【HEAD】TRUE2.0の評価はビギナーにもおすすめな操作しやすいモデル!
HEAD「TRUE2.0」は自分に合っているか、具体的な性能を知りたいと思っているのではないでしょうか?特に、スノーボード選びでの失敗や後悔は避けたいですよね。
インターネット上の口コミや評判を見ても、実際にどんな滑りに適しているのか、初心者のレベルでも扱えるのか、またはグラトリやカービングといった特定のスタイルにどう影響するのか、具体的な情報が掴みにくいことも多いです。
この記事では、HEAD TRUE2.0がどんな人におすすめなのか、その特徴から得意なジャンルまで、プロの目線で詳細にわたって評価・解説していきます。
- HEAD TRUE2.0の具体的なスペックと構造的な特徴
- フレックスや形状が滑りにどう影響するか
- フリーラン、グラトリ、カービングなどジャンル別の適性
- この板が本当に自分に合っているかどうかの判断基準
HEAD「TRUE2.0」のスペックと特徴を評価
| 項目 | 評価内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 対象 | 男女兼用 (ユニセックス) | 幅広いサイズ展開があります |
| サイズ感 | 標準的 | 展開サイズ内での選択が基本です |
| 硬さ (Flex) | 4/10 (ソフト) | 10が最も硬い |
| 重さ (Weight) | 4/10 (軽量) | 10が最も重い |
| レスポンス (反応) | 5/10 (マイルド) | ビンディングの力を伝える速度の感覚値 |
ハイブリッドキャンバーPOP構造
HEAD TRUE2.0の最大の特徴は、「ハイブリッドキャンバーPOP」という構造を採用している点です。
これは、ボードのセンター部分(両足間)がフラット(0キャンバー)になっており、足元から外側に向かってキャンバー(反り上がり)があり、さらにノーズとテールがロッカー(逆反り)形状になっています。
この構造のメリットは、フラット部分が雪面にしっかり接地するため、安定性が高いことです。特に、僕が試乗した感覚だと、直進時や着地の際に、板がバタつく感じが少なく、安心感がありましたね。
一方で、足元のキャンバー部分がエッジグリップと反発力を生み出し、ノーズとテールのロッカーがパウダーでの浮力や、逆エッジのリスク軽減に貢献します。要するに、キャンバーとロッカーの「良いとこ取り」を目指した形状と言えます。
扱いやすいソフトフレックス設計
TRUE2.0は、メーカーのフレックス評価でも柔らかめ(10段階中4程度)に設定されています。実際に触ってみても、かなりしなやかな印象を受けます。
このソフトフレックス設計は、特に初心者や脚力に自信のない方にとって大きなメリットとなります。なぜなら、少ない力で板を簡単にしならせることができるからです。
これにより、ターンの導入がスムーズになったり、低速での操作が非常に楽になったりします。
ただし、デメリットとしては、高速域での安定性が挙げられます。スピードが上がると、板が雪面の凹凸に負けてしまい、バタつきや不安定さを感じやすくなる可能性があります。
高速でガンガン攻める滑りをメインに考えている方には、少し物足りなさを感じるかもしれません。
TRUE2.0の形状とディレクショナル
この板の形状は「ディレクショナルツイン」と呼ばれるものです。これは、ノーズ(先端)とテール(後端)の形状は全く同じ(ツイン)ですが、ビンディングを取り付けるインサートホールの位置が、少しだけテール寄りに設定(セットバック)されていることを意味します。
ツイン形状であるため、スイッチ(逆向きでの滑走)も違和感なく行えるのが特徴です。グラトリやパークでトリックを練習したい人には嬉しいポイントですね。
