合わせたモデルを選ぶことが肝心です。

所有欲を満たす美しいグラフィック

スノーボードは、単に滑るための道具であるだけでなく、自己表現のツールでもあります。その点において、MOSS SNOWSTICK Wing PinTail Seriseは、他のブランドとは一線を画す、際立った魅力を持っています。

このシリーズのデザインは、機能性を追求した結果生まれた独特の形状と、自然に溶け込むようなアーティスティックなグラフィックが見事に融合しています。多くの場合、トップシートには木材の質感を活かしたウッド調のデザインが採用されており、乗り手だけでなく見る人の心も惹きつけます。言ってしまえば、ゲレンデに置いてあるだけで絵になるボードなのです。

毎年更新されるグラフィックデザインを楽しみにしているファンも少なくなく、気に入ったデザインのモデルを大切に乗り続けるユーザーも多く存在します。性能はもちろん第一ですが、自分が「カッコいい」と心から思えるボードに乗ることは、スノーボードのモチベーションを大きく向上させてくれます。

リフト待ちで知らない人から「その板、どこのですか?」と声をかけられることもあるかもしれません。それも、このボードが持つ魅力の一つです。性能やスペックといった理屈だけでなく、「このデザインが好きだから乗る」という、感性に基づいた選び方ができるのも、Wing PinTail Seriseならではの評価ポイントと言えるでしょう。

モデル別のMOSS SNOWSTICK・Wing PinTail Serise評価

Wing PinTail Seriseの共通する特徴を理解したところで、次はいよいよ各モデルの詳細な評価に移ります。ここでは、4つのモデル(47/54/59/75)が、それぞれどのようなライダーに、そしてどのようなコンディションに向いているのかを徹底的に解説します。あなたに最適な一本を見つけるための、重要なセクションです。

各モデルの具体的な違いを把握しやすくするため、主要なスペックを以下の表にまとめました。ただし、年式によって若干の仕様変更がある可能性があるため、あくまで参考としてご覧ください。

モデル名全長 (mm)有効エッジ (mm)ウエスト幅 (mm)推奨スタンス (mm)セットバック (mm)
WING PIN471470約1050260500 (460-540)-43.5
WING PIN541540約1060264520 (480-560)-45
WING PIN591590約1071268500 (420-540)-46
WING PIN751750約1150270540 (500-580)-48
注: 上記の数値は参考値です。正確な情報は公式サイトや正規ディーラーでご確認ください。

小回りが得意なWING PIN47

シリーズの中で最も短いレングスを持つWING PIN47は、そのコンパクトさを活かした軽快な操作性が最大の武器です。このモデルは、まさに日本の地形を楽しむために生まれたと言っても過言ではないでしょう。

結論として、WING PIN47は、木の密集したツリーランや、起伏の激しい沢地形など、クイックな動きが求められる場面で最高のパフォーマンスを発揮します。

その理由は、147cmという短さに加え、シリーズ中で最も柔らかいフレックス設定にあります。これにより、ライダーは少ない力でボードを自在にコントロールでき、まるで自分の足が長くなったかのような感覚で、障害物を次々とかわしていくことが可能です。

特に、体重の軽い方や女性ライダーにとっては、体への負担が少なく、一日中スノーサーフィンを楽しめる頼もしいパートナーとなります。

向き・不向き

  • 向いているライダー・状況: 体重の軽い方、女性、タイトなツリーランを好む方、沢地形で遊びたい方、セカンドボードとして短い板を探している方。
  • 不向きなライダー・状況: 体格の大きい方、高速でのロングターンをメインにする方、オープンバーンでの安定性を最優先する方。高速域では板の短さからややバタつきを感じる可能性があるため、スピード狂の方には物足りないかもしれません。

バランスに優れたWING PIN54

どのモデルを選ぶか迷ったとき、多くのライダーにとって最初の選択肢となるのが、このWING PIN54です。このモデルは、シリーズのコンセプトである「操作性」と「安定性」を最もバランス良く体現しています。

