【LIBTECH】MC WAYFINDER IIIの得意・不得意を正直に評価!

リブテックから登場しているMC WAYFINDER IIIについて、実際の評価や評判が気になっている方も多いのではないでしょうか。ネット上の口コミやインプレを探しているものの、試乗した人のリアルなレビューが少なく、本当に自分に合った板なのか判断に迷うこともあるかと思います。
特に独特なキャンバー構造がもたらす乗り心地や、パウダーでの浮力といった特徴は、購入前にしっかりと理解しておきたいポイントです。
この板が初心者にも扱えるのか、あるいはある程度のスキルを持った中級者向けのモデルなのか、その適性も知りたいところでしょう。高価な買い物だからこそ、失敗や後悔は避けたいものです。
この記事では、MC WAYFINDER IIIの性能や特性を多角的に分析し、あなたの疑問を解消します。
- ボードの基本的なスペックと搭載されているテクノロジーの詳細
- 他のモデルとは一線を画すデザイン性と最適なサイズ選びの指針
- パウダーやフリーラン、カービングといった得意な滑走スタイル
- グラトリやキッカーなど、あまり得意としないジャンルとその理由
LIBTECH・MC WAYFINDER IIIのスペック評価
項目 | スペック詳細 |
シェイプ | ディレクショナル |
キャンバー形状 | C2 HYBRID |
フレックス | 6/10 (ミディアム) |
コア | Original Power (OP) Core: 75% Aspen / 25% Paulownia |
サイドカット | マグネトラクション (Magne-Traction®) |
ベース | Eco Sublimated TNT Base (高速・高耐久) |
アーティスト | Matt French |
独特なC2形状がもたらす乗り味
MC WAYFINDER IIIの乗り心地を語る上で欠かせないのが、リブテック独自のC2形状です。これは、ボードの中央部分がロッカー形状になっており、両足の下にそれぞれキャンバーが配置されたハイブリッド構造を指します。
この構造の最大の理由は、ロッカーとキャンバーの良い部分を両立させることにあります。まず、センターのロッカー形状がパウダーでの浮力を生み出し、ボードの操作を非常にスムーズにしてくれるんです。
これにより、余計な力を入れなくても板が自然と浮き上がり、サーフィンのような感覚で新雪の上を滑走できます。
一方で、両足下のキャンバー部分は、圧雪されたバーンでしっかりとエッジをグリップさせる役割を果たします。ターン時に足で雪面を踏み込むと、このキャンバーが効いて安定したライディングを可能にします。
浮力と操作性、そしてエッジグリップという、相反する要素を高次元でバランスさせているのが、C2形状の真髄と言えます。
切れ味鋭いマグネトラクションエッジ
リブテックの代名詞とも言えるテクノロジーが、このマグネトラクションエッジです。一見すると普通のエッジに見えるかもしれませんが、よく見ると波のように7つのコブが配置されています。
これがまるでパン切りナイフのように雪面に食い込むことで、驚異的なエッジグリップを生み出します。特にその効果を実感できるのが、アイスバーンや硬く締まった圧雪コンディションです。
普通のエッジではズレてしまうような場面でも、マグネトラクションはしっかりと雪面を捉え続け、安定したターンをサポートします。
ただし、この強力なグリップ力は、乗り手によっては少し引っかかるように感じる場合もあるかもしれません。
とはいえ、ゲレンデコンディションが変わりやすい日本の山において、この安心感は大きなメリットと考えられます。転倒のリスクを減らし、ライディングの集中力を高めてくれる優れた技術です。
ノーズ形状が生み出す圧倒的な浮力
MC WAYFINDER IIIは、その見た目からも分かる通り、パウダーライディングを強く意識したボードです。特徴的なのは、太く、長く、そして緩やかなロッカーを持つノーズ形状でしょう。
このデザインにより、パウダースノーの中でノーズが沈み込むのを防ぎ、常に雪面の上に浮かび上がろうとする力が働きます。
後ろ足に過重をかけ続けなくても自然と浮いてくれるため、ディープパウダーでの疲労が格段に軽減されます。これは、特に長時間のパウダーランで大きな差となって現れます。
さらに、テールに向かってボードの幅が細くなるテーパードシェイプも採用されており、テールが雪の中に沈みやすくなることで、相対的にノーズの浮きを助けています。
