【JONES】HOWLERの評価を徹底解説!スペックと得意ジャンルを分析

JONESのラインナップの中でも特にフリースタイル志向の強いHOWLER(ハウラー)について、このような疑問をお持ちではないでしょうか。
このボードは、キッカーやジブでのパフォーマンスを追求するライダーや、カービング性能にも妥協したくない中級者からのステップアップを目指す方に注目されています。
この記事では、JONES HOWLERの具体的なスペックやテクノロジーを深掘りし、どのようなライディングスタイルやコンディションでその真価を発揮するのかを客観的に評価します。最後まで読めば、あなたがHOWLERを選ぶべきかどうかが明確になるはずです。
- JONES HOWLERの詳細なスペックとテクノロジー
- フリースタイルやカービングなど得意なライディングスタイル
- パウダーなどの不向きなコンディションや注意点
- このボードがマッチするライダーのレベルや特徴
スペックから見るJONES・HOWLERの評価
スペック項目 | 詳細 |
形状 (Shape) | トゥルーツイン |
プロファイル (Profile) | トゥルーキャンバー |
フレックス (Flex) | 7/10 (ミディアムスティッフ) |
ベース (Base) | シンタード8000ベース |
コア (Core) | クラシックコア (100%ポプラ) |
エッジテクノロジー | トラクションテック2.0 |
ベーステクノロジー | 3Dコンツアーベース1.0 |
サイドカット | プログレッシブサイドカット |
扱いやすいトゥルーツイン形状
JONES HOWLERは、ノーズとテールの形状やフレックスが全く同じトゥルーツイン形状を採用しています。
この形状の最大の理由は、スイッチスタンス(利き足と逆の足を前にして滑ること)での滑走時に違和感がないことです。レギュラースタンスでもスイッチスタンスでも同じ乗り心地を提供するため、フェイキーでの着地やスピン系のトリックを多用するフリースタイルライディングにおいて、その性能を最大限に発揮します。
一方で、パウダーでの浮力を最優先するディレクショナル形状のボードと比較すると、深雪での走行性能は一歩譲ります。あくまでフリースタイルでのパフォーマンスを重視した設計思想の表れと言えます。
反発力を生むキャンバープロファイル
このボードの心臓部とも言えるのが、足元にしっかりとしたアーチを持つトゥルーキャンバープロファイルです。
なぜなら、ボードを踏み込んだ際に生まれる強力な反発力(ポップ)が、オーリーやキッカーでのジャンプにおいて高さを出すための重要な要素となるからです。しっかりと踏めば踏むほど、そのエネルギーが解放され、力強いエアーを可能にします。
ただし、フラット形状やロッカー形状のボードに比べると、エッジが雪面に引っかかりやすい側面もあります。特に、滑走に慣れていない初級者にとっては、逆エッジのリスクが少し高まる可能性が考えられます。このため、ある程度エッジコントロールに慣れた中級者以上の方におすすめのプロファイルです。
絶妙なミディアムフレックス設定
HOWLERのフレックスは10段階中7とされており、ミディアムからやや硬めの設定になっています。
このフレックス設定は、高速域での安定性とトリック時の操作性のバランスを取るためにあります。例えば、大きなキッカーにアプローチする際や、荒れたバーンを滑り降りる状況では、ボードのバタつきを抑え、安定したライディングをサポートします。
しかし、グラトリなどで多用される低速でのボードのしならせやすさ、いわゆる「バター系のトリック」においては、よりソフトなフレックスのボードに分があります。言ってしまえば、HOWLERはしなやかさよりも反発力と安定性を重視したモデルです。この特性を理解することが、ボード選びで後悔しないための鍵となります。
ターンを補助する3Dコンツアーベース
JONES独自のテクノロジーである3Dコンツアーベースが、HOWLERにも採用されています。これは、ノーズとテールのエッジ付近がスプーンのように少しだけまくれ上がった形状のことです。
この構造がもたらす最大のメリットは、ターンの始動が非常にスムーズになることです。エッジの引っかかりが軽減されるため、フラットな地形で意図せずエッジが食い込むような現象を減らし、より流れるようなターン移行を可能にします。
キャンバーとの相性
前述の通り、HOWLERはトゥルーキャンバーを採用していますが、この3Dコンツアーベースが組み合わさることで、キャンバーの持つ反発力やエッジホールドを損なわずに、弱点であるエッジの引っかかりやすさを緩和しています。これにより、アグレッシブな滑りと安定した操作感を両立させているのです。
トラクションテック2.0のエッジ性能
トラクションテック2.0は、バインディング間のエッジに複数の小さな突起(バンプ)を設けたテクノロジーです。
これは、凍ったバーンや硬い雪面といった厳しいコンディションで、驚くほどのエッジグリップ性能を発揮します。まるで雪面に食いつくような感覚で、ターン中にエッジが抜けてしまう不安を大幅に軽減してくれるでしょう。
このため、カービング性能を重視するライダーからも高い評価を得ています。フリースタイルボードでありながら、圧雪バーンを気持ちよく切り裂いていく滑りも得意としています。

正直なところ、このエッジ性能はフリースタイルモデルの域を超えていると感じるほどです。
滑走性が高いシンタード8000ベース
ソール素材には、非常に高密度なシンタード8000ベースが使用されています。
このベース素材の長所は、ワックスの吸収率が高く、優れた滑走性能を長時間維持できる点にあります。特に、春先の湿った雪や、長いコースを滑走する際にその差が明確に現れます。
