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【BC STREAM】ARKの評価は?柔らかいのにカービングがキレる秘密

まさやん
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BC STREAM「ARK」の乗り心地や反発、そして安定性や操作性といった基本的なスペックはもちろん、カービングやラントリ、グラトリなど、様々なジャンルでどのような滑りを見せてくれるのか、その適性に関心があることと思います。

また、初心者や中級者といった自身のレベルに合っているのか、あるいは型落ちモデルを選ぶという選択肢はどうなのか、メリットだけでなくデメリットも含めた客観的な情報をもとに、購入を検討したいはずです。

この記事では、そんなあなたの疑問に全てお答えします。BC STREAM「ARK」が持つポテンシャルを余すところなく解説し、あなたが最高のボード選びをするためのお手伝いをします。

要点
  • BC STREAM「ARK」の基本的なスペックと乗り味の特徴
  • 初心者から上級者まで、どんなレベルのライダーに向いているか
  • カービングやラントリなど、各ジャンルにおける具体的な評価
  • 型落ちモデルと現行モデルの性能の違いと選び方のポイント

BC STREAM「ARK」のスペックから特徴を評価

BC STREAM「ARK」がどのようなボードなのか、まずは基本的なスペックとその性能がもたらす特徴について詳しく見ていきましょう。ここでは、乗り心地を左右するフレックスから安定性、操作性に至るまで、具体的な数値を交えながら評価していきます。

項目スペック詳細
シェイプディレクショナルツイン
構造VCキャンバー (Variable Camber)
コア材LTA-X CORE
ソールR2118 SINTERED GRAPHITE
フレックスミディアムソフト
推奨スタンスやや広め

どんな乗り心地?ソフトなフレックス

BC STREAM「ARK」の最大の特徴の一つは、そのソフトなフレックス設定にあります。一般的に、カービングやフリーランを得意とするモデルは硬めのフレックスが多い中で、ARKは比較的柔らかめに作られています。

このおかげで、低速域でもボードを簡単にしならせることが可能です。足元の操作に素直に反応してくれるため、ターン導入のきっかけが掴みやすく、少ない力でボードをコントロールする楽しみを感じられます。

実際に乗ってみると、足元がガチガチに固められている感覚はなく、地形の凹凸にも柔軟に対応してくれる印象を受けます。このしなやかさが、一日中滑っても疲れにくいというメリットにも繋がっています。ただし、超高速域でハードなバーンを攻めるような場面では、人によっては少し物足りなさを感じる可能性も考えられます。

高い反発が生み出すオーリーの高さ

ソフトなフレックスと聞くと、反発力が弱いのではないかと心配になるかもしれません。しかし、BC STREAM「ARK」はその心配を払拭する高い反発性能を備えています。

その秘密は、ボードの芯材に使われているウッドコアと、それをサポートするグラスファイバーの絶妙なバランスにあります。ボードをしならせた分だけ、しっかりと反発が返ってくる設計です。これにより、平地でのオーリーや、ゲレンデのちょっとした地形でジャンプする際に、驚くほどの高さを出すことができます。

この高い反発力は、カービングターンにおいても重要な役割を果たします。ターン後半でボードを踏み込んでしならせ、その反発を推進力に変えることで、次のターンへスムーズかつダイナミックに繋げていくことが可能です。

ただ板を曲げるだけでなく、板の反発を活かした滑りを覚えたいライダーにとって、非常に良い練習相手となるでしょう。

高速域でもブレない抜群の安定性

ソフトフレックスのボードは高速域でバタつきやすいという弱点を持つことがありますが、ARKはその点をうまく克服しています。VCキャンバーという独自のキャンバー形状が、安定性の確保に大きく貢献しています。

VCキャンバーは、センター部分は通常のキャンバーですが、スタンス間からノーズ・テールにかけて少しずつロッカー形状に変化していく構造です。これにより、ターン中はキャンバー部分がしっかりと雪面を捉えてグリップ力を発揮し、直進時にはノーズとテールの引っかかりを軽減してくれます。

そのため、ある程度のスピードを出してもボードが暴れる感覚は少なく、安心して滑りに集中できます。もちろん、ハンマーヘッド形状のレース用ボードのような絶対的な安定感とは異なりますが、フリースタイルボードとしては非常に高いレベルの安定性を実現していると言えます。

扱いやすさを左右する操作性の秘密

BC STREAM「ARK」の操作性の高さは、前述したソフトなフレックスとVCキャンバー形状の組み合わせによって生まれています。少ない力でボードの向きを変えたり、エッジを切り替えたりすることが容易です。