これらの設計が組み合わさることで、誰でも簡単に極上の浮遊感を味わうことが可能になるのです。
軽快で自由自在な操作性を実現
このボードはパウダーでの性能が注目されがちですが、ゲレンデ内での軽快な操作性も大きな魅力の一つです。
前述の通り、C2形状のセンターロッカーがボードの回転性を高めているため、短いターンも非常にスムーズに行えます。
特に効果を発揮するのが、沢地形やツリーランのような複雑な地形で滑る場面です。タイトな木々の間をすり抜けるような状況でも、乗り手の意図通りに素早くボードをコントロールできます。
また、ボード全体の重量も比較的軽量に作られているため、長時間のライディングでも足への負担が少ないと感じるはずです。

パウダーから圧雪まで、あらゆるコンディションで自由自在なラインを描ける操作性の高さは、この板の大きな強みです。
しなやかなフレックスと程よい反発力
MC WAYFINDER IIIのフレックス(板の硬さ)は、10段階中6程度のミディアムフレックスに設定されています。これは、硬すぎず柔らかすぎない絶妙なバランスです。
このしなやかなフレックスは、地形の凹凸をスムーズに吸収し、安定した滑りを実現します。
また、ターン時に板をしならせた際には、心地よい反発力が返ってくるため、次のターンへの切り返しがリズミカルに行えます。
ガチガチの硬い板のような高速安定性やカービングのキレ味を追求するモデルではありませんが、逆に言えば、低速から中速域で扱いやすく、乗り手のスキルレベルを問わない寛容さを持っています。
この扱いやすさが、幅広いコンディションでライディングを楽しむための鍵となります。
芸術的なグラフィックのデザイン性
リブテックのボードは、その性能だけでなく、独創的なグラフィックデザインでも多くのスノーボーダーを魅了しています。
MC WAYFINDER IIIも例外ではなく、アーティストのマット・フレンチによるアートワークがデッキ全面に描かれています。
毎年変わるデザインはコレクション性が高く、単なる滑るための道具としてだけでなく、所有する喜びも満たしてくれます。
自然や神話をモチーフにしたような独特の世界観は、ゲレンデで他の人とは違う個性を主張したい方にとって、非常に魅力的に映るでしょう。
性能はもちろん大切ですが、自分が気に入ったデザインの板で滑ることは、スノーボードの楽しさを何倍にも増幅させてくれます。そういった意味でも、このボードのデザイン性は高く評価できるポイントです。
最適なパフォーマンスを引き出すサイズ選び
MC WAYFINDER IIIの性能を最大限に引き出すためには、適切なサイズ選びがカギとなります。このボードはパウダーでの浮力を重視しているため、一般的なフリースタイルボードと同じような感覚で選ぶと、少し違和感があるかもしれません。
基本的な選び方としては、メーカーが提示している推奨体重の範囲内を基準に選ぶのが良いでしょう。
その上で、どのような滑りをしたいかを考慮します。例えば、ツリーランなどでのクイックな操作性を重視するなら、少し短めのサイズが扱いやすいです。
逆に、より大きな浮力と高速での安定感を求めるのであれば、少し長めのサイズを選択するのも一つの方法です。
ただし、あまりに長すぎると取り回しが難しくなるため、自分の身長やスキルとのバランスを考える必要があります。迷った場合は、専門店のスタッフに相談してみるのが最も確実な方法です。
滑走ジャンル別のLIBTECH・MC WAYFINDER IIIの評価
ジャンル | 評価 (5.0満点) |
カービング | |
フリーラン | |
パウダー | |
グラトリ(弾き系) | |
グラトリ(乗り系) | |
ラントリ | |
キッカー(小~中) | |
キッカー(中~大) | |
ジブ |
パウダーでの圧倒的なパフォーマンス
MC WAYFINDER IIIの真価が最も発揮されるのは、間違いなくパウダースノーの上です。評価が満点となっている理由は、これまで述べてきた特徴の全てがパウダーライディングのために機能しているからです。
太いノーズとテーパードシェイプが生み出す圧倒的な浮力、そしてC2形状がもたらすイージーな操作性。
これらの組み合わせにより、まるで雪の上をサーフィンしているかのような、至高の浮遊感を体験できます。特に深い新雪に飛び込んだ時の感覚は、一度味わうと病みつきになりますね。
後ろ足に重心を置き続ける必要がないため、体力的な負担が少なく、一日中パウダーを楽しめるのも大きなメリットです。