一方で、ディレクショナル(進行方向)の要素も持つため、セットバックによって通常のスタンス(レギュラースタンス)での滑走時に、ターンがしやすく、安定性も向上します。まさに、フリーランもトリックも楽しみたいという欲張りなニーズに応える形状設定です。
ベース素材と滑走性能
TRUE2.0には「エクストゥルーデッドベース(Extruded Base)」が採用されています。(参照:HEAD公式サイト)
このベース素材の特徴は、メンテナンスが非常に簡単なことです。シンタードベース(Sintered Base)という別の素材に比べてワックスの浸透は劣りますが、その分、頻繁にワックスをかけなくても比較的安定した滑走性能を維持できます。また、傷がついてもリペアしやすいという利点もあります。
週末だけ楽しむサンデーボーダーや、ワックスがけなどのメンテナンスにあまり時間をかけたくない人にとっては、非常にありがたい仕様です。
ただし、滑走性能(スピードの出やすさ)自体は、シンタードベースを採用した上位モデルと比較すると、一歩譲る部分はあります。春先のシャバ雪などでは、少し板が走らないと感じる場面もあるかもしれません。
軽量性と操作性への影響
TRUE2.0は、軽量なポプラコアを使用しているため、板全体の重量が軽く仕上がっています。これも実際に持ってみると「お、軽いな」と感じるレベルです。
板が軽量であることのメリットは、操作性が格段に向上することです。特に、リフトの乗り降り、緩斜面でのスケーティング、そして何よりグラトリなどで板を回したり持ち上げたりする動作が非常に楽になります。
また、長時間の滑走においても、足への負担が軽減されるため、疲れにくさにも繋がります。初心者の方が一日中練習する際にも、この軽さは大きな助けとなるでしょう。
反面、軽すぎると高速滑走時に雪面に叩かれる感覚が出やすいという側面もありますが、この板のターゲット層を考えると、操作性の高さというメリットの方が大きく上回ると考えられます。
ジャンル別で見るHEAD「TRUE2.0」の評価
スペックや特徴を理解したところで、次にこのTRUE2.0が実際の滑走シーン(ジャンル)でどのようなパフォーマンスを発揮するのか、より具体的に評価していきます。僕の経験も踏まえて、得意・不得意をはっきりさせますね。
| ジャンル | 評価 (Max 5.0) | コメント |
|---|---|---|
| カービング | ソフトフレックスのため高速域でのキレは限界あり | |
| フリーラン | 低~中速域での操作性が抜群。地形遊びも◎ | |
| パウダー | ロッカー形状があるため、無いよりは浮く | |
| グラトリ(弾き系) | 反発はマイルドだが、ソフトフレックスでやりやすい | |
| グラトリ(乗り系) | センターフラットとソフトさで安定感抜群 | |
| ラントリ | 低速での取り回しが良く、繋ぎのトリックに最適 | |
| キッカー(小~中) | 抜けもアプローチも楽。入門用に最適 | |
| キッカー(中~大) | 高速アプローチと着地の衝撃には不向き | |
| ジブ | 擦る動作に最適。壊れにくいベースも◎ |
フリーランでの操作性と安定性
ゲレンデを自由に滑るフリーランにおいて、TRUE2.0は特に低速から中速域でその真価を発揮します。
ソフトフレックスとハイブリッドキャンバーPOP構造の組み合わせにより、とにかくターンのきっかけが掴みやすいです。
板を少し傾けるだけでスムーズに曲がり始めるため、初心者の方がターンの練習をするのに最適です。また、センターがフラットなため、板をずらす動作も簡単に行えます。
中級者以上の方がゲレンデ脇の地形で遊んだり、スイッチで滑ったりする際も、ディレクショナルツインの形状と軽さが生きてきます。
ただし、前述の通り、アイスバーンや荒れたバーンを高速で滑る際は、エッジのホールド感や安定性にやや不安が残ります。
グラトリやラントリの適正は?
