【NOVEMBER】DOGWALKの評価!パウダーもグラトリも遊べるスペックと特徴
パウダーボードの購入を検討している際、NOVEMBER「DOGWALK(ドッグウォーク)」というモデルが気になっている方も多いのではないでしょうか。
「独特な形状だけど乗りこなせるかな」「パウダーだけでなく圧雪バーンでのカービング性能はどうなのかな」と、購入前に詳しい使用感を知りたいと考えるのは当然のことです。
スノーボード選びでは、カタログスペックだけでは分からない実際の雪上でのフィーリングが非常に大切になってきます。
この記事では、NOVEMBER DOGWALKの評価について、特徴的なシェイプや実際の滑走シーンを想定した適性について詳しく掘り下げていきます。
- NOVEMBER DOGWALKのスペックや基本機能の評価について深く理解できる
- パウダーでの浮力だけでなく圧雪でのカービング性能についても把握できる
- 地形遊びやツリーランなど具体的なシチュエーション別の適性が分かる
- このモデルがどのようなスタイルのスノーボーダーに適しているか判断できる
NOVEMBER DOGWALKのスペックや基本機能の評価
まずは、NOVEMBER DOGWALKのカタログスペックを確認し、その数値が実際の滑りにどう影響するのかを見ていきましょう。このモデルはパウダーボードとしての性能を追求しつつ、操作性を高めるための工夫が随所に施されています。
| 項目 | 詳細データ |
|---|---|
| サイズ | 154cm |
| 有効エッジ | 1040mm |
| ノーズ幅 | 312mm |
| ウエスト幅 | 261mm |
| テール幅 | 272mm |
| テーパー | 40mm(ノーズとテールの幅の差) |
| ベンド形状 | POWDER CAMBER |
| コア材 | FM2 CORE(超軽量コア) |
| ソール素材 | ISO 7505 GRAPHITE |
| サイドウォール | VERTICAL SIDEWALL |
| 定価 | 121,000円(税込) |
独自のテーパードシェイプとピンテールの構造
DOGWALKの最大の特徴は、なんといってもその極端なテーパードシェイプとピンテール構造にあります。ノーズ幅が312mmであるのに対し、テール幅は272mmと、実に40mmもの差が設けられています。
この設計により、深雪の中ではノーズが自然と浮き上がり、逆にテールは雪の中に沈み込みやすくなるため、後ろ足に過度な負担をかけずに楽なポジションをキープできるのが魅力です。
また、テール部分が細く絞り込まれたピンテール形状は、パウダー内での抵抗を減らし、スムーズな抜けを実現します。これにより、雪の抵抗を受け流しながらサーフィンのような滑らかなターンを描くことが可能になります。
見た目のインパクトもさることながら、この形状こそがDOGWALKの独特な乗り味を生み出す源泉となっているのです。
超軽量FM2COREがもたらす軽快な操作性
パウダーボードというと、浮力を稼ぐためにボード自体が大きく重くなりがちというイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、DOGWALKには「FM2 CORE」という超軽量な芯材が採用されています。
これにより、ワイドなノーズを持ちながらも、リフト乗車時やスケーティング、そして何より滑走中の取り回しにおいて驚くほどの軽さを感じられるはずです。
ボードが軽いということは、それだけライダーの入力に対して素直に反応してくれることを意味します。
特にパウダーの中ではボードを動かすのに大きな力が必要になる場面もありますが、この軽量コアのおかげで、脚力の消耗を抑えながら長時間ライディングを楽しめるのが嬉しいポイントですね。軽さは正義、といえる要素がしっかりと盛り込まれています。
154cmワンサイズ展開のサイズ感と適応範囲
DOGWALKは、現在154cmのワンサイズ展開となっています。一見すると「自分には合うのかな?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、この154cmという長さは絶妙な設定といえます。
有効エッジは1040mmと短めに設定されており、実際の滑走感覚は150cm前後のボードに乗っているかのようにコンパクトです。
そのため、小柄な男性から大柄な方まで、幅広い体格のライダーが扱える許容範囲の広さを持っています。
長いパウダーボードだと取り回しに苦労するような狭いツリーランや起伏の激しい地形でも、このサイズ感なら自在にコントロールできるでしょう。
ワンサイズ展開であることは、メーカーがこの長さこそがベストバランスであると確信している証拠とも受け取れます。
VERTICAL SIDEWALLのエッジグリップ
パウダーボードは圧雪バーンが苦手、という定説を覆すために採用されているのが「VERTICAL SIDEWALL」です。
これはサイドウォールの角度などの調整により、エッジグリップ力を高める技術です。DOGWALKのようなテーパードがきついボードは、通常テール側のエッジグリップが抜けやすくなる傾向があります。
しかし、このサイドウォール構造のおかげで、硬いバーンやアイスバーンに近い状況でも、しっかりとエッジを雪面に食い込ませることができます。
