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【MOSS SNOWSTICK】SQUARETAIL Seriseの評価|モデル別に徹底解説

まさやん
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MOSS SNOWSTICK SQUARETAIL Seriseの評価が気になり、どのモデルが自分に合うのか探していませんか。独特の形状を持つこのシリーズは、パウダーでの浮遊感や地形での遊びを追求するスノーボーダーから注目を集めています。

ただ、MMD35、MMD42、MMD52といった複数のモデルが存在するため、それぞれの違いや特徴を正確に把握するのは少し難しいかもしれませんね。

この記事では、SQUARETAILシリーズが持つ共通の魅力から、各モデルの詳細なスペック、そしてどのようなライディングスタイルやコンディションに向いているのかまで、網羅的に解説していきます。

要点
  • SQUARETAILシリーズ共通の構造的な特徴と乗り味
  • パウダーや圧雪バーンなど様々な雪質での性能
  • MMD35、MMD42、MMD52各モデルの具体的な違いと選び方
  • あなたの体格やスキルに最適な一本を見つけるためのヒント

MOSS SNOWSTICK・SQUARETAIL Seriseの総合的な評価と特徴

このセクションでは、SQUARETAILシリーズ全体に共通する設計思想や、それによってもたらされる独特のライディングフィールについて掘り下げていきます。

特徴的なスクエアテールが持つ役割

SQUARETAILシリーズの最も象徴的な部分が、その名の通り角張ったテール形状です。このデザインは単に見た目のインパクトを狙ったものではなく、滑りに直接的な影響を与える重要な役割を担っています。

主な役割は、ターン後半の抜けの良さとルースな操作感の創出です。パウダーの中でテールを沈ませた際、角張った形状が雪の抵抗を効果的に受け流し、まるでサーフボードが波をリリースするようにスムーズなターン終了を可能にします。これにより、スプレーを綺麗に上げやすく、スタイリッシュなライディングを演出できるのも魅力の一つです。

一方で、このルースな感覚は、従来のラウンドテールやピンテールのボードに乗り慣れている方にとっては、最初は少し頼りなく感じるかもしれません。特にハイスピードでエッジを強く踏み込むような場面では、テールがズレるような感覚を覚えることもあります。しかし、これを乗りこなすことで、より自由で三次元的な動きが可能になるのです。

独自の3Dコンベックス形状が生む浮力

MOSS SNOWSTICKの多くのモデルで採用されている3Dコンベックス形状は、SQUARETAILシリーズの浮力を語る上で欠かせない要素です。これは、ソール(滑走面)が船底のように立体的な凸形状になっている設計を指します。

この形状により、ボードのセンター部分に効率よく空気が入り込み、パウダースノーの上を滑る際に強力な浮力を発生させます。

フラットなソールに比べて雪との接地抵抗が減るため、まるで雪の上を漂うような独特の浮遊感を味わうことが可能です。特に、後ろ足荷重を強く意識しなくてもノーズが自然に浮き上がり、深雪での失速を防ぎやすいのが大きなメリットです。

ただし、デメリットとして、フラットなソールに慣れていると、エッジの切り替えで少しグラつくような感覚を持つ場合があります。もっとも、これは数回滑るうちに慣れるレベルであり、慣れてしまえば逆に引っかかりの少ないスムーズな操作感として感じられるようになります。

パウダーコンディションでの操作性

前述の通り、スクエアテールと3Dコンベックス形状の組み合わせは、パウダーコンディションで最高のパフォーマンスを発揮します。これらの特徴が組み合わさることで、驚くほど軽快な操作性が生まれるのです。

具体的には、タイトなツリーランや起伏のある地形で、ボードを素早く左右に振るような動きが非常に容易になります。テールの抜けが良いので、細かいターンを連続させても失速しにくく、リズミカルに滑り降りることが可能です。深いパウダーの中でもノーズが沈みにくいため、ライダーは安心して斜面と対峙できます。

言ってしまえば、ゲレンデ脇のちょっとした非圧雪エリアから、本格的なバックカントリーのディープパウダーまで、雪が柔らかい場所であればどこでも楽しめるボードだと言えます。パウダーでのサーフライクな動きや、スプレーを上げる遊びを存分に楽しみたいライダーにとって、これ以上ない選択肢の一つとなるでしょう。

圧雪バーンにおけるカービング性能

「パウダーボードは圧雪バーンでは滑りにくい」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、SQUARETAILシリーズはその常識を覆してくれます。もちろん、ハンマーヘッドのようなカービング専用機と比較はできませんが、圧雪されたゲレンデでも十分に楽しめる性能を備えています。

その理由は、3Dコンベックス形状にあります。エッジ付近はフラットに近く設計されており、ボードを立てていくとしっかりと有効エッジが雪面を捉えるのです。これにより、見た目からは想像しにくいかもしれませんが、安定したカービングターンを描くことが可能です。特にターン中盤でのグリップ感はしっかりしており、安心して身体を倒し込めます。

