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【HEAD】TRANSITの評価を徹底解説!初心者におすすめ?性能と弱点

TRANSITの評価
まさやん
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HEADのスノーボード「TRANSIT」について、その乗り心地や性能が気になっている方も多いのではないでしょうか。

特に、これからスノーボードを始める方や、扱いやすいボードを探している方にとって、TRANSITがどのようなモデルなのか、詳しい評判を知りたいと考えているかもしれません。

この記事では、そんなHEAD TRANSITのスペック、例えば操作性に影響するロッカー形状やディレクショナルツインというシェイプ、そしてソフトとされる硬さ(フレックス)について詳しく解説します。

また、独自のイージーボードアーキテクチャや、芯材のポプラコア、滑走面の素材についても触れながら、コストパフォーマンスを評価します。

さらに、フリーランやグラトリ、パウダーといった滑りのスタイルごとに適性を分析し、気になる耐久性についても正直にお伝えします。良い点だけでなく注意点も踏まえて、TRANSITがあなたにとって最適な一枚かどうかの判断材料を提供できれば幸いです。

この記事で分かること
  • HEAD TRANSITのスペックと特徴
  • TRANSITが得意・苦手とする滑りのスタイル
  • TRANSITの長所と短所
  • TRANSITが特に初心者におすすめな理由

HEAD・TRANSITの基本スペックと評価

対象メンズ
形状ロッカー
シェイプディレクショナルツイン
ボードの硬さ10段階中4(やや柔らかい)
対象レベル初心者
サイズ150,153,156,159,162,156W,159W,162W

形状:ロッカー形状がもたらす操作性

HEAD TRANSITが採用するロッカー形状は、特にスノーボード初心者にとって大きなメリットをもたらします。

なぜなら、ボードの中央部分が少し浮き上がり、ノーズ(先端)とテール(後端)が雪面に接しやすくなっているからです。

例えば、ターンを始める際にエッジが引っかかりにくく、いわゆる「逆エッジ」のリスクを大幅に軽減できます。これにより、転倒への恐怖心が和らぎ、リラックスして滑りの基本を習得できるでしょう。また、パウダースノー(深雪)でもノーズが浮きやすく、普段とは違うコンディションを楽しむきっかけにもなります。

一方で、高速で滑走する際には、接雪面が少ない分、エッジグリップが若干弱く感じられ、安定性に欠けると感じる場合がある点は注意が必要です。

シェイプ:ディレクショナルツインの特徴

このボードのシェイプ(形状の輪郭)であるディレクショナルツインは、多様な滑りに対応できる汎用性の高さが特徴です。

これは、ノーズとテールの形がほぼ同じツインチップに近い形状でありながら、ビンディングを取り付けるインサートホールの位置が少しテール寄りに設定されている(セットバック)ためです。

具体的には、通常の進行方向(レギュラースタンス)では安定した滑走が可能で、逆向き(スイッチスタンス)での滑走や簡単なトリックもこなしやすくなっています。これにより、フリーランを楽しみながら、グラトリやスイッチの練習もしたい、といった様々な滑りのスタイルに挑戦しやすくなります。

ただし、完全な前後対称ではないため、本格的なパークライディングやスイッチスタンスでの高度なトリックを追求する場合には、完全なツインチップボードの方が扱いやすいと感じるかもしれません。

硬さ:ソフトフレックスで扱いやすいか評価

HEAD TRANSITのフレックス(ボードの硬さ)は、10段階評価で「4」とされており、比較的柔らかい「ソフトフレックス」に分類されます。これは、少ない力でもボードを簡単にしならせることができるため、扱いやすさに繋がります。

その理由は、ボードが柔らかいことで、ターンやトリックのきっかけを掴みやすく、操作に対する反応が穏やかになるからです。

例えば、体重が軽い方や脚力に自信がない初心者の方でも、ボードを足元でコントロールする感覚を掴みやすいでしょう。低速域での細かな操作や、グラウンドトリック(平地でのトリック)の練習にも適しています。

しかし、柔らかさゆえのデメリットもあります。高速で滑るとボードがバタつきやすく、安定感を得にくい点や、エッジングの力が伝わりにくく、キレのあるカービングターンには不向きな点が挙げられます。

構造:イージーボードアーキテクチャとは?

