スキー・スノボーワックスの種類は?頻度や塗り方の手順!おすすめアイロン・スタンド台も!

スキー・スノーボードを購入すると定期的にメンテナンスが必要です。特にスキー・スノーボードのソール(滑走面)にはワックスを頻繁に塗る必要があります。
スノボー・スキーを始めたばかりの方は分からないことが多いと思います。「板のメンテナンスはどうやったらいいの?」という疑問が出てきますよね?
ソール面のメンテナンス方法は「ワックスをかける」という一言で終わってしまいますが、ワックスにも様々な種類があります。ワックスのやり方や用具も必要です。
そのため、この記事ではスキー・スノーボードのワックスの塗り方、ワックスの種類や必要な用具など、ワックスかけについて必要な知識を詰め込みました!あなたのボードのメンテナンスに役立ては幸いです。
スキー・スノボーのワックスの頻度や重要性

スノーボードのワックスメンテナンスは、最高の滑走体験を得るために非常に重要です。その中でも、ワックスをどれだけの頻度で塗布するかは、多くのスノーボーダーが気にする点です。ワックスをかける理由と共に解説していきます。
ワックスをかける理由と効果
スノーボードのワックス塗りはとても重要です。しかし、初心者やたまにしかスノーボードをしない方々にとって、ワックスを塗る理由は明確ではないかもしれません。
実際、ワックスを塗ることでボードの滑りが良くなるだけでなく、板の寿命も延ばすことができます。
例えば、ワックスが十分でない状態で滑走すると、板の底面が乾燥し、ダメージを受けやすくなります。
また、ワックスを定期的に塗ることで、滑走中の摩擦熱を適切に分散させ、板の寿命を延ばすことができるのです。
基本的なワックスの塗布頻度
- 頻繁にスノーボードを利用する場合:週に1回程度のワックス塗布が推奨されます。
- 普通にスノーボードを楽しむ場合:3〜5日の使用後に1回ワックスを塗布するのが良いでしょう。
- たまにスノーボードを利用する場合:使用する都度、ワックスを塗布することを考慮してください。
ただし、これらの目安は一般的なものであり、ボードの使用状況や雪の質、さらには乗り手の好みによっても変わることがあります。
外的要因によるワックスの塗布頻度の変化
- 雪の質:粉雪の日は摩擦が少なく、ワックスの消耗は比較的少ないです。しかし、春先の湿った雪やアイスバーンの場合は、ワックスの消耗が早まることが一般的です。
- 気温:気温が変わると雪の質も変わります。そのため、気温の変動が激しい場合は、ワックスの種類を変える必要があります。
ワックス塗布のタイミングを見極めるコツ
ワックスの塗布時期を見極めるためには、ボードのボトムを観察することが大切です。白い乾燥した部分や摩擦による傷が目立つ場合、ワックスが不足している可能性が高いです。また、滑走時の摩擦や違和感を感じた場合も、ワックスの塗布を検討する良いタイミングです。

ワックスの塗布頻度は、スノーボードの状態や使用条件、さらには個人の乗り方や好みに応じて調整することが必要です。適切なメンテナンスを心がけ、最高の滑走体験を追求しましょう!