ただ、注意点もあります。ターン後半でテールを強く踏みしめて加速するような滑り方にはあまり向きません。スクエアテール形状の影響で、フィニッシュはややルースになる傾向があるからです。キレのあるカービングというよりは、スムーズで流れるようなターンを楽しむスタイルに適していると考えられます。

シリーズに共通するフレックスとトーション

SQUARETAILシリーズは、全体的にソフトフレックスに設定されています。これは、パウダーや地形でボードを柔軟にしならせ、雪面の変化にスムーズに対応するための設計です。足元でボードを簡単にコントロールできるため、少ない力でも軽快な操作ができます。

また、トーション(ねじれ)も比較的柔らかめに作られています。これにより、低速域でもボードの操作がしやすく、細かい動きやトリックなども行いやすいのが特徴です。例えば、バター系のグラウンドトリックや、壁を使った当て込みなどもスムーズに行えます。

しかし、このソフトな設定は、超高速域でのライディングや、硬いアイスバーンを攻めるような場面では、若干の不安定さを感じさせる可能性があります。あくまでメインはパウダーや地形遊びであり、そのフィールドで最大限に楽しめるようチューニングされている点を理解しておくことが大切です。

ライディングスタイルに合わせた選び方

ここまで解説してきた特徴を踏まえると、SQUARETAILシリーズは特定のライディングスタイルを好むライダーに強くおすすめできます。

向いているスタイル

  • パウダーでのサーフライクなライディング
  • ツリーランや沢地形など、変化に富んだ地形での滑走
  • 壁や自然のキッカーを使ったフリースタイルな遊び
  • リラックスした姿勢で流すようなカービング

あまり向いていないスタイル

  • レースやタイムを競うような高速滑走
  • キレとスピードを極めるエクストリームカービング
  • 硬いバーンでの絶対的なエッジグリップを求める滑り

このように言うと、滑る場所が限られるように聞こえるかもしれませんが、実際にはゲレンデのほとんどのエリアで楽しむことができます。要するに、スピードやキレを追求するのではなく、雪や地形と対話しながら自由なラインを描きたいと考えるライダーにとって、最高の相棒になるということです。

モデル別に比較するMOSS SNOWSTICK・SQUARETAIL Seriseの評価

ここでは、シリーズの具体的な3つのモデル「MMD35」「MMD42」「MMD52」に焦点を当て、それぞれの違いや適した用途を比較しながら詳しく評価していきます。自分にぴったりの一本を見つけるための参考にしてください。

モデル名全長 (mm)有効エッジ (mm)ウエスト幅 (mm)サイドカーブ半径 (m)推奨スタンス (mm)
MMD3513509242586.8420-500
MMD4214209862607.2480-560
MMD52152010852627.8500-580
※公式サイトの情報を基に作成していますが、年式により若干の変動がある場合があります。

MMD35が持つ取り回しの良さ

シリーズの中で最も短い1350mmのMMD35は、その圧倒的な取り回しの良さが最大の武器です。この短さは、特に日本の複雑な地形やタイトなツリーランで真価を発揮します。

ボードを素早く、そして正確にコントロールできるため、瞬時の判断が求められる場面でもライダーの意図にすぐに応えてくれます。小回りが非常に効くので、狭い沢地形で遊んだり、ゲレンデの壁を使って連続で当て込んだりといった、クイックな動きが得意です。

また、その短さからスイングウェイト(板を振ったときの重さ)が非常に軽く、グラウンドトリックやスピン系の動きも容易に行えます。

一方で、デメリットとしては、高速安定性が他の2モデルに比べて劣る点が挙げられます。広いオープンバーンをハイスピードで滑る際には、ややバタつきを感じることがあるかもしれません。

また、浮力もシリーズ内では最も控えめなため、非常に深いディープパウダーでは、ある程度のスキルと後足荷重が必要になる場面もあります。体重の軽い方や、クイックな動きを好むライダーに最適なモデルと言えます。

バランスに優れたオールラウンドなMMD42

MMD42は、1420mmという絶妙な長さで設計されており、シリーズの中で最もバランスの取れたオールラウンドモデルと位置づけられています。取り回しの良さと安定性の両方を高いレベルで兼ね備えているのが特徴です。

MMD35ほどのクイックさはありませんが、それでも十分に軽快な操作が可能で、ほとんどのツリーランや地形を苦にしません。同時に、MMD35より長い有効エッジと全長がもたらす安定感により、ある程度の高速域でも安心して滑ることができます。

パウダーでの浮力も十分で、圧雪バーンでのカービングもスムーズ。言ってしまえば、特定のコンディションに特化するのではなく、ゲレンデのあらゆる状況に一台で対応したいと考えるライダーにとって、非常に信頼できる選択肢です。

もしSQUARETAILシリーズに初めて挑戦する方で、どの長さにすべきか迷っているのであれば、このMMD42から試してみるのが良いかもしれません。大きな欠点がなく、シリーズの魅力をバランス良く体感できるため、多くの方にとって満足度の高い一本になるはずです。

