スノボでゴーグルが合わない?鼻が低い人のための選び方とおすすめ

滑走中にゴーグルがずれたり、外した後に鼻が痛んだりした経験はありませんか。多くのスノーボーダーが悩むレンズの曇りも、実はこれらの不快な症状と同じ原因から生じているかもしれません。
その根本原因は、あなたの顔の骨格、特に鼻の低さとゴーグルの「相性」です。海外ブランド製品に多いのですが、鼻周りにできてしまう僅かな隙間が冷気を招き入れ、ゴーグル内の温度差から厄介な曇りを引き起こします。
フィットしないゴーグルはパフォーマンスを著しく制限し、視界不良による怪我のリスクも高めます。ですが、もうゴーGグル選びで悩む必要はありません。
この記事では、フィットの重要性という基本から、鼻が低い人のために開発されたアジアンフィットやローブリッジフィットの詳細、そして具体的なおすすめ製品までを徹底解説します。あなたにぴったりの一枚が、きっとここで見つかります。
- ゴーグルがフィットしない原因とそれに伴う問題点
- 鼻が低い人に合うフレームやスポンジの構造
- アジアンフィットとローブリッジフィットの違いと特徴
- フィット感に優れた具体的なおすすめモデル
スノボゴーグルが鼻が低いでフィットしない原因と対策

ここでは、なぜ鼻が低いとスノーボードゴーグルがフィットしにくいのか、その具体的な原因と、購入前にできる対策について解説します。
- ゴーグルがずれる原因はフレーム形状にある
- フィット感を高めるスポンジの厚みと素材
- 購入前に必ず行いたいゴーグルの試着方法
- 隙間が気になるときの応急処置と隙間テープ
- 見落としがちなヘルメットとの相性チェック
ゴーグルがずれる原因はフレーム形状にある
スノーボードゴーグルが顔にうまくフィットしない最大の理由は、顔の骨格とゴーグルのフレーム形状が合っていないことにあります。特に多くの海外ブランドの製品は、鼻が高く、顔の彫りが深い欧米人の骨格を基準に設計されていることがほとんどです。
そのため、比較的鼻が低く、顔の凹凸が少ないアジア系の骨格の人が着用すると、鼻の付け根部分に不自然な隙間が生まれてしまいます。
この隙間こそが、ゴーグルがずり落ちてきたり、滑走中にガタついたりする主な原因となります。フレームのカーブ、特に鼻周りの切れ込み部分の角度や幅が顔に合っていないと、ゴーグルは安定しません。
フィットするゴーグルを選ぶことは、単に快適なだけでなく、安全にも直結します。隙間なくフィットしていれば、転倒時にゴーグルが外れて顔を怪我するリスクを低減できますし、常にクリアな視界が保たれるため、雪面の状況を正確に把握できるのです。逆に、フィットしないゴーグルはパフォーマンスを著しく低下させる要因となり得ます。
フィット感を高めるスポンジの厚みと素材
フレーム形状とともに、顔とゴーグルとのフィット感を左右するのが、フレームの内側に取り付けられたスポンジです。
このスポンジは、顔の凹凸に合わせて変形し、隙間を埋めてくれるクッションの役割を果たします。つまり、スポンジの厚みや素材が、フィット感の最終的な調整役を担っているのです。
鼻が低い人向けのモデル、例えば後述するアジアンフィットやローブリッジフィットと呼ばれる製品では、鼻の当たる部分のスポンジが他の部分よりも厚く設計されています。この工夫によって、最も隙間ができやすい鼻周りをしっかりと塞ぎ、ゴーグル全体が顔に均等に密着するようになります。
また、スポンジの素材も快適性を高める上で大切です。多くの高性能ゴーグルでは、密度の異なる3層構造のフェイスフォームが採用されています。肌に直接触れる層には、汗を素早く吸収して乾きやすいマイクロフリース素材を使い、中間層でフィット感を高め、最も外側の層で衝撃を吸収するといった役割分担がなされています。
ただし、スポンジは消耗品であることも覚えておく必要があります。長年使用してスポンジがへたってしまうと、新品の時のようなフィット感は得られなくなります。
購入前に必ず行いたいゴーグルの試着方法
自分にぴったりのゴーグルを見つける上で、購入前の試着は絶対に欠かせないプロセスです。カタログのスペックやデザインだけで選んでしまうと、いざゲレンデで使ってみて後悔することになりかねません。ここでは、試着の際に確認すべきポイントを解説します。