パウダーを滑り終えた後のゲレンデクルージングや、朝一番の圧雪バーンでも、不安なくターンを刻んでいけるのは大きなメリットですね。
独自のコンベックスソールと高い滑走性能
NOVEMBERのボードといえば、その滑走性能の高さに定評があります。DOGWALKにも「CVX SANDING FINISH」と呼ばれる独自のコンベックスソールが採用されています。
これはソールが船底のように緩やかに膨らんでいる形状のことで、エッジの引っ掛かりを軽減しつつ、ターン導入をスムーズにする効果があります。
さらに、ソール素材には「ISO 7505 GRAPHITE」を使用しており、湿雪や春先のシャバ雪でも高い滑走性を発揮します。
日本の雪質を知り尽くした国産ブランドならではのこだわりが詰まっており、「板が走らない」というストレスから解放されるのは非常に快適かなと思います。
メンテナンスをしっかり行えば、驚くようなスピードで斜面を駆け抜けることができるでしょう。
最新モデルの定価設定とデザインの特徴
2025-2026シーズンのモデルなど、最新のDOGWALKの価格は税込で121,000円と設定されています。国産のハイエンドモデルとしては標準的な価格帯ですが、その性能と仕上がりを考えれば十分に納得できる金額といえます。
安価なボードではありませんが、パウダーから地形遊びまで一本でこなせる汎用性を考えると、コストパフォーマンスは決して悪くありません。
デザイン面では、ラメ入りの光沢クリア塗装(Gloss with glitter)が施されており、雪上で太陽の光を浴びると美しく輝きます。シンプルながらも高級感のあるデザインは所有欲を満たしてくれること間違いなしです。
ゲレンデでリフト待ちをしている際にも、その独特なシェイプと美しいグラフィックは周囲の目を引く存在となるでしょう。
ルアーのドッグウォークアクションを生む設計の秘密
モデル名である「DOGWALK」は、バスフィッシングなどで使われるルアーの動き「ドッグウォークアクション」に由来しています。
これは、犬が散歩中にあちこち匂いを嗅ぎながら首を振って歩く様子に似ていることから名付けられた、小刻みに左右に首を振るアクションのことです。
このボードもまさにその名の通り、パウダーや地形の中でノーズを軽快に左右に振るような動きを得意としています。
短い接雪長とピンテール、そして絶妙なロッカーバランスが組み合わさることで、まるで水面を滑るルアーのように、雪面を自在に動き回れるのです。
この「動きの面白さ」こそが、DOGWALKが多くのスノーボーダーを虜にしている理由の一つかもしれません。
NOVEMBER DOGWALKのジャンル別滑走性能の評価
次に、DOGWALKがどのようなシチュエーションで真価を発揮するのか、ジャンルごとの評価を詳しく見ていきましょう。得意なフィールドを知ることで、ご自身のスタイルに合っているかがより明確になります。
| ジャンル | 評価(5点満点) | 特記事項 |
|---|---|---|
| 浮力 | ワイドノーズとテーパーにより沈まない | |
| ツリーラン | 短い有効エッジで小回りが抜群 | |
| オープンバーン | 意外なほど安定するが超高速域は注意 | |
| 地形 | 3D地形での動きは最高クラス | |
| カービング | ピンテール特有の抜けの良さが快感 | |
| フリースタイル | スイッチは難しいが当て込みは得意 |
ディープパウダーでの圧倒的な浮力と加速感
パウダーボードとしての基本性能である「浮力」に関しては、文句なしの最高評価です。膝上や腰まであるようなディープパウダーでも、312mmという幅広のノーズがしっかりと雪を捉えて浮き上がってくれます。
後ろ足に無理に体重を乗せなくてもノーズが沈まないため、リラックスしたポジションで滑ることができます。
また、浮力だけでなく「加速感」も素晴らしいものがあります。ピンテール形状がテールの抵抗を減らしてくれるため、緩斜面のパウダーでも失速しにくく、グングンと前に進んでいきます。
深い雪の日でもスタック(埋まること)を恐れずに、積極的にノートラックの斜面へ飛び込んでいける頼もしさがありますね。
複雑なツリーランで活きる旋回性能の高さ
木々が密集したツリーランエリアでは、ボードを素早く操作して障害物を避ける能力が求められます。
DOGWALKは全長154cmに対し有効エッジが1040mmと短いため、旋回性能が非常に高いのが特徴です。
長い板だと取り回しに苦労するような狭い木の間隔でも、クイックに方向転換を行うことができます。
前述した軽量なコア材のおかげで、瞬時の判断でボードを動かす際もストレスを感じません。
ルアーのように左右にヒラヒラと舞うような動きができるため、ツリーランがまるで迷路攻略ゲームのように楽しく感じられるはずです。操作性の良さは、安全面においても大きなアドバンテージになります。
圧雪バーンでも楽しめるカービングターンのキレ
パウダー専用機と思われがちですが、圧雪バーンでのカービング性能も侮れません。公式サイトによると、強力なサイドカーブとエッジグリップにより、グルーミングバーンでもキレのあるターンが可能とされています。