一方で、高い性能を維持するためには、定期的なワックスがけが欠かせません。メンテナンスを怠ると、せっかくの滑走性能が損なわれてしまうため注意が必要です。手間をかけた分だけ、しっかりと応えてくれるベース素材と考えられます。
滑走ジャンル別にJONES・HOWLERを評価
ジャンル | 評価 (5.0点満点) | 概要 |
浮力 | トゥルーツイン形状のためパウダーには不向き | |
ツリーラン | クイックな動きは可能だが浮力が課題 | |
オープンバーン | 高速域での安定性が高く気持ちよく滑れる | |
地形遊び | 反発力を活かした遊びが得意 | |
カービング | トラクションテックによる抜群のエッジグリップ | |
フリースタイル性 | パークでのパフォーマンスは最高レベル |
フリースタイル性能はパークで輝く
JONES HOWLERの評価を語る上で、フリースタイル性能は外せません。このボードは、まさにパークで輝くために設計されたモデルです。
その理由は、トゥルーキャンバーがもたらす強力な反発力と、トゥルーツイン形状によるスイッチ性能の高さにあります。これらの特性が組み合わさることで、スピン、ジャンプ、グラブといったあらゆるトリックにおいて、ライダーの意図に忠実に応えてくれます。
したがって、休日はほとんどパークで過ごすというようなライダーにとっては、最高の相棒となる可能性を秘めています。HOWLERの持つポテンシャルを最大限に引き出せるのは、間違いなくフリースタイルライディングでしょう。
ジャンプやジブでの優れた安定性
フリースタイルの中でも、特にジャンプやジブにおける安定性は特筆すべき点です。
ミディアムスティッフなフレックス設定により、大型キッカーからの着地時にもボードがブレにくく、安定したランディングをサポートします。また、レールやボックスといったアイテムに入る際にも、エッジがしっかりと捉え、バランスを崩しにくいのが特徴です。
もちろん、よりソフトなフレックスを持つジブ専用ボードのような、アイテムにまとわりつくような乗り味ではありません。むしろ、しっかりとした反発を活かしてアイテムを攻略していくスタイルに向いています。パワーと安定性を求めるパークライダーに最適な選択肢です。
圧雪でのカービングのキレ味
フリースタイルボードと聞くと、カービング性能を疑問視する方もいるかもしれません。しかし、HOWLERはそのような心配を払拭します。
トラクションテック2.0による強力なエッジグリップが、きれいに圧雪されたバーンで非常にシャープなカービングターンを可能にします。ターン中にボードを深く倒し込んでもエッジがしっかりと雪面を捉え続け、ターン後半にはプログレッシブサイドカットが作用し、気持ちの良い加速感を味わえます。
これらのことから、パークライディングの合間にフリーランでキレのあるカービングを楽しみたい、という欲張りなニーズにも十分応えられるボードと言えます。
パウダーライディングでの浮力
ここまでHOWLERの長所を中心に解説してきましたが、不得意な分野についても触れておきましょう。それは、パウダーライディングです。
トゥルーツイン形状とトゥルーキャンバープロファイルは、構造的に深雪での浮力を得にくい組み合わせです。そのため、降雪後のパウダーデイに浮遊感を楽しむのがメインの目的であれば、他の選択肢を検討する方が賢明でしょう。
もちろん、全く滑れないわけではありません。しかし、ノーズが雪に刺さりやすかったり、後足に大きく荷重して滑る必要があったりと、快適なライディングとは言えません。このボードの主戦場はあくまで圧雪されたコースやパークであると理解しておくことが大切です。
中級者のステップアップに最適な一本
このボードは、これからフリースタイルに本格的に挑戦したい、あるいは今よりもっと高いレベルを目指したいと考える中級者にとって、非常に優れた選択肢となります。
なぜなら、HOWLERが持つしっかりとした反発力や安定性は、技のクオリティを高める上で強力な武器になるからです。例えば、今までは高さが出なかったオーリーがより高くなったり、不安定だった着地が安定したりといった成長を実感できる可能性があります。
逆に言えば、まだターンがおぼつかない初級者の方には、少々扱いにくいかもしれません。ある程度ボードをコントロールできるスキルを身につけたライダーが、次のレベルへと進むためのボードとして、その真価を発揮します。
総括:JONES HOWLERの総合評価
この記事で解説してきたJONES HOWLERのスペック、得意・不得意なジャンル、そして推奨されるライダー像についての要点を、以下にまとめます。
- JONES HOWLERはフリースタイル志向の強いスノーボード
- 形状はスイッチライディングに最適なトゥルーツイン
- プロファイルは高い反発力を生むトゥルーキャンバー
- フレックスは安定感のあるミディアムスティッフ(7/10)
- パークでのジャンプやジブで最高のパフォーマンスを発揮
- トラクションテック2.0によりカービング性能も非常に高い
- 3Dコンツアーベースがスムーズなターンを補助
- シンタード8000ベースは高い滑走性を持つ
- 圧雪バーンでのフリーランや地形遊びも楽しめる
- 一方でパウダーライディングでの浮力は期待できない
- 深雪滑走がメインのライダーには不向き
- 初心者にはやや硬く扱いにくさを感じる可能性がある
- これからトリックを本格化させたい中級者に最適
- より高いレベルを目指す上級者の要求にも応える
- 一本でパークもカービングも楽しみたいライダーにおすすめ