特に、ターンの切り替えしが非常にスムーズです。トウサイドからヒールサイドへ、あるいはその逆へと体重を移動させるだけで、ボードが自然と次のターンへと向かってくれます。

この軽快な操作性は、連続したショートターンや、ツリーランのように素早い判断が求められる場面で大きな武器となるでしょう。

言ってしまえば、ライダーの意図に忠実に応えてくれるボードです。これからスノーボードの基本操作をマスターしたいと考えている方から、より繊細なボードコントロールを追求したい方まで、幅広い層の期待に応えるポテンシャルを持っています。

初心者でも乗りこなせるモデルなのか

このボードは初心者でも乗りこなせるのでしょうか。答えは「条件付きで可能」です。

ARKの持つ扱いやすさやソフトなフレックスは、ターンを覚え始めたばかりの初心者にとって大きな助けとなります。逆エッジのリスクが比較的少なく、ボードをコントロールする感覚を掴みやすいからです。

ただし、ARKは決して初心者専用の入門ボードではありません。本来は、ある程度滑れるようになった中級者が、さらに上のレベルを目指すためのモデルです。

そのため、全くの未経験者が最初に選ぶ一本としては、少しオーバースペックになる可能性も否定できません。

もし初心者が選ぶのであれば、スクールなどで基礎をしっかりと学んだ上で、長く使える一本として購入するのが良いでしょう。

中級者が使うメリットとデメリット

中級者にとって、BC STREAM「ARK」は非常に多くのメリットを提供してくれます。

メリット

最大のメリットは、カービングやラントリといった、次のステップに進むための技術を習得しやすい点です。ボードの高い反発力を利用してターンを加速させる感覚や、オーリーで高さを出すコツなどを、このボードを通して学ぶことができます。今までなんとなく滑っていた状態から、板を積極的に操作して滑る楽しさへと導いてくれるはずです。

デメリット

一方、デメリットとしては、何でもこなせる器用さが、逆に言えば特定のジャンルに特化したボードほどの性能はない、という点が挙げられます。例えば、グラトリのコンテストで高回転を狙うのであれば、より専門的なグラトリボードの方が有利かもしれません。また、深いパウダーを滑るには、浮力不足を感じる場面もあるでしょう。自分の滑りのスタイルが明確に決まっている場合は、他の選択肢も検討する価値があります。

BC STREAM「ARK」を得意ジャンル別に評価

BC STREAM「ARK」がオールラウンドな性能を持つことは分かりましたが、具体的にどのようなジャンルでその真価を発揮するのでしょうか。ここでは、カービングやラントリ、グラトリといった代表的なジャンルごとに、その適性を5段階で評価し、詳しく解説していきます。

ジャンル評価 (5.0満点)
カービング
フリーラン
パウダー
グラトリ(弾き系)
グラトリ(乗り系)
ラントリ
キッカー(小~中)
キッカー(中~大)
ジブ

メインはキレのあるカービング性能

BC STREAM「ARK」が最も得意とするジャンルは、間違いなくカービングです。評価が4.5点と非常に高いことからも、その性能の高さがうかがえます。

ソフトなフレックスでありながら、ターン中に踏み込むとエッジが雪面をしっかりと捉え、ブレることなく安定したターン弧を描くことができます。

特に、ミドルターンからショートターンにかけての切り返しの速さは特筆すべきものがあります。VCキャンバー構造がターン中のグリップ力を確保し、ターン後半の抜けの良さにも貢献しています。

これらのことから、これからカービングを本格的に始めたい中級者から、キレのあるターンを追求する上級者まで、幅広いライダーを満足させる性能を持っていると考えられます。

流行りのラントリとの相性は抜群か

ラントリ(ラン&トリック)は、フリーランの中にグラトリやジャンプを織り交ぜるスタイルで、近年非常に人気が高まっています。ARKとラントリの相性は、かなり良いと言えます。

ラントリには、安定した滑走性能と、トリックのきっかけを作りやすい反発力や操作性が求められます。ARKは、まさにこれらの要素を高次元でバランスさせているボードです。高速でのフリーランからスムーズにトリックに入り、着地後も安定して次の滑りへと繋げることができます。

特に、高い反発力を活かしたオーリーや、しなやかなフレックスを使ったプレス系のトリックは非常にやりやすいです。ゲレンデ全体を遊び場として、自由な発想で滑りたいライダーにとって、ARKは最高のパートナーになる可能性を秘めています。