HEADが採用する「イージーボードアーキテクチャ」は、その名の通り、スノーボードをより簡単に、楽しく扱えるように設計された独自の構造です。

これは、初心者がスノーボードの基本的な操作をスムーズに習得できるよう、様々な技術や工夫が盛り込まれているからです。

具体例としては、前述したロッカー形状やソフトフレックスも、このアーキテクチャを構成する重要な要素と考えられます。HEADはこの構造によって、ターン導入の容易さや、エッジの引っかかりにくさを追求していると説明しています。これにより、初めてスノーボードに乗る人でも、比較的短時間で滑走する楽しさを実感できるようサポートすることを目指しています。

ただし、この構造はあくまで入門者や初級者が扱いやすいように最適化されているため、反発力やレスポンスの速さを求める中級以上のライダーには、物足りなく感じられる可能性があります。

素材:ポプラコアとエクストゥルーデッドベース

HEAD TRANSITの内部構造には「ポプラコア」が、そして滑走面には「エクストゥルーデッドベース」が採用されています。これらは、コストと扱いやすさのバランスに優れた組み合わせです。

なぜなら、芯材に使われるポプラは軽量で適度な反発力を持ち、スノーボードのコア材として広く用いられている素材だからです。そして、エクストゥルーデッドベースは、製造工程が比較的シンプルでコストを抑えられ、なおかつ傷に強くメンテナンスが容易という特性を持っています。

例えば、ポプラコアはボード全体の重量を抑え、軽快な操作感に貢献します。エクストゥルーデッドベースは、頻繁なワックスがけをしなくてもある程度の滑走性を維持でき、もし滑走面に傷がついてしまっても比較的簡単に修復が可能です。

ただし、滑走性能(特にスピードの伸び)に関しては、より高密度でワックス浸透性の高い「シンタードベース」に劣る点は否めません。耐久性についても、一般的にはシンタードベースの方が高いとされています。

価格:コストパフォーマンスの評価

HEAD TRANSITは、スノーボード入門に必要な機能を備えながら、比較的手頃な価格設定が魅力のモデルであり、コストパフォーマンスは高いと言えます。

その理由は、初心者が扱いやすいロッカー形状やソフトフレックスといった特徴を持ちつつ、新品でも購入しやすい価格帯を実現しているからです。

例えば、スノーボードをこれから始めたいけれど、最初から高価な道具を揃えるのは躊躇するという方にとって、TRANSITは有力な選択肢となるでしょう。「とりあえずスノーボードを体験してみたい」「最初の1本として気軽に使えるボードが欲しい」といったニーズに応えるモデルです。

ただし、前述の通り、価格を抑えている分、素材の耐久性や高速滑走時の安定性など、性能面で上位モデルに劣る部分があることは理解しておく必要があります。上達してくると、性能面で物足りなさを感じ、ステップアップのために買い替えを検討する可能性も考慮に入れておくと良いでしょう。

スタイル別!HEAD・TRANSITの適性と評価

カービング
フリーラン
パウダー
グラトリ(弾き系)
グラトリ(乗り系)
ラントリ
キッカー(小~中)
キッカー(中~大)
ジブ

初心者向け:最初の1枚としての評価

HEAD TRANSITは、これからスノーボードを始める方にとって、最初の1枚として非常におすすめできるモデルです。

その理由は、ボードの形状と硬さが、初心者がつまずきやすいポイントをカバーするように設計されているからです。前述の通り、エッジが引っかかりにくいロッカー形状を採用しているため、ターンの練習中に怖い思いをする「逆エッジ」のリスクを減らせます。

加えて、少ない力でもボードを曲げやすいソフトフレックスなので、体重移動やエッジングといった基本的な操作を無理なく習得できるでしょう。

例えば、初めてリフトに乗って緩やかな斜面を滑り降りる際も、ボードが言うことを聞きやすく、スノーボードの楽しさを実感しやすいはずです。価格が手頃な点も、初期投資を抑えたい初心者にとっては大きなメリットになります。

ただし、上達して滑りのレベルが上がってくると、物足りなさを感じる可能性は考慮しておく必要があります。

フリーラン:ゲレンデクルージングの評価

ゲレンデを自由に滑り降りるフリーランにおいて、HEAD TRANSITは低速から中速域でのんびりとクルージングを楽しむのに適したボードと言えます。

なぜなら、ソフトフレックスとロッカー形状の組み合わせが、リラックスした状態でのボードコントロールを容易にするからです。複雑な操作を必要とせず、軽い力でターンをしたり、地形に合わせて滑ったりすることができます。

具体的には、圧雪された緩斜面や中斜面を、景色を楽しみながら自分のペースで滑りたい、といったシチュエーションで快適さを感じられるでしょう。ボードの反応がピーキーでないため、疲れにくいという側面もあります。

一方で、スピードを出して滑りたい場合には注意が必要です。ボードが柔らかく、接雪面も短めなため、高速域ではボードがバタついて不安定になりがちです。スピードを重視する滑りにはあまり向いていません。

カービング:キレと安定性の評価

エッジをしっかりと立てて雪面を切り裂くように滑るカービングターンにおいて、HEAD TRANSITの性能は限定的と言わざるを得ません。本格的なカービングを追求するには、あまり向いていないでしょう。

主な理由は、ボードのフレックスが柔らかいことと、ロッカー形状である点にあります。ソフトフレックスはエッジへのパワー伝達が甘くなりがちで、硬いバーン(雪面)でエッジがしっかりと雪面を捉え続けるのが難しくなります。
また、ロッカー形状は接雪長(実際に雪面に接しているエッジの長さ)が短くなるため、ターン中の安定感やグリップ力も、キャンバーボードなどに比べると劣る傾向にあります。