グラトリ(グラウンドトリック)やラントリ(ランしながらトリック)に関しては、TRUE2.0は非常に高い適性を持っていると言えます。
乗り系グラトリの安定感
特に得意なのは「乗り系」のグラトリです。プレス(板をしならせて乗る)系の技では、ソフトフレックスとセンターフラット構造が圧倒的な安定感を生み出します。
板が足元からしっかりとしなり、雪面に張り付くような感覚でスタイルを出しやすいです。僕も試しましたが、ノーズプレスやテールプレスがめちゃくちゃ簡単に感じました。
弾き系とラントリ
「弾き系」(オーリーやノーリー)に関しては、反発力自体はマイルドです。高回転スピンを目指すには少し物足りないかもしれませんが、板が軽いため、少ない力でも十分な高さを出すことは可能です。
ラントリにおいても、低速での操作性の良さが、トリックの繋ぎをスムーズにしてくれます。
カービングのキレとホールド感
カービング性能については、正直に言うと「得意ではない」ジャンルです。ソフトフレックス設計のため、高速域で板を強く踏み込んでエッジを立てようとすると、板が負けてしまいがちです。
エッジがズレたり、バタついたりしやすく、キレのある深いカービングターンを描くのは難しいでしょう。ハイブリッドキャンバーPOP構造の足元キャンバーが一定のエッジグリップは提供してくれますが、それはあくまで中速域までの話です。
もし、カービングをメインで楽しみたい、あるいはカービングの技術を突き詰めたいと考えているのであれば、もっと硬さ(張り)のある別のモデルを選択することをおすすめします。
パークやジブでのパフォーマンス
パークやジブ(レールやボックス)においても、TRUE2.0は非常に使いやすい板です。
特にジブに関しては、グラトリの乗り系と同様、ソフトフレックスが大きな武器になります。アイテムに対して板をこすりつける動作が非常にやりやすく、恐怖心も軽減されます。
また、メンテナンスが楽なエクストゥルーデッドベースは、アイテムで傷がつくことを前提とするジブにおいて、精神的にもお財布的にも優しいです。
小さいサイズのキッカー(ジャンプ台)であれば、アプローチ(助走)での安定性も高く、板が軽いため空中での操作もしやすいです。パークデビューを考えている人にとって、最適な一本となり得ます。
パウダーでの浮力と走破性
パウダー(新雪)での性能については、「それなりにこなせる」といった評価です。ノーズとテールにロッカー形状が採用されているため、何もしなくてもある程度の浮力は得られます。
ディレクショナルツイン形状で、わずかにセットバックが入っていることも、パウダーでの操作を助けてくれます。
しかし、パウダー専用の板(ノーズが太く、テールが細い、セットバックが大きく入ったモデル)と比較すると、浮力や走破性は見劣りします。「パウダーが降った日でも、ゲレンデ脇のちょっとした非圧雪ゾーンなら楽しめる」といったレベル感で捉えておくと良いでしょう。
キッカーでの反発力と抜け
パークの中でも、キッカー(ジャンプ台)のサイズによって評価が分かれます。
小~中サイズキッカー
小さいサイズ(~5m程度)や中くらい(~10m程度)のキッカーであれば、問題なく楽しめます。
板が軽いためスイングウェイト(板を回す際の重さ)が軽く、スピンの練習にも適しています。
抜け(ジャンプの踏み切り)の際の反発はマイルドですが、その分タイミングが取りやすく、初心者でも安心して飛べるでしょう。
中~大サイズキッカー
一方で、10mを超えるような中~大サイズのキッカーには不向きです。高速でのアプローチが必要になるため、ソフトフレックスの板では安定性を欠きます。
また、着地(ランディング)の衝撃にも耐えきれず、バランスを崩しやすくなるため危険です。
総括:HEAD・TRUE2.0の評価と適したユーザー
最後に、この記事で解説してきたHEAD TRUE2.0の評価をまとめ、どのようなユーザーに適しているかを簡潔に提示します。
- HEAD TRUE2.0はハイブリッドキャンバーPOP構造を採用
- センターフラット、足元キャンバー、ノーズ・テールロッカー
- 安定性と操作性、反発力をバランス良く両立
- フレックスは10段階中4程度のソフトフレックス
- 少ない力で板をしならせることが可能
- 低速での操作性が非常に高い
- 形状はディレクショナルツイン
- スイッチ滑走も違和感なく行える
- ベースはエクストゥルーデッドベースでメンテナンスが容易
- 軽量なポプラコアを使用し、操作性が高い
- フリーランは低~中速域が得意
- グラトリ(特に乗り系)に非常に高い適性を持つ
- ジブやアイテム遊びにも最適
- 小~中サイズのキッカーでのパークデビューにも向いている
- 高速域でのカービングや大型キッカーには不向き
- これからスノーボードを始める初心者
- ターンをマスターしたい初級者
- グラトリやジブ、パークに挑戦したい中級者
- メンテナンスに手間をかけたくない人
- 軽くて扱いやすい板を探している人
TRUE2.0以外にも、HEADのスノーボードを全種類まとめた記事もあるため参考になれば幸いです。





