言ってしまえば、WING PIN54は、パウダーから圧雪バーンまで、あらゆるコンディションをそつなくこなす優等生的な存在です。

154cmという長さは、パウダーで十分な浮力を確保しつつ、圧雪バーンでも長すぎず扱いやすい絶妙なサイズ感です。フレックスも硬すぎず柔らかすぎず、適度な反発力があり、ターンに気持ちの良いリズム感を生み出してくれます。

そのため、朝一番のパウダーを滑り、ゲレンデが荒れてきたら地形遊びに移行し、最後は圧雪されたコースでカービングを楽しむ、といった一日を通したスノーボードの楽しみ方を1本で完結させたい欲張りなライダーに最適なモデルと言えます。

向き・不向き

  • 向いているライダー・状況: シリーズで最初の1本を探している方、特定のコンディションに特化せず幅広く滑りたい方、日本の平均的なゲレンデコンディションで最も性能を発揮する板が欲しい方。
  • 不向きなライダー・状況: 最高の浮力や最高のカービング性能といった、何かに突出した性能を求める方。バランスが良いことの裏返しとして、より専門的なモデルと比較すると、それぞれの分野で「最高」とは言えない部分があるかもしれません。

高速域で安定するWING PIN59

WING PIN59は、その長さを活かした高速安定性と、ダイナミックなターン性能にフォーカスしたモデルです。より大きなスケールで、スピード感あふれるライディングを好むライダーから高い評価を得ています。

このボードの真価は、広大なオープンバーンや、斜度のきついアルパインエリアでこそ発揮されます。長い有効エッジとしっかりとしたフレックスが、高速滑走時のブレを効果的に抑制し、ライダーに絶対的な安心感を与えます。

その安定感を背景に、ボードを深く傾けていくことで、力強くキレのあるロングターンを描くことが可能です。雪しぶきを上げながら、大きな弧を描いて斜面を滑り降りる爽快感は、WING PIN59ならではの醍醐味でしょう。パウダーライディングにおいても、その走破性の高さから、スピードを維持したまま大きなラインで滑りたい上級者に支持されています。

向き・不向き

  • 向いているライダー・状況: 脚力に自信のあるライダー、スピードを重視する方、大きなターン弧を好む方、海外や北海道のようなビッグマウンテンで滑る機会がある方。
  • 不向きなライダー・状況: 小回りを多用する方、低速での操作性を重視する方、脚力に自信のない方。その長さと張りから、タイトなツリーランなどでは持て余してしまう可能性があります。

深い雪もこなすWING PIN75

WING PIN75は、もはやスノーボードというよりも、波のない日に海に浮かべるグライダーのような存在かもしれません。175cmという圧倒的な長さとボリュームは、ただ一つの目的のためにあります。それは、「究極の浮力」を体験することです。

このモデルは、どんなに深いパウダースノーの中でも、決して沈むことなく雪面を滑走し続けるために設計されています。公式サイトによると、その見た目に反して接雪長は短めに設計されており、全長半分が緩いロッカーになっているとのこと。これにより、175cmとは思えない操作性を実現しているとされています。

しかし、このボードが本当に輝くのは、やはり降雪量がメータークラスになるような、特別な日でしょう。他の誰もがスタックしてしまうようなディープパウダーの中を、ノーズを高く上げ、スプレーを巻き上げながら突き進む感覚は、選ばれたライダーだけが味わえる至福の瞬間です。

向き・不向き

  • 向いているライダー・状況: 誰よりも浮力を求めるディープパウダー愛好家、北海道や海外の豪雪地帯を主戦場とする方、体格が非常に大きい方、コレクションとして究極の1本を所有したい方。
  • 不向きなライダー・状況: 圧雪バーンでの滑走がメインの方、日本の一般的なゲレンデで滑る方、取り回しの良さを少しでも求める方。これはもはや、日常使いの板ではなく、特別な日のためのスペシャルボードと考えるべきです。