グラトリに求められる性能を解説

グラトリの適性については、弾き系と乗り系で少し評価が分かれます。

弾き系のグラトリ

弾き系のトリック(ノーリーやオーリーなど、板の反発を使う技)については、ARKの高い反発性能が活きるため、比較的やりやすいです。評価も3.5点とまずまずです。高さのあるトリックを目指すライダーにとっては、良い武器になるでしょう。

乗り系のグラトリ

一方、乗り系のトリック(プレスやバターなど、板をしならせて滑る技)については、ディレクショナルツインという形状が少し影響します。完全なツインチップのボードに比べると、スイッチ(逆向き)での滑走やトリックには若干の慣れが必要です。

そのため、評価は3.0点と少し控えめになります。グラトリをメインに考えているのであれば、専用のツインチップボードも視野に入れると良いかもしれません。

キッカーでの使用感と注意点

ゲレンデのパークにあるキッカー(ジャンプ台)での使用感も見ていきましょう。

小〜中サイズのキッカーであれば、ARKは非常に楽しく飛ぶことができます。アプローチ(助走)での安定性が高く、ジャンプの踏み切りで反発を合わせやすいため、安心してトライできます。着地の安定感も十分です。

ただし、中〜大サイズのキッカーになってくると、ソフトなフレックスが少し裏目に出ることがあります。着地で大きな衝撃がかかった際に、ボードが負けてしまう可能性があります。

もちろん飛べないわけではありませんが、大きなキッカーをメインで攻めたい場合は、もう少し硬さのあるパーク向けのボードを選ぶ方が安全です。

パウダーでの浮力は期待できるか

降雪後の非圧雪エリア、いわゆるパウダーでの滑走性能については、評価は3.0点と標準的です。

ARKはディレクショナルツイン形状であり、セットバック(ビンディングの取り付け位置が少し後ろ寄り)も入れられるため、ある程度の浮力は確保できます。軽いパウダーであれば、ノーズを浮かせて気持ちよく滑ることも可能です。

しかし、ウエスト幅が特別広いわけではなく、ノーズ形状もパウダー専用ボードほどロッカーが強くありません。そのため、深雪や重い雪質になると、ノーズが刺さりやすくなる場面が出てきます。

パウダーがメインの目的であれば、より浮力に特化したモデルを選ぶのが賢明です。あくまで、「パウダーも滑れなくはない」という位置づけで考えるのが良いでしょう。

上級者も満足させるポテンシャル

BC STREAM「ARK」は、主に中級者をターゲットにしたモデルですが、そのポテンシャルは上級者をも満足させることができます。

例えば、カービングにおいては、ただエッジに乗るだけでなく、ボード全体をしならせて反発をもらい、ターンを加速させていくという、より高度な滑りを追求できます。また、ラントリにおいても、地形を読んだクリエイティブなライン取りや、高難易度のトリックに挑戦するための土台となる性能を備えています。

上級者が乗ることで、このボードが持つ本来の性能を最大限に引き出すことができるでしょう。乗り手のスキルに応じて、様々な表情を見せてくれる奥深さもARKの魅力の一つです。

総括!BC STREAM「ARK」の総合評価

ここまで解説してきたBC STREAM「ARK」の特徴と各ジャンルでの評価を、最後にまとめます。

  • BC STREAM「ARK」は中級者を中心に幅広い層が楽しめるフリースタイルボード
  • ソフトなフレックスで操作性が非常に高い
  • 操作性が高い反面、高い反発力も兼ね備えている
  • 高速域でも安定感があり安心して滑れる
  • 最も得意なジャンルはキレのあるカービング
  • フリーランの中にトリックを織り交ぜるラントリとの相性も抜群
  • 弾き系のグラトリはやりやすいが、乗り系やスイッチはやや不向き
  • 中小規模のキッカーであれば問題なく楽しめる
  • パウダーでの浮力は標準レベルで過度な期待は禁物
  • 初心者でも扱えるが、本来の性能を引き出すにはある程度の技術が必要
  • 上級者が乗れば、より高度な滑りを追求できるポテンシャルを持つ
  • 大きなモデルチェンジが少ないため、型落ちモデルも狙い目
  • 特定のジャンルに特化するより、ゲレンデ全体を自由に滑りたいライダーに最適
  • カービングの技術を向上させたい中級者にとって最高の選択肢の一つ
  • 一台で様々な滑りをこなしたい欲張りなスノーボーダーにおすすめ
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まさやん
まさやん
フリーランス歴5年の横乗りライダー。ブログ運営・コンサルティングを生業として活動中。冬はスノーボード、夏はスケートボードたまにSUPを楽しんでいます。スノーボードは年間30~50日ほど滑走。ホームは中国地方。冬には数週間単位で長野・北海道に生息。SnowboardHack運営者。
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