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【徹底評価】サロモンのウルトラグライド3|特徴と性能を解説

まさやん
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サロモンの新作トレイルランニングシューズ、ウルトラグライド3の購入を検討中で、その実力に関心をお持ちではないでしょうか。特に、長距離を走破するための性能や、どれほどのクッション性があるのか、そして足元を支える安定性について詳しく知りたいと考えているかもしれません。

また、人気を博した前モデルのウルトラグライド2との比較を通じて進化のポイントを把握し、実際のフィット感やサイズ感、さまざまな路面状況で試されるグリップ力についても気になるところでしょう。

もちろん、素晴らしいシューズに見えても、何らかのデメリットや注意点はないのか、購入前に確認しておきたいものです。この記事では、これらの疑問をすべて解消するため、サロモン ウルトラグライド3の評価を多角的に深掘りしていきます。

  • ウルトラグライド3の具体的な性能と特徴
  • 前作ウルトラグライド2からの進化点
  • どのようなランナーにおすすめか
  • 購入前に知っておくべき注意点やデメリット

特徴から分析するサロモン・ウルトラグライド3の評価

快適性を左右するサイズ感とフィット感

サロモン ウルトラグライド3を選ぶ上で、最も基本となるのがサイズ感とフィット感です。シューズの性能を最大限に引き出すためには、自分の足に正しく合った一足を見つけることが不可欠となります。

サイズ選びの基本

ウルトラグライド3のサイズ展開は、多くのランナーにとって標準的と感じられる作りになっています。基本的には、普段履いているランニングシューズと同じサイズを選ぶことで、大きな失敗は避けられるでしょう。

しかし、足の形には個人差があるため、可能であれば実際に試着することをおすすめします。特に、つま先部分には1cm程度の余裕(捨て寸)を持たせることが、長距離を走った際の足のむくみや爪へのダメージを防ぐ鍵となります。

SensiFit™による優れたフィット感

このシューズのフィット感を語る上で欠かせないのが、サロモン独自の「SensiFit™(センシフィット)」テクノロジーです。これは、ミッドソールからシューレースシステムまで足全体を優しく、かつ確実に包み込む構造を指します。

これにより、まるでオーダーメイドのような一体感が生まれ、走行中にシューズ内で足が不必要に動くのを防ぎます。結果として、マメや靴擦れのリスクを低減させ、快適なランニングを長時間サポートしてくれるのです。

足幅に関しては、海外ブランドの中では比較的標準的な作りですが、極端に幅広の足を持つランナーは少し窮屈に感じる可能性も考えられます。

高いクッション性がもたらす履き心地

ウルトラグライド3が多くのランナーから支持される最大の理由の一つに、その卓越したクッション性が挙げられます。このシューズは、着地時の衝撃を効果的に吸収し、ランナーの足や膝への負担を大幅に軽減することを目指して設計されています。

EnergyFOAMがもたらすソフトな接地感

クッション性の核となるのが、ミッドソールに採用されている「EnergyFOAM(エナジーフォーム)」です。これは、軽量でありながら優れた衝撃吸収性と高い反発性を両立させた独自のフォーム素材になります。実際に足を入れてみると、フカフカとしながらも、ただ沈み込むだけではない、しっかりとした応答性を感じ取れるはずです。

このおかげで、硬い林道や岩がちなトレイルでも、地面からの突き上げ感を和らげ、快適な履き心地が持続します。特に、ランニングの後半で疲労が蓄積してきた際に、このクッション性のありがたみを実感する場面が多くなるでしょう。

厚底設計による安心感

シューズ全体の設計も、高いクッション性に貢献しています。かかと部分で32mm、つま先部分で26mmという厚底(スタックハイト)設計は、十分な量のフォームを確保し、物理的に衝撃吸収能力を高めています。この厚みがあることで、ランナーは路面の細かな凹凸を気にすることなく、リラックスして走り続けることが可能です。

ミッドソールの反発力と推進力

ウルトラグライド3は、高いクッション性を持ちながら、優れた反発力と推進力も兼ね備えています。これにより、快適なだけでなく、効率的でリズミカルな走りもサポートします。