パウダーライディングでの適性

前述の通り、Wing PinTail Seriseは全モデルが非常に高いパウダー適性を備えています。その上で、どのモデルが最適かは、どのようなパウダーライディングをしたいかによって変わってきます。

要するに、このシリーズにおけるパウダー適性の評価は、単純な浮力の大小だけでは測れないということです。

例えば、木の密集したエリアを縫うように滑るテクニカルなツリーランを好むのであれば、浮力よりも操作性が重要になります。この場合、最も軽快に動かせるWING PIN47が最適解となるでしょう。

一方で、視界の開けた広大なノートラックバーンに、大きなスプレーを上げながらダイナミックなターンを刻みたいのであれば、走破性とスピード維持能力に長けたWING PIN59やWING PIN75が本領を発揮します。

そして、そのどちらも楽しみたい、あるいは様々な山の表情に対応したいと考えるならば、バランスの取れたWING PIN54が最も頼りになる相棒となります。このように、自分の理想とする滑りを具体的にイメージすることが、最高のパウダーボードを選ぶ近道になります。

圧雪バーンでのカービング性能

パウダーボードというカテゴリーに属しながら、圧雪バーンでの高いカービング性能を持つこと。これがWing PinTail Seriseの評価を一層高めている、隠れた魅力です。

その理由は、シリーズ共通の特徴として解説した、しっかりとした「SNOWSURF CAMBER」と、見た目以上に確保された「有効エッジ」にあります。これらの要素が組み合わさることで、ボードを立てた際にエッジが雪面をがっちりと掴み、ブレのないシャープなターンを可能にします。

特に、WING PIN54とWING PIN59は、圧雪バーンでも非常に高いパフォーマンスを発揮します。ターン前半でスムーズにエッジが食い込み、ターン後半にはボードの反発を活かして次のターンへと加速していく感覚は、多くのカービング好きを唸らせるほどです。

もちろん、モデルによる向き不向きは存在します。WING PIN47は、高速域になると安定性に欠ける場面が出てきますし、WING PIN75はその長さとウエストの広さから、エッジの切り返しに俊敏さを欠くため、カービングを楽しむには相応の技術とパワーが求められます。

パウダーがメインだけど、ゲレンデでの滑りも妥協したくない。そんなライダーにとって、このシリーズは非常に満足度の高い選択肢となるでしょう。

総括:MOSS SNOWSTICK・Wing PinTail Serise評価

この記事を通じて、MOSS SNOWSTICK Wing PinTail Seriseの多角的な評価と、各モデルの個性について深く掘り下げてきました。最後に、本記事の要点をまとめ、あなたのボード選びの最終的な後押しをします。

  • Wing PinTail形状は浮力と操作性を両立させる核心技術
  • 後足付近のウィングがターン時のグリップを生む
  • 細いピンテールがパウダーでの沈み込みを助けノーズを浮かせる
  • SNOWSURF CAMBERが圧雪でのカービング性能を高める
  • 高品質なシンタードソールは滑走性が高いがメンテナンスが必須
  • モデルごとにフレックスが最適化され乗り味が異なる
  • 短いモデルは操作性重視、長いモデルは安定性重視
  • 見た目以上に有効エッジが長くターン時の安定感に貢献
  • アーティスティックなデザインは所有欲を満たす大きな魅力
  • WING PIN47は日本のタイトな地形で最高の機動性を発揮
  • WING PIN54は全てをこなす最もバランスの取れた優等生
  • WING PIN59はスピードと大きなターンを好むライダー向け
  • WING PIN75は究極の浮力を求めるディープパウダー専用機
  • パウダー適性は浮力だけでなく操作性とのバランスで選ぶ
  • パウダーボードの見た目に反しカービング性能も非常に高い
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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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