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【JONES】MOUNTAIN TWIN FAR EAST LIMITED評価|性能・特徴を徹底解説

まさやん
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JONES Snowboardsのラインナップの中でも特に人気の高いMOUNTAIN TWINですが、その中でも日本人向けに調整されたJONES MOUNTAIN TWIN FAR EAST LIMITEDは、どのような評価を受けているのでしょうか。

フリースタイルとフリーライドを高次元で融合させたこのモデルの性能や特徴、そして実際のレビューに関心を持つ方は少なくありません。

この記事では、多くのスノーボーダーが気になるカービングのキレやパウダーでの浮力、フリーランの操作性といった滑走性能を徹底的に分析します。果たしてこのボードはどんな人におすすめできるのか、その実力を詳しく掘り下げていきましょう。

要点
  • JONES MOUNTAIN TWIN FAR EAST LIMITEDの技術的な特徴と設計思想
  • フリーラン、カービング、パウダーなど各滑走シーンでの具体的な性能
  • このボードの長所と短所、そしてどんな滑りのスタイルに向いているか
  • 通常モデルとの違いと日本限定モデルならではのメリット

スペックのJONES・MOUNTAIN TWIN FAR EAST LIMITEDの評価

項目スペック詳細
シェイプディレクショナルツイン
キャンバー形状コントロールキャンバー (CamRock)
ベース形状3Dコンツアーベース 1.0
フレックス6/10 (ミディアム)
コアコントロールコア
エッジトラクションテック 3.0
サイドカットプログレッシブサイドカット
ソールシンタード8000ベース
  • 浮力と操作性を生む3Dコンツアーベース
  • 安定感のあるコントロールキャンバー
  • 扱いやすく反発も得られるフレックス
  • フリースタイルに適したシェイプ
  • 確かなエッジグリップのトラクションテック
  • 高い滑走性能を誇るソール素材

浮力と操作性を生む3Dコンツアーベース

JONESのボードを象徴するテクノロジーの一つが、3Dコンツアーベースです。これは、スプーンの先端のようにノーズとテールのエッジ部分がわずかにまくれ上がった立体的な形状をしています。MOUNTAIN TWIN FAR EAST LIMITEDに採用されているのは「1.0」という最もマイルドなタイプです。

この形状により、ターンを始める際のきっかけ作りが非常にスムーズになります。エッジの引っかかりが劇的に軽減されるため、フラットな地形で意図せずエッジが食い込んでしまうようなミスが減るのは嬉しいポイントですね。

また、パウダーライディングにおいては、このスプーン形状が雪を排出しやすくするため、ボードの先端が浮き上がりやすくなります。後述するキャンバー形状との組み合わせで、パウダーでの高い浮力とゲレンデでの操作性を両立させているのです。

ただし、エッジ全体が雪面に密着する感覚とは少し異なるため、乗り始めは少し独特のフィーリングを感じるかもしれません。

安定感のあるコントロールキャンバー

このモデルには、コントロールキャンバー(ブランドによってはハイブリッドキャンバーとも呼ばれる形状)が採用されています。具体的には、両足の間が伝統的なキャンバー形状になっており、ノーズとテール部分がロッカー形状になっている構造です。

足元のキャンバー部分は、ターン中にしっかりと雪面をグリップし、安定したエッジングを可能にします。オーリーやジャンプの際には力強い反発を生み出す源にもなります。一方で、先端のロッカー形状がパウダーでの浮力を助け、ターンの始動を滑らかにする役割を果たします。

言ってしまえば、キャンバーの持つ反発力やグリップ力と、ロッカーの持つ浮力や操作性の「良いとこ取り」をした形状です。

このバランスの良さが、MOUNTAIN TWINをオールラウンドボードとして優れた存在にしています。あらゆるコンディションで安定したパフォーマンスを発揮できるのは、この絶妙な設計のおかげと考えられます。

扱いやすく反発も得られるフレックス

MOUNTAIN TWIN FAR EAST LIMITEDのフレックスは、10段階中「6」のミディアムフレックスに設定されています。これは、グローバルモデルの「7」よりも一段階柔らかく調整された、日本市場向けの特別仕様です。

この少し柔らかめの設定により、ボードの取り回しがより軽快になります。特に、中低速域での操作性が向上するため、地形遊びやグラトリといった細かいボードコントロールがしやすくなるのが大きなメリットです。

もちろん、ただ柔らかいだけではありません。芯材にはポプラとパウロニアを組み合わせた「コントロールコア」が使われており、軽量でありながらしっかりとした反発力も備えています。

高速域での安定性をある程度確保しつつ、遊びの要素も取り入れやすくなっているため、日本のゲレンデ環境で多様な滑りを楽しみたいライダーにとって、非常に扱いやすいフレックスバランスと言えます。

フリースタイルに適したシェイプ

シェイプはディレクショナルツインが採用されています。これは、ノーズがテールよりもわずかに長い設計でありながら、ビンディングのスタンスはボードの中心に設定されている形状です。