MMD52がもたらす圧倒的な浮遊感

シリーズ最長の1520mmを誇るMMD52は、何と言ってもその圧倒的な浮力が最大の魅力です。広い接雪面積と3Dコンベックス形状が相まって、まるでボートが水面を滑るかのような、他のモデルとは一線を画す浮遊感をディープパウダーで提供します。

広いオープンバーンをハイスピードで駆け抜ける際の安定性は抜群で、大きなラインで優雅なサーフライクターンを描くのに最適です。ノーズが雪面に突き刺さる心配がほとんどないため、ライダーはリラックスしてパウダーライディングに集中できます。まさに「ビッグマウンテン・パウダーデイ」のために生まれてきたようなボードです。

しかし、その長さと大きさゆえに、取り回しには相応のスキルとパワーが求められます。MMD35やMMD42が得意とするような、タイトなツリーランやクイックな動きはやや苦手とします。

このモデルの性能を最大限に引き出すには、ある程度の経験値と、ボードをしっかりとコントロールできる脚力が必要になるでしょう。体格の大きな方や、ダイナミックな高速パウダーライディングを追求する上級者向けのモデルと考えられます。

各モデルに適したスタンス幅とセッティング

SQUARETAILシリーズは、比較的広めのスタンス幅にも対応できる設計になっていますが、モデルの特性を活かすためには適切なセッティングが鍵となります。

基本的には、メーカーが示す推奨スタンス幅の中心あたりに設定するのがおすすめです。そこから、より安定性を求めるならスタンスを広めに、クイックな操作性を求めるなら狭めに調整すると良いでしょう。

また、重要なのがバインディングのアングルとセットバックです。このシリーズはテールをルースに動かして楽しむのが醍醐味なので、後ろ足のアングルを0度やマイナスアングル(ダックスタンス)に設定すると、より自由度の高い動きが可能になります。前足は15度から21度程度に設定するのが一般的です。

セットバック(バインディングをテール寄りに設置すること)は、パウダーでの浮力をさらに高める効果があります。インサートホールが許す範囲でテール寄りに設定することで、意識しなくてもノーズが浮きやすくなります。圧雪バーンでの滑走がメインの日は、少しセットバックを減らすとカービングのバランスが取りやすくなります。

体格やスキルレベルに合わせた選択肢

最終的にどのモデルを選ぶべきか、ご自身の体格とスキルレベルに当てはめて考えてみましょう。

MMD35がおすすめな方

  • 体重が60kg未満の方、女性ライダー
  • クイックで機敏な動き、小回りを好む方
  • ツリーランや狭い地形での遊びをメインに考えている方
  • 中級者以上で、セカンドボードとして遊び用の板を探している方

MMD42がおすすめな方

  • 標準的な体格(60kg〜75kg程度)の方
  • 一本で様々なコンディションをこなしたい方
  • シリーズに初めて乗るため、まずは基準となるモデルを試したい方
  • パウダーもカービングもバランス良く楽しみたい中級者〜上級者

MMD52がおすすめな方

  • 体格のがっしりした方(75kg以上)
  • 高速での安定性とパウダーでの圧倒的な浮力を最優先する方
  • 広いオープンバーンでのライディングがメインの上級者
  • ボードを力強くコントロールする技術と自信がある方

もちろん、これはあくまで一般的な目安です。例えば、小柄な方でもあえて長いMMD52を選び、その浮力を楽しむという選択も面白いでしょう。ご自身の滑りのスタイルと、何を最も重視するかを照らし合わせて選ぶことが大切です。

総括:MOSS SNOWSTICK SQUARETAIL Serise 評価のまとめ

この記事では、MOSS SNOWSTICK SQUARETAIL Seriseの評価について、シリーズ共通の特徴からモデル別の詳細な比較まで、深く掘り下げてきました。最後に、この記事の要点をまとめます。

  • SQUARETAILシリーズはパウダーと地形で遊ぶためのボード
  • 象徴的なスクエアテールはルースな操作感を生み出す
  • 3Dコンベックス形状が強力な浮力を提供する
  • パウダーでの操作性は非常に高く軽快
  • 見た目に反して圧雪バーンでのカービングも楽しめる
  • フレックスとトーションは全体的にソフトな設定
  • 自由なラインを描きたいフリーライド志向のライダーに最適
  • MMD35はシリーズで最も短く取り回しに優れる
  • MMD35はタイトなツリーランやクイックな動きが得意
  • MMD42は操作性と安定性のバランスが取れた万能モデル
  • MMD42はシリーズ入門者にもおすすめできる一本
  • MMD52は最長で圧倒的な浮力と高速安定性を持つ
  • MMD52はディープパウダーやオープンバーンで真価を発揮する
  • モデル選びは体格、スキル、そして好みのライディングスタイルで決まる
  • 適切なセッティングがボードの性能を引き出す鍵となる
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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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