スキー・スノボーのワックスの種類

まずは、ワックスの種類について知識を深めることで、適切なワックスを選ぶことができます。ちなみにスノーボードにワックスをかける作業をワキシングと言います。
ワックスには主に固形ワックスと簡易ワックスに分けることができます。固形ワックスはアイロンで溶かして使うことからホットワックスとも呼ばれています。
固形ワックスをワキシングする方が簡易ワックスよりも圧倒的に持ちが良いです。それぞれのワックスをより詳しく解説していきます。
固形ワックス(ホットワックス)
固形ワックス(ホットワックス)は3種類あります。それは「クリーニングワックス」「ベースワックス」「滑走ワックス」です。
クリーニングワックス
クリーニングワックスは、スノーボードのソールに付着した汚れを除去するワックスです。ソール面には油分・鉄粉など様々な汚れが付着していますが、この汚れが原因でスノーボードが滑らなくなります。
クリーニングワックスを塗ってソールに染み込んだ汚れを浮き出しスクレーパーをかけることで綺麗にしていきます。
リムーバー(剥離剤)で取ることができない頑固な汚れも除去することができます。面倒かもしれませんが、クリーニングワックスを施工すると仕上がりが変わってきます。
ベースワックス
ベースワックスは滑走面の下地を作るためのワックスです。クリーニングワックスに引き続いて汚れを除去しながら、ソール面の滑走ワックスの持続性を高めていくことができます。
専門的なことになりますが、ソール面には無数の小さな穴が空いています。ベースワックスはその穴にパラフィン分子を浸透されせることでよく滑り、ワックスが馴染みやすいベースを仕上げることができます。
また、ベースワックスでは雪面温度によって使うワックスが変わってきます。温度が高くてジャバジャバな雪や温度が低くてサラサラの雪とでは雪質が違うので使うワックスを変えることでより快適な滑走ができます。
ただ、雪質に合わせなかったとしても問題なく滑ることができます。個人的には最も温度が高いワックスをよく使用しています。
よく出会うゲレンデのコンディションが異なるため、よく滑る行き先で考えてみると良いですね。・・・個人的には最も高い温度(PINKなど)で十分だと思っています。
滑走ワックス
滑走ワックスは撥水性を高めることができます。フッ素が含有されているため、より板が走りやすくなります。価格が高いものほど、フッ素が多く含まれています。滑走ワックスも滑る場所によって適するワックスが変わります。
一般的にベチャ雪には柔らかいワックス、サラサラな雪には硬いワックスを塗ります。製品には適正温度が記載されています。ベースをしっかいと施したソールに滑走ワックスを行うことでより効果が出ます。
注意点としてワキシングペーパーを使うと折角のフッ素が落ちてしまうため、スクレーパーで余分なワックスを落とす程度で問題なく施工ができます。
簡易ワックス(生塗ワックス)
簡易ワックスとは固形ワックスと比較するととてもカンタンに施工することができます。基本的には3種類でスプレータイプ・リキッドタイプ・ペーストタイプがあります。
スプレータイプ
スプレータイプはソールに吹きかけるだけでOKです。そのあと付属のコルクを使って擦り込むことで施工が完了します。ゲレンデでも販売されています。
休憩する都度塗ると効果が持続します。ただ、スプレータイプは粗悪なものもあるため、有名な信頼おけるメーカーの物がおすすめです。
リキッドタイプ
リキッドタイプのワックスもスプレータイプと同様に液体を垂らしてコルクで塗り込んでいく必要があります。
スプレータイプよりも持続性がある製品も多いですが、やはり1日に何度か使用しないと滑りが悪くなります。
ペーストタイプ
ペーストタイプは、スポンジでペースト状のワックスを伸ばして、さらにコルクで塗り込んでいきます。
スプレー・リキッド同様にそれほど持続時間はありませんが、3種類の中では最も持続時間があります。持ち運びもかさばらないため、携帯用ワックスとしてはペーストタイプがおすすめです。
おすすめワックスとワックスがけの必需品

基本的にはワックスセットがお得なので、必要なモノを紹介したあとに、おすすめを紹介しておきます。
アイロン
ワックスがけのアイロンですが、いくつかメーカーがあります。どのメーカーを選んでも大差ありません。ガリウム、マツモトワックスが人気アイロンです。
固形ワックス
固形ワックスは紹介しているので、具体的な商品は割愛しておきます。GALLIUMがおすすめですが、これといってこだわりがない方はどこのメーカーも選択しても問題ありません。
雪面温度の表記だけは確認しておくことをおすすめします。個人的に使っているのはGALLIUM EXTRA BASEです。ワックス色はピンクとバイオレットがあれば問題なく対応できます。
厳寒地のゲレンデであればブルーがあればなお良いです。こだわる方は購入されると良いというレベルです。
ワキシングペーパー
固形ワックスを溶かしたあとにソールに均等に広げるために必要です。その他にも、ソールの汚れを除去するためにも重要な役割を果たします。
スクレーパー
ソール面で固まった表面の大まかなワックスを剥がすために使用します。さまざまな素材のものがありますが、基本的にはプラスチック素材のものを使用するのが一般的です。
ボアブラシ・馬毛ブラシ
ブラシはソールをブラッシングしていくために使用します。どうしてもスクレーパーでは剥がすことができない余分なワックスを掻き出すために使用します。
ナイロンブラシでブラッシングするだけでも大丈夫ですが、よりこだわる場合はナイロンブラシ後に馬毛ブラシで仕上げることでより良いソール面を育てることができます。
他にも汚れが酷い時に使用する真鍮ブラシ、ファイバーブラシがありますが、使い方を間違えるとソール面に傷を付けることがあります。
ボアブラシ・馬毛ブラシで十分ですから、傷つけるリスクは取りたくないため僕は使っていません。
ワックスセットが超お得です!