鼻周りの隙間チェック
まず、ゴーグルを顔に当て、ストラップは締めずに軽く手で押さえてみてください。この状態で、鼻の両脇や付け根に指が入るような隙間ができていないかを確認します。鏡を見ながら、顔を上下左右に動かしてみても隙間ができないかが一つの目安です。
頬骨への圧迫感
次に、ストラップを頭にかけて長さを調整します。締め付けすぎず、適度なフィット感で固定したときに、頬骨やこめかみ、眉の上などに強い圧迫感がないかを確認します。一部分だけが強く当たって痛い場合、そのゴーグルはあなたの骨格に合っていないと考えられます。
ヘルメットとの干渉
普段スノーボードをする際にヘルメットを着用する方は、必ずヘルメットを持参して一緒に試着してください。ヘルメットの形状によっては、ゴーグルの上部と干渉してしまい、ゴーグルが下に押し下げられて鼻を圧迫することがあります。理想は、ヘルメットの縁とゴーグルの上部がぴったりと沿う状態です。
隙間が気になるときの応急処置と隙間テープ
すでに購入してしまったゴーグルに隙間ができて困っている場合、応急処置として市販の隙間テープ(スポンジテープ)で調整する方法があります。これは、ホームセンターなどで手に入る緩衝材用のスポンジテープを、ゴーグルの鼻が当たる部分のスポンジに貼り足して厚みを出すというものです。
確かにこの方法は、一時的にフィット感を改善させる可能性があります。しかし、これはあくまで根本的な解決策ではないことを理解しておくべきです。
デメリットとして、まず見た目が良くありません。また、貼り付けたテープが汗や湿気で剥がれてしまったり、肌への刺激となったりすることも考えられます。さらに、本来ゴーグルに備わっている空気の通り道(ベンチレーション)を塞いでしまうと、かえってレンズの曇りを悪化させることにもなりかねないのです。
言ってしまえば、隙間テープでの調整は「間に合わせ」の手段です。長期的に快適なスノーボードライフを送るためには、やはり最初から自分の顔に合ったモデルを選ぶことが最善の策と言えます。
見落としがちなヘルメットとの相性チェック
前述の通り、ゴーグルとヘルメットの相性は非常に大切です。多くのスノーボーダーが安全のためにヘルメットを着用するようになった現在、この2つのアイテムは一体で考えるべきものとなっています。
相性が悪い組み合わせの典型的な例は2つあります。一つは、ヘルメットの額部分とゴーグルの上部の間に大きな隙間ができてしまうパターンです。この隙間は「ゴーグルギャップ」と呼ばれ、見た目が良くないだけでなく、額が冷気に直接さらされて非常に寒く感じます。
もう一つは、ヘルメ-ットの縁がゴーグルを下に押し下げてしまうパターンです。これにより、ゴーグルが鼻を強く圧迫し、痛みや息苦しさを引き起こします。これでは快適なライディングは望めません。
こうした失敗を避けるためには、ゴーグルとヘルメットを同じブランドで揃えるのも一つの有効な方法です。多くのブランドは、自社のヘルメットとゴーグルがシームレスにフィットするように設計・開発しているため、相性の問題が起こりにくくなります。
もちろん、ブランドが違ってもフィットする組み合わせはたくさんあるので、最終的には試着して確認することが鍵となります。
鼻が低い人向けスノボゴーグルのおすすめモデル

ここからは、鼻が低くてもフィットしやすい具体的なゴーグルモデルを紹介します。アジアンフィットやローブリッジフィットといったモデルを中心に、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
ブランド | モデル名 | フィットの種類 | 特徴 |
OAKLEY | Flight Deck L | ローブリッジフィット | フレームレスデザインで圧倒的な視界の広さを実現 |
SMITH | I/O MAG XL | アジアンフィット | マグネットによる簡単なレンズ交換と高性能レンズ |
ANON | M4 トーリック | ローブリッジフィット | マグネット式フェイスマスク対応、レンズ2枚付属 |