例えば、高速でキレのあるカービングターンをしようとしても、エッジが抜けやすかったり、ターン弧をきれいに描くのが難しかったりする場面が出てくるでしょう。

カービングの練習自体は可能ですが、高いレベルのカービング性能を求めるなら、別の特性を持つボードを選ぶ方が賢明です。

グラトリ・ジブ:トリックのしやすさを評価

平らなバーンでトリックを行う「グラトリ」や、レールやボックスなどの人工物を滑る「ジブ」においては、HEAD TRANSITはその特性を活かしやすいボードです。特にトリックの練習を始めたい初心者には適しています。

これは、ボードの取り回しやすさがトリックの動作に有利に働くからです。ソフトフレックスは、板をしならせて行うプレス系のグラトリ(ノーズやテールを浮かせる技)を容易にします。また、ロッカー形状はエッジの引っかかりが少ないため、スピン系のトリックで着地が多少乱れてもリカバリーしやすく、ボックスやレールに入る際も安心感があります。

具体例を挙げると、オーリー(ジャンプ)やノーリー(ノーズを使ったジャンプ)の練習、簡単なスピン、ボックスへのエントリーなどをスムーズに試すことができるでしょう。

ただし、ボード自体の反発力はそれほど高くないため、高さのあるジャンプや高回転スピンなど、より高度なトリックを目指す場合には、反発力に優れたボードの方が有利になる場面もあります。

パウダー:深雪での浮力を評価

降ったばかりの柔らかい雪、いわゆるパウダースノーを滑る際、HEAD TRANSITはある程度の浮力を提供してくれます。パウダーライディングの入門としても楽しむことができるでしょう。

その理由は、採用されているロッカー形状にあります。ボードの中央が浮いている形状は、自然とノーズが雪の中に沈み込むのを防ぎ、浮力を生み出しやすくします。これにより、普段滑っている圧雪バーンとは違う、パウダー独特の浮遊感を体験しやすくなります。

例えば、コース脇に溜まった新雪に少し入ってみたり、非圧雪コースにチャレンジしたりする際に、その恩恵を感じられるはずです。パウダー初心者にとっては、ボードが沈んで操作不能になるリスクを軽減してくれるでしょう。

しかし、本格的なパウダーボードと比較すると、浮力や操作性は劣ります。特に、セットバック(ビンディングの取り付け位置が後方にずれている度合い)が少ないディレクショナルツイン形状のため、深いパウダーの中では後方の足に負担がかかりやすい点には注意が必要です。

耐久性:長く使える?

HEAD TRANSITの耐久性に関しては、価格帯を考慮すると、あまり過度な期待はしない方が良いかもしれません。長く使い続けられるかどうかは、使い方やメンテナンス次第と言えそうです。

その理由として、まず滑走面に採用されているエクストゥルーデッドベースが挙げられます。この素材は、製造コストが低くメンテナンスが容易な反面、一般的にシンタードベースと比較して傷がつきやすく、耐久性もやや劣るとされています。

また、一部のレビューでは、トップシート(ボード表面のデザイン層)やエッジ(金属の縁)の耐久性について、低い評価も見受けられます。

例えば、パークアイテムでの激しい使用や、手入れを怠った状態での保管は、ボードの寿命を縮める原因となり得ます。通常の使用においても、予期せぬ衝撃で傷が入る可能性は、高価格帯のボードよりも高いかもしれません。

もちろん、大切に扱い、適切なメンテナンス(ワックスがけやエッジの手入れなど)を行えば、数シーズンにわたって使用することは十分可能です。しかし、ハードユーザーや長期間の使用を前提とする場合は、耐久性の面で不安が残る可能性は否めません。

まとめ:HEAD・TRANSITの評価について

HEAD TRANSITは、スノーボードをこれから始める方や、気軽に楽しみたいライダーにとって、非常に扱いやすいモデルと言えます。

ロッカー形状とソフトフレックスの組み合わせは、逆エッジのリスクを減らし、少ない力でのターンやトリックの練習を容易にします。手頃な価格設定も、最初の1枚を選ぶ上で大きな魅力となるでしょう。

一方で、高速滑走時の安定性や、キレのあるカービング性能を求めるライダーにとっては、物足りなさを感じる可能性があります。また、耐久性に関しても、エクストゥルーデッドベースの特性やレビュー評価から、価格相応と考えるのが妥当です。

これらの点を踏まえると、TRANSITはスノーボード入門や、低中速でのフリーラン、グラトリ・ジブを楽しむのに最適なボードです。

しかし、上達に伴うステップアップや、特定の滑りに特化した高い性能、あるいは長期間のハードな使用を考えている場合は、他のモデルも検討することをおすすめします。ご自身のレベルや目指すスタイルに合わせて、最適なボードを選びましょう。

ABOUT ME
まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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