ミッドソールの推進力を生み出しているのが、「Reverse Camber(リバースキャンバー)」と呼ばれる、船底のようなロッカー構造です。この湾曲したソール形状が、着地から蹴り出しまでの一連の動作を、まるで揺り椅子のようにスムーズに導いてくれます。

この構造により、ランナーは意識せずとも自然に前方への重心移動が促され、足が楽に回転するような感覚を得られます。特に、平坦なトレイルや緩やかな下り坂では、この推進力が心地よいスピード感を生み出し、長距離でも脚の消耗を抑える効果が期待できるのです。前述のEnergyFOAMが持つ反発性とこのロッカー構造が組み合わさることで、ただ柔らかいだけでなく、一歩一歩が次の一歩へとつながる、軽快な走りを実現します。

前作ウルトラグライド2との比較点

ウルトラグライド3を検討する際、多くの人が前作のウルトラグライド2と何が違うのか気になることでしょう。ここでは、両モデルの主な違いを表にまとめ、進化したポイントを解説します。

項目サロモン ウルトラグライド2サロモン ウルトラグライド3主な変更点・進化
アッパー素材3D MeshEngineered Meshより軽量で通気性が向上。フィット感もより柔軟に。
ミッドソールEnergy SurgeEnergyFOAMより軽量で反発性が向上した新フォームを採用。
重量(27cm)約260g約260g重量に大きな変化はないが、素材変更で性能が向上。
フィット感SensiFit™搭載SensiFit™搭載基本的なフィット構造は継承しつつ、アッパーの柔軟性向上で快適性がアップ。
コンセプトクッション性と快適性クッション性と快適性コンセプトは維持しつつ、各パーツをアップデートして完成度を高めた。

最大の進化はアッパーとミッドソール

表からも分かる通り、最も大きな変更点はアッパー素材とミッドソールフォームです。ウルトラグライド3では、より軽量で通気性に優れた「Engineered Mesh(エンジニアードメッシュ)」が採用されました。これにより、前作よりも足当たりが柔らかくなり、長時間の使用でも快適性が持続しやすくなっています。

また、ミッドソールに採用された「EnergyFOAM」は、前作の「Energy Surge」と比較して、同等以上のクッション性を保ちながら、反発性が向上しました。これにより、より軽快で弾むような走り心地を体感できるようになったのです。

言ってしまえば、ウルトラグライド3は、前作の成功したコンセプトを基礎としながら、細部を丁寧にアップデートすることで、全体の完成度を一段階引き上げた、正統進化モデルと考えることができます。

あらゆる地形で試されるグリップ力

トレイルランニングシューズの評価において、グリップ力は安全性とパフォーマンスに直結する非常に大切な要素です。ウルトラグライド3は、サロモンが誇る「All Terrain Contagrip®(オールテレーン コンタグリップ)」アウトソールを搭載しており、多様な路面状況で信頼性の高いグリップを発揮します。

このアウトソールは、乾いた土のトレイルから、濡れた岩場、ぬかるんだ道まで、さまざまな地形に対応できるよう設計されています。ラグ(ソールの凹凸)の深さや形状、配置が絶妙に計算されており、登りでの蹴り出す力と、下りでのブレーキ性能の両方をバランス良く提供します。

ただし、ラグの深さは約3.5mmと、極端な泥道(マッドコンディション)に特化したモデルと比較するとやや浅めです。

そのため、一般的なトレイルでは十分な性能を発揮しますが、非常に深くぬかるんだ状況や、滑りやすい粘土質の路面が続くようなコースでは、少し慎重な足運びが求められる場面もあるかもしれません。

いずれにしても、汎用性が高く、ほとんどのトレイルで安心して使用できるグリップ性能を持っていると言えます。

長距離でも安心の安定性

ウルトラグライド3は、高いクッション性を持つ厚底シューズでありながら、優れた安定性も確保しています。厚底シューズは、時にぐらつきやすいという印象を持たれがちですが、このモデルはその点を巧みに克服しています。