SMITH | I/O S MAG | アジアンフィット | I/O MAGのコンパクト版で小顔や女性向け |
OAKLEY | Line Miner Youth | ローブリッジフィット | 大人用モデルのデザインを継承した高性能キッズモデル |
DICE | BANK | ジャパンフィット | 日本ブランドならではのフィット感と曇り止めシステム |
OAKLEY・Flight Deck ローブリッジフィット
OAKLEY(オークリー)は、スポーツサングラスやゴーグルの世界で絶大な人気を誇るトップブランドです。その中でもFlight Deckは、戦闘機のパイロットのヘルメットバイザーから着想を得た、フレームレスデザインが特徴的なモデルです。
このモデルの最大のメリットは、リム(縁)のない構造が生み出す圧倒的な視界の広さにあります。上下左右、あらゆる方向の視界が確保されるため、周囲の状況を瞬時に把握できます。
ここで紹介するローブリッジフィット(旧アジアンフィット)は、鼻の当たる部分のスポンジフォームの厚みを増すことで、鼻が低い人でも隙間なくフィットするように設計されています。これにより、フレームレスデザインの恩恵を誰でも最大限に享受できるようになりました。
一方で注意点としては、高性能な分、価格帯が比較的高めであることが挙げられます。また、レンズ交換は他のモデルに比べて少し手間がかかるため、天候に合わせて頻繁にレンズを交換したい方には、同ブランドの他のモデルが適している場合もあります。
SMITH・I/O MAG XL アジアンフィット
SMITH(スミス)は、世界で初めてレンズが2枚構造のサーマルレンズを開発し、ゴーグルの曇りの問題を劇的に改善させた革新的なブランドです。I/O MAGシリーズは、その名の通りマグネットを使った独自のレンズ交換システムを搭載しており、誰でも素早く簡単にレンズを交換できるのが最大の特徴です。
天候が変わりやすい山のコンディションにおいて、状況に合わせて最適なレンズにストレスなく交換できるメリットは計り知れません。また、SMITHが誇るクロマポップレンズは、色のコントラストを強調し、雪面の凹凸を非常にはっきりと見せてくれるため、安全で快適なライディングをサポートします。
紹介するXLはラージサイズですが、アジアンフィットモデルとして設計されているため、顔幅が広く、鼻が低いといった日本人によくある骨格にもしっかりとフィットします。フィット感と最先端のレンズテクノロジーを両立させたい方には、最適な選択肢の一つです。
ANON・M4 トーリック ローブリッジフィット
ANON(アノン)は、世界最大の人気スノーボードブランド、BURTON(バートン)が展開するゴーグル・ヘルメットブランドです。ANONのゴーグルの大きな特徴は、MFI(マグネット式フェイスマスクインテグレーション)という独自のシステムにあります。
これは、専用のフェイスマスクをゴーグル下部のマグネットにワンタッチで装着できる機能で、顔とゴーグルの隙間を完全に無くし、吹雪の中でも暖かく快適に過ごせます。
M4はANONのフラッグシップモデルであり、人の目のカーブに近いトーリックレンズを採用することで、歪みが少なく、非常に自然でクリアな視界を提供します。
このモデルもローブリッジフィットが用意されており、厚めのノーズ部分のフォームが優れたフィット感を生み出します。
さらに、トーリックレンズに加えて平面のシリンドリカルレンズもスペアとして付属することが多く、一つのゴーグルで二種類の見え方とスタイルを楽しめるのも魅力です。高機能な分、価格は高価ですが、それに見合う価値のあるモデルと言えます。
SMITH・I/O S MAG
ここで紹介するSMITH I/O S MAGは、厳密には「レディースモデル」と限定されているわけではありませんが、前述のI/O MAGをコンパクトにしたモデルであり、顔の小さい方や女性から絶大な支持を得ています。
基本的な機能やテクノロジーはI/O MAGを踏襲しており、マグネットによる簡単なレンズ交換システムや、高性能なクロマポップレンズといったメリットはそのまま享受できます。ラージサイズのゴーグルでは顔とのバランスが悪かったり、ヘルメットとの相性が良くなかったりした方にとって、このコンパクトなサイズ感は大きな魅力となります。