パウダーライディングをメインに考えているスノーボーダーにとって、これほど頼りになり、楽しめるボードはそう多くないと考えられます。
ゲレンデを流すフリーランの楽しさ
パウダー専用機というわけではなく、圧雪されたゲレンデでのフリーランも非常に得意なボードです。C2形状とマグネトラクションエッジの恩恵により、どんなコンディションのバーンでも安定した滑りを提供してくれます。
ミディアムフレックスの板はターン時にコントロールしやすく、ただゲレンデをクルージングするだけでも十分に楽しさを感じさせてくれます。
高速で攻めるというよりは、気持ちの良いスピードで流しながら、地形で遊んだり、壁に当て込んだりするような自由な滑りに最適です。
朝一番の綺麗な圧雪バーンから、午後になって荒れてきた不整地まで、コンディションの変化に柔軟に対応できる対応力の高さが、フリーランでの評価が高い理由です。一本の板でゲレンデの隅々まで遊び尽くしたい、そんな方にぴったりのモデルと言えます。
カービングにおけるエッジホールド性能
カービング性能についても、高い評価を与えられます。その最大の立役者は、やはりマグネトラクションエッジです。この波型エッジが硬い雪面にもしっかりと食い込み、ターン中にエッジが抜けてしまう不安を大幅に軽減してくれます。
そのため、朝方の凍ったバーンや、人が多く滑って硬くなった斜面でも、思い切って板を立てていくことが可能です。C2形状によりターンの導入もスムーズで、気持ちの良いカービングターンを描くことができます。
ただし、注意点もあります。このボードはレース用のハンマーヘッドのような、極限までキレを追求したカービングマシンではありません。
あくまでフリーランの中で楽しむカービングが得意であり、超高速域での安定性や、深いターン弧を描くことにおいては専門のボードに一歩譲る部分があることは理解しておくと良いでしょう。
グラトリやトリックの適性について
ここからは、MC WAYFINDER IIIがあまり得意としないジャンルについての解説です。まず、グラトリへの適性は、正直なところ低いと言わざるを得ません。
その理由は、ボードの形状にあります。ノーズが長くテールが短いディレクショナルシェイプであるため、スイッチスタンス(利き足と逆の足で滑ること)での滑走が難しく、トリックのバリエーションが大きく制限されます。
また、板を回転させる際も、長いノーズがやや扱いにくく感じるかもしれません。もちろん、簡単なスピンやプレス系の技が全くできないわけではありません。
しかし、グラトリをメインに楽しみたいのであれば、左右対称のツインチップ形状のボードを選ぶ方が、はるかに上達が早く、楽しめるはずです。この板でグラトリに挑戦するのは、少しミスマッチかもしれません。
キッカーでの使用感と注意点
キッカー(ジャンプ台)に関しても、グラトリと同様の理由で高い適性があるとは言えません。特に中級サイズ以上のキッカーに挑戦するのは、あまり推奨できないのが実情です。
ディレクショナルシェイプは、空中でのバランスが取りにくく、着地時の安定性もツインチップボードに劣ります。ノーズが長いためスイングウェイト(板を回した時の重さ)も重くなり、スピン系のトリックには不向きです。
コース脇にある小さなポコジャンで軽く飛んで遊ぶ程度であれば問題ありませんが、本格的にパークでジャンプを楽しみたいのであれば、専用のボードを用意するのが賢明です。
このボードの長所は、あくまでもフリーライディングとパウダーにあることを念頭に置いておく必要があります。
総括:LIBTECH・MC WAYFINDER IIIの総合評価
- パウダーライディングで最高のパフォーマンスを発揮する
- 太く長いノーズ形状が圧倒的な浮力を生み出す
- C2ハイブリッド形状が操作性とグリップ力を両立
- マグネトラクションエッジが硬い雪面でも安定感をもたらす
- 圧雪バーンでのフリーランも非常に快適で楽しい
- 気持ちの良いカービングターンが可能
- ツリーランなどの複雑な地形での操作性が高い
- ミディアムフレックスで幅広いレベルの乗り手に対応
- アーティストによる独創的なグラフィックデザインが魅力
- グラトリやスイッチスタンスでの滑走には不向き
- 本格的なキッカーでの使用は推奨されない
- パウダーやフリーランをメインに楽しむ方向けのモデル
- 一本で様々なコンディションを滑りたい人に最適
- 初心者から中級者がステップアップするのにも良い選択肢
- 購入時は推奨体重を基準にサイズを選ぶことが大切