結局は単体で買うよりもセットになっているワックスセットを買う方が断然コスパが良いです。いくつかワックスセットを商品を紹介しておきます。
ワックススタンド
ワックススタンドがあるとかなり便利です。座り込んでワキシングしていると腰が痛くなりますからね。
もちろん、必ずしも必要ではありませんので。ワックススタンドの代用として、ノーズとテールに2Lペットボトル飲料の段ボール台として代用していたこともありますw
あとは、背もたれがある椅子をノーズとテールをかけて橋みたいにしてワキシングしたこともあります。とりあえず、テールとノーズを置くことができれば良いです。
ワックス台の代用方法
もし、専用のワックススタンドを持っていない場合でも、代用方法として家にあるものでボードを固定することが可能です。
例えば、椅子やテーブルの上にボードを置き、滑り止めのマットやタオルを敷くことで、一時的なワックス台として使用することができます。
自作のコツ
ワックス台を自作する場合、まず安定性を確保することが重要です。簡単な方法として、古いスノーボードや板を使用し、その上にボードを固定する方法があります。
このとき、滑り止めのマットやゴムバンドを使用して、ボードが動かないようにすることがポイントです。
ブルーシート
ブルーシートですが、屋内でやる場合はかならず必要となるでしょう。ベランダなどでする場合も周囲にまき散らさないようにするために使用することをおすすめします。
スキー・スノボワックスのかけ方の手順
こちらプロスのボーダーの内山ミエさんがワックスかけしています。・・・かわいいスノーボーダーとしても有名?ですね、個人的に好きです!、、、それは良いとして(笑)ワキシングの手順としてはとてもカンタンです。
①クリーニングワックスを塗って剥がす
クリーニングワックスはソール面の汚れを除去するために行います。アイロンでクリーニングワックスを溶かして全体に塗ります。120度くらいで良いです。
そしてワキシングペーパーで余分なワックスを取り除きます。あとは、ワックスが固まったところスクレーパー削ぎ落として、ブラシで残ったワックスを掻き出します。
この工程を何度が行うことで汚れが徐々に落ちていきます。完全に汚れを取り切ることは難しいこともあります。その場合は2・3回塗って剥がしてを行ってベースワックスを施工していきましょう。
クリーニングワックスを全体に塗る(ワキシングペーパーでむらなく)⇒スクレーパーで削ぎ落とす⇒ブラシ(ナイロン→馬毛)で掻き出す
*汚れが酷い場合はクリーニングワックスの前にリムーバーを使うことがありますが、最終手段の奥の手です。基本的にはシーズン終了したあとメンテナンスとして根こそぎワックスを落とすときに使用します。
②ベースワックスを塗って剥がす(ベース作り)
ベースワックスはソール面の滑走能力を高めていくことができます。このベースワックスを施工することをベース作りとも言います。
また、ベースワックスには適正雪面温度が記載されていますが、個人的には最も柔らかい(温度か高い)ワックスを使用することが多いです。
ベチャ雪なことが多い地域は温度が高いもの(ガリウムだとピンク)。乾燥した雪が多い地域は温度が低いもの(ガリウムだとバイオレットもしくはブルー)を選びましょう。ソール面にもよりますが2・3回行えば十分です。
あとはクリーニングワックスと同様に固まったところでスクレーパーで削ぎ落として、ブラシで掻き出していきます。
また、頻度としては滑りに行くたびに行うことが理想ですが、2,3回滑って施工する程度でも十分に滑走することができます。ただし、シーズン初め、シーズン終わりの黄砂があるような汚い雪面の場合は行くたびにワックスすることをおすすめします。
新しい板ならベース作りとして10回以上行うと、相当良いベースを作ることができます。僕は、そこまでしたことがないです(笑)
ベースワックスを全体に塗る(ワキシングペーパーでむらなく)⇒スクレーパーで削ぎ落とす⇒ブラシ(ナイロン→馬毛)で掻き出す