アジアンフィットを採用しているため、小顔でありながら鼻が低いといった特徴を持つ方にも、優れたフィット感を提供します。
注意点としては、フレームサイズが小さい分、ラージサイズのモデルと比較すると、絶対的な視界の広さでは一歩譲る面があることです。しかし、一般的なライディングで不自由を感じることはなく、むしろ軽量で顔への負担が少ないというメリットの方が大きく感じられるでしょう。
OAKLEY・Line Miner Youth
子供の目や顔は非常にデリケートであり、成長途中にあるため、大人用のゴーグルを無理に使うのではなく、専用のキッズモデルを選ぶことが大切です。OAKLEYのLine Miner Youthは、大人用の人気モデルであるLine Minerのデザインと性能を、子供の骨格に合わせて最適化した高性能なキッズゴーグルです。
平面的なシリンドリカルレンズを採用し、顔の近くにレンズを配置することで、下方や周辺の広い視界を確保しています。もちろん、このモデルもローブリッジフィットを採用しており、まだ鼻筋がしっかりしていない子供の顔にも隙間なくフィットするように設計されています。
大人用のモデルと遜色ない高い光学性能と保護性能を持ちながら、ヘルメットとの互換性も高く設計されているため、アクティブに滑るお子様にも安心して使用させることができます。成長に合わせて買い替えが必要になる可能性はありますが、子供の安全と快適性を考えれば、投資する価値は十分にあります。
日本製DICE「BANK」のフィット感
DICE(ダイス)は、日本の環境と日本人の骨格を徹底的に研究して製品開発を行う、信頼性の高い日本のブランドです。海外ブランドのように「アジアンフィット」や「ローブリッジフィット」といった名称をあえて使わないのは、そもそも全ての製品が日本人向けの「ジャパンフィット」として設計されているからです。
その中でもBANKシリーズは、DICE独自の画期的な換気システム「A-BLOW SYSTEM」を搭載していることで知られています。
これは、フレームサイドのレバーを操作するだけで、レンズがフレームからポップアップし、ゴーグル内部の湿気を一瞬で換気できる機能です。レンズが曇ってしまった際に、ゴーグルを外すことなく瞬時に視界をクリアにできるメリットは絶大です。
もちろん、フィット感に関しても、長年の日本人頭部データの蓄積に基づいて設計されているため、鼻が低い人でも自然にフィットしやすいのが特徴です。高性能な偏光レンズや、紫外線量でレンズの明るさが変わるフォトクロミック(調光)レンズの技術にも定評があり、機能性を重視する方におすすめのブランドです。
まとめ:鼻が低い悩みはスノボゴーグル選びで解決
この記事では、鼻が低いことでスノーボードゴーグルがフィットしない原因から、その解決策、そして具体的なおすすめモデルまでを詳しく解説してきました。最後に、今回の重要なポイントをまとめます。
- 鼻が低いとゴーグルと顔の間に隙間ができやすい
- 隙間は冷気や雪の侵入、レンズの曇りの原因になる
- フィットしない第一の原因は海外仕様のフレームカーブ
- 鼻周りのスポンジが厚いモデルがフィット感の鍵
- 購入前の試着はフィット感を確認するために不可欠
- 試着時はヘルメットも一緒に着用するのが理想
- 隙間テープでの調整は一時的な応急処置と心得る
- アジアンフィットは日本人向けの基本となる選択肢
- ローブリッジフィットはさらにフィット感を高めたモデル
- フィットするゴーグルは快適性だけでなく安全性も向上させる
- オークリーのローブリッジフィットは圧倒的な視界の広さが魅力
- スミスのアジアンフィットはレンズ性能と交換の容易さが特徴
- ANONはフェイスマスクとの連携機能で高い快適性を実現
- 小顔の人はレディースやコンパクトサイズのモデルも視野に入れる
- 子供には成長に合わせた専用のキッズモデルを選ぶことが大切
- DICEなどの日本製ブランドは元々日本人に合いやすい設計