フリーランやパウダーでの進行方向への推進力や浮力を確保しつつ、スイッチスタンス(利き足と逆の足が前になる滑り方)での滑走も全く違和感なく行えるのが特徴です。このため、フリーランの途中でスイッチしたり、パークでスピン系の技に挑戦したりと、フリースタイルな動きに幅広く対応できます。

完全に左右対称のトゥルーツインを好むパークライダーにとっては少し物足りない部分もあるかもしれませんが、ゲレンデ全体を遊び場と考えるオールマウンテンフリースタイルの観点からは、非常にバランスの取れた合理的なシェイプと言えるでしょう。

確かなエッジグリップのトラクションテック

トラクションテックは、サイドカーブに沿って複数の小さな突起(バンプ)を設けたJONES独自のテクノロジーです。これはまるで波刃のナイフのように機能し、アイスバーンや硬く締まった圧雪バーンといったシビアなコンディションで絶大な効果を発揮します。

通常のサイドカーブではエッジが抜けてしまいそうな場面でも、このトラクションテックが氷にガッチリと食いつき、安定したターンをサポートしてくれます。特に、朝一番の硬いグルーミングバーンや、日中に多くの人が滑って荒れてきた斜面で、その安心感を強く感じることができるはずです。

この強力なグリップ力は、カービングの安定性を格段に向上させます。一方で、エッジをずらすような操作をする際には、少し引っかかりを感じる可能性があるという側面もあります。とはいえ、ボードをしっかり踏んでターンができる中級者以上のライダーにとっては、デメリットよりもメリットの方がはるかに大きい機能です。

高い滑走性能を誇るソール素材

ソールには、非常に高品質なシンタード8000ベースが採用されています。シンタードベースは、分子の密度が高く、ワックスを吸収しやすいという特徴があります。

これにより、一度ワックスをかければその効果が長く持続し、様々な雪質で優れた滑走性能を発揮します。春先の湿った雪や、気温が低い日の乾いた雪でもスムーズに滑走できるため、シーズンを通して快適なライディングが可能です。

もちろん、この性能を最大限に引き出すには、定期的なワウシングが欠かせません。メンテナンスを少し怠ると、せっかくの滑走性能が落ちてしまうため、こまめに手入れをすることが大切です。

逆に言えば、しっかりとメンテナンスをすることで、他のボードを圧倒するほどの滑走性を手に入れることができるポテンシャルを秘めています。

滑りのJONES・MOUNTAIN TWIN FAR EAST LIMITEDの評価

  • フリーランでの安定性と操作性
  • カービングのキレとホールド感
  • パウダーでの浮力と走破性
  • グラトリやラントリへの対応力
  • パークライドでのパフォーマンス
  • JONES MOUNTAIN TWIN FAR EAST LIMITED 評価まとめ

ジャンル別評価表

ジャンル評価(5.0満点)コメント
カービングトラクションテックによるグリップが秀逸。高速域でも安定。
フリーランゲレンデのあらゆる状況に対応できる最高の相棒。
パウダー3D形状とロッカーで浮力は十分。パウダー専門機には一歩譲る。
グラトリ(弾き系)反発はしっかりあるため、オーリーやノーリーはやりやすい。
グラトリ(乗り系)フレックスが硬めなため、バター系のトリックにはあまり向かない。
ラントリ安定性が高く、高速域でのトリックも可能。細かい操作性は練習が必要。
キッカー(小~中)安定したアプローチと着地が可能。最適なサイズ。
キッカー(中~大)反発力はあるが、大型キッカーにはもう少し硬さが欲しい場面も。
ジブ不向き。トラクションテックがレールに引っかかるリスクがある。

フリーランでの安定性と操作性

ゲレンデ内を自由に滑り降りるフリーランにおいて、このボードは最高のパフォーマンスを発揮します。コントロールキャンバーがもたらす足元の安定感と、3Dコンツアーベースによるスムーズなターン導入が絶妙に組み合わさっているからです。

朝一番のきれいに圧雪されたバーンでは、気持ちの良いクルージングが楽しめます。スピードに乗ってもボードがバタつく感覚が少なく、安心してターンを刻んでいけます。また、午後になって雪が荒れてきたり、不整地が現れたりしても、ボードが走破してくれるため、コンディションの変化に強いのが大きな魅力です。

地形の壁を当て込んだり、沢地形で遊んだりと、ゲレンデのあらゆる要素を使って遊ぶスタイルにこれ以上ないほどマッチします。まさに「山全体を遊び場にする」というJONESのコンセプトを体現した滑り心地であり、フリーランがメインのライダーにとっては、これ以上ない相棒となるでしょう。

カービングのキレとホールド感

カービング性能に関しても、非常に高い評価ができます。その理由は、前述の通り、トラクションテックによる強力なエッジグリップにあります。

硬く締まったバーンでボードを立てていっても、エッジがしっかりと雪面を捉え続け、遠心力に負けない安定したターンが可能です。ミドルターンからロングターンまで、気持ちよく弧を描くことができます。

サイドカットもターン導入がしやすく、出口ではしっかりと加速していくプログレッシブサイドカットを採用しているため、リズムの良いカービングが楽しめます。

ただし、カービング競技に出るようなハンマーヘッド形状のボードと比較すると、極端に深いターンアングルや、超高速域での安定性では一歩譲ります。あくまでフリースタイルボードの枠組みの中での高いカービング性能と理解するのが適切です。

とはいえ、ゲレンデでキレのあるターンを楽しみたい、というレベルであれば、全く不満を感じることはないと考えられます。

パウダーでの浮力と走破性

パウダーライディングにおいても、MOUNTAIN TWINは期待以上の性能を見せてくれます。ディレクショナルツインの形状、ノーズのロッカー、そして3Dコンツアーベースという3つの要素が組み合わさり、十分な浮力を生み出します。

ツインライクな乗り味でありながら、何もしなくてもノーズが自然と浮き上がってくる感覚は、パウダーに慣れていないライダーにとっても心強い味方です。ツリーランのようなタイトな状況でも、クイックに方向転換できる操作性の高さも備えています。

もちろん、ノーズが極端に太くて長いパウダー専用ボードほどの絶対的な浮力はありません。腰まで埋まるようなディープパウダーでは、少し後ろ足に加重するなどの工夫が必要になる場面もあるでしょう。しかし、ゲレンデ脇に残ったパウダーや、降雪があった日のコース脇を楽しむといった使い方であれば、全く問題なく、むしろその操作性の良さを活かした軽快な滑りが可能です。

グラトリやラントリへの対応力

グラトリやラントリ(ランニングトリック)への対応力については、得意なことと少し練習が必要なことがあります。

このボードの持つしっかりとした反発力は、オーリーやノーリーといった「弾き系」のトリックで高さを出すのに非常に有効です。安定感もあるため、高速で滑りながらトリックを仕掛けるラントリでも、アプローチでバランスを崩しにくいというメリットがあります。

一方で、ボードをしならせて行うプレス系の技やバター系のトリックといった「乗り系」のグラトリには、少し硬さを感じるかもしれません。グローバルモデルよりは柔らかいとはいえ、グラトリ専用機のような柔軟性はないため、ボードを大きくしならせるには相応の脚力と技術が求められます。したがって、高回転スピンや弾き系の技を主体とするスタイルには向いていますが、低速でスタイルを出す乗り系のグラトリをメインに考えている場合は、他の選択肢を検討する方が良いかもしれません。

パークライドでのパフォーマンス

パークでのパフォーマンス、特にキッカー(ジャンプ台)においては、非常に高い適性を示します。中級者までが楽しむ中小サイズのキッカーであれば、これ以上ないほどの相棒となるでしょう。

その理由は、アプローチでの直進安定性の高さにあります。コントロールキャンバーとトラクションテックが、ジャンプ台に向かう途中でエッジがぶれるのを防ぎ、安心して踏み切ることができます。着地の際も、ボードがしっかりと衝撃を吸収し、安定してランディングできるため、次の技へもスムーズに繋げられます。

一方で、ジブ(レールやボックス)への適性は低いと言わざるを得ません。トラクションテックのエッジがレールなどのアイテムに引っかかりやすく、非常に危険だからです。また、ボード自体も硬めなので、アイテムに擦り付けるような動きには不向きです。キッカーや地形遊びは得意ですが、ジブをメインに楽しみたいライダーにはおすすめできません。

JONES・MOUNTAIN TWIN FAR EAST LIMITED 評価まとめ

  • JONESの代表的なオールマウンテン・フリースタイルボード
  • 日本人や極東アジアのライダー向けにフレックスを調整した限定モデル
  • 1本でゲレンデのあらゆるコンディションに対応できる多様性が最大の魅力
  • フリーランをメインに楽しむライダーにとって最高の選択肢
  • 足元のキャンバーと先端のロッカーを組み合わせたハイブリッド形状
  • 3Dコンツアーベースがスムーズなターンとパウダーでの浮力を実現
  • トラクションテックによる強力なエッジグリップでカービング性能も高い
  • 硬いアイスバーンでも安心してターンができる
  • グローバルモデルより一段階ソフトなフレックスで操作性が向上
  • 中低速での扱いやすさと遊びの要素がプラスされている
  • スイッチも容易なディレクショナルツイン形状を採用
  • パウダーでの浮力も十分にありゲレンデ脇のパウダーも楽しめる
  • 反発力が強く弾き系のグラトリやキッカーでのジャンプが得意
  • バター系やプレス系のグラトリにはあまり向かない
  • ジブやレールといったアイテムに入るのは非推奨
  • 中級者から上級者で、特定のジャンルに特化するより山全体を楽しみたい人におすすめ
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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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