安定性の鍵を握るのは、ソールの設計にあります。地面との接地面積を広く取るように設計されたソール形状が、着地時の左右のブレを効果的に抑制します。これにより、ランナーは不安定な路面でもバランスを崩しにくく、安心して足を運ぶことが可能です。

また、前述のSensiFit™が足全体をしっかりとホールドすることも、安定性の向上に大きく寄与しています。シューズと足が一体化することで、着地のエネルギーが分散せず、効率的に次の動作へとつなげることができます。

これらの理由から、ウルトラグライド3はランニングの後半、疲労によってフォームが乱れがちな状況でもランナーをしっかりと支え、長距離やウルトラマラソンといった過酷な挑戦においても信頼できるパートナーとなります。

使用シーンで見るサロモン・ウルトラグライド3の評価

アッパーの通気性と快適性

前述の通り、ウルトラグライド3のアッパーには、軽量で柔軟性に富んだエンジニアードメッシュが採用されています。この素材は、優れた通気性を備えているのが特徴です。

走行中にシューズ内部で発生する熱や湿気を効率的に外部へ放出するため、長時間にわたるランニングでも足をドライで快適な状態に保ちやすくなります。特に、気温が高い夏場のトレーニングやレースでは、この通気性の高さがパフォーマンスの維持に大きく貢献するでしょう。

また、メッシュ素材自体の柔軟性が高いため、足の形に合わせてしなやかにフィットし、特定の部分が強く当たるといったストレスを感じにくい構造になっています。

足当たりが非常にソフトであるため、新品の状態からでも比較的足に馴染みやすく、長い慣らし期間を必要としない点もランナーにとっては嬉しいポイントです。

シューレースの締め付けとホールド感

ウルトラグライド3は、サロモンのシューズの象徴とも言える「Quicklace™(クイックレース)」システムを採用しています。これは、細く強靭なレースを一度に引き締めるだけで、足全体を均等かつ迅速にフィットさせることができる画期的なシステムです。

Quicklace™のメリット

このシステムの最大のメリットは、その手軽さとスピードにあります。レースのスタート前や、走行中にフィット感を調整したい場合でも、立ち止まって数秒で締めたり緩めたりすることが可能です。また、一度ロックすれば緩みにくいという特性も持っており、長距離を走ってもフィット感が変わらない安心感があります。

好みが分かれる可能性

一方で、このQuicklace™システムは、一部のランナーにとっては好みが分かれるかもしれません。従来の靴紐のように、部分ごとに締め付けの強弱を細かく調整することが難しいためです。例えば、「足首周りはしっかり締めたいが、つま先部分は少し緩めたい」といった微調整を好むランナーには、少し物足りなく感じられる可能性があります。

余ったレースを収納するためのシュータン部分のポケット(レースポケット)も、慣れるまでは少し収納しにくいと感じる人もいるかもしれません。しかし、これらの点は慣れによって解消されることが多く、総合的には非常に機能的で便利なシステムと考えられます。

おすすめのランナーとトレーニング

では、これまでの特徴を踏まえると、サロモン ウルトラグライド3はどのようなランナーに、そしてどのようなシーンでおすすめできるのでしょうか。

こんなランナーにおすすめ

このシューズが最もフィットするのは、以下のようなランナーです。

  • トレイルランニング初心者:高いクッション性と安定性を備えているため、まだ脚が出来上がっていない初心者でも、足への負担を気にせずトレイルランニングの楽しさを味わうことができます。
  • ウルトラマラソンに挑戦するランナー:長距離、長時間のランニングにおいて、快適性と衝撃吸収性は非常に大切です。このシューズは、100kmや100マイルといった過酷なレースでも、ランナーの足を最後まで守ってくれるでしょう。
  • 快適性を重視する全てのトレイルランナー:レースの順位やタイムだけでなく、純粋にランニングのプロセスを楽しみたい、快適に走り続けたいと考える全てのランナーにとって、最高の選択肢の一つとなります。