「①クリーニングワックスを塗って剥がす」は省略して「②ベースワックスを塗って剥がす」から行っても問題ありません。ソール面の汚れが気になる方は①から行うとより綺麗に仕上がります。
一般的なワックスアイロンの温度設定
多くのワックス製品には、推奨されるアイロンの温度が記載されています。これを基本的な目安として、次のようにアイロンの温度を調整するとよいでしょう。
- ソフトワックス(低温用):約110°C – 130°C
- ミディアムワックス:約130°C – 140°C
- ハードワックス(高温用):約140°C – 150°C
ただ、具体的な温度は使用するワックスの種類やブランドによって異なるため、ワックスのパッケージに記載されている指示に従うことが最も確実です。
アイロン温度の調整のコツ
- 温度の変更はゆっくり:アイロンの温度を変更する場合、急激に変えるのではなく、徐々に調整することがおすすめです。
- ワックスの様子を確認:ワックスが均等に溶けているか、焦げていないかを確認しながらアイロンを使うことで、適切な温度を見極めることができます。
スノーボードワックスのアイロン温度は、滑走性やボードの状態を最適に保つために重要な要素です。適切な温度設定を心がけ、ボードのメンテナンスをしっかりと行いましょう。
③滑走ワックス
ベースワックスをきれいに剥がしたあとは、滑走ワックスを入れていきます。こちらは1度ワクシングを行えば問題ありません。また、注意点としてはワキシングペーパーは使用しないでください。
滑走ワックスに含有されるフッ素が拭き取られてしまうため意味がなくなります。スクレーパーで剥がして余分なワックスをブラシで掻き出すという工程で施工は完了です。
ただ、正直にいうと競技レベルでない限りは滑走ワックスは必要ありません。ベースワックスだけでも十分に滑ることができます。
一般の方が滑走ワックスするまでも手間をかける必要はないと個人的には考えています。違いが分からないと思いますので、、、僕もあまり分かりません(笑)
スキー・スノボのワックス掛けをお店で依頼するいくら?
これまでワキシングに必要な用具や手順をお伝えしましたが、正直とても大変だと思いませんか?それであれば、都度ワックスをお店に依頼することも可能でしょう。
購入したショップやスノーボード専門店で依頼することができます。そのお店でスノーボードを購入しているとサービスとして無料で施工してくれるところもあります。
大まかなワックス施工相場ですが1回1,000~1,500円ほどです。そのため、何度もワックス施工していると自分でやった方がお得だったりします。いちいち持っていくのも手間ですからね。
まとめ:スキー・スノボのワックス塗りの頻度やおすすめワックス
この記事で挙げた重要なポイントを挙げておきます。
- ワックスが十分でない状態で滑走すると、板の底面が乾燥しダメージを受けやすくなる
- 定期的にワックスを塗ることで、滑走中の摩擦熱を適切に分散させ、板の寿命を延ばすことができる
- ワックスの塗布頻度は一般的なものであり、ボードの使用状況や雪の質、乗り手の好みによって変わることがある
- ワックスの塗布時期を見極めるためには、ボードのボトムを観察することが大切
- 頻繁にスノーボードを利用する場合:週に1回程度のワックス塗布が推奨される
- 普通にスノーボードを楽しむ場合:3〜5日の使用後に1回ワックスを塗布するのが良い
- たまにスノーボードを利用する場合:使用する都度、ワックスを塗布することを考慮してください
- 粉雪の日は摩擦が少なく、ワックスの消耗は比較的少ない
- 春先の湿った雪やアイスバーンの場合は、ワックスの消耗が早まることが一般的である
- 気温が変わると雪の質も変わり、気温の変動が激しい場合は、ワックスの種類を変える必要がある
この記事では初心者が必要とするスノーボードのメンテナンス用具、作業をまとめてみました。基本的にはホットワックスでしっかりとメンテナンスしていきましょう。
そうすることで良くすべるソールを保つことができるようになります。面倒でもやっていきましょうね!それでは、今シーズンも楽しいスノーボードライフが遅れることを祈っています!