実際に乗ってみると、ターン後半でテールがスッと抜ける感覚があり、独特の爽快感を味わえます。
一般的なディレクショナルボードのように「レールに乗ったような重厚なカービング」とは少し異なり、「自分で操作して曲げていくサーフライクなカービング」が楽しめます。
足元のグリップ力はしっかりしているので、エッジが抜けて転倒するような不安感は少ないでしょう。朝一のパウダーを食った後、整地に戻ってきても板を履き替える必要がないのは嬉しいですね。
起伏のある地形遊びでのサーフライドな乗り味
DOGWALKが最も輝くジャンルの一つが、ゲレンデ脇の壁や沢地形を使った「地形遊び」です。柔らかめのトーション(ねじれ剛性)とロッカー形状のノーズにより、地形の凹凸に合わせてボードを柔軟に動かすことができます。
壁に向かって駆け上がり、トップでスラッシュをして戻ってくるような動きは、まさにサーフィンそのものです。
雪面の変化を拾いやすく、波に乗るような感覚で滑ることができるため、単調な緩斜面でも遊び場に変えてしまうポテンシャルを持っています。
「ただ滑り降りるだけではつまらない」と感じている方にとって、この遊び心の詰まった乗り味は病みつきになることでしょう。
広大なオープンバーンでの高速安定性について
広々としたオープンバーンを直滑降に近いスピードで攻める場合、DOGWALKの評価は「意外と安定する」という印象です。
通常、短い有効エッジとピンテールの板は高速域でバタつきやすいのですが、しっかりとしたフレックス(硬さ)と振動吸収性の高いサイドウォールのおかげで、ある程度のスピードまでは安定して滑ることができます。
ただし、アルペンボードやクロス用のボードのような「超高速域での鉄のような安定感」を求めると、少し物足りなさを感じるかもしれません。
それでも、パウダーボードというカテゴリーの中で比較すれば、十分な安定性を確保しているといえます。リゾート全体をクルージングする分には全く問題ないレベルです。
パウダーボードにおけるフリースタイル性の検証
フリースタイル性能に関しては、得意なことと不得意なことがはっきりしています。得意なのは、コース脇のパウダーでのオーリーや、地形を使ったスピン、当て込みといった動作です。
テールが短く軽いため、スイングウエイトが軽く、180(ワンエイティ)などの回転技は意外なほどスムーズに回せます。
一方で、スイッチライディング(反対向きで滑ること)は、極端なテーパードとセットバックが入っているため、かなり難易度が高くなります。
不可能ではありませんが、メインスタンスと同じように滑るには高い技術が必要です。
そのため、パークでキッカーを飛んだり、ジブアイテムに入ったりする本格的なフリースタイルよりは、自然地形を使ったフリーライディングの中でトリックを混ぜるスタイルが向いています。
結論はオールマウンテン・パウダーボード
ここまでの特徴を踏まえると、NOVEMBER DOGWALKは「パウダーでの浮力と、地形遊びやカービングの楽しさを高い次元で融合させたオールマウンテン・パウダーボード」と表現できます。
深雪の日だけ使える特殊な板ではなく、雪が降っていない日でもゲレンデの地形を使って一日中遊べる汎用性の高さが魅力です。
特に、「朝はパウダーを滑りたいけれど、午後はゲレンデでカービングや地形遊びも楽しみたい」という欲張りなスノーボーダーには最適な一本となるでしょう。
逆に、スイッチ滑走を多用するグラトリメインの方や、競技志向でハーフパイプを滑る方には、別のモデルの方が適しているかもしれません。ご自身の滑りのスタイルと照らし合わせれば、このボードが最高の相棒になるかどうかが自然と見えてくるはずです。
まとめ:NOVEMBER DOGWALKの評価について
- NOVEMBER DOGWALKは独自のテーパードシェイプによりパウダーでの高い浮力を実現している
- ノーズ幅とテール幅の差が40mmあり、テールが沈み込むことで楽に滑れる
- ピンテール形状により雪の抵抗を逃がし、スムーズで軽快な操作性を生み出す
- 154cmのワンサイズ展開だが、有効エッジが短く幅広い体格のライダーに対応可能である
- 超軽量なFM2 COREを採用しており、リフト乗車時や滑走中の疲労を軽減できる
- VERTICAL SIDEWALLにより、硬いバーンでもしっかりとしたエッジグリップを発揮する
- コンベックスソールとグラファイト素材により、湿雪でも高い滑走性能を維持できる
- 定価は12万円台と安くはないが、汎用性と性能を考慮すれば納得の価格設定である
- モデル名の由来通り、雪上でルアーのような小刻みな方向転換が得意である
- パウダーでの浮力評価は非常に高く、緩斜面でも失速しにくい加速感がある
- ツリーランなどの狭い場所でも、短いテールを活かしてクイックに動ける
- 圧雪バーンでのカービングは、テールが抜ける独特のサーフライクな感覚を楽しめる
- 地形遊びにおいては、壁への当て込みやスラッシュなどの動きが非常にやりやすい
- スイッチライディングは形状的に難易度が高いが、地形を使ったスピンなどは容易である
- パウダーから圧雪、地形まで一本で遊び尽くしたいライダーに最適なモデルである
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