おすすめのトレーニングシーン

ウルトラグライド3は、その汎用性の高さから、さまざまなトレーニングで使用できます。

  • 日々のジョギングやLSD(Long Slow Distance):クッション性が高いため、足への負担を抑えながら距離を踏むトレーニングに最適です。
  • 硬い路面の多いコース:林道や砂利道など、地面が硬いコースを走る際の衝撃を和らげてくれます。
  • レース本番用シューズとして:特に、完走を目指すロングレースやウルトラマラソンでは、その快適性が大きな武器になります。

逆に言えば、テクニカルな短いコースでスピードを競うような場面では、より軽量でダイレクトな接地感を持つ他のモデルの方が適している場合もあります。

注意したいデメリットや懸念点

ウルトラグライド3は非常に完成度の高いシューズですが、購入を検討する上で知っておくべきいくつかの注意点やデメリットも存在します。これらを理解した上で選ぶことが、後悔のないシューズ選びにつながります。

テクニカルな路面での機敏性

高いクッション性と安定性を両立している一方で、ソールが厚く柔軟なため、非常にテクニカルで複雑な地形での機敏な動きや、地面の情報をダイレクトに感じ取りたい場面では、少し物足りなさを感じる可能性があります。反応の速さよりも快適性を優先した設計であるため、スピードを追求するショートレースなどでは、やや応答性がマイルドに感じられるかもしれません。

足幅との相性

前述の通り、フィット感は優れていますが、足幅が極端に広いランナーの場合、少し窮屈に感じることが考えられます。サロモンの他のモデルと比較すると標準的な幅ですが、日本のブランドの幅広モデル(3Eや4E)を履き慣れている方は、試着を入念に行うことが大切です。

Quicklace™への慣れ

これも先に触れましたが、Quicklace™システムは非常に便利である一方、従来の靴紐に慣れ親しんだランナーにとっては、最初は少し戸惑うかもしれません。フィット感の微調整の自由度や、余ったレースの処理方法など、自分に合うかどうかを一度確認しておくと良いでしょう。

これらの点は、シューズの欠陥というよりも、設計思想や特性からくるものです。自身の走るスタイルや目的、足の形と照らし合わせて、これらの点が許容できる範囲内であるかどうかが、判断の分かれ目となります。

洗練されたデザインとカラー展開

パフォーマンスだけでなく、シューズのデザイン性もモチベーションを左右する重要な要素です。サロモン ウルトラグライド3は、機能美と現代的なスタイルを両立させた、洗練されたデザインが魅力です。

アッパーの流れるようなラインや、特徴的なミッドソールの形状は、一目でサロモンのシューズと分かるアイデンティティを持っています。トレイルだけでなく、普段のファッションにも取り入れやすいスタイリッシュな外観は、多くのランナーから支持されています。

カラー展開も豊富で、定番のシックなカラーから、トレイルで映える鮮やかなカラーまで、幅広い選択肢が用意されています。自分のウェアや好みに合わせてお気に入りの一足を選ぶ楽しみも、このシューズが提供してくれる価値の一つです。

機能性だけでなく、所有する喜びも感じさせてくれるデザイン性の高さも、ウルトラグライド3の評価を高めているポイントと言えるでしょう。

総括:サロモン・ウルトラグライド3の総合評価

この記事を通じて、サロモン ウルトラグライド3の多様な側面を詳しく見てきました。最後に、これまでの内容を総括し、このシューズの総合的な評価を簡潔にまとめます。

  • 長距離での快適性を最優先に設計されている
  • 優れた衝撃吸収性を誇るEnergyFOAMを搭載
  • ロッカー構造がスムーズな足運びをサポート
  • 前作からアッパーとミッドソールが正統進化
  • 初心者からウルトラランナーまで幅広く対応
  • フィット感を高めるSensiFit™テクノロジー
  • Quicklace™による素早い着脱が可能
  • あらゆる地形で安定したグリップ力を発揮
  • 厚底ながら安定性も高いバランスの良さ
  • 通気性の高いアッパーで長時間のランも快適
  • デメリットはテクニカルな場面での機敏性
  • 足幅が極端に広いランナーは試着が推奨される
  • デザイン性が高くカラーバリエーションも豊富
  • 日々のトレーニングからレース本番まで使える汎用性
  • タイムを追求するよりも快適に走り続けたいランナーに最適
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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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