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【MOSS SNOWSTICK】EXTRA Seriseの評価|全6モデルを徹底比較

まさやん
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MOSS SNOWSTICKの特別なラインであるEXTRA Seriseについて、その評価が気になっている方も多いのではないでしょうか。唯一無二の存在感を放つこのスノーボードシリーズは、U4 EXやU5 EX、SW58EX、SW62EX、そしてPQ54EXやPQ60EXといった個性豊かなモデルをラインナップしています。

それぞれのモデルが持つ独特の乗り味や、硬めのフレックス設定、そしてブランド独自の3D Convex Technologyがもたらす浮遊感は、多くのスノーボーダーを魅了してやみません。この記事では、MOSS SNOWSTICK EXTRA Seriseに関する詳細な評価をお届けします。シリーズ共通の技術的な特徴から各モデルの個性までを深く掘り下げ、あなたに最適な一本を見つけるための手助けとなる情報を提供します。

この記事を読むことで、以下の点について理解を深めることができます。

  • EXTRA Serise共通の技術的な特徴と設計思想
  • 通常モデルとEXTRA Seriseの具体的な乗り味の違い
  • 全6モデルそれぞれの個性と得意なライディングスタイル
  • 自分の滑りに最適な一本を見つけるための選択基準

【MOSS SNOWSTICK】EXTRA Seriseの技術的な評価

このセクションでは、EXTRA Seriseの滑りを支える核心部分について解説します。

  • 滑走性能を支えるコア材とフレックス
  • EXTRA Serise共通のソール素材
  • 独自の3D Convex Technology
  • 粘りと反発を生むサイドウォール
  • 多様なセッティングが可能なインサートホール
  • 通常モデルとの設計思想の違い

滑走性能を支えるコア材とフレックス

EXTRA Seriseの乗り味を語る上で、コア材とフレックスの関係は欠かすことができません。このシリーズは、通常モデルに比べて硬めのフレックス設定が採用されています。

その理由は、高速域での安定性とカービング時のキレを追求しているためです。硬めのフレックスは、高速滑走中に板がバタつくのを抑え、ライダーの意図をダイレクトに雪面へ伝達します。これにより、圧雪されたグルーミングバーンでのシャープなターンや、荒れた雪面を力強く走破する際の安定感が増すのです。

使用されているコア材には、反発力と粘りを両立させる高品質な木材が選ばれており、ただ硬いだけでなく、ターン後半の伸びや加速感もしっかりと感じられる設計になっています。

向いている滑りと注意点

高速でのカービングや、ダイナミックなライディングを好む中級者から上級者には、このフレックス設定が大きなメリットになります。一方で、低速での細かい操作や、グラトリのようなトリックをメインに楽しみたいライダーにとっては、少し硬く感じられるかもしれません。自分の求める滑りと板の特性が合っているかどうかが、選択の鍵となります。

EXTRA Serise共通のソール素材

滑走性能を左右する重要な要素がソール素材です。EXTRA Seriseでは、全モデルに高品質なシンタード・グラファイトソールが採用されています。

これは、滑走面に微細な孔が無数にあり、そこにワックスを浸透させることができる素材です。この特性により、非常に優れた滑走性能を発揮します。特に、春先の湿った雪や、気温が低い日の乾いた雪など、コンディションが変化しやすい日本の雪山において、その差は歴然と感じられるでしょう。

ただし、この性能を維持するためには、定期的なワックスがけが不可欠です。ソールの性能が高いということは、裏を返せばメンテナンスを怠ると性能が大きく低下してしまうということ。まさに、手入れをした分だけ応えてくれる、相棒のような存在と言えるかもしれませんね。高品質なソールは、EXTRA Seriseがハイスピードライディングをコンセプトにしていることの証左でもあります。

独自の3D Convex Technology

MOSS SNOWSTICKの代名詞とも言えるのが、3D Convex Technologyです。これは、ソールのノーズとテール部分が船底のように立体的な凸形状になっている技術を指します。

この3D形状がもたらす最大のメリットは、圧倒的な浮力とスムーズな操作性です。パウダースノーでは、ノーズが雪の中に潜り込むのを防ぎ、まるでサーフィンをしているかのような浮遊感を生み出します。雪との抵抗が劇的に減少するため、深雪の中でも失速しにくく、自由自在なラインを描くことが可能になります。

また、圧雪バーンにおいても、ターンの導入が非常にスムーズになるという利点があります。エッジが不意に引っかかる感覚が少なく、板を傾けていくだけで自然にターンが始まっていく感覚は、一度味わうと病みつきになるかもしれません。この技術により、雪質を問わず三次元的な動きを楽しめるのが、このブランドの大きな魅力です。

粘りと反発を生むサイドウォール

サイドウォールは、スノーボードの側面を保護し、エッジホールドに影響を与えるパーツです。EXTRA Seriseでは、衝撃吸収性と反発性に優れた素材が使用されています。

これにより、ターン中にエッジが雪面を捉える感覚が向上し、安定したグリップ力を生み出します。特に、硬いアイスバーンや荒れた雪面でターンをする際に、サイドウォールがしなやかに衝撃を吸収し、エッジが抜けてしまうのを防いでくれます。

言ってしまえば、車のサスペンションのような役割を果たしているわけです。ただ硬いだけでなく、ターン中に生まれたエネルギーをしっかりと溜め込み、次のターンへの推進力に変えてくれる「粘り」と「反発」を両立させています。この細やかな作り込みが、上質な乗り心地に繋がっているのです。

多様なセッティングが可能なインサートホール

自分に合ったスタンスで乗ることは、スノーボードのパフォーマンスを最大限に引き出すために非常に大切です。EXTRA Seriseは、インサートホールの数が多く、非常に幅広いスタンスセッティングに対応しています。

これにより、推奨スタンスを基本としながらも、パウダーの日にはセットバックを多めにとったり、カービングを重視する日にはスタンス幅を調整したりと、その日のコンディションや目的に合わせて柔軟な調整が可能です。

特にMOSS SNOWSTICKのような特徴的なシェイプの板では、少しのスタンス変更が乗り味に大きな変化をもたらすことがあります。自分だけのベストなセッティングを見つけ出す楽しみがあるのも、この板の魅力の一つと言えるでしょう。

通常モデルとの設計思想の違い

ここで、通常モデルとEXTRA Seriseの設計思想の違いについて整理しておきましょう。どちらも「雪上でのサーフィン」という共通のコンセプトを持っていますが、そのアプローチが異なります。

通常モデルは、よりサーフライクなフィーリングを重視しています。比較的柔らかめのフレックスで、波の上を滑るようなメロウで流れるようなターンを楽しむことに重きを置いています。

一方、今回解説しているEXTRA Seriseは、そのサーフフィーリングをベースに持ちながら、よりハイスピード域でのパフォーマンスを追求したラインです。前述の通り、硬めのフレックス、反発の強いコア材、そして滑走性の高いソールを採用することで、スピードに乗ったダイナミックなカービングや、大きなラインでのライディングで真価を発揮します。

どちらが良いというわけではなく、あなたがスノーボードに何を求めるかによって選択が変わってきます。ゆったりと地形やパウダーを楽しみたいなら通常モデル、スピードとキレを求めるならEXTRA Seriseが候補になると考えられます。

【MOSS SNOWSTICK】EXTRA Seriseのモデル別評価

ここからは、EXTRA Seriseの全6モデルについて、それぞれの特徴や向いているライディングスタイルを個別に解説します。

モデル名 長さ (mm) 有効エッジ (mm) ウエスト幅 (mm) 推奨スタンス (mm) 主な特徴
U4 EX 1510 1140 258 520 (480-600) 定番U4の強化版。操作性と安定性のバランス。
U5 EX 1570 1180 262 540 (500-620) U4 EXのロング版。高速安定性と浮力が向上。
SW58EX 1580 1105 260 540 (500-620) スワローテール。パウダーでの抜けと操作性。
SW62EX 1620 1145 262 540 (500-620) SWのロング版。大きなターンと高速パウダーラン。
PQ54EX 1540 1115 261 520 (480-600) ピンテール。クイックな動きとツリーラン適性。
PQ60EX 1600 1170 266 540 (500-620) PQのロング版。シリーズ随一の浮力と走破性。
※上記のスペックは変更される可能性があるため、最新の情報は公式サイトをご確認ください。

定番モデルを強化したU4 EX

U4 EXは、MOSS SNOWSTICKの代名詞的存在である「U4」の性能をさらに引き上げたモデルです。取り回しの良いサイズ感と安定性のバランスが絶妙で、シリーズの中でも特にオールラウンドな性能を持っています。

硬めのフレックス設定により、通常モデルのU4が持つ軽快な操作性に加え、圧雪バーンでのカービング性能が格段に向上しています。ターンの導入はスムーズでありながら、ターン後半にはしっかりとエッジが雪面を捉え、力強い加速感を味わうことができます。

向き・不向き

圧雪バーンでのカービングから、ゲレンデ脇のパウダー、そして地形遊びまで、一本で幅広く楽しみたいというライダーに最適なモデルです。そのバランスの良さから、「EXTRA Seriseを初めて試す」という方にもおすすめできます。

逆に言えば、何かに突出した性能を求めるライダーには、少し物足りなく感じる可能性も否定できません。例えば、深雪だけを滑るならPQ60EX、高速ロングターンに特化するならSW62EXの方が、より満足度は高いと考えられます。

U4 EXより浮力を増したU5 EX

U5 EXは、U4 EXの優れたバランスを維持したまま、全長を伸ばして浮力と高速安定性を高めたモデルです。基本的な乗り味はU4 EXと共通していますが、より大きなターンを描くことや、深いパウダーでの滑走を得意とします。

長さとウエスト幅がもたらす安定感は絶大で、スピードに乗った状態でも板がブレにくく、安心してターンに集中できます。特に、広大なオープンバーンをハイスピードでクルージングする際の気持ちよさは格別です。

向き・不向き

U4 EXでは少し物足りなさを感じる大柄なライダーや、よりスピードを重視するライダーに向いています。また、パウダーでの浮力をもう少しだけプラスしたい、というニーズにも応えてくれます。

一方で、小回りを多用するツリーランや、狭いコースでの操作性においては、U4 EXに軍配が上がります。軽快さよりも安定感を求めるならU5 EX、という選択になるでしょう。

スワローテールのSW58EX

SW58EXの最大の特徴は、その名の通りスワローテールにあります。この独特の形状は、特にパウダースノーで大きな効果を発揮します。

テールが二股に分かれていることで、パウダーの中でテールが沈み込みやすくなり、相対的にノーズが浮き上がる効果が生まれます。これにより、ライダーは特別な操作をしなくても自然な体勢で深い雪の中を滑り抜けることができるのです。後足への負担が少なく、長時間のパウダーランでも疲れにくいというメリットがあります。

また、テールの抜けが良いことから、ターン後半の切れ味も鋭く、スプレーを高く上げるようなダイナミックなターンが楽しめます。これもスワローテールならではの醍醐味ですよね。

向き・不向き

パウダーライディングをメインに考えているライダーにとって、SW58EXは非常に魅力的な選択肢です。特に、ターン後半の抜けの良さや、テールを雪に沈めて遊ぶような動きを楽しみたい方には最適です。

ただし、スワローテールはスイッチスタンス(利き足と逆の足を前にして滑る)での滑走には全く向いていません。フリースタイル的な動きや、スイッチでの滑りを少しでも考えている場合は、他のモデルを検討する方が賢明です。

ロングターンが魅力のSW62EX

SW62EXは、SW58EXのコンセプトをそのままに、全長を伸ばしてさらなる高速安定性と浮力を追求したモデルです。シリーズの中でも長めのレングスで、その見た目通り、大きなラインを描く高速ターンを得意とします。

有効エッジも長いため、ハイスピード域でのエッジグリップは非常に強力です。誰もいない朝一番の広大なグルーミングバーンを、大きな弧を描きながら滑り降りていくようなシチュエーションでは、最高のパフォーマンスを発揮します。もちろん、スワローテールによるパウダーでの浮力と操作性も健在です。

向き・不向き

脚力に自信があり、とにかくスピードを求める上級者向けのモデルと言えます。広大なバーンや、北海道のようなビッグマウンテンでのライディングをメインに考えているライダーに最適です。

その長さと硬さから、取り回しは決して楽ではありません。狭いツリーランや、低速での細かい操作は苦手分野です。この板の性能を100%引き出すには、相応のスキルと体力が求められるでしょう。

クイックな動きが得意なPQ54EX

PQ54EXは、ピンテール形状が特徴的なモデルです。この細く絞られたテール形状により、非常にクイックで軽快なターンが可能になります。

テール部分の雪への抵抗が少ないため、少しの加重で板がスッと方向を変えてくれます。この特性は、日本のスキー場に多い、タイトなツリーランで絶大な効果を発揮します。木々の間を縫うように、リズミカルに滑り抜ける楽しさは、PQ54EXならではのものです。

また、見た目以上にパウダーでの浮力も高く、操作性と浮力のバランスに優れた一本です。

向き・不向き

ツリーランをメインに楽しみたいライダーや、軽快でクイックなターンを好む方には最高の相棒となるでしょう。ゲレンデの壁を使って遊んだり、地形に合わせて細かくターンしたりするのも得意です。

一方で、SWシリーズのような超高速域での安定性や、ターン後半の力強い粘りという点では一歩譲ります。安定感よりも、とにかく軽快な操作性を重視するライダー向けのモデルです。

パウダーで真価を発揮するPQ60EX

PQ60EXは、シリーズ随一のウエスト幅と長さを誇り、究極の浮力を追求したモデルです。まさに「パウダーを制する」ために生まれてきたと言っても過言ではありません。

広いノーズとウエスト幅、そしてピンテール形状の組み合わせにより、どんな深雪でもノーズが雪面に浮き上がり、圧倒的な浮遊感をもたらします。他の板では埋まってしまうようなコンディションでも、PQ60EXなら力強く前へ進んでいくことができます。

ハイスピードでのパウダーライディングにおける安定感と走破性は、EXTRA Seriseの中でも群を抜いています。

向き・不向き

「最高のパウダーデイのために、最高の1本を用意したい」と考えるライダーにとって、これ以上の選択肢はないかもしれません。深いパウダーでの浮力とスピードを何よりも優先する方に最適です。

当然ながら、その太さと長さから、圧雪バーンでのカービング性能やクイックな操作性は他のモデルに劣ります。完全にパウダーに特化したモデルであるため、使用するシチュエーションは限られます。これをメインの1本として考えるのではなく、パウダー専用機として所有するのが現実的な選択と言えるでしょう。

総括:MOSS SNOWSTICK EXTRA Seriseの評価

ここまで、MOSS SNOWSTICK EXTRA Seriseの技術的な特徴と、各モデルの個性について詳しく解説してきました。最後に、この記事の要点をまとめます。

  • EXTRA Seriseは通常モデルより硬めのフレックスを持つ
  • 高速安定性とカービングのキレを追求したシリーズである
  • 全モデルに滑走性の高いシンタード・グラファイトソールを採用
  • メンテナンス次第で最高の滑走性能を維持できる
  • 独自の3D Convex Technologyが浮力とスムーズな操作性を実現
  • パウダーから圧雪まで三次元的な動きを楽しめる
  • 粘りと反発を両立したサイドウォールが上質な乗り味を生む
  • 豊富なインサートホールで多様なスタンス設定に対応
  • U4 EXは操作性と安定性のバランスに優れたオールラウンダー
  • U5 EXはU4 EXの安定性と浮力をさらに高めたモデル
  • SW58EXはスワローテールによるパウダーでの抜けの良さが特徴
  • SW62EXは高速域での大きなターンを得意とする上級者向けモデル
  • PQ54EXはクイックな操作性でツリーランに最適
  • PQ60EXはシリーズ随一の浮力を誇るパウダー専用機
  • 自分の滑りのスタイルや主なフィールドに合わせてモデルを選ぶことが大